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Deportee (Plane Wreck at Los Gatos) - Dolly Parton 【和訳・解説】

Artist: Dolly Parton

Album: 9 to 5 and Odd Jobs

Song Title: Deportee (Plane Wreck at Los Gatos)

概要

1980年に発表されたドリー・パートンの労働賛歌アルバム『9 to 5 and Odd Jobs』に収録された本作は、アメリカン・フォークの巨星ウディ・ガスリーが作詞したプロテスト・ソングの金字塔である。1948年、カリフォルニア州ロスガトス渓谷でメキシコ人農業労働者を強制送還中のチャーター機が墜落した実際の事故がテーマとなっている。当時、マスメディアは白人の乗組員の名前は報じたものの、犠牲となった28人のメキシコ人たちを単に「Deportees(強制送還者)」とだけ呼び、その死を冷淡に扱った。ガスリーはこの非人間的な報道に激怒し、彼らに名前と尊厳を取り戻すためにこの詩を書いた。ドリーは持ち前の慈愛に満ちたボーカルでこの曲をカバーし、過酷な労働を強いられながらも社会から透明化される移民労働者たちへの深い哀悼と連帯を示している。アルバムのテーマである「労働者階級の搾取」を、国境を越えた普遍的な人権問題へと昇華させた重要な名カバーである。

和訳

[Verse 1]

The crops are all in and the peaches are rotting
収穫はすべて終わり、桃は腐りかけている

The oranges are piled in their creosote dumps
オレンジはクレオソートのゴミ捨て場に山積みされている
※農作物の価格を維持するために、余剰となった果物が防腐剤(クレオソート)の撒かれた場所に故意に廃棄・腐敗させられている資本主義の矛盾を指摘している。

You're flying them back to the Mexican border
あなたたちは彼らをメキシコ国境へと飛行機で送り返す

To pay all their money to wade back again
彼らが稼いだ金をすべて払い、再び川を渡って戻ってくるために
※「wade」は浅瀬を歩いて渡ること(リオグランデ川などを指す)。強制送還されても、生計を立てるために再び密入国ブローカーなどに金を払い、命がけでアメリカに戻らざるを得ない移民労働者の残酷なサイクルを表現している。

[Chorus]

Goodbye to my Juan, goodbye Rosalita
さようなら私のフアン、さようならロザリータ

Adios mis amigos, Jesus and María
アディオス私の友人たち、ヘスス、そしてマリア
※当時の報道では名前すら呼ばれなかった犠牲者たちに対し、ガスリーが架空の、しかし極めて一般的なメキシコ人の名前を呼びかけることで、彼らに人間としての尊厳とアイデンティティを回復させている。

You won't have a name when you ride the big airplane
あの大きな飛行機に乗る時、あなたたちから名前は奪われる

All they will call you will be deportee
奴らがあなたたちを呼ぶ時の名前は、ただの強制送還者になるんだ

[Verse 2]

Some of us are illegal and some are not wanted
私たちの中には不法滞在者もいれば、もう用済みとされた者もいる
※当時は「ブラセロ・プログラム」という合法的な農業労働者受け入れ制度があったが、収穫期が終わって契約が切れると、彼らは一転して不法滞在者や不要な存在として冷酷に扱われた。

Our work contract's out and we have to move on
労働契約は切れ、私たちは別の場所へ行かなければならない

But it's 600 miles to that Mexican border
だがあのメキシコ国境までは600マイルもある

They chase us like outlaws, like rustlers, like thieves
奴らは私たちを無法者のように、家畜泥棒のように、泥棒のように追い立てる
※アメリカの農業と食卓を支えた彼らが、用が済んだ途端に犯罪者のように狩り立てられる理不尽さを告発している。

[Chorus]

Goodbye to my Juan, goodbye Rosalita
さようなら私のフアン、さようならロザリータ

Adios mis amigos, Jesus and María
アディオス私の友人たち、ヘスス、そしてマリア

You won't have a name when you ride the big airplane
あの大きな飛行機に乗る時、あなたたちから名前は奪われる

All they will call you will be deportee
奴らがあなたたちを呼ぶ時の名前は、ただの強制送還者になるんだ

[Verse 3]

My father's own father, he waded that river
私の父のそのまた父も、あの川を渡ってきた

They took all the money he made in his life
奴らは彼が生涯をかけて稼いだ金をすべて奪い取った

My brothers and sisters come work in the fruit trees
私の兄弟や姉妹たちも、果樹園に働きにやって来る

They rode the truck till they took down and died
トラックに乗せられ働き続け、倒れて死ぬまでこき使われた
※何世代にもわたって繰り返されてきた、移民労働者への徹底的な搾取と使い捨ての歴史を悲痛に描写している。

[Verse 4]

The airplane caught fire over Los Gatos Canyon
飛行機はロスガトス渓谷の上空で炎に包まれた

A fireball of lightning that shook all our hills
稲妻のような火の玉となり、私たちの住む丘をすべて揺るがした

Who are these dear friends all scattered like dry leaves
乾いた落ち葉のように散らばったこの親愛なる友人たちは、誰なのだろうか
※メディアが無視した名もなき犠牲者たちを「親愛なる友人」と呼び、枯れ葉のように命が散った情景を美しくも残酷に歌い上げている。

The radio said they were just deportees
ラジオは彼らのことを、ただの強制送還者だと言った

[Chorus]

Goodbye to my Juan, goodbye Rosalita
さようなら私のフアン、さようならロザリータ

Adios mis amigos, Jesus and María
アディオス私の友人たち、ヘスス、そしてマリア

You won't have a name when you ride the big airplane
あの大きな飛行機に乗る時、あなたたちから名前は奪われる

All they will call you will be deportee
奴らがあなたたちを呼ぶ時の名前は、ただの強制送還者になるんだ

[Outro]

No, all they will call you will be deportee
いや、奴らがあなたたちを呼ぶ名前は、ただの強制送還者だけだ

All they will call you will be deportee
奴らがあなたたちを呼ぶ名前は、ただの強制送還者だけだ