UGMKM

Unraveling Genius: Music, Knowledge, Madness

UGMKM ARCHIVE

Find Music By Artist, Genre.

和訳・解説記事を、アーティスト名・ジャンルから探せます。

Geezus - The Game 【和訳・解説】

Artist: The Game

Album: The Documentary III

Song Title: Geezus

概要

西海岸コンプトンの重鎮、The Gameが放つ本作「Geezus」は、彼のデビュー20周年の節目を飾るプロジェクト『The Documentary III』に収録された重厚なバンガーだ。イントロでは、The Gameがウェストコーストにおいてどの派閥にも属さず、長年「孤独な兵士(lone soldier)」として孤軍奮闘してきたというポッドキャストの会話がサンプリングされている。楽曲全体を通して、Kendrick LamarとDrakeのビーフにおいてDrake寄りの姿勢を見せたことで地元から「裏切り者」扱いされたことへのアンサーや、自身のルーツであるブラッズ・ギャング(Bloods)の結束を誇示するリリックが展開される。Nasのクラシックをもじった「カリフォルニア・ステイト・オブ・マインド」というパンチラインが示す通り、2000年代前半の低迷していた西海岸シーンを実力で蘇らせた絶対的なOGとしてのプライドと、フェイクラッパーたちへの容赦ない殺意が、重たいブーンバップ・ビートの上で血生臭く響き渡るマスターピースである。

和訳

[Intro]

What do we think of The Game, by the way, as an artist?
ところで、アーティストとしてのThe Gameをどう思う?

Like he's, he's been around twenty years now
もう20年もシーンにいるだろ

I think he can rap
俺はラップできると思うぜ

I always thought Game could rap
俺もずっとGameはラップが上手いと思ってた

Like what do we think? When we think of who's popping, when we think of the West Coast
どう思う?今誰がイケてるか、ウェストコーストといえば誰かを考える時

Like where does The Game land as an artist? Like you think— what you say, Jess?
アーティストとしてThe Gameはどこに位置するんだ?どう思う…ジェス、君は何て言ってたっけ?

I always thought he could rap, I— yeah
ずっとラップできると思ってた、私は…ええ

The Game gets busy
The Gameはヤバい仕事をするぜ

He's nice, his phonics and his albums nice
あいつは最高さ、フロウもアルバムも素晴らしい

The problem, the only problem The Game has is
問題は、The Gameが抱える唯一の問題は

He's not with a clique on the West Coast, right?
あいつがウェストコーストでどの派閥にも属してないってことだろ?

Everybody else is cliqued up, he's the lone soldier
他の奴らはみんな派閥を組んでるのに、あいつは孤独な兵士なんだ

So he's always on his own
だからいつも一人で戦ってるのさ

[Verse 1]

Y'all gotta believe in somethin'
お前らは何かを信じなきゃならねえ

Believe in Allah, believe in Jesus
アラーを信じるか、ジーザスを信じるか

Believe in yourself
自分自身を信じるか

If not, then believe in Geezus
そうじゃねえなら、このジーザスを信じな
※「Geezus」はGameとJesusを掛けた彼のオルターエゴ。Kanye Westの「Yeezus」などにも通じる、自身を神格化するヒップホップ特有のギミック。

All these niggas sayin' that they killers
人殺しだって息巻いてる野郎どもがいるが

I don't believe 'em
俺は信じちゃいねえよ

I still wouldn't if you was Killa Cam
お前がキラ・カムだったとしても信じねえな
※「Killa Cam」はハーレムのレジェンドラッパーCam'ronの異名。

Fuck all you niggas, it's killin' season
お前ら野郎どもはクソくらえだ、殺しの季節の始まりだぜ

I say Drake the homie, y'all say it's treason
俺がドレイクはダチだと言えば、お前らはそれを裏切りだと喚き散らす
※2024年に勃発したKendrick LamarとDrakeのビーフにおいて、コンプトン出身でありながらDrake寄りのスタンスを取り、Rick Rossをディスったことで西海岸のコミュニティから裏切り者扱いされた一連の騒動への直接的なアンサー。

I can't believe it
信じられねえよ

Want me to pick sides, why y'all dick-ridin'?
俺にどちらかの味方につけだと? なんでお前らはそうやって媚びへつらうんだ?

