Artist: Freddie Gibbs & Madlib
Album: Bandana
Song Title: Freestyle Shit
概要
2019年にリリースされ、ヒップホップシーンに多大な衝撃を与えたFreddie GibbsとMadlibのコラボレーション・アルバム第2弾『Bandana』の実質的なオープニング・トラックである。MadlibがAhmad Jamalの「Dance to the Lady」をサンプリングしたソウルフルでレトロなビートに乗せ、Freddie Gibbsはストリートでドラッグを売り捌いていた下積み時代と、ラッパーとして成功を収めるまでの葛藤をフリースタイル的なフロウで赤裸々に語っている。映画『ロッキー』シリーズのアポロ・クリードやクラバー・ラングといったキャラクターをメタファーとして用い、かつて所属していたYoung Jeezyのレーベル「CTE World」との確執によってデビュー作がお蔵入りになりかけた過去(Joey let 'em shelf it)への恨み節も含まれる。ハスラーとしての冷酷なペルソナと、音楽一本でインディペンデントに成り上がった男のプライドが濃縮された名曲だ。
和訳
[Intro]
Warning
警告
The surgeon general has determined (Mm, yeah)
医務総監は決定した (Mm, yeah)
That the sounds you are about to hear
これからお前が耳にするサウンドは
Will always be devastating to your ear (I want it all, nigga, all-leather)
常にお前の耳に壊滅的な打撃を与えるだろうと(俺は全て欲しいんだ、なぁ、総革張りでな)
Sleep well
安らかに眠れ
Kane season
ケインの季節だ
Drink some of this champagne
このシャンパンでも飲みな
(I love Madlib, he makes me much joy)
Yeah, yeah
I want it all, nigga, all-leather (My favorite, my nigga Madlib, obrigado)
俺は全て欲しいんだ、なぁ、総革張りでな(俺のお気に入り、俺のダチのマッドリブ、ありがとう)
Yeah, yeah
[Verse: Freddie Gibbs]
I want it all, nigga, all-leather
俺は全て欲しいんだ、なぁ、総革張りでな
25th and Jackson, I'm back in action like Carl Weathers, uh
25番街とジャクソン通り、カール・ウェザースみたいに現場に復帰したぜ (Uh)
※「25th and Jackson」はGibbsの地元であるインディアナ州ゲーリーの交差点で、マイケル・ジャクソンの生家があることでも知られる。「Carl Weathers」は映画『ロッキー』シリーズでアポロ・クリードを演じた俳優。
Uh, tryna beat the Rocky like Carl Weathers
ああ、カール・ウェザースみたいにロッキーを打ち負かそうとしてるんだ
Trap boy Kane, I Clubber Lang Sylvester
トラップ・ボーイのケイン、俺はシルヴェスターを追い詰めるクラバー・ラングだ
※「Clubber Lang」は『ロッキー3』でシルヴェスター・スタローン演じるロッキーを圧倒した凶暴な悪役。業界のメインストリーム(ロッキー)を打ち負かすストリートの刺客としての自己投影。
Crack cocaine, I was my own investor
クラック・コカイン、俺は俺自身の投資家だった
※ドラッグディールで稼いだ金を自身の音楽活動の資金にしていたという、インディペンデントなハスラー精神。
Could I do this shit independent? That was my only question
これをインディペンデントでやれるのか?それが俺の唯一の疑問だった
Uh, Usher Raymond IV, Confessions
アー、アッシャー・レイモンド4世のコンフェッションズみたいにな
※R&Bシンガー、Usherの歴史的大ヒットアルバム『Confessions(告白)』のネームドロップ。赤裸々な真実を包み隠さずラップするという宣言。
Ferra let me come through and hit when I was alone and stressin’
俺が孤独でストレスを抱えていた時、フェラは俺を招き入れてヤらせてくれた
Yeah, that's when this music shit wasn't movin’, man
ああ、音楽が全く軌道に乗っていなかった頃の話さ
I said, "I might as well be movin' things"
俺は「ブツを動かしてた方がマシかもしれない」と言ったんだ
※「movin' things」はドラッグの密売のこと。音楽のキャリア(music movin')とドラッグディール(movin' things)の葛藤。
