Artist: Roddy Ricch
Album: Feed Tha Streets
Song Title: Feed tha Streets (Interlude)
概要
カリフォルニア州コンプトン出身の天才メロディック・ラッパー、Roddy Ricchが2017年に発表したデビューミックステープ『Feed Tha Streets』に収録されたインタールード(幕間)。本作は、彼の原点とハスラーとしての揺るぎない哲学が凝縮された、キャリア初期を象徴する重要なコンシャス・トラックである。16歳でストリートのどん底から抜け出すため、ドラッグディールや強盗(Juggin')で糊口を凌いできた過酷な過去を回想しつつ、刑務所に収監された仲間への思いと、スニッチ(密告)が横行するフッドの冷酷な現実を淡々と語る。成功を手にした現在も、安易にギャングに憧れる若者へ「バックパックを持って学校に行け」とリアルな忠告を送る姿に、彼の精神的な成熟が見て取れる。「貧困(Broke)からの脱却」というRoddy "Ricch"の名前に込められたテーマが、特有の哀愁漂うフロウで生々しく表現された一曲だ。
和訳
[Intro]
Whoa, ooh
Whoa, ooh
Yeah, yeah, yeah, yeah, yeah
[Verse]
Most these niggas ain’t tryna see you win
大半の奴らは、お前が成功する(勝つ)ところなんて見たくないのさ
And I can’t trust nobody
俺は誰も信用できない
Not interested in being friends
友達になることにも興味はねえ
It’s free all of my niggas till my niggas free again
俺の仲間たちが再び自由になるまで、俺は「仲間に自由を(Free my niggas)」と叫び続ける
Went in blind through these Cartier’s I can see again
以前は盲目だったが、このカルティエのグラス越しに、今じゃはっきりと見えるようになった
※「Cartier's」は高級アイウェアのカルティエ。富を得たことで周囲のフェイクな人間関係や真実が見えるようになったという隠喩。
I’m Roddy Ricch but I remember back when I was broke
俺はRoddy Ricch(金持ち)だが、一文無しだった頃のことは忘れてねえ
※「Broke(一文無し)」と「Ricch(金持ち)」の対比。
Niggas' strugglin' on that dollar menu now it’s full course
1ドルメニューで食いつないでた仲間たちが、今じゃフルコースを食ってる
Went from standing on that corner, now I’m standing on a boat
あのストリートの角に立っていた俺が、今じゃボートの上に立ってるんだ
※「corner」はストリートでドラッグを密売する場所。
Bitch I bossed up, I done gave a lot of niggas hope
ビッチ、俺はボスになった、大勢の仲間たちに希望を与えてきたんだ
Yeah aye be careful who you choose lil' nigga
Yeah aye、誰とつるむかは慎重に選べよ、若造
My youngin grab a stick with the tool lil' nigga
俺の若い衆はツール付きのスティックを握ってるぜ、若造
※「stick」「tool」はどちらも銃器(拡張マガジン付きの銃など)を指すストリートスラング。
Really thuggin' so you better keep it cool lil' nigga
マジなサグ(不良)の生き方をしてるんだ、だから大人しくしてた方がいいぜ、若造
Grab your backpack and go to school lil' nigga
バックパックを持って学校に行きな、若造
※ストリートの過酷さを知り尽くしているからこそ、安易にギャングの真似事をする若者へ送るリアルな忠告。
Cause these streets ain’t for everybody
このストリートは、誰にでも生き抜ける場所じゃないからな
You lose your niggas in the coldest ways
最も冷酷な方法で、仲間を失うことになるんだ
You take the L, the snitch get forty days
お前は敗北を味わい、密告者(スニッチ)は40日でシャバに出る
※「take the L」はLoss(敗北や重い刑期)を受け入れること。仲間を売ったスニッチが司法取引で軽い刑で済むというストリートの不条理。
Your bitch be gone like, "Andale"
お前のビッチは「アンダレ(早く早く)」って感じで去っていく
※「Andale」はスペイン語で急ぐという意味。刑務所に入った途端に女が離れていく描写。
My niggas tired of being underpaid
俺の仲間たちは、安月給でこき使われるのにうんざりしてるんだ
So we trapping for a hundred days nigga