When you from the Westside, you ain't gotta pick sides
ウェストサイドの出身なら、どちらかの肩を持つ必要なんてねえんだよ

If I can't catch him now, catch him on the flip side
もし今あいつを捕まえられなくても、裏側で必ず捕まえてやる

Fuck around, clear the block when a nigga this hot
ふざけやがって、俺がここまでキレてる時はブロックから全員消え失せな

Got a scope on the AR, let him play God
ARにスコープを乗せて、あいつに神の真似事をさせてやるよ

I'ma blow his head up like he in a fisheye
魚眼レンズを覗き込んだみたいに、あいつの頭を吹き飛ばしてやる

With a hundred-round drum, it's a Chiraq murder
100発入りのドラムマガジンだ、シャイラク並みの殺人さ
※「Chiraq」はシカゴとイラクを掛けた造語。全米屈指の殺人発生率を誇るシカゴのドリルシーンに例えた暴力的な表現。

Got a button on the dash that'll hide that burner
ダッシュボードには、あの弾きを隠すためのボタンがある
※「burner」は銃のこと。車に銃を隠すための秘密のコンパートメントがあるという描写。

Laid up with your insides out, caught swervin'
蛇行運転してるのを捕まえて、お前の内臓をぶちまけて寝かせてやる

Nigga, I want the beef like a Marathon Burger
なぁ、俺はマラソン・バーガーみたいにビーフを求めてるんだぜ
※The Gameと同じくLAのレジェンドであった故Nipsey Hussleが展開したブランド近隣にあるバーガーショップと、ラッパー同士の抗争(Beef)を掛けたワードプレイ。

And I'm workin' choppers overtime
そして俺はチョッパーを時間外労働で撃ちまくってる

Hold this bitch like I hold my 9
俺の9ミリを握るように、このビッチを抱き寄せる

Out my mind, for sure you ride
俺は狂ってるぜ、お前が乗ってくるのは確実さ

I'ma make you a celebrity overnight
一夜にしてお前を有名人にしてやるよ

I'ma pull up to the show tonight
今夜のショーに乗り込んでやる

I'ma show you you a ho tonight
今夜、お前がただのビッチだってことを証明してやるよ

My little niggas pullin' up with poles tonight
今夜、俺の若い衆が棒を持って乗り込むぜ
※「poles」は銃のこと。

We gon' make you a celebrity overnight
俺たちが一夜にしてお前を有名人にしてやるよ

This white tee oversized, this bitch gon' hide my Draco
このオーバーサイズの白Tシャツが、俺のドラコを隠してくれる
※「Draco」はAK-47タイプのピストル(ミニAK)。西海岸ギャングの象徴であるオーバーサイズの白Tシャツに大型の銃を隠し持っているというクラシックなスタイル。

This shit come apart like Optimus Prime, then I put it back together like Legos
こいつはオプティマス・プライムみたいに分解できて、レゴみたいにまた組み立てられるんだ
※銃の分解と組み立てを、トランスフォーマーとレゴブロックに例えたパンチライン。

Feelin' like Fabo, all-white Fazos, chillin'
フェイボみたいな気分だ、真っ白なフェイゾスを履いてチルしてるぜ
※「Fabo」はアトランタのラップグループD4Lのフロントマン。「Fazos」はG Herboの亡き友人Fazoに由来するNike Air Force 1のシグネチャーな呼び名。AF1はLAのストリートでも定番のキックス。

Bread come around like bagels, turnin' them tables
ベーグルみたいにパンが回ってくる、形勢逆転さ
※「Bread」は金のこと。「turnin' the tables」の逆転という意味と、丸いベーグル(金)が循環してくる様を掛けたワードプレイ。

You smutted your name out, squealin'
お前はチンコロして、自分の名前を汚したんだ

All I hear squeakin' inside them buildings
あの建物の中から聞こえてくるのは、ネズミの鳴き声だけだぜ
※「squealin'」「squeakin'」は密告者(スニッチ)が警察に情報を漏らすことを意味するスラング。

[Chorus]

