Artist: Lil Tjay & NoCap
Album: They Just Ain’t You
Song Title: Never Leave
概要
NY・ブロンクス出身のLil Tjayと、アラバマ州モビール出身のNoCapがタッグを組んだ「Never Leave」。両者ともにメロディック・ラップの旗手であり、ストリートの過酷なトラウマと成功の重圧を歌う「Sad Boy」的なペルソナを共有している。Lil TjayはVerse 1で、成功した自分に群がる偽物の仲間や、ポップ路線への変更を強要するレーベル、そして執拗に彼を狙う法執行機関(DA)への不満を爆発させる。続くNoCapはVerse 2で、彼特有の高度なダブルミーニングとパンチライン(ワシントンや野球、アドルフ・ヒトラーなどにかけた言葉遊び)を駆使しながら、裏切りと孤独、そして過去の罪に苛まれる姿を描き出している。ストリートから抜け出し大金を手にした今でも、決して拭い去ることのできない痛みとパラノイアを歌い上げた、ディープな内省的バンガーである。
和訳
[Intro]
(Adre, light 'em up)
(No way, Hozay)
※プロデューサーのタグ。
[Verse 1: Lil Tjay]
Shit ain't 'bout nothing, I'll buy you whatever
金なんてどうってことねえ、何だって買ってやるよ
I'm talkin' whatever you need to succeed
君が成功するために必要なものなら何だって、って話さ
New Fendi leather, new mink for the weather
新しいフェンディのレザー、天気に合わせた新しいミンクのコート
These bitches could never fuck with you, like, please
他のビッチどもじゃ君の足元にも及ばねえよ、マジでな
Hundred on my wrist, you know I'm a star
手首には10万ドルの時計、俺がスターだって分かってるだろ
※「Hundred」は100k(約1500万円)の高級時計。
Cover the scars that I wear on my sleeves
俺が袖に隠し持っている傷跡を覆い隠してくれ
※「wear my heart on my sleeve(感情を隠さずに出す)」というイディオムのもじり。過去のトラウマや心の傷を隠して生きていることのメタファー。
Tryna go far every day, I've been putting in work
毎日もっと遠くへ行こうと、死に物狂いで働いてきた
All I ask is that you never leave
俺の願いはただ一つ、君が絶対にここを離れないことだけだ
Millies I got 'em, they all in the bank
何百万ドルも稼いできた、全て銀行に入ってる
We came a long way from duckin' the D's
サツのデカから逃げ回ってた頃から、ずいぶん遠くまで来たもんだ
※「D's」はDetectives(刑事・警察)のストリートスラング。
Go rob a nigga, get a couple of blues
奴らを襲って、何枚かの青い札(100ドル札)を手に入れる
※アメリカの100ドル紙幣(ベンジャミン・フランクリン)には青いリボンが印刷されているため、「blues」や「blue cheese」と呼ばれる。
Ain't nobody got no bread in the P
プロジェクト(公営団地)には、金を持ってる奴なんて誰もいなかったからな
※「P」はProjects(低所得者向け公営住宅)。
Most respect to anybody that's real
リアルな奴らには最大の敬意を払うぜ
I could never jack a nigga that's cheap
ケチな野郎をリスペクト(ジャック)する気なんて到底なれないね
※「jack」はサポートする、認める、パクるなどの意味を持つNYスラング。
What you lil' niggas know about opps?
お前らガキに敵(オップス)のことなんて何が分かる?
What's the reason you got beef with the Gz?
お前らがGzと揉めてる(ビーフ)理由は何なんだよ?
