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Fuckin’ Up the Count - Freddie Gibbs 【和訳・解説】

Artist: Freddie Gibbs

Album: Shadow of a Doubt

Song Title: Fuckin’ Up the Count

概要

本作「Fuckin' Up the Count」は、Freddie Gibbsの2作目のソロアルバム『Shadow of a Doubt』(2015年)に収録された、ダークで不穏な空気感を放つトラップ・チューンだ。プロデュースはカナダ出身のBoi-1daとFrank Dukesが共同で手掛けており、重低音の効いたミニマルなビートがGibbsの冷徹なフロウを引き立てている。タイトル「Fuckin' Up the Count」は「計算(ヤクの数や金の額)を間違えるな」という意味であり、楽曲全体を通してHBOの伝説的ドラマ『The Wire(ザ・ワイヤー)』の音声がサンプリングされているのが最大の特徴である。ストリートでの麻薬密売の過酷な現実、裏切り、そして大金への執着が描かれており、アウトロでは「麻薬を追えば密売人に行き着くが、金の流れを追えば社会の深淵にたどり着く」というドラマの名ゼリフが響く。ドラッグゲームのシステムと暴力の連鎖を克明に記録した、ギャングスタ・ラップの真髄とも言える一曲である。

和訳

[Intro]

Eight?
8個?

Damn, Sarah, look, close your eyes (Yeah)
クソ、サラ、いいか、目を閉じろ (Yeah)

You working a ground stash, 20 tall pinks
お前は地上の隠し場所で、20個の背の高いピンクのバイアルをさばいている
※「tall pinks」はピンク色のキャップがついた細長い小瓶(コカインやヘロインなどの麻薬を入れる容器)。

Never fuckin' up the count
絶対に計算を間違えるな

Two fiends come up to you and ask for two each
ヤク中が2人来て、それぞれ2つずつ注文する

Another one cops three (Yeah) then Bodie hands you off 10 more
別の奴が3つ買う (Yeah)、そしてボディがお前にさらに10個渡してくる
※「Bodie」はドラマ『The Wire』に登場する若き麻薬密売人のキャラクター。

But some white guy rolls up in a car
そこへ白人の男が車で乗り付けてくる

Never fuckin' up the count
絶対に計算を間違えるな

Waves you down and pays for the eight
お前を呼び止めて、8個分の金を払う

How many vials you got left? (15)
手元に残ってるバイアルはいくつだ?(15個)

Yeah, yeah, this for my young niggas
(Yeah, yeah)、これは俺の若いダチたちのための曲だ

How the fuck you able to keep the count right
どうして計算だけは正確に合わせられるんだ?

When you're not able to do the book problem man?
学校の教科書の問題すら解けねえくせによ?

Count be wrong, they’ll fuck you up
計算を間違えたら、奴らはお前を半殺しにするからな
※以上はすべてドラマ『The Wire』シーズン1の有名なシーンからのサンプリング。学校の算数はできない若者たちが、麻薬取引の計算だけは命がけで正確に行うストリートの異常な現実。

Yeah, yeah
(Yeah, yeah)

[Verse 1]

Quarter brick, half a brick, whole brick, ayy nigga
4分の1ブリック、半ブリック、丸ごと1ブリックだ、エイ・ニガ
※「brick」は1キロのコカインの塊。アトランタのラッパーOJ Da Juicemanのクラシック「Make Tha Trap Say Aye」からの引用。

Time to whip these zippers in the kitchen with the same nigga
キッチンでいつものダチと一緒に、このジッパーを調理する時間だ
※「zipper」はジップロックに入る量(約1オンス)のコカイン。「whip」は重曹と水で調理してクラックコカインを精製すること。

All I know is selling weed and water, dope and yay nigga
俺が知ってるのは、ウィードと水、ドープとヤヨの売り方だけだ、ニガ
※「water」はPCP(フェンシクリジン)または液体状の麻薬。「dope」はヘロインや大麻。「yay」はコカインの隠語。

Money on my mind, don't do the crime unless it pay nigga
頭の中は金のことでいっぱいだ、金にならない犯罪なんてやめとけ、ニガ

New 650 Bimmer coupe, I'm fucking in a foreign car
新品の650ビーマークーペ、俺は外車の中でヤッてるぜ
※「Bimmer」はBMWのこと。

Got diamonds in my Rollie face, I'm bout to cop a Audemar
ロレックスの文字盤にはダイヤが埋め込まれてる、次はオーデマ・ピゲを買うところさ

Top down on a bitch when I ride by, I feel like fuck the law
屋根を下ろしてビッチの横を走り抜ける時、法律なんてクソ食らえって気分になるぜ

Got diamonds in my Rollie face, I'm bout to cop an Audemar
ロレックスの文字盤にはダイヤが埋め込まれてる、次はオーデマ・ピゲを買うところさ

My celly steady ringin' for Freddie, where, where your bales at?
俺の携帯はフレディ宛てに鳴りっぱなしだ、お前のベイルはどこにあるんだってな
※「bales」は大量(ベール単位)に梱包されたマリファナなどの麻薬。

Teacher told me go get a job, I said "Where the scale at?"
教師は俺にまともな仕事に就けと言ったが、俺は秤はどこだって答えたよ
※学校の勉強や合法的な仕事よりも、麻薬の計量で稼ぐストリートの道を選んだという宣言。

Told my Cali plug wrap the package up, we can mail that
カリフォルニアのプラグにパッケージを包装しろと伝えた、郵送で送れるからな
※「plug」は麻薬の供給元。カリフォルニアの良質なマリファナや麻薬を郵便で密輸(シッピング)する手口。

Teacher told me go get a job, I said, "Where the scale at?"
教師は俺にまともな仕事に就けと言ったが、俺は秤はどこだって答えたよ

