Artist: Freddie Gibbs & The Alchemist
Album: Alfredo 2
Song Title: Lavish Habits
概要
Freddie GibbsとThe Alchemistの黄金タッグによる『Alfredo 2』のハイライトとも言える、強烈な毒と哀愁が入り混じった一曲。タイトルの「Lavish Habits(贅沢な習慣)」が示す通り、高級時計やファーストクラスのフライトといった成功を誇示する一方で、その背後にあるヒップホップ業界の醜悪さとストリートの残酷さを冷徹に暴き出している。リリックの序盤では、長年ビーフを繰り広げているDJ Akademiksへの侮蔑や、YSLのRICO法裁判で司法取引に応じたGunnaを「ネズミ(密告者)」として糾弾し、さらにはP. Diddyの性的スキャンダルまでを容赦なくネタにしている。しかし中盤以降、Nipsey Hussle、Takeoff、Young Dolphといった銃弾に倒れた同胞たちの名前を挙げ、「若くて、黒人で、金持ちであることが俺を殺すかもしれない」と、ラッパーとしての成功がそのまま死の的になるというアメリカ社会とストリートのパラノイアを痛切に吐露する。単なるディス曲に留まらない、Gibbsのハスラーとしての覚悟と深い悲哀が刻まれたヒップホップ・ノワールである。
和訳
[Intro]
Check-check, yeah
チェック・チェック、イェー
Mic check-check
マイクチェック・チェック
Check-check, ah
チェック・チェック、あぁ
Check-check
チェック・チェック
Oh baby, what you wanna do with me?
オー・ベイビー、俺とどうしたいんだ?
Oh baby, what you wanna do with me?
オー・ベイビー、俺とどうしたいんだ?
Check-check, bitch, yeah
チェック・チェック、ビッチ、イェー
Oh baby, what you wanna do with me?
オー・ベイビー、俺とどうしたいんだ?
Check-check
チェック・チェック
[Verse]
Goddammit, I be god, damn it
くそったれ、俺が神だ、くそったれ
First-class Virgin Atlantic, stewardess' titties plastic
ヴァージン・アトランティックのファーストクラス、スチュワーデスの胸はプラスチックだ
I'm still gon' squeeze Akademiks titties, that fat bastard
それでも俺はアカデミックスの胸を揉みしだいてやる、あのデブのクソ野郎のな
※ヒップホップメディア・パーソナリティであるDJ Akademiksとの長年のビーフへの言及。彼を肥満体型だと揶揄する強烈なディス。
Gunna dissed me and took a plea, he a rat bastard
ガンナは俺をディスったくせに司法取引を受け入れやがった、あいつはネズミのクソ野郎だ
※YSL RecordsのRICO法違反裁判において、ラッパーのGunnaが司法取引(plea deal)に応じて釈放されたことを、ストリートの掟を破る「スニッチ(rat=密告者)」として痛烈に批判している。
Show up at your funeral, Big Fendi bitch, ten blickies
お前の葬式に現れてやる、ビッグ・フェンディだビッチ、10丁の銃を持ってな
※「blicky」は銃を指すストリート・スラング。
Pee on city girls like P. Diddy, bitch, get with me
P・ディディみたいにシティ・ガールズに小便をひっかけるぜ、ビッチ、俺についてこい
※Diddy(Puff Daddy)とラップデュオCity GirlsのYung Miamiとの交際を巡る、ゴールデンシャワー等の性的なゴシップやスキャンダルを嘲笑したパンチライン。
If this heifer thinking 'bout sticking me, that's a long shot
もしこの雌牛が俺をハメようと考えてるなら、それは見込みのない話だ
※「heifer(若い雌牛)」は不快な女を指すスラング。「stick」は強盗や罠にはめること。
I'm busy smoking motherfucking opps like Patrick Mahomes' pops
パトリック・マホームズの親父みたいに、マザーファッキンな敵を吸うのに忙しいんだ
※NFLのスター選手パトリック・マホームズの父親(Patrick Mahomes Sr.)がスタジアムで葉巻を吸っていた有名な姿と、「smoking opps(敵を殺害して葉巻として吸う)」というドリル由来のスラングを掛けた言葉遊び。
