Artist: The Kid LAROI
Album: BEFORE I FORGET
Song Title: ME + YOU
概要
オーストラリア出身の次世代メロディック・ラッパー、The Kid LAROIによる、痛切な失恋と人間関係の崩壊を描いたエモーショナルな一曲。彼のメンターであったJuice WRLDの影響を色濃く感じさせる「Sad Boy(悲しみを抱えた少年)」的な美学が根底に流れている。本作では、LAのサンフェルナンド・バレーを舞台にしたハイエンドなライフスタイル(キャデラック、ポルシェ)と、それに相反する心の空虚さが対比される。富や成功を手に入れても、恋人が周囲の友人たち(them)の言葉に惑わされ離れていく様をパラノイアティックに描写しており、Z世代特有のSNSを通じたトキシックな恋愛模様や、ストリートの成功者が直面する孤独というヒップホップの古典的テーマを見事に現代のポップ・パンク/R&Bの感性で昇華している。
和訳
[Verse 1]
I had your back when nobody else did, now I gotta fall back
誰も味方じゃなかった時、俺は君を守ったのに、今は身を引かなきゃいけない
※fall backはストリートスラングで「引く」「距離を置く」の意。自分が一番の理解者だったという未練が滲む。
Say we'll talk in one month, baby, don't try to crawl back
1ヶ月後に話そうって言うけど、ベイビー、這いつくばって戻ってこようとするなよ
※「冷却期間」を提案されたことへの皮肉。crawl back(すがりついて戻る)という表現に、彼なりの強がりが見える。
Say that we have all these problems, tell me what caused them?
問題だらけだって言うけど、何が原因か教えてくれないか?
I spent a week inside my head, I was tryna solve it
1週間ずっと頭の中で考えて、解決しようとしてたんだ
I wish that I could drive my Cadillac right to your condo like I used to
昔みたいに、キャデラックを君のコンドミニアムまで走らせられたらいいのに
※キャデラックは彼自身の成功の象徴であると同時に、二人の親密だった過去のドライブの記憶を呼び起こす小道具として機能している。
And connect up to your Bluetooth
そして君のBluetoothに繋いで
Play the shit you like and get you right like how I used to
君の好きな曲を流して、昔みたいに君をいい気分にさせるんだ
※get someone rightは「(誰か)の気分をアゲる」「欲求を満たす」というスラング。
I guess I'm just someone you got used to
俺はただ、君にとって慣れちまっただけの存在なんだろうな
※used to(かつて〜した)とget used to(〜に慣れる)の巧みな言葉遊びによるライミング。
Crazy part about it is that you knew that I would always choose you
狂ってるのは、俺がいつだって君を選ぶってことを君が分かってたってことさ
So, how the fuck did you let them confuse you? (Oh-oh)
なのに、なんであいつらの言葉に惑わされちまったんだよ (Oh-oh)
※them(あいつら)は彼女の友人や周囲の人間を指す。ヒップホップ特有の「外部の人間が関係を壊す」というパラノイア的な視点。
I'll keep what you told me in private, we spent six days on a island
君が秘密にしてくれたことは誰にも言わない、俺たちは島で6日間過ごしたよな
Lookеd in my eyes and said forevеr, I did not take that lightly
俺の目を見て永遠を誓った、俺はそれを軽く受け止めたりはしなかった
You used to wake up beside me, now you post shit just to spite me
昔は俺の隣で目を覚ましてたのに、今は俺への当てつけでSNSを更新してる
※spite meは「嫌がらせをする」「当てつけをする」の意。Z世代の恋愛におけるSNSのトキシックな側面を的確に描写している。
Your best friend wanna fight me, and I don't know what for
君の親友は俺と喧嘩したがってるけど、なんのためか分からない
I always thought that he liked me, I really fucked with him, too
あいつは俺のことを気に入ってると思ってた、俺もあいつとマジで仲良くやってたのに
※fuck withはヒップホップで頻出する「〜とつるむ」「〜を気に入る」という表現。
It's sad to see how much has changed between me and you
