Artist: Freddie Gibbs (feat. Rick Ross)
Album: $oul $old $eparately
Song Title: Lobster Omelette
概要
インディペンデント・シーンの覇者からメジャー(Warner)へと躍進したFreddie Gibbsのアルバム『$oul $old $eparately』に収録された、贅沢さとストリートの残酷さが同居する一曲。マイアミの首領、Rick Rossを客演に迎え、「ロブスターのオムレツ」という究極の贅沢品をタイトルに冠しながらも、リリックで語られるのはゲットーの貧困、ギャングの抗争、そして麻薬密売のリアルである。プロデュースを手掛けたのは、NasやKendrick Lamarの作品でも知られるベテラン、Jake One。哀愁漂うソウルフルなボーカル・サンプリングと重厚なピアノのループが、二人のハスラーが積み上げてきた血塗られた歴史と富のコントラストを見事に演出している。Gibbsのヴァースでは、彼の地元であるインディアナ州ゲーリーにおけるギャングの選択や逃亡劇が生々しく描かれ、一方のRick Rossは持ち前の威風堂々としたフロウでボスのライフスタイルを描写する。両者のコントラストが、アメリカの資本主義とヒップホップにおける「成功と代償」を見事に体現している。
和訳
[Intro: Freddie Gibbs]
Yeah, Kane
イェー、ケイン
Check, check, uh
チェック、チェック、あぁ
Check, check, yeah
チェック、チェック、イェー
Check, check
チェック、チェック
[Verse 1: Freddie Gibbs]
My nightmares' comin' true (Yeah, yeah)
俺の悪夢が現実になりつつある (Yeah, yeah)
But they ain't leave me spooked (Nah)
だがそんなことで怯えたりはしない (Nah)
On the West Coast countin' blues
西海岸で青い札束を数えている
But I'm whoopin' with them 'Rus (Suwoop, yeah)
だが俺はルーズの奴らとつるんでるのさ (Suwoop, yeah)
※「blues」は青い帯の100ドル新札。「'Rus」は西海岸の巨大ギャング、ブラッズ(Bloods)の派閥であるPirus(パイルズ)のこと。「Suwoop」はブラッズのコール。
In my neighborhood, you was either five or six, you had to choose
俺のフッドでは、5か6か、どちらかを選ばなきゃならなかった
※「5」はVice Lordsなどが属するPeople Nation(五芒星をシンボルとする)、「6」はGangster Disciplesなどが属するFolk Nation(六芒星をシンボルとする)。シカゴやゲーリーにおけるギャングの二大勢力。
And folks and them was stealin' my Starter jacket and my shoes (Give me the shit, bitch)
そしてフォークスの奴らが、俺のスターターのジャケットや靴を盗んでいったんだ(そのシットをよこせ、ビッチ)
※「folks」はFolk Nationのメンバーを指す。90年代に大流行したStarterブランドのジャケットは、強盗の標的になるほどのステータスシンボルだった。
They laughin' at me at my school, so I move like I ain't got shit to lose (Haha)
学校で俺を笑いやがるから、俺は失うものなんて何もないって感じで動いたのさ (Haha)
When I get them goons, you in the afterlife by afternoon (Uh)
俺があのグーンたちを呼び出せば、お前は午後にはあの世行きだ (Uh)
My chopper tucked, man, I served that dust, my nigga served that food
チョッパーを隠し持つ、なぁ、俺はあのダストを捌き、俺のニガはあのフードを捌いていた
※「chopper」はアサルトライフル。「dust」はPCP(エンジェルダスト)やコカイン、「food」はヘロインやドラッグ全般を指すスラング。
Now I'm in my jail cell, watchin' myself on the news (What the fuck?)
今じゃ俺は刑務所の独房にいて、ニュースに映る自分を見ているんだ(なんだって?)
