Artist: Post Malone (feat. Young Thug)
Album: Hollywood’s Bleeding
Song Title: Goodbyes
概要
2019年にリリースされ、全米ビルボードHot 100で初登場3位を記録したアルバム『Hollywood’s Bleeding』からのセカンドシングル。プロデュースは盟友Brian LeeとLouis Bellが手掛けており、80年代のシンセサイザーと現代のメロディック・トラップを融合させた哀愁漂うビートが特徴的である。客演にはアトランタのトラップ・キングことYoung Thugを迎えた。歌詞では、互いに傷つけ合いながらも依存し合う有毒な恋愛からの決別と、さよならを言うことの精神的な痛みをリアルに描いている。Post Maloneが敬愛するニルヴァーナのKurt Cobainへの言及や、Young Thug特有のトリッピーでマテリアルな愛の表現が絡み合い、単なる失恋ソングを超えたダークで美しいヒップホップ・バラードへと昇華された現代の傑作だ。
和訳
[Verse 1: Post Malone]
Me and Kurt feel the same, too much pleasure is pain
俺とカートは同じ感情を抱いてるんだ、あまりにも多すぎる快楽は苦痛へ変わる
※「Kurt」は伝説的グランジロックバンド、Nirvana(ニルヴァーナ)のボーカルであるKurt Cobain(カート・コバーン)を指すネームドロップ。富や名声、ドラッグといった快楽の過剰摂取が、やがて破滅や精神的な苦痛をもたらすというロックスター特有のニヒリズムを表している。
My girl spites me in vain, all I do is complain
俺の女は無駄に意地悪をして俺を傷つける、そして俺は不満を漏らしてばかりだ
She needs somethin' to change, need to take off the e-e-edge
彼女は何か変化を求めていて、今の神経の張り詰めを和らげる必要がある
※「take off the edge」はプレッシャーや不安による精神的な緊張・焦燥感を和らげること。多くの場合、ドラッグやアルコールによる麻痺や現実逃避を示唆する表現。
So fuck it all tonight
だから今夜は、もう何もかもどうだっていい
And don't tell me to shut up
そして俺に向かって「黙れ」なんて言うなよ
When you know you talk too much
自分がおしゃべりすぎるって分かってるくせにな
But you don't got shit to say (Say)
そのくせ、中身のある大したことなんて何一つ言ってないんだから (Say)
[Chorus: Post Malone]
I want you out of my head
君の記憶を、俺の頭の中から消し去りたい
I want you out of my bedroom tonight (Bedroom)
今夜、俺のベッドルームから出て行ってほしいんだ (Bedroom)
There's no way I could save you (Save you)
俺が君を救うことなんて絶対にできないよ (Save you)
'Cause I need to be saved too
だって俺自身も、誰かに救われる必要があるんだから
※「共依存の末路」を描いた核心のパンチライン。自分自身が心の問題を抱え、破滅の縁に立っているため、パートナーを精神的な地獄から救い出すことなど不可能であるという無力感と告白。
I'm no good at goodbyes
さよならを言うのは、どうも苦手なんだよな
[Verse 2: Post Malone]
We're both actin' insane, but too stubborn to change
俺たちはどっちも狂ったように振る舞ってるのに、頑固すぎて自分の態度を変えようとしない
Now I'm drinkin' again, 80 proof in my veins
今また酒を浴びるように飲んで、俺の血管のなかにはアルコール度数40パーセントの強い酒が流れてる
※「80 proof」は米国規格におけるアルコール度数40%(ウイスキーやウォッカなどのスピリッツ類)を示す。辛い現実や愛の痛みを忘れるために強いアルコールで麻痺させ続けるPost Maloneの代名詞的なライフスタイル。
And my fingertips stained, looking over the e-e-edge
指先にはタバコのヤニが染みついて、崖のフチを覗き込んでいるところさ
※「edge(崖のフチ)」と前述の「take off the edge(緊張をほぐす)」を掛けたダブルミーニング。ニコチン依存による「指の黄ばみ(stained)」と、いつでも飛び降りられそうな精神的破滅の限界に立っている様子。
Don't fuck with me tonight
今夜はこれ以上、俺を構わないでくれ
Say you needed this heart, then you got it (Got it)
君はこの心が欲しいと言った、だから俺はそれを見事に与えたよ (Got it)
Turns out that it wasn't what you wanted (Wanted)
結局、それは君が本当に求めていたものじゃなかったみたいだがね (Wanted)
And we wouldn't let go and we lost it
それでも俺たちは互いを手放せなくて、ついに愛を完全に失ってしまった
Now I'm a goner
もう今の俺は、手遅れの死に体さ
※「goner」は助からない人、すでに終わっている人、あるいは死んだも同然の存在を指す。この愛の結末によって自身の心が完全に破滅したことのメタファー。
[Chorus: Post Malone]
I want you out of my head (Head)
君の記憶を、俺の頭の中から消し去りたい (Head)
I want you out of my bedroom tonight (Bedroom)
今夜、俺のベッドルームから出て行ってほしいんだ (Bedroom)
There's no way I could save you (Save you)
俺が君を救うことなんて絶対にできないよ (Save you)
'Cause I need to be saved too (Saved too)
だって俺自身も、誰かに救われる必要があるんだから (Saved too)
I'm no good at goodbyes
さよならを言うのは、どうも苦手なんだよな
[Verse 3: Young Thug]