俺と君の間で、どれだけ多くのことが変わっちまったかを見るのは悲しいよ
[Chorus]
Me and you, me and you, me and you, girl
俺と君、俺と君、俺と君のふたり
Me and you, me and you, me and you, girl
俺と君、俺と君、俺と君のふたり
You and I, me and you, me and you, girl
君と俺、俺と君、俺と君のふたり
Me and you, baby, me and you
俺と君、ベイビー、俺と君のふたり
[Verse 2]
I used to live out in the Valley
昔はバレーに住んでたよな
※the ValleyはLAのサンフェルナンド・バレーのこと。セレブや成功したラッパーが多く住み着くエリア。
'Member, you would drive like thirty in your Bimmer that your ex gave you
覚えてるか、元カレがくれたビーマーで30マイルくらいでのろのろ走ってたこと
※BimmerはBMWの愛称。元カレの影がチラつくアイテムとして使われている。thirtyは時速30マイル(約48km)でのろのろ走る様。
Actually, it was an Audi, sorry, girl, my memory's cloudy
いや、本当はアウディだったな、ごめん、記憶が曖昧なんだ
※あえて間違えて訂正することで、フリースタイル的な生々しさと、彼女の過去の男への無関心・皮肉を演出している。
Just remember that I clowned you for that
ただ、そのことで俺が君をからかったことだけは覚えてる
※clownは「ピエロにする」「からかう」という意味の動詞。
Then you swapped it for a Porsche Cayenne
それから君はポルシェ・カイエンに乗り換えた
※車のアップグレードは、彼らのライフスタイルが急激にリッチになった(LAROIの成功によるもの)ことを暗示している。
What happens to the things that we planned?
俺たちが計画してたことはどうなっちまったんだ?
We made a pact that we would stick together
ずっと一緒にいるって約束したよな
Did you listen to 'em when they told us both that we can't?
俺たちには無理だって周りが言った時、あいつらの言うことを真に受けちまったのか?
[Chorus]
Me and you, me and you, me and you, girl
俺と君、俺と君、俺と君のふたり
Me and you, me and you, me and you, girl
俺と君、俺と君、俺と君のふたり
You and I, me and you, me and you, girl
君と俺、俺と君、俺と君のふたり
Me and you, baby, me and you
俺と君、ベイビー、俺と君のふたり
[Verse 3]
Hold on, I got more to say to you
待ってくれ、君に言いたいことがまだあるんだ
I moved into the buildin' five minutes away from you
君から5分の距離にあるビルに引っ越したんだ
And any time we go out and have dinner, it's paid for you
外食に出かける時はいつでも、俺が君の分も払ってる
※金銭的なサポート(プロバイド)をしているにも関わらず、相手の心が離れていく虚無感。
I know I told you in the text I sent you I'd wait for you
君に送ったメールで待ってるって伝えたのは分かってる
But, it's gettin' hard to do that
でも、それもそろそろキツくなってきた
Gave you every part of me, and, girl, I know you knew that
俺のすべてを君に捧げた、君だってそれを分かってるはずだ
I gave you fuckin' everything, and you still chose to choose them
俺はマジですべてを与えたのに、それでも君はあいつらを選ぶことにしたんだな
It's crazy 'cause if it was up to me, I would've chosen
狂ってるよ、もし俺に選択権があったら、俺は間違いなく選んでたのに
※語尾の省略。何を「選んでいた」のかは明言されていないが、文脈的に「間違いなく君(you)を選んでいた」という強い未練のメッセージ。
[Chorus]
Me and you, me and you, me and you, girl
俺と君、俺と君、俺と君のふたり
Me and you, me and you, me and you, girl
俺と君、俺と君、俺と君のふたり
You and I, me and you, me and you, girl
君と俺、俺と君、俺と君のふたり
Me and you, baby, me and you
俺と君、ベイビー、俺と君のふたり
