UGMKM

Unraveling Genius: Music, Knowledge, Madness

Cleopatra Jones - Wu-Tang Clan & Mathematics 【和訳・解説】

Artist: Wu-Tang Clan & Mathematics

Album: Black Samson, The Bastard Swordsman

Song Title: Cleopatra Jones

概要

「Cleopatra Jones」は、Wu-Tang Clanの長年のDJ兼プロデューサーであるMathematicsが手掛けたトラックであり、RaekwonとMasta Killaがマイクリレーを展開する。タイトルの「Cleopatra Jones」は、1973年のアイコニックなブラックスプロイテーション映画『クレオパトラ・ジョーンズ』から取られており、タフで美しく危険な黒人女性エージェントをモチーフにしている。Raekwonは彼特有の映画的でマフィア・ラグジュアリーな視点から「極上の女」とのスリリングな関係を描写し、続くMasta Killaのバースでは『Black Caesar』『Truck Turner』『Foxy Brown』『Super Fly』など、70年代のブラックスプロイテーション映画のタイトルを怒涛のネームドロップで連発する。ストリートのハードボイルドな美学と、Five-Percent Nation(5% Nation)の精神的教義が交差する、Wu-Tangならではのシネマティックでディープな一曲である。

和訳

[Intro]

Cleopatra Jones
クレオパトラ・ジョーンズ

Is there something you need or?
何か必要なものでもあるのか?

Don't do it - I mean
やめろ、つまり

Don't do this son
こんなことはやめるんだ、息子よ

My name is Cleopatra Jones
私の名前はクレオパトラ・ジョーンズ

I'm from Sumatra
スマトラの出身よ

Yeah, right, that explains all your exoticness then
ああ、なるほど、それでお前のそのエキゾチックな魅力の説明がつくぜ

Exoticness? That's cute
エキゾチックな魅力? それは可愛いわね

I never heard that before
そんなこと今まで言われたことなかったわ

Yeah (Blow off the britches, kid)
ああ(ズボンを吹き飛ばせ、小僧)
※ブラックスプロイテーション映画やソウル・ミュージックからのサンプリングと語り。

Ayo, pass me that wool hat
Ayo、そこのウールの帽子を取ってくれ

And that cold glass of Licataa over there
それと、そこにある冷たいリカータのグラスもな

Shit is real, right? What's her name again?
マジな話だろ? あいつの名前は何だっけ?

Cleopatra, right? That's a fact
クレオパトラだろ? それは間違いない

[Verse 1: Raekwon]

She was African, body spectacular, shit's immaculate
彼女はアフリカ系で、体つきは壮観、非の打ち所がなかった

Smooth tone, we stayed on the phone hours just rapping
滑らかな口調、俺たちは何時間も電話で語り合っていた

Talking about planets, holding down Manhattan
惑星について語り合い、マンハッタンを仕切る
※Five-Percent Nationの教義に基づく、宇宙や真理(Mathematics)についての知的な会話。

Buying trucks, trading in jewеlry, high in the black Benz
トラックを買い、ジュエリーを取引し、黒のベンツの中でハイになる

Regulators, hеr jaw was delegators
レギュレーターたち、彼女の顎はデレゲーターだった
※顎(言葉)を使って見事に指示(delegate)を出す、口の達者な女性の表現。

Near elevators, that nigga elevated
エレベーターの近くで、あのニガは上昇していった

More they interrogated, Chef, this is realness
奴らが尋問すればするほど、シェフ、これがリアルってやつさ
※「Chef」はRaekwonの別名(Raekwon the Chef)。

Chanel and Jade align me with you, but still they hella hating
シャネルとヒスイが俺とお前を結びつける、だがそれでも奴らは猛烈にヘイトしている

I sat there, Forces on, true black suede
俺はそこに座っていた、フォースを履き、本物のブラックスエードだ
※「Forces」はナイキのエアフォース1。

Fuck is going on? We some rap mayors
一体何が起きてるんだ? 俺たちはラップの市長みたいなもんさ

Yves Saint Laurent glasses with some fat jayers
イヴ・サンローランのグラスに、太いジェイヤー
※「jayers(J's)」はマリファナのジョイント。

And cooling with my trap sprayers at Dreyer's
そしてドライヤーズで、俺のトラップ・スプレイヤーたちとくつろぐ

Most fly, those are my guys, Jack and Fat Gators
最高にフライだ、あれが俺のダチのジャックとファット・ゲイターズさ
※「Gators」はワニ革の靴を履くストリートのハスラー。

Diamond ring kings in the back bladed
後ろにいるダイヤモンドリングの王たちは刃物を忍ばせている

Sax faded and dap faded
サックスの音がフェードアウトし、ダップがフェードアウトする
※「dap」は拳を合わせる挨拶。

Him and Max peeling stacks, hold the strap, say it
あいつとマックスが札束を剥がし、ストラップを握る、言ってみろ

[Skit: Raekwon]

Yo chill, my nigga, my nigga
Yo 落ち着けって、俺のダチ、俺のダチよ

Fuck is y'all doing over there, man?
お前らあそこで一体何やってるんだよ?

Cool out man, what the fuck is you doing?
クールになれよ、一体何やってるんだ?

See, can't bring niggas out, see?
ほらな、ニガどもを外に連れ出すことなんてできねぇんだ、分かるか?