Broken hearts and empty pockets, crack water, dirty faucet (Yeah, yeah, yeah)
傷ついた心と空っぽのポケット、クラックを作る水、汚れた蛇口 (Yeah, yeah, yeah)
When I shot that bitch in the chest, man, I knocked his shoulder out its socket (Baow)
あのビッチの胸を撃ち抜いた時、なぁ、あいつの肩を脱臼させてやったぜ (Baow)
※ここでは「bitch」を敵対する男の蔑称として使用している。
Fuck a degree, I'm whippin' diesel, no direct deposit (Yeah)
学位なんてクソくらえだ、俺はディーゼルを調理してる、口座振り込みなんてないぜ (Yeah)
※「diesel」はヘロイン。銀行口座(合法的な収入)ではなく、現金商売のストリートで生きていること。
Dope in my diaper bag, I serve 'em while my daughter watchin' (Shit, nigga)
おむつバッグの中にドープを入れる、娘が見ている前で俺は奴らに捌くんだ(クソ、ニガ)
Prosecutor might diminish me, so when they sentenced me, I was a no-show (Yeah, yeah)
検察官が俺を貶めようとするかもしれないから、判決の時、俺は姿を見せなかった (Yeah, yeah)
※裁判をすっぽかして逃亡(no-show)した過去の経験。
Dumped the body in the country, shawty D4L, I did it for the low-low (Yeah, yeah)
田舎に死体を捨てる、ショーティはD4Lさ、俺は格安でそれをやったんだ (Yeah, yeah)
※「D4L」はアトランタのラップグループ名(Down for Lifeの略)。彼らのヒット曲「Laffy Taffy」で知られるFaboのライン「for the low-low(安値で)」と掛けた巧妙なワードプレイ。
Bury me with all my jewelry on me and some VVS's in the logo (Yeah, yeah)
俺を埋葬する時はジュエリーを全部着けたままにしてくれ、ロゴにはVVSのダイヤをはめ込んでな (Yeah, yeah)
※VVSは最高純度のダイヤモンド。
President ain't never love a nigga, who the fuck a nigga supposed to vote for? Nigga, what? Yeah
大統領がニガを愛したことなんて一度もない、俺たちニガは一体誰に投票しろって言うんだ? ニガ、何だって? イェー
All my Lords in the pen 'bout to feel this shit
刑務所にいる俺のロードたち全員が、このシットを感じているはずだ
※「Lords」はVice Lordsの仲間たち。
Got a stripper bitch that live in Hollywood with a mouth so good, she can seal these bricks (Woo)
ハリウッドに住むストリッパーのビッチがいるんだが、口のテクが凄すぎて、このブリックを密封できるほどだぜ (Woo)
※「seal bricks」は1キロのコカイン(ブリック)を真空パックで密封すること。それをフェラチオの吸引力に例えた表現。
Last year, let a nigga bust down, heard she got a nigga now, she can still get dick (Yeah)
去年はニガにヤらせてくれたが、今じゃあいつには男がいるらしいな、それでもまだディックを受け取れるぜ (Yeah)
You could take away this rap shit today, throw the whole shit away, and I'ma still get rich, bitch (Yeah)
今日このラップのシットを奪い取って、すべて投げ捨てたとしても、俺は変わらず金持ちになるのさ、ビッチ (Yeah)
[Interlude: Freddie Gibbs & Rick Ross]
Triple S (M—M, M—M)
トリプルS (M—M, M—M)
※「Triple S」はアルバムタイトル『$oul $old $eparately』。「M-M」はRick Rossが率いるMaybach Music Groupのサウンドロゴ。
Kane Train
ケイン・トレイン
Uh, I'm ice skatin'
あぁ、俺はアイススケートをしている
※「ice」=ダイヤモンドを大量に着けて滑るように進むハスラーの比喩。
I'm ice skatin' (Maybach Music)
俺はアイススケートをしている(メイバッハ・ミュージック)
Yes
イェス
[Verse 2: Rick Ross]
Niggas come to conclusion, checks keep comin' concurrent
ニガどもは結論に行き着く、小切手は絶え間なく同時に舞い込んでくる
Shooters on the maneuver, really as a deterrent
シューターたちが作戦行動に出る、マジで抑止力としてな
MA singin' melodic, pussy seemin' hypnotic
女がメロディアスに歌う、プッシーは催眠術みたいだ
I'm addicted to diamonds, such a fiend for them watches
俺はダイヤモンドの中毒だ、あの時計たちには本当に目がない
Dollar signs in my carpet, killin' opps is the obvious
俺のカーペットにはドル記号、敵を殺すのは当然のことさ
I count bodies like bottles at parties when I'm in Cabo
カボにいる時、俺はパーティーのボトルのように死体の数を数えるんだ
※メキシコの高級リゾート地、カボ・サン・ルーカス。カルテルの暴力と高級リゾートの対比。
I just lead and they follow, call it laws of attraction
俺がリードして奴らが従う、引き寄せの法則ってやつさ
Livin' in the colosseum 'til I'm caught in my casket
棺桶に捕らわれるまで、俺はコロッセオの中で生きているのさ
※人生をグラディエーターの血生臭い闘技場(コロッセオ)に見立てている。
On the beach in a mansion, dope boy got him a pension
ビーチの上の大豪邸、ドープボーイが年金を手に入れたんだ
※麻薬密売人(ドープボーイ)がラップゲームで成功し、引退後も安泰な富(年金)を築いたこと。
Pistols pulled in a panic, you can give me my sentence
パニックの中で引き抜かれたピストル、俺の判決を下してくれていいぜ
Money come with the killings, white convertible ceiling
殺しと共に金が舞い込む、白いコンバーチブルの天井
Bel-Air bottles in Venice, pray you mindin' your business
ベニスでベル・エールのボトルを開ける、お前が自分のビジネスに専念することを祈るよ
※「Bel-Air」はRick Rossがアンバサダーを務める高級スパークリングワイン、Luc Belaireのこと。
Rappers wanna play sports, athletes caught in the courts
ラッパーたちはスポーツをやりたがり、アスリートたちは法廷に囚われる
※ラッパーがスポーツ界に憧れる一方で、スポーツ選手が犯罪に関与して裁判(courts)に巻き込まれるというアメリカの皮肉な現実。
Actors overdosin', addicted to chemicals, boy
俳優たちはオーバードーズで死んでいく、ケミカルの虜になってな、ボーイ
Boss
ボス