だから俺たちは100日間ぶっ通しでトラップ(密売)するのさ
I remember I was certified broke
俺が正真正銘の一文無しだった頃を覚えてる
And I got up off my ass started juggin' for a note
ケツを上げて、札束のためにジャギンを始めたんだ
※「juggin'」は強盗や詐欺など不正に稼ぐこと。「note」は紙幣。
Young nigga hit a stain and got washed up
若い奴が強盗をして、結局はムショ送り(台無し)になった
※「hit a stain」は強盗を成功させること。「washed up」は捕まるか死んで終わりを迎えること。
Free my niggas on the game they got locked up
このストリート・ゲームで捕まった仲間たちを解放してくれ
I pour a pint for all my niggas who can’t shine with me
俺と一緒に輝けない(ムショにいる)仲間たちのために、1パイントのシロップを注ぐ
※「pint」はリーン(プロメタジン・コデインシロップ)のボトル単位。
And pour up Ace for all my niggas who alive with me
俺と一緒に生きている仲間たちのために、エースを注ぐ
※「Ace」は高級シャンパンのアルマン・ド・ブリニャック。
And fuck a nigga who ain’t tryna take the time with me
俺と一緒に時間を過ごそうとしない奴なんてクソ食らえだ
And take my niggas worldwide if they grind with me
俺と一緒にグラインド(努力)する仲間は、世界中に連れて行ってやるぜ
Where were you when I was broke, being broke was so annoying
俺が一文無しだった時、お前はどこにいたんだ? 一文無しなのは本当にイラつくぜ
When these other niggas shining but you know you can’t afford it
他の奴らが輝いてるのに、自分にはその余裕がないって分かってる時にな
So I be trapping heavy from the night until the morning
だから俺は夜から朝までハードにトラップしてたんだ
State prison took my niggas we just tryna pay the mortgage
州刑務所が俺の仲間を連れ去った、俺たちはただ家のローンを払おうとしてただけなのにな
How they all make count with all these cases
こんないくつもの事件を抱えて、どうやって奴らは計算を合わせるって言うんだ?
Talking bout my struggle but you know I ain’t complacent
俺の苦闘について話してるが、俺が現状に満足してないのは分かってるだろ
I was sixteen when I got it out the basement
地下室(どん底)から抜け出した時、俺は16歳だった
And Bird seen the vision yeah we gotta make it
バードがそのビジョンを見た、ああ、俺たちは成功しなきゃならない
※「Bird」は彼を見出した恩人、または近しい仲間の名前。
Certified broke but the name rich
正真正銘の一文無しだったが、名前はリッチ(Ricch)だ
Producers talking touchdown but they ain’t switch
プロデューサーたちがタッチダウン(成功)について語ってるが、奴らは寝返らなかった
And if a nigga switched up I don’t blame shit
もし誰かが寝返ったとしても、俺は何も責めやしないさ
Don’t got no time for a nigga or a lame bitch
そんな奴やダサいビッチにかまってる暇はないからな
Diving in 'bout to cop a whole Wraith on these niggas
飛び込んで、あいつらの目の前でレイスを丸ごと買ってやる
※「Wraith」はロールス・ロイスの超高級車。
I go to Ruth Chris cause I’m 'bout to eat steak on these niggas
ルース・クリスに行く、あいつらの目の前でステーキを食ってやるからな
※「Ruth's Chris Steak House」はアメリカの有名な高級ステーキレストランチェーン。
I take the charge so they won’t stack one more case on my nigga
俺が罪を被る、そうすれば仲間にこれ以上事件(前科)が積み重なることはないからな
We surviving cause this shit ain’t gon make it my nigga
俺たちは生き残る、こんなことでやられる(終わる)わけにはいかないからな、兄弟
Yeah, yeah, yeah, yeah
