Artist: Camila Cabello
Album: Romance
Song Title: Bad Kind of Butterflies
概要
カミラ・カベロの2ndアルバム『Romance』(2019年)に収録された「Bad Kind of Butterflies」は、アルバムの中で最もダークで胸を締め付けるような告白の歌だ。通常、英語圏の恋愛において「蝶々(butterflies)」は恋の始まりの甘い高揚感やときめきを意味するが、ここでは「別の誰かに惹かれている」という罪悪感と秘密に苛まれる、痛みを伴う身体的反応として描かれている。現在交際しているパートナーへの愛着と、抑えきれなくなった新たな相手への狂おしい感情との間で引き裂かれる女性の心理が、ミニマルで不穏なコーラスに乗せて歌い上げられる。ファンの間では、当時の恋人(マシュー・ハッシー)との関係を終わらせ、長年の親友であったショーン・メンデスとのロマンスへ踏み出す直前の、彼女自身のリアルな葛藤と罪の意識を生々しく切り取ったドキュメンタリー的な一曲として深く考察されている。
和訳
[Verse 1]
Come here and sit next to me
こっちに来て、私の隣に座って
Don't look at me while I'm breaking
私が崩れ落ちる間は、私のことを見ないで
After what I'm gonna say
これから私が口にすることを聞いたら
I understand if you hate me
あなたが私を嫌いになっても仕方ないわ
[Pre-Chorus]
What do I do when I love you and want somebody else?
あなたを愛しているのに、他の誰かを求めてしまう時はどうすればいいの?
※"love"(これまで培ってきた情愛)と"want"(抗えない新しい渇望)を対比させ、現在の穏やかな関係と新たな恋の衝動の間での残酷なジレンマを表現している。
What do I lose if I don't choose and keep it to myself?
もし選ばずに胸の内に秘めたままでいたら、私は何を失うことになるの?
※自分の心に嘘をついてこのまま関係を続けることで、本当の自分や真実の愛を失ってしまうのではないかという根源的な問い。
[Chorus]
I got bad, bad, bad kind of butterflies
胸の中で、悪い、悪い蝶々が羽ばたいているの
※「have butterflies in one's stomach(胸がドキドキする)」という初恋の高揚感を表すお決まりのイディオムを逆手に取り、嘘や罪悪感による胃が縮み上がるような緊張感と吐き気を「悪い蝶々」と表現した見事なリリシズム。
Like when you got something to hide
何か隠し事がある時のように
Lies, tellin' you that I'm alright
嘘をついて、私は大丈夫だとあなたに言っている
Tonight, tonight
今夜、今夜も
Bad, bad butterflies in my chest
胸の中で、悪い、悪い蝶々が羽ばたいている
There's something I gotta confess
打ち明けなければならないことがあるの
Yes, somebody's stuck in my head
そう、誰かのことが頭から離れないの
And I, and I
そして私は、私は
[Verse 2]
I know I said we were friends
私たちはただの友達だって言ったわよね
And when I said that, I meant it (Swear I meant it)
そう言った時は、本心だったの、誓って本当よ
Somewhere between now and then
だけど、あの時から今までのどこかで
It became more than just a friendship (Mm)
単なる友情以上のものになってしまったの
※長年「ただの親友」だと公言していた相手(ショーン・メンデス)に対する感情の変化を直接的に示唆していると広く解釈されている、本作で最も生々しく説得力のあるライン。
[Pre-Chorus]
What do I do when I love you and want somebody else?
あなたを愛しているのに、他の誰かを求めてしまう時はどうすればいいの?
What do I lose if I don't choose and keep it to myself?
もし選ばずに胸の内に秘めたままでいたら、私は何を失うことになるの?
[Chorus]
I got bad, bad, bad kind of butterflies (Oh)
胸の中で、悪い、悪い蝶々が羽ばたいているの
Like when you got something to hide (Oh)
何か隠し事がある時のように
Lies, tellin' you that I'm alright
嘘をついて、私は大丈夫だとあなたに言っている
Tonight, tonight
今夜、今夜も
Bad, bad butterflies in my chest
胸の中で、悪い、悪い蝶々が羽ばたいている
There's something I gotta confess
打ち明けなければならないことがあるの
Yes, somebody's stuck in my head
そう、誰かのことが頭から離れないの
And I, and I
そして私は、私は
[Bridge]
Come here and sit next to me
こっちに来て、私の隣に座って
You tell me, "Baby, just say it" (Say it, say it)
あなたは、ベイビー、言ってごらん、と私に促す
Warnin' me it's a mistake
これが間違いなんだと心が警告しているけれど
I just know I gotta make it (And I got bad, bad)
私はこの選択をしなければならないとわかっている
※"make a mistake"(過ちを犯す)という表現を使い、現在の安定した恋人との関係を自らの手で壊すことへの恐怖と、それでも新しい恋へ飛び込まなければならないという強烈な運命的な決意が入り交じっている。
[Chorus]
Bad, bad, bad kind of butterflies (And I got bad, bad)
悪い、悪い蝶々が羽ばたいているの
Like when you got something to hide (Ooh)
何か隠し事がある時のように
Lies, tellin' you that I'm alright
嘘をついて、私は大丈夫だとあなたに言っている
Tonight, tonight (Oh, I got bad, bad)
今夜、今夜も
Bad, bad butterflies in my chest (In my chest, chest)
胸の中で、悪い、悪い蝶々が羽ばたいている
There's something I gotta confess
打ち明けなければならないことがあるの
Yes, somebody's stuck in my head (My head, yeah)
そう、誰かのことが頭から離れないの
And I, and I (My head, yeah)
そして私は、私は
[Outro]
Ooh, ooh
Ooh, ooh
Ooh, ooh
Ooh, ooh
※言葉にならない懺悔のうめきのように響き、重苦しい余韻を残して楽曲は幕を閉じる。
