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Shoot Your Trophies - Rome Streetz 【和訳・解説】

Artist: Rome Streetz

Album: Sock It 2 My Pocket

Song Title: Shoot Your Trophies

概要

ニューヨークを拠点とし、現代のアンダーグラウンド・ブーンバップシーンにおいて圧倒的な存在感を示すRome Streetzの『Sock It 2 My Pocket』収録曲。麻薬密売の過酷なストリート・ライフから音楽を通じた成功へと至る軌跡を、特有の冷徹なハスラー・マインドと高度なワードプレイで描き出している。タイトル「Shoot Your Trophies」が意味する通り、他者の栄光(トロフィー)を撃ち砕き、追悼のキャンドルを蹴り倒すような無慈悲な競争社会での生き残りを宣言している。LL Cool J、AC/DCからギリシャ神話、さらにはFive-Percent Nation(ネーション・オブ・ゴッズ・アンド・アース)のディープな教義に至るまで、彼のリリシズムの広さと知識の深さが存分に発揮された、シネマティックでドープな一曲である。

和訳

[Intro]

Look
見な

[Verse 1]

I travel on the dark side, roll with no regret
暗黒面を旅し、後悔なく進む

Live by the code, my cracked iPhone got CEO's and coke connects (Uh-huh)
掟に従って生きる、画面の割れたiPhoneにはCEOとコカインの密売人の連絡先が入っている (Uh-huh)
※合法ビジネスのトップ(CEO)と裏社会の元締め(coke connects)が同列に並ぶ、彼特有のハスラーとしての幅広さを表している。

Hoes for sex, old clientele that know my dope's the best
セックスのための女たち、俺のヤクが最高だと知っている昔の顧客たちもな

Feed it to you through the audio instead a open flesh
開いた肉に打ち込む代わりに、オーディオを通してお前にそいつを与えてやる
※「open flesh(皮膚を開く=注射器でドラッグを打つ)」代わりに、耳(オーディオ)を通して自身の中毒性の高い音楽(ヤク)をファンに供給しているというメタファー。

Stroke of death, leave the culture with no pulse to press
死の打撃さ、このカルチャーの脈を止めてやる

Squeeze it to a pulp for a open check (Money)
白紙の小切手のために、果肉になるまで搾り取ってやる (Money)
※「open check(金額が白紙の小切手)」を手にするため、シーンの利益を根こそぎ絞り取る野心。

Catch ultra wreck, big step after step, continuous
超ド級の破壊をもたらし、デカい一歩を連続で踏み出し続ける

Where the fuck you been? Uptown, downtown, Switzerland?
お前は一体どこにいたんだ? アップタウンか、ダウンタウンか、それともスイスか?

Globe-trottin', trappin', dope-dealin', world citizen
世界中を飛び回り、トラップし、ヤクを捌く、世界市民さ

Wrappin' both my arms around a big percent (Cash)
デカい利益の割合を両腕で抱え込む (Cash)

Still remember wrappin' tape around a brick of meth
メスのブロックにテープを巻いていたのを今でも覚えてるぜ
※「meth」はメタンフェタミン(覚醒剤)。過去の麻薬密売の記憶。

Fuckin' with a refugee like Wyclef (Uh-huh)
ワイクリフみたいに難民と絡んでな (Uh-huh)
※ヒップホップグループFugees(Refugee Camp)のWyclef Jean(ワイクリフ・ジョン)のネームドロップ。

And a lot of other shit, but that's irrelevant
他にも色々とあったが、それは関係ない

Back to how they can't fuck with this, they lack the elements
奴らがこれに敵わないって話に戻ろう、奴らには要素が欠けているんだ

It's fourteen shots in your dome, I LL your shit (Bow-bow-bow-bow-bow)
お前の頭に14発の銃弾をぶち込む、お前の全てをLLにしてやる (Bow-bow-bow-bow-bow)
※LL Cool Jの1993年のアルバム『14 Shots to the Dome』のリファレンスであり、「お前をLoss(敗北)させる」というダブルミーニング。

I wrote verses in cells and on my way to make sales
独房の中で、そして取引に向かう途中でヴァースを書いた

On the highway to Hell like AC/DC
AC/DCのように地獄へのハイウェイに乗ってな
※伝説的ロックバンドAC/DCの代表曲「Highway to Hell」の引用。破滅に向かうストリートの生き様を表現している。

Thinkin' my destiny's failed, but now I'm excellent
自分の運命は終わったと思っていたが、今じゃ最高だ

Turned thoughts to gold and alchemy on some chemist shit (Bling)
思考を黄金に変えた、化学者のような錬金術でな (Bling)