※「Gz」はギャングメンバー(Gangstas)や特定のクルー(Ygzなどブロンクスのギャング)を指す。
Really right here, though, I'm tryna see better
本当のところ、俺はもっと良い景色が見たいんだ
Saw a different life, I went overseas
海外に行って、全く違う人生を見たからな
They said, "Tjay got no love for the block"
奴らは「Tjayは地元(ブロック)への愛を失っちまった」って言うんだ
Every time I don't go cater their needs
俺があいつらの要求に付き合ってやらなかった時はいつだってな
Being honest, see? They focus on guap
正直に言えば、分かるだろ? 奴らは金(グワップ)のことしか頭にねえんだ
Told myself, "You gotta focus, you not"
俺は自分に言い聞かせた、「お前は集中しなきゃダメだ、あいつらとは違う」ってな
Out my deal, soon I finally can rap
今の契約が終われば、すぐにお前らは俺の本当のラップが聴けるぜ
※レコード会社との契約満了が近づき、より自由な表現ができることへの期待。
Label deal was tryna get me to go pop
レーベルの契約のせいで、俺はポップ路線に行かされそうになってたんだ
※ヒップホップアーティストがメジャーレーベルからポップな曲(売れ線)を作るよう圧力をかけられることへの批判。
Spent few hundred, 'bout to get me a drop
何十万ドルも使って、そろそろドロップトップ(オープンカー)を手に入れるところだ
Louis V, I brought out eighty to shop
ルイ・ヴィトンで、買い物のために8万ドルも引き出してきたぜ
Why these niggas say they happy I made it?
なんでこいつらは俺が成功して嬉しいなんて口に出すんだ?
They just really want a nigga to flop
奴らは本当は、俺が失敗して落ちぶれるのを望んでるくせにな
※「flop」は失敗する、売れなくなること。
We all naturally tryna do better
俺たちは皆、本能的にもっと良くなろうとしてるだけさ
They wouldn't take me, so I stay with my knocks
奴らは俺を受け入れようとしなかった、だから俺は自分の銃(ノックス)と一緒にいるんだ
I was low-key tryna get me a wife
俺はこっそり、妻になるような女を探そうとしてたんだ
But I seen how these bitches be thots
でも、このビッチどもがどれだけヤリマン(thot)かを見てきたからな
Playing with me, must be off of a rock
俺をからかうなんて、クラックでもキメて頭がおかしくなってるとしか思えねえ
※「rock」はクラックコカインの結晶。
Quickest way to way to get a shell in your top
お前の頭(トップ)に銃弾(シェル)をぶち込まれる、一番手っ取り早い方法だぜ
I ain't got to blow the marketing budget
俺はマーケティングの予算なんて無駄遣いする必要はねえ
They know it's real, that's why they stream me a lot
俺が本物(リアル)だって分かってるから、みんな俺の曲をたくさんストリーミングしてくれるんだ
I got niggas stayin' up in a cage
俺の仲間たちは、刑務所の檻の中に閉じ込められたままだ
My life so weird, I think I need me a sage
俺の人生はあまりにも奇妙だ、セージでも焚いて浄化しなきゃいけないかもな
※「sage」は悪霊やネガティブな気を払うために焚くハーブ。
DA tryna throw me under the jail
地方検事(DA)は俺を刑務所の底にぶち込もうとしてやがる
Probably jealous 'bout the money I made
きっと俺が稼いだ金に嫉妬してるんだろうな
[Verse 2: NoCap]
Pinky ring, VVS
小指の指輪には、VVSのダイヤモンド
Keys to steering wheel of the foreign
外国車(外車)のステアリング・ホイールの鍵
※「foreign」は高級輸入車(フェラーリやランボルギーニなど)を指すスラング。
Whipped out a GPS
GPSを引き抜いてやったぜ
※追跡されるのを避けるために車のGPSを取り外したこと、あるいは誰にも行き先を告げずに姿を消すこと。
One thing I know, that these hoes goin'
一つだけ分かってるのは、このビッチどもは去っていくってことだ
Pass the ball, make a hundred a day
ボールをパスしろ、1日に10万ドル稼ぐぜ
※「ball」はバスケットボールと「大金を稼ぐ(ballin')」のダブルミーニング。
When it could've been like minimum wage
最低賃金で働くような人生だったかもしれないのにな
In that county, ain't no friends, just faith
あの郡刑務所(カウンティ)の中には、友達なんていねえ、あるのは信仰(神への祈り)だけだ
Draco told me that he usually pray
ドラコが俺に、普段は祈りを捧げてるって教えてくれたよ
※「Draco」はアサルトライフルのAK-47(のピストル版)のこと。銃すらも神に祈るほどの過酷な状況の擬人化表現。
Want to repeat this life, I'm true to this, I told you twice
この人生をもう一度繰り返したい、俺はこれに本気だ、二度言ったぜ
Gave you my back to stab, at least you could've left the knife
お前に背中を刺させてやったんだ、せめてナイフくらい残していってくれよ
※「stab in the back」は裏切りの隠喩。裏切られた挙句、その傷跡(ナイフ)すら持ち去られて何も残らなかったという哀愁表現。
Why would you smile with me then leave me all alone to cry?