All y'all niggas be tellin'
お前ら野郎どもはみんな密告者だ

None of y'all records is sellin'
お前らのレコードなんて一枚も売れちゃいねえ

All y'all niggas is bitches
お前ら野郎どもは全員ビッチさ

My niggas is felons
俺の仲間たちは重罪犯だ

Y'all gotta pay for pussy
お前らはプッシーに金を払わなきゃならねえが

I ain't gotta pay for shit
俺はビタ一文払う必要なんてねえ

I ain't even payin' for my sins
俺は自分の罪にすら代償を払っちゃいねえよ

On God, I'ma kill him again
神に誓って、俺があいつをもう一度殺してやる

'Til there's blood on my face
俺の顔に血が飛び散るまで

Blood on my tee
俺のTシャツが血で染まるまで

Blood on my hands
俺の手に血がべっとりつくまで

Blood on my sink
俺のシンクが血に染まるまで

That's on Blood, it's still One Blood
それはブラッズの誓いだ、今でもワン・ブラッドなんだよ
※「on Blood」は自身が所属するブラッズ・ギャングに誓って真実であるという意味。また、The Gameの2006年の特大アンセム「It's Okay (One Blood)」への強烈なセルフオマージュ。

Nigga, throwin' up Blood out the bloody '63
なぁ、血まみれの63年型からブラッズのサインを掲げるぜ
※「'63」は西海岸のローライダーカルチャーを象徴する1963年製シボレー・インパラ。

Flesh of my flesh, blood of my blood
俺の肉の肉、俺の血の血さ
※聖書の引用であり、DMXの1998年の名盤『Flesh of My Flesh, Blood of My Blood』への敬意を示している。ギャングの絶対的な血の結束。

Arm hangin' out the window, yeah, nigga, One Blood
窓から腕をぶら下げる、ああ、なぁ、ワン・ブラッドさ

You can put it on Crip, I'ma put it on Blood
お前はクリップに誓えばいい、俺はブラッドに誓うぜ

Don't ask me for shit 'cause you ain't my blood
俺に何も頼むな、お前は俺の血筋じゃねえんだからな

[Verse 2]

Let him bluff again, I will tuck you in
あいつにまたハッタリをかまさせてやれ、俺がお前を寝かしつけてやるよ
※「tuck you in」は子供を寝かしつけること、転じて相手を永遠の眠り(死)につかせること。

You ain't lookin' out for my kids, don't call me twin
俺の子供たちの面倒も見てねえくせに、俺を双子なんて呼ぶな
※「twin」は親友や兄弟分を指すスラングだが、上辺だけの関係を拒絶している。

Flyin' up the 10 in a brand-new Benz
真新しいベンツで10号線をかっ飛ばす
※「the 10」はLAを横断する州間高速道路10号線(I-10)。

Laid back in a Maybach, no new friends
マイバッハでふんぞり返る、新しいダチなんていらねえ

Nigga, I'm on one, fuck what he be on
なぁ、俺はキメてるぜ、あいつが何をやってようが知ったこっちゃねえ

You niggas CB4, that I done seen before
お前らはCB4だ、そんなのはもう見飽きたぜ
※『CB4』は1993年のコメディ映画で、中産階級の若者がギャングスタ・ラッパーのフリをして成功する物語。フェイクなスタジオ・ギャングスタをディスる定番のリファレンス。

So crawl from under your rock, turn the TV on
だから隠れてる岩の下から這い出して、テレビをつけてみな

I shot niggas on the same block you see me on
俺はお前が俺を見かけたのと同じブロックで、野郎どもを撃ってきたんだ

Don't make me laugh again, I'll blast again, I'm fast as wind
二度と俺を笑わせるな、またぶっ放してやる、俺は風のように速いぜ

I'll run up in the trap you in and spazz again
お前がいるトラップハウスに乗り込んで、また暴れ回ってやる

And when I hit the net
そして俺がネットにアクセスすれば

They gon' think the whole Westside of Compton on your ass again
コンプトンのウェストサイド全体がまたお前を狙ってるって、奴らは思うだろうな

Yeah, I'ma let the chopper blow tonight
ああ、今夜はチョッパーを火を噴かせてやるぜ

Blacked out like a crow tonight
今夜はカラスみたいに真っ黒に身を隠す

Cook a nigga like glow tonight
今夜は光り輝くように野郎を料理してやるよ

I'ma make you a celebrity overnight
一夜にしてお前を有名人にしてやるよ

This shit is poltergeist
こいつはポルターガイストさ

Any way you wanna roll the dice
お前がどうやってサイコロを振ろうがな

We gon' shoulder lean like Dro tonight
今夜はドロウみたいにショルダー・リーンをキメてやるぜ
※アトランタのラッパーYoung Droの2006年のヒット曲「Shoulder Lean」からの引用。銃を撃つ際の反動や態度のデカさをダンスの動きに重ねている。