Uh, Joey let 'em shelf it
アー、ジョーイは奴らにあれをお蔵入りにさせた
※「Joey」は元所属レーベルCTEのボスであるYoung Jeezy(現Jeezy)の本名。Gibbsのデビューアルバムが彼の意向でお蔵入り(shelf)にされかけた過去の確執。
But I still put out my fuckin' debut record, for the record
だが俺は自分のデビュー・レコードをリリースした、記録のためにな
Where I move when I'm with these hoes is off the record, for the record
俺がビッチどもと一緒にいる時の動きはオフレコだ、言っておくがな
For the social media shit, I was livin' reckless
ソーシャルメディアのせいで、俺は無謀な生き方をしていた
And these rap niggas share the same hoes
そしてラッパーどもは同じビッチたちを共有している
Gotta curve bitches, gotta cut bitches, gotta change hoes
ビッチどもをかわし、切り捨て、乗り換えなきゃならない
I was reminiscin' in the Range Rove'
俺はレンジローバーの中で過去を振り返っていた
Me and my little brother shared the same clothes, nigga, yeah
俺と弟は同じ服をシェアして着てたんだ、なぁ (Yeah)
That’s when this music shit wasn’t movin', man
音楽が全く軌道に乗っていなかった頃の話さ
I said, "I might as well be movin’ things"
俺は「ブツを動かしてた方がマシかもしれない」と言ったんだ
That's when this music wasn't movin', man
音楽が全く軌道に乗っていなかった頃のことだ
And I was barely even movin’ things
その頃はブツを捌くことすらまともにできていなかった
Uh, said I was moving with them shooters, man
アー、シューターたちと一緒に動いていたと言ったろ
Before I barely even knew the game
俺がこのゲームをまともに知る前の話だ
Eastside Gary nigga, I got it tatted
イーストサイド・ゲーリーの男だ、タトゥーも彫ってある
Virginia Street, fuck the niggas that ratted, my nigga, uh
バージニア・ストリート、密告した野郎どもはクソ食らえだ、なぁ (Uh)
Don't wan' hit the trap if I don't gotta
必要がないならトラップには行きたくない
My weed habit so close to snorting powder
俺のウィードの習慣は、粉を鼻から吸うのに近いレベルだ
Niggas don't holler 'less I got narcotics
俺が麻薬を持ってなきゃ、奴らは声もかけてこない
Scratchin' and itchin', he on that dog collar
引っ掻いて、痒がってる、あいつは犬の首輪に繋がれている
※「dog」はヘロインの隠語。ヘロインの禁断症状で体を掻きむしり、犬のようにドラッグに支配されている中毒者の描写。
Trunk full of tapes, I ain't got no dollars
トランクにはテープが詰まってるが、金は一銭も持っていない
By the time niggas show you love, you don't even want it
奴らが愛を示してくる頃には、お前はそんなもの欲しくもなくなっている
By the time niggas showed me love, I ain't even need it
奴らが俺に愛を示してくれた頃には、そんなもの必要ですらなかった
By the time niggas showed me love, I was on the TV
奴らが俺に愛を示してくれた頃には、俺はテレビに出ていたんだ
Yeah, that's when this music started movin', man
ああ、その頃にこの音楽が軌道に乗り始めたのさ
But I still received and moved them things
だが俺はまだブツを受け取り、動かしていた
Uh, said, I was moving with them shooters, man
アー、俺はシューターたちと一緒に動いていたと言ったろ
Gangbangin' and recruitin', man
ギャングバンをして、仲間を集めていたのさ
[Outro]
Uh, yeah
Movin', man
動いていたのさ
Fuck it, keep it, I'm done
クソ、そのまま録っとけ、俺は終わりだ
