Artist: Lil Baby
Album: My Turn (Deluxe)
Song Title: Social Distancing
概要
2020年5月、世界中がパンデミックによる未曾有のロックダウンに揺れる中、アトランタのトップランナーであるLil Babyがリリースした特大ヒットアルバム『My Turn』のデラックス版に収録された一曲。Section 8とChi Chiが手掛けたダークで不穏なトラップビートに乗せ、彼は当時世界中で叫ばれていた「ソーシャル・ディスタンシング(社会的距離の確保)」という言葉を、全く新しいストリートの文脈で再定義してみせた。ウイルスから身を守るためのスローガンは、ここでは「フェイクな連中や敵から距離を置くこと」や「誰にも手の届かない絶対的な高みにいること」の比喩として機能している。さらに「病気にならないために薬(リーン)を飲む」「銃撃の音を拍手喝采に見立てる」など、トラップ特有のブラックユーモアと巧みなダブルミーニングが炸裂しており、混迷の時代すらも自身のフレックス(自己顕示)へと昇華してしまう彼の圧倒的なカリスマ性が記録されたアンセムである。
和訳
[Intro]
(Section 8 just straight cooked this motherfucker up)
(セクション・エイトがこのヤバいビートを料理したぜ)
※プロデューサーであるSection 8のタグ。
(What's happenin', Chi Chi?)
(調子はどうだ、チ・チ?)
※共同プロデューサーであるChi Chiへのシャウトアウト。
[Verse 1]
I told her to fly and she scared of the virus, I sent her a private to get here
彼女に飛行機で来いと言ったらウイルスを怖がったから、ここへ来させるためにプライベートジェットを送ってやった
※COVID-19のパンデミック下でも、大金を使って女を呼び寄せるロックスター的なフレックス。
I made four hundred dollars off of each of these pounds, I ain't trippin', it's gon' be a good year
このパウンズから1つにつき400ドルの利益を出した、焦ってないぜ、今年は良い年になりそうだ
※「pounds」はポンド単位のウィード(大麻)のこと。ドラッグディールの利益計算。
Solomon drivin' while I got my hands on the chopper, I'm keepin' my eyes in the rearview
ソロモンが運転する間、俺はチョッパーに手をかけている、バックミラーから目を離さないぜ
※「Solomon」は仲間のドライバー。「chopper」はアサルトライフルのこと。
I'm from Atlanta where they pay to triple cross niggas, they'll dap you up, then they'll kill you
俺の地元アトランタじゃ、金を払って二重にも三重にも裏切るんだ、奴らはダップを交わした後に、お前を殺すのさ
※「triple cross」は徹底的な裏切り。「dap」は拳を合わせるストリートの挨拶。親しげに近づいて命を狙うアトランタの冷酷な現実。
These niggas fake and I'm real, I don't feel 'em
こいつらはフェイクで俺はリアルだ、あいつらには何も感じないね
My niggas takers, ain't worried 'bout 'em stealing
俺の仲間たちは奪う側だ、あいつらに盗まれる心配なんてしてないぜ
I run with apes and some baby gorillas
俺はエイプやベビー・ゴリラたちと一緒に動いている
※凶暴で強力なストリートの仲間(マッスル)たちを類人猿に例えている。
I know a few (Shh), I can buy me a nigga
俺には何人かの心当たりがある、ヒットマンを雇うことだってできるんだ
Said I wouldn't change but my change a lil' bigger
俺は変わらないと言ったが、俺の小銭は少しばかりデカくなったみたいだ
※「change」のダブルミーニング。自分が変わることと、稼ぐ小銭(大金)のこと。
Four-carat ring leave a scar if I hit you
4カラットのリングだ、これで殴ればお前の顔に傷が残るぜ
※巨大なダイヤモンドの指輪をメリケンサック(武器)として使うという暴力的なフレックス。
Look like a spaceship, got stars in my vehicle
まるで宇宙船みたいだ、俺の車の中には星が輝いてる
※ロールスロイスの天井にある「スターライト・ヘッドライナー(星空を模した照明)」の描写。
These niggas fake and I don't wanna deal with 'em all
こいつらはフェイクだ、どいつもこいつも関わりたくないね
[Chorus]
I'm social distancing
俺はソーシャル・ディスタンスを保ってるんだ
Man, these niggas can't touch me, I can't get sick
なぁ、こいつらは俺に触れることすらできない、俺は病気になるわけにはいかないからな
※「俺のレベルには手が届かない」というフレックスと、実際の「ウイルス感染予防」をかけた秀逸なダブルミーニング。
Good excuse for me to pour up medicine (Syrup)
薬を注ぐにはちょうどいい言い訳だぜ (Syrup)
※「medicine(薬)」と称して、シロップ(リーン=プロメタジン・コデイン入りの咳止めシロップ)を飲むことを正当化するブラックジョーク。
She say I ain't got no heart and I'm devil-sent
彼女は俺には心がないと言う、悪魔の使いだってな
I'm on some savage shit, ah
俺はサグで野蛮なことをやってるんだ
I got the drop on the opps, switched the cars
敵の居場所を突き止めて、車を乗り換えた
※「get the drop」は相手の現在地や隙を把握すること。襲撃(ドライブバイ)のために足のつかない車に乗り換えている。
I got a hundred inside of a drum
俺のドラムの中には100発入ってる
※「drum」は銃のドラムマガジン(大容量の円筒形弾倉)。