Got it out the streets, I came up off a chemist script
ストリートから抜け出した、化学者の処方箋で成り上がったんだ

Now it cost a quarter brick to get me to spit
今じゃ俺にラップさせるには、4分の1ブロック分の金がかかるぜ
※「quarter brick」はコカインのキロ単位ブロックの4分の1。現在の自身の客演料(ヴァースを蹴る代金)が、ストリートのドラッグの卸値と同等レベルに高騰していることの誇示。

[Chorus]

Lately my stock risin' OD
最近、俺の株価は異常に上がり続けている
※「OD」はOverdoseの略から転じて、「異常に、過剰に」という意味のスラング。

And shit changed, new hoes'll never know the old me (Uh-uh)
そして状況は変わった、新しい女たちは昔の俺を知ることは決してない (Uh-uh)

Got new goals, stuck on old shit is what I won't be (Uh)
新しい目標がある、過去のクソにしがみつくような真似はしない (Uh)

They chose me to kick your candles over, shoot your trophies (Bow-bow-bow-bow-bow)
お前らのキャンドルを蹴り倒し、トロフィーを撃ち抜くために俺は選ばれたんだ (Bow-bow-bow-bow-bow)
※「candles」はストリートで死者を追悼するために置かれる祈りのロウソク。「trophies」は他者の成功の象徴。敵の祈りや栄光を容赦なく破壊する絶対的な勝者としての宣言。

Lately my stock risin' OD
最近、俺の株価は異常に上がり続けている

And shit changed, new hoes'll never know the old me (Nah)
そして状況は変わった、新しい女たちは昔の俺を知ることは決してない (Nah)

Got new goals, stuck on old shit is what I won't be (Uh-uh)
新しい目標がある、過去のクソにしがみつくような真似はしない (Uh-uh)

They chose me to kick your candles over, shoot your trophies (Bow)
お前らのキャンドルを蹴り倒し、トロフィーを撃ち抜くために俺は選ばれたんだ (Bow)

[Verse 2]

Look, your hand cold, you rollin' aces
見な、お前の手は冷え切っている、1のゾロ目を出してるな
※クラップス(サイコロ賭博)のスラング。「aces」は1のゾロ目(Snake eyes)で最悪の目、負けを意味する。

I got the golden throw, head crack for dough, that's why I'm holdin' faces (Cash)
俺のサイコロは黄金の軌道を描く、金のためにヘッド・クラックを出す、だから大金を持ってるんだ (Cash)
※「head crack」はクラップスで最初の一投目で勝つこと、または文字通り敵の頭を割ること。「faces」はベンジャミン・フランクリンなどの顔が印刷された紙幣(大金)のこと。

God broke the mold when He made this
神がこれを作った時、型を壊したんだ
※自分自身が規格外であり、唯一無二の存在であるという慣用表現。

I made my way through mazes like Daedalus
ダイダロスのように迷宮を切り抜けてきた
※ギリシャ神話でラビリンス(迷宮)を設計し、自らも脱出した名工ダイダロスに、ストリートの罠を切り抜けた自身の知恵を重ねている。

Get a load of greatness, stylin' outrageous
偉大さをよく見な、桁外れのスタイルさ

With all the rages, had beige work for ravens, acid by the pages (Uh-huh)
すべての熱狂とともに、カラスどものためにベージュのブツを用意し、LSDをシート単位で捌いていた (Uh-huh)
※「beige work」は低純度のヘロイン等のこと。「ravens」は中毒者たち、またはドラッグに群がる者たち。「pages」はLSDを染み込ませたシート(紙)のこと。

Thinkin' we adjacent, you hallucinatin' (Fuck outta here)
俺たちが同格だと思ってるなら、お前は幻覚を見てるぜ (Fuck outta here)
※LSDの文脈から「幻覚(hallucinatin')」へと繋ぐ秀逸なワードプレイ。

My shit been boomin' all through the nation
俺のモノは国中で大流行している

Sensation, addicted to the game, been havin' cravings
センセーションさ、このゲームの中毒になり、ずっと渇望を抱えている

Got plenty ways to fill the savings, all you bums barely maintainin' (You niggas washed)
貯金を増やす方法はいくらでもある、お前らクソ野郎どもは現状維持が精一杯だ (You niggas washed)

Went from arraignment to entertainment
罪状認否からエンターテインメントの世界へやってきた

I'm well aware that money changes, that's somethin' I'm open to embrace
金が人を変えることはよく分かっている、それは俺が喜んで受け入れるものだ