All these motherfuckin' angry around here
この辺りはマザーファッキンな怒りに満ちた奴らばかりだ

You wildin', nigga, I'm chillin' with Cleopatra
お前は暴れすぎだぜ、ニガ、俺はクレオパトラとくつろいでるんだ

Cleo, what up, Cleo? Call me now
クレオ、調子はどうだ、クレオ? 今すぐ俺に電話してくれ

Well, fuck you then
ああ、それならクソくらえだ

Hope you full with better flowers
もっとマシな花でお前が満たされることを祈るぜ

Made of motherfuckin' poison ivy
マザーファッキンなポイズン・アイビーで作られた花でな
※ツタ漆(ポイズン・アイビー)の毒に侵されろという、手酷くフラれた後の捨て台詞。

[Verse 2: Masta Killa]

She'll clap you if she have to, Miss Jones, Cleopatra
必要とあらば彼女はお前を撃つぜ、ミス・ジョーンズ、クレオパトラ

I'm Black Caesar, spark the reefer, peep the feature
俺はブラック・シーザーだ、リーファーに火をつけ、この客演(映画)をよく見な
※『Black Caesar』(1973年)のネームドロップ。ジェームス・ブラウンがサントラを手掛けたマフィア映画。

Snoop and Meth, my queen a Sheba, glad to meet ya
スヌープとメス、俺の女王はシバだ、会えて嬉しいぜ
※旧約聖書に登場する「シバの女王(Queen of Sheba)」のような高貴な黒人女性の比喩。

Cocked the hammer, long burner, truck turner
ハンマーを起こす、ロング・バーナー、トラック・ターナー
※『Truck Turner』(1974年)のネームドロップ。アイザック・ヘイズ主演の賞金稼ぎアクション映画。

Cross 110th, knew a freak, she a nymph
110丁目を越える、ある変態女を知ってた、彼女はニンフだった
※『Across 110th Street (110番街交差点)』(1972年)のネームドロップ。「nymph」は色情狂(ニンフォマニア)のこと。

Called her Foxy, she do karate, hit the shotty
彼女をフォクシーと呼んだ、彼女は空手をやり、ショットガンをぶっ放す
※『Foxy Brown』(1974年)のネームドロップ。パム・グリア主演のリベンジ・アクション映画。

Shot the teddy bear, sprayed the lobby, killed the posse
テディベアを撃ち抜き、ロビーに銃弾をバラ撒き、ポッセを皆殺しにした

Don't stand there or you can be the next body
そこに突っ立ってるな、さもないとお前が次の死体になるぞ

We gettin' money here, New Jacks livin' fair
俺たちはここで金を稼いでる、ニュー・ジャックたちはフェアに生きている
※『New Jack City』(1991年)のリファレンス。

My city full of lion, tigers, wolves and bears
俺の街はライオン、トラ、狼、そして熊でいっぱいだ

Few snakes, we decapitate, caged heat
少数の蛇ども、俺たちはそいつらの首を切り落とす、ケージド・ヒートだ
※『Caged Heat』(1974年)のネームドロップ。ジョナサン・デミ監督の女囚映画。

Penitentiary beef spills out into the streets
刑務所内の抗争がストリートへと溢れ出す

Pussy too sweet, make you wanna tweet about it
プッシーが甘すぎる、お前がそれについてツイートしたくなるほどにな

Super fly, we from EMY, do or die
スーパー・フライだ、俺たちはEMYの出身、やるか死ぬかだ
※『Super Fly』(1972年)のネームドロップ。

Who am I? Keep a bad queen on my side
俺は誰だ? 極上の女王をそばに置いてる男さ

Always down to ride, mango margaritas
いつだって乗る(戦う)準備はできてる、マンゴー・マルガリータ

Silk pajamas, on the beach in the Bahamas
シルクのパジャマ、バハマのビーチで

Shaolin llamas, Ramadamas, Nostradamus
少林のラマ、ラマダン、ノストラダムス

What's the science, Lord? Just paying homage, fully conscious
サイエンス(真理)は何だ、ロード? ただ敬意を払い、完全に意識を研ぎ澄ませている

She my coffee, let her rule the world bossy
彼女は俺のコーヒーだ、彼女に高圧的に世界を支配させろ

MGT, GCC but she can never boss me
MGT、GCC、だが彼女が俺に指図することは絶対にできない
※「MGT (Muslim Girls Training)」と「GCC (General Civilization Class)」は、Nation of Islamにおける女性向けの教育・訓練プログラムのこと。

Jamel Arif, Wise Chief, soul controller, G-O-D
ジャメル・アリーフ、賢明なる長、魂の支配者、G-O-Dだ
※「Jamel Irief」はMasta Killaの本来のネーション・ネーム。彼自身が神(God)であるというFive-Percent Nationの宣言。

'Cause ain't no controlling me, it's not how it's meant to be
なぜなら俺をコントロールできる奴なんていない、そういう運命じゃないのさ

Now cipher as far as my eye can see, ha ha
さあサイファーだ、俺の目が見える限りずっと遠くまでな、ハハ
※「cipher」は円、ゼロ、あるいは完全な理解を表す最高数学の用語。

[Outro]

Cleopatra Jones
クレオパトラ・ジョーンズ

Harry, you've been boozed up
ハリー、あんたは酔っ払ってるのよ