We pull up clapping, a round of applause
俺たちが乗り込んで拍手喝采を浴びせる、盛大なスタンディングオベーションだ
※ヒップホップファンの間で高く評価されるパンチライン。「clapping」は銃を乱射すること。連射音が拍手喝采(round of applause)に似ていることへの残酷な言葉遊び。
We just gon' say that they won the award
奴らがアワードを受賞したってことにしておくさ
※前行の「拍手喝采」を受け、敵が撃ち殺されたことを「賞を受賞した」と皮肉るダークなユーモア。
[Verse 2]
Slide in the daytime, then come back at night
昼間にスライドして、夜にまた戻ってくる
※「slide」は敵の縄張りを襲撃すること。
We gon' make sure that nobody play with us
誰一人として俺たちをナメられないようにしてやるんだ
They make me mad, I'ma turn up
奴らが俺を怒らせるなら、俺は暴れ回ってやる
Let's talk about money, I swear I been savin' up
金の話をしようか、誓って言うが俺はずっと貯め込んでいるぜ
I'm really sick with this shit, got 'em throwin' up
俺はこのクソにマジでうんざりしてる、奴らを吐き気させるほどにな
※「sick(病気/最高)」と「throw up(吐く)」で、ソーシャル・ディスタンシング(病気)のテーマを継続している。
He hit a lick for a brick, now he goin' up
あいつは1つのブリックのために強盗を働き、今じゃ上にのし上がっている
※「hit a lick」は強盗や一攫千金の犯罪。「brick」は1キログラムのコカインのブロック。
My niggas rapping, you see us, we blowin' up
俺の仲間たちもラップをしている、見ての通り俺たちは爆発的に売れている
Hit the bitch for a rack, then ignore her
1000ドルでビッチを抱いて、その後は無視してやる
I'm so sick of these rats and these whores
ネズミどもと売春婦たちにはもうウンザリなんだ
※「rats」は警察への密告者(スニッチ)。
I might marry my girl and just go away
俺の女と結婚して、どこか遠くへ行っちまうかもしれない
Eat her out if she rich, got expensive taste
彼女が金持ちなら食ってやるさ、俺は金のかかる味覚を持ってるからな
We ain't got rush, told the pilot to fuckin' wait
急ぐ必要なんてない、パイロットには待ってろと伝えてある
Ain't no way I can go on no fuckin' date
クソみたいなデートになんて、行けるわけがないだろ
I don't know her and she don't know me
俺は彼女を知らないし、彼女も俺を知らない
My lil' boy 'dem turnt up at a young age
俺の幼い息子たちは、こんな若さですでに最高にイケてるんだ
You can say that it run in my genes
俺の遺伝子に組み込まれてるって言ってもいいぜ
[Chorus]
I'm social distancing
俺はソーシャル・ディスタンスを保ってるんだ
Man, these niggas can't touch me, I can't get sick
なぁ、こいつらは俺に触れることすらできない、俺は病気になるわけにはいかないからな
Good excuse for me to pour up medicine (Syrup)
薬を注ぐにはちょうどいい言い訳だぜ (Syrup)
She say I ain't got no heart and I'm devil-sent
彼女は俺には心がないと言う、悪魔の使いだってな
I'm on some savage shit, ah
俺はサグで野蛮なことをやってるんだ
I got the drop on the opps, switched the cars
敵の居場所を突き止めて、車を乗り換えた
I got a hundred inside of a drum
俺のドラムの中には100発入ってる
We pull up clapping, a round of applause
俺たちが乗り込んで拍手喝采を浴びせる、盛大なスタンディングオベーションだ
We just gon' say that they won the award
奴らがアワードを受賞したってことにしておくさ
I'm social distancing
俺はソーシャル・ディスタンスを保ってるんだ
Man, these niggas can't touch me, I can't get sick
なぁ、こいつらは俺に触れることすらできない、俺は病気になるわけにはいかないからな
Good excuse for me to pour up medicine (Syrup)
薬を注ぐにはちょうどいい言い訳だぜ (Syrup)
She say I ain't got no heart and I'm devil-sent
彼女は俺には心がないと言う、悪魔の使いだってな
I'm on some savage shit, ah
俺はサグで野蛮なことをやってるんだ
I got the drop on the opps, switched the cars
敵の居場所を突き止めて、車を乗り換えた
I got a hundred inside of a drum
俺のドラムの中には100発入ってる
We pull up clapping, a round of applause
俺たちが乗り込んで拍手喝采を浴びせる、盛大なスタンディングオベーションだ
We just gon' say that they won the award
奴らがアワードを受賞したってことにしておくさ
[Outro]
I'm social distancing
俺はソーシャル・ディスタンスを保ってるんだ
Man, these niggas can't touch me, I can't get sick
なぁ、こいつらは俺に触れることすらできない、俺は病気になるわけにはいかないからな