And hope you fuckers is takin' notes, I'm showin' inspiration
お前らクソ野郎どもがメモを取ってることを願うぜ、俺はインスピレーションを与えてるんだからな

Thousand-dollar coat, steppin' on the throat of Satan (Ugh)
1000ドルのコートを着て、サタンの喉笛を踏みつける (Ugh)

In some Christian Diors, know keys open doors
クリスチャン・ディオールを着てな、鍵が扉を開くってことを知っている
※Clipseのクラシック曲「Keys Open Doors」の引用。「keys」は扉を開く成功の鍵であり、キロ単位のコカイン(kilos/keys)のダブルミーニング。

Get everything I want 'cause mami told me the world was yours (Uh-huh)
欲しいものは全て手に入れる、母さんが世界はお前のものだと言ってくれたからな (Uh-huh)
※映画『スカーフェイス』の名台詞「The World Is Yours」であり、Nasの同名クラシック曲へのリファレンス。

Street-struck, I played the corner like Ty Law
ストリートに囚われ、タイ・ローのようにコーナーを守っていた
※NFLのニューイングランド・ペイトリオッツ等で活躍した名コーナーバック、タイ・ロー。ドラッグディーラーとしてストリートの「コーナー(街角)」に立っていたことと掛けている。

Permanent stain on my brain from shit that my eyes saw
俺の目で見たクソみたいな光景が、脳に永遠のシミを残している

Been through mad shit like Jaguar Paw
ジャガー・パウみたいに狂った経験をしてきた
※メル・ギブソン監督の映画『アポカリプト』の主人公ジャガー・パウ。マヤ文明の過酷なサバイバルをストリートの生存競争に例えている。

Got the power 'cause I was made in the image of God
俺には力がある、神の似姿として作られたからな

Hit you in your arm, leg, leg, arm, last the head shot (Bow)
お前の腕、脚、脚、腕を撃ち、最後はヘッドショットだ (Bow)
※「Arm, Leg, Leg, Arm, Head」の頭文字を取ると「A.L.L.A.H.(アッラー)」。Five-Percent Nationの教義において「黒人男性の肉体=神」を示す非常に重要なヒップホップのメタファー。それを物理的な銃撃の部位に掛けている極めて高度なパンチライン。

Think he live, I turn your favorite rapper to dead stock
あいつが生きてると思うか? お前のお気に入りラッパーをデッドストックに変えてやる
※「dead stock」は流通していない未着用の新品(プレミアスニーカーなど)を指す言葉だが、ここでは文字通り「死体(dead)」に変えるという冷酷なダブルミーニング。

Leave 'em slumped in the junkyard like Redd Foxx
レッド・フォックスのように、ジャンクヤードでぐったりと倒れさせておくのさ
※アメリカの伝説的コメディアンRedd Foxx。彼はシットコム『Sanford and Son』でジャンクヤード(廃品置き場)のオーナーを演じており、作中で「心臓発作のフリをして倒れ込む」ギャグが有名だった(後に本物の心臓発作で亡くなっている)。

Cross the gun line, you better not
ガンライン(射線)を越えるな、やめておいた方がいいぜ

Nigga
ニガ

[Outro]

We never boost no sweaters out of S&Ds, boy, you ain't fly
俺たちはS&Dからセーターを万引きしたりはしない、坊や、お前はイケてないぜ
※「boost」は万引きすること。ニューヨークの「Lo-Life」カルチャー(Polo Ralph Laurenなどのブランド服を集団で万引きし、身に纏うギャングの美学)への言及。

You ain't never clipped the alarm on no Iceberg, you ain't fly
アイスバーグの防犯タグを切ったこともないだろ、お前はイケてない
※「Iceberg」は90年代〜00年代のラッパーたちに愛された高級ファッションブランド。ストリートで本物の服を自らの手で奪い取り、着こなしてきたハスラーとしての誇り。

You ain't gettin' no money
お前は金なんて稼いじゃいない

Sock it to my pocket
俺のポケットに金を突っ込め

Ayo, man, you niggas know the vibes, it's the nice life, man
Ayo、なあ、お前らバイブスは分かってるだろ、素晴らしい人生さ

Influenyce Enterprise, man
インフルエンス・エンタープライズだぜ
※Rome Streetzの所属レーベル/ブランド。

You know what I'm sayin'? Shit like that, man, niggas run it up
言ってる意味分かるか? そんな感じだ、俺たちは稼ぎまくるんだ