なんで俺と一緒に笑っていたのに、俺をたった一人残して泣かせるんだ?
This shit paid for, ain't no rental, uh
これは全部現金で買ったんだ、レンタルじゃねえぞ、uh
This that good dope, uh, shit like fentanyl
これは上物のドープだ、uh、フェンタニルみたいにな
※自分の音楽がフェンタニル(極めて強力なオピオイド系麻薬)のように中毒性があり、強烈であることを意味するパンチライン。
I got baseball money put up in a safe house
セーフハウスに、プロ野球選手(MLB)並みの金を隠し持ってるぜ
I need 60K to hit Lear like I'm Adolf
リアジェットに乗るために6万ドルが必要だ、まるで俺がアドルフみたいにな
※「Lear」はプライベートジェットのLearjet。アドルフ・ヒトラー(Adolf Hitler)にかけた不謹慎かつ強烈なネームドロップで、「空を支配する(ヒットする)」というダブルミーニング。
From where bodies gon' drop and the block gon' spin
死体が転がり、ブロックで報復の銃撃(スピン)が繰り返される場所から来たんだ
※「spin the block」は敵の縄張りに車で乗り込んで銃撃すること。
Got a redskin bitch, she from Washington
ワシントン出身の、赤い肌のビッチを連れてるぜ
※アメリカンフットボールのNFLチーム、ワシントン・レッドスキンズ(現在はコマンダースに改名)にかけたパンチライン。「redskin」はネイティブ・アメリカンの血を引く、あるいは赤みがかった肌の女性を指す。
Pain been workin' overtime, I hardly whipped this chain
痛みが残業(オーバータイム)しやがる、俺はこのチェーンを振り回す気にもなれねえ
Pain been workin' overtime, I hardly whip this fame
痛みが残業しやがる、俺はこの名声をひけらかす(ウィップ)気にもなれねえ
That pain been workin' over— gun to my head
その痛みがずっと俺を苦しめて… 自分の頭に銃を突きつけてるんだ
Double R truck, windows fog up
ダブルR(ロールス・ロイス)のトラック、窓ガラスが曇っていく
※「Double R」はロールス・ロイス・カリナン(高級SUV)のこと。
In the rain while it's storming
嵐のように雨が降りしきる中で
Lord, I'm so weak
神様、俺は本当に弱い人間です
I can't even sleep
眠ることすらできない
'Cause I done some things
俺はいくつかの過ち(罪)を犯してきたから
Might come back and haunt me, yeah
それがいつか戻ってきて、俺に呪いをかけるかもしれないんだ、yeah
[Outro: NoCap]
It was game, courtside
ゲームだった、コートサイドで見ていた
I used to come pay for a fade
昔はフェードカット(散髪)の金すらやっと払ってたんだ
It's possible I make a hundred a day, it could've been minimum wage
今じゃ1日に10万ドル稼ぐことも可能だ、最低賃金で終わってたかもしれないのにな