I want you out of my life
君に俺の人生から出て行ってほしい
※ここからアトランタのトラップ・ボス、Young Thugのヴァース。Post Maloneのサッドな感情と対比させ、独特のスラングで有毒で独占的な愛を表現する。
I want you back here tonight
今夜ここに、君に戻ってきてほしいんだ
※「人生から出ていけ」と言った直後に「戻ってきてほしい」と願う、矛盾した感情と共依存のリアル。
I'm tryna cut you, no knife
ナイフなんかなしで、君を切り裂いてやりたいよ
※物理的な暴力ではなく、感情的・言葉的な打撃によって、相手の心に深い傷(痛み)を与えたいという愛憎の表現。
I wanna slice you and dice you
君をバラバラに切り刻んでやりたいんだ
My heart get possessive, it got you precise
俺の心は君に対して独占欲が強くなる、君の心を正確に狙い撃ちしたからな
Can you not turn off the TV? I'm watchin' the fight
テレビの電源を消さないでくれないか? 俺は今ボクシングの試合を見てるんだ
※「fight」はテレビで放送されている「ボクシング/格闘技の試合」と、自分たちが繰り広げている「口論/喧嘩」をかけた巧妙なダブルミーニング。言い争いの最中であっても、全く悪びれずにテレビの試合を観戦しようとするYoung Thugの無関心で冷酷な態度。
I flood the garage, blue diamond, no shark
ガレージを水没させるほどの高級車、鮫なんかいないブルーダイヤモンドの海だ
※ヒップホップにおけるハイレベルなフレックス。「flood(水没させる)」はガレージいっぱいに高級車を並べること、またはジュエリーをダイヤで埋め尽くすこと。「blue diamond」の青い輝きを海に例えつつ、そこに「shark(鮫=自分を脅かす敵やヘイター)」はいないというアトランタのボスとしてのステータス。
You're Barbie life doll, it's Nicki Minaj
君はまるで生きたバービー人形さ、ニッキー・ミナージュみたいにな
※自身の代表的なペルソナとして「Barbie」を掲げる女性ラッパー、Nicki Minaj(ニッキー・ミナージュ)へのリファレンスとネームドロップ。パートナーの完璧なスタイルとルックスを称賛している。
You don't need a key to drive, your car on the charger
運転するのに車のキーなんていらない、君の車は充電器に繋いであるからな
※最新の電気自動車(テスラなど)をプレゼントしていることの誇示と、「スマートキー/プッシュスタート」機能を示すフレックス。または、いつでも走り出せる(関係を終えられる)状態にあることの暗示。
I just wanna see the side, the one that's unbothered (Yeah)
俺はただ、何も気に病まずにリラックスしている君のそんな一面が見たいだけさ (Yeah)
And I don't want ya to never go outside (Outside)
それに、君に一歩も家の外へと出てほしくないんだ (Outside)
※自分の愛する女性を他人の目に触れさせたくないという、トラップ・ラッパー特有の独占欲と過保護なスタンス。
I promise if they play, my niggas slidin' (Slidin')
約束するよ、もし奴らがふざけた真似をしたら、俺の仲間たちがすぐに報復に駆けつけるから (Slidin')
※「slide」はアトランタやシカゴのストリート・スラングで「敵のシマ(フッド)へ車で乗り込み、銃撃や報復を行う」こと。愛するパートナーを脅かす者がいれば、即座にギャングスタとしての暴力で守り抜くという約束。
I'm fuckin' her, and the tour bus still ridin' (Ridin')
ツアーバスが高速で走り続けてるその中で、俺は彼女とベッドを共にしてるのさ (Ridin')
Yeah, yeah, yeah, yeah, yeah
Yeah, yeah, yeah, yeah, yeah
[Chorus: Post Malone]
I want you out of my head (Head)
君の記憶を、俺の頭の中から消し去りたい (Head)
I want you out of my bedroom tonight (Bedroom)
今夜、俺のベッドルームから出て行ってほしいんだ (Bedroom)
There's no way I could save you (Save you)
俺が君を救うことなんて絶対にできないよ (Save you)
'Cause I need to be saved too (Saved too)
だって俺自身も、誰かに救われる必要があるんだから (Saved too)
I'm no good at goodbyes
さよならを言うのは、どうも苦手なんだよな
[Outro: Post Malone & Young Thug]
Goodbye, goodbye, goodbye (Bye, bye)
さよなら、さよなら、さよなら (Bye, bye)
Goodbye, goodbye, goodbye (Bye, bye)
さよなら、さよなら、さよなら (Bye, bye)
(Yeah, yeah, yeah, yeah, yeah)
(Yeah, yeah, yeah, yeah, yeah)
Goodbye, goodbye, goodbye (Bye, bye, bye)
さよなら、さよなら、さよなら (Bye, bye, bye)
I'm no good at goodbyes
さよならを言うのは、どうも苦手なんだよな
Goodbye, goodbye, goodbye (Bye, bye)
さよなら、さよなら、さよなら (Bye, bye)
Goodbye, goodbye, goodbye (Bye, bye)
さよなら、さよなら、さよなら (Bye, bye)
Goodbye, goodbye, goodbye (Bye, bye)
さよなら、さよなら、さよなら (Bye, bye)
I'm no good at goodbyes
さよならを言うのは、どうも苦手なんだよな
※楽曲の結びとして、不器用な「さよなら」の言葉と哀愁のあるアドリブが交差する。互いを完全に捨てることも救うこともできないまま別れを告げるロックスターとトラップ・スターの、抜け出せない孤独なカルマと余韻を残して幕を閉じる。