[Hook]

Bitch I'm straight ballin', fifty thousand dollars in a nigga couch
ビッチ、俺はマジで稼ぎまくってるぜ、俺のソファの中には5万ドルが隠してある

And never fucking up the count
そして絶対に計算を間違えることはない

Bitch I'm straight ballin', 100 thousand dollars in my mama house
ビッチ、俺はマジで稼ぎまくってるぜ、オフクロの家には10万ドルが隠してある

And never fucking up the count
そして絶対に計算を間違えることはない

Bitch I'm straight ballin', tryna make a million 'fore they take me out
ビッチ、俺はマジで稼ぎまくってるぜ、奴らに消される前に100万ドル稼ごうとしてるんだ

And never fucking up the count
そして絶対に計算を間違えることはない

Bitch I'm straight ballin', fifty thousand dollars in a nigga couch
ビッチ、俺はマジで稼ぎまくってるぜ、俺のソファの中には5万ドルが隠してある

And never fucking up the count
そして絶対に計算を間違えることはない

[Interlude]

Huh, this look like money, motherfucker?
ハァ、これが金に見えるか、マザーファッカー?

Money be green, money, feel like money
金ってのは緑色で、金の手触りがするもんだ

That shit look green to you?
それがお前には緑色に見えるってのか?

It got a dead fucking president on it
そこには死んだクソ大統領の顔が印刷されてるんだよ

Nigga I don't give a fuck
ニガ、俺には知ったこっちゃねえ
※『The Wire』で、麻薬売上の集金に混ざっていた偽札を見つけて部下に激怒するシーンのサンプリング。

[Verse 2]

Quarter brick, half a brick, whole brick, ayy nigga
4分の1ブリック、半ブリック、丸ごと1ブリックだ、エイ・ニガ

Mama kick me out the house for servin' where she stay nigga
オフクロが住んでる家でヤクを捌いたせいで、俺は家を追い出されちまったよ、ニガ

Nickel dimed and broke after I buy my brand new J's, nigga
新品のジョーダンを買った後は、小銭しか残らず一文無しになった、ニガ
※「J's」はエア・ジョーダンのスニーカー。「Nickel dimed」は5セント(ニッケル)や10セント(ダイム)の小銭しか持っていない貧しい状態。

Fuck this broke shit boy, went straight to robbing, what's the play nigga?
こんな一文無しの生活はクソ食らえだ、ボーイ、真っ直ぐに強盗へ走ったのさ、ターゲットは誰だ、ニガ?
※「what's the play」は次の計画やシノギ(強盗の標的)を尋ねるスラング。

Ran off with this nigga, work is crucial when you burn a nigga
あの野郎から持ち逃げしたんだ、誰かを裏切る時は立ち回りが極めて重要になる
※「Ran off」は麻薬取引で金や品物を持ち逃げすること。「work」はコカインなどのブツや立ち回り。「burn」は騙す、裏切ること。

He might want that back so bitch you down to do a murder nigga
あいつは奪い返しに来るかもしれない、だからビッチ、お前には殺しをやる覚悟はあるか、ニガ

Used to keep that .45 on my front seat when I serve a nigga
ヤクを捌く時は、いつも助手席に45口径を置いていたもんさ

Nigga want this work, I hope you down to do a murder, nigga
あの野郎がこのヤクを狙ってるなら、お前には殺しをやる覚悟があることを願うぜ、ニガ

Celly steady ringin' for Freddie, where where the things at?
携帯はフレディ宛てに鳴りっぱなしだ、ブツはどこにあるんだってな

Drove a half a ton, dropped it off and I took a plane back
半トンのヤクを車で運び、目的地で降ろして、帰りは飛行機に乗ったのさ
※陸路で大量の麻薬を密輸し、金を受け取って安全に空路で帰還するハスラーの手口。

Gangsta shit in my DNA, I just can't explain that
俺のDNAにはギャングスタの血が流れてるんだ、理由なんて説明できねえよ

Even if I die, tell my enemies I remain that
たとえ俺が死んだとしても、俺の敵どもには、俺はずっとギャングスタのままだって伝えてくれ

[Hook]

Said bitch I'm straight ballin', fifty thousand dollars in a nigga couch
言っただろビッチ、俺はマジで稼ぎまくってるぜ、俺のソファの中には5万ドルが隠してある

And never fucking up the count
そして絶対に計算を間違えることはない

Bitch I'm straight ballin', 100 thousand dollars in my mama house
ビッチ、俺はマジで稼ぎまくってるぜ、オフクロの家には10万ドルが隠してある

And never fucking up the count
そして絶対に計算を間違えることはない

Bitch I'm straight ballin', tryna make a million 'fore they take me out
ビッチ、俺はマジで稼ぎまくってるぜ、奴らに消される前に100万ドル稼ごうとしてるんだ

And never fucking up the count
そして絶対に計算を間違えることはない

Bitch I'm straight ballin', fifty thousand dollars in a nigga couch
ビッチ、俺はマジで稼ぎまくってるぜ、俺のソファの中には5万ドルが隠してある

And never fucking up the count
そして絶対に計算を間違えることはない

[Outro]

You follow drugs
麻薬を追えば

You get drug addicts and the drug dealers
麻薬中毒者や密売人にたどり着く

But you start to follow the money
だが、金の流れを追い始めると

And you don't know where the fuck it's gon' take you
それが一体どこへ行き着くのか、誰にも分からなくなるのさ
※『The Wire』のLester Freamon刑事のセリフのサンプリング。麻薬捜査において、末端の密売人を追うのではなく、金の流れ(資金洗浄など)を追うことで、警察、政治家、大企業などの腐敗したシステムの中枢に繋がっていくという、ストリートと社会の闇を突いた名言。