I'ma catch me a new felony overnight
一夜にして新しい重罪を背負ってやるよ

I cook this shit like fentanyl
俺はこのシットをフェンタニルみたいに調理する
※「fentanyl」は極めて致死性の高い合成オピオイド。自分の生み出す音楽やストリートでの行動がそれほど強力で致命的だというメタファー。

They gon' break this up like a dotted line
奴らはこれを点線みたいに細かく切り刻むだろうな
※コカイン(fentanyl)のラインを引くことのダブルミーニング。

And I'm tied to the paper like a dollar sign
そして俺はドル記号みたいに紙に縛り付けられてるんだ
※「paper」は金のこと。

Anything to keep a nigga up outta mind
正気を失わせるためなら何だってするぜ

I got a California state of mind
俺はカリフォルニア・ステイト・オブ・マインドを持ってる
※Nasの「N.Y. State of Mind」をもじり、西海岸のリアルなストリートの精神構造を生きているという宣言。

I carry all the weight 'cause the weight is mine
俺がすべての重圧を背負う、だってその重圧は俺のモノだからな
※長年西海岸のヒップホップシーンを孤軍奮闘で牽引してきたThe Gameの自負心。

I came out when this shit was dry
俺はこのシーンが干上がってた時に出てきたんだ
※2000年代前半、西海岸のヒップホップが低迷していた時期にデビュー作『The Documentary』でシーンを復活させた自身の功績を誇示。

I paid my dues and paid the fines
俺は自分の代償を払い、罰金も払ってきた

For you ungrateful niggas
お前ら恩知らずな野郎どものためにな

I can't debate with niggas
野郎どもと議論する気はねえ

And I brought the K for niggas
そして俺は野郎どものためにKを持ってきたぜ
※「K」はAK-47。

'Cause I just can't be fake with niggas
だって俺は野郎どもに対してフェイクにはなれねえからな

Serials, it's great for niggas
シリアル番号、こいつは野郎どもにはおあつらえ向きさ
※銃のシリアルナンバーや、シリアルキラー(連続殺人)を暗示。

I draw lead, erase you niggas
俺は鉛を引き抜き、お前らを消し去ってやる
※「lead(鉛筆の芯/銃弾)」「draw(描く/銃を抜く)」「erase(消しゴムで消す/殺す)」を掛けた秀逸なワードプレイ。

Put that on God, it's me against all odds
神に誓って、これはあらゆる逆境に対する俺の戦いなんだ
※2Pacのアルバム『Me Against the World』や『All Eyez on Me』の精神を受け継ぐ孤高のスタンス。

I'll pop the steerin' column on the GNX and wait for niggas
GNXのステアリングコラムをぶっ壊して直結し、野郎どもを待ち伏せしてやるぜ
※「GNX」は1980年代のビュイックの名車。車のキーシリンダーを破壊してエンジンをかけ(盗難車など)、ドライブバイの準備をしているハードコアな描写。

[Chorus]

'Cause all y'all niggas be tellin'
だってお前ら野郎どもはみんな密告者だ

None of y'all records is sellin'
お前らのレコードなんて一枚も売れちゃいねえ

All y'all niggas is bitches
お前ら野郎どもは全員ビッチさ

My niggas is felons
俺の仲間たちは重罪犯だ

Y'all gotta pay for pussy
お前らはプッシーに金を払わなきゃならねえが

I ain't gotta pay for shit
俺はビタ一文払う必要なんてねえ

I ain't even payin' for my sins
俺は自分の罪にすら代償を払っちゃいねえよ

On God, I'ma kill him again
神に誓って、俺があいつをもう一度殺してやる

'Til there's blood on my face
俺の顔に血が飛び散るまで

Blood on my tee
俺のTシャツが血で染まるまで

Blood on my hands
俺の手に血がべっとりつくまで

Blood on my sink
俺のシンクが血に染まるまで

That's on Blood, it's still One Blood
それはブラッズの誓いだ、今でもワン・ブラッドなんだよ

Nigga, throwin' up Blood out the bloody '63
なぁ、血まみれの63年型からブラッズのサインを掲げるぜ

Flesh of my flesh, blood of my blood
俺の肉の肉、俺の血の血さ

Arm hangin' out the window, yeah, nigga, One Blood
窓から腕をぶら下げる、ああ、なぁ、ワン・ブラッドさ

You can put it on Crip, I'ma put it on Blood
お前はクリップに誓えばいい、俺はブラッドに誓うぜ

Don't ask me for shit 'cause you ain't my blood
俺に何も頼むな、お前は俺の血筋じゃねえんだからな