Fathered these nigga' flows, I took the long route
こいつらニガのフロウの生みの親だ、俺は遠回りをしてきたんだ
Walked through the jungle so most these niggas could run out
ジャングルを歩き抜けたのさ、こいつらの大半が逃げ出せるようにな
Smacking shit at 8AM, shooting soon as the sun out
朝8時にシットを叩き潰す、太陽が出ると同時に撃ち合いだ
Effects of being broke, Black, agitated and drugged out
無一文で、黒人で、苛立ち、薬に溺れていることの代償さ
Effects of being young, Black, rich might unalive me
若くて、黒人で、金持ちであることが俺を殺すかもしれない
※「unalive」はSNS等で「kill/suicide」の検閲を逃れるために使われるインターネット・スラング。ラッパーとして成功し富を得たことが、逆に命を狙われる標的になるというパラノイア。
They killed Nip, Takeoff, Dolph, I see the signs, G
奴らはニップ、テイクオフ、ドルフを殺した、兆候は見えてるぜ、G
※凶弾に倒れたNipsey Hussle、Takeoff(Migos)、Young Dolphへの追悼。ヒップホップコミュニティにおける悲劇の連鎖を憂いている。
For the fame and the goddamn chain, they'll undermine me
名声とあの忌々しいチェーンのために、奴らは俺を陥れようとするだろう
Give a fuck 'bout beef with multiple rappers, I like variety, uh
複数のラッパーとのビーフなんて知ったこっちゃない、俺はバラエティ豊かなのが好きなんだ、あぁ
Goddammit, I be god, damn it
くそったれ、俺が神だ、くそったれ
I was testing dope with an addict, Henry was speaking Spanish
ヤク中と一緒にドープのテストをしていた、ヘンリーはスペイン語を話していた
Beezy lost three bricks in the package, Mafia tryna whack him
ビージーがパッケージから3つのブリックを紛失した、マフィアが奴を消そうとしている
※「brick」は1キロのコカインの塊。麻薬密売のトラブルの生々しい描写。
Made it up with interest and taxes, fuck it, we back in action
利子と税金を乗せて埋め合わせをした、クソくらえだ、俺たちは活動再開さ
Beefin' with the gang, 'bout to bust the strap at another faction
ギャングと揉めている、別の派閥に向けて銃をぶっ放そうとしているところだ
Heard he liked to shop, I'ma bury him in designer fashion
あいつは買い物が好きだと聞いたぜ、デザイナーズファッションを着せて埋葬してやるよ
100-karat rabbit, my bunny surfing, my water splashing
100カラットのラビット、俺のバニーはサーフィンをしている、俺の水が飛び散るぜ
※「rabbit/bunny」はGibbsの別名やロゴ、または女性。「water」はダイヤモンドの輝き、あるいは濡れていることのダブルミーニング。
Yellow Rollie, rose-gold Patek, I've got some lavish habits
イエローのロレックス、ローズゴールドのパテック、俺には贅沢な習慣があるんだ
[Chorus]
Goddammit, I be god, damn it
くそったれ、俺が神だ、くそったれ
Crack still slamming, I'll just take another crack at it
クラックはまだ売れまくってる、もう一度クラックをやってみるか
※「slamming」は飛ぶように売れること。「take a crack at it」は「試してみる、挑戦する」という慣用句であり、麻薬のクラックと掛けた秀逸なワードプレイ。
Goddammit, I be god, damn it
くそったれ、俺が神だ、くそったれ
Yellow Rollie, rose-gold Patek, I've got some lavish habits
イエローのロレックス、ローズゴールドのパテック、俺には贅沢な習慣があるんだ
[Outro]
I be god, damn it
俺が神だ、くそったれ
