UGMKM

Unraveling Genius: Music, Knowledge, Madness

UGMKM ARCHIVE

Find Music By Artist, Genre.

和訳・解説記事を、アーティスト名・ジャンルから探せます。

65 Hunnid - Vince Staples 【和訳・解説】

Artist: Vince Staples

Album: Hell Can Wait

Song Title: 65 Hunnid

概要

本作「65 Hunnid」は、ヴィンス・ステイプルズが2014年にリリースしたEP『Hell Can Wait』に収録されている、冷酷で生々しいギャングスタ・ラップの現代的な再解釈である。タイトルの「65 Hunnid(6500)」は、彼が属していたロングビーチのクリップス(Naughty Nasty Gangster Crips)の縄張りである65丁目周辺を指していると同時に、サザン・ヒップホップの伝説であるJuvenileのクラシック・アルバム『400 Degreez』を桁違いにオマージュした表現だ。プロデューサーのNo I.D.が手掛けた、Gファンクの系譜を感じさせつつもミニマルで不穏なベースラインに乗せ、ヴィンスはドライブバイ・シューティングの生々しい実態や、仲間内でのプレッシャー、そしてストリートの掟を淡々と描写する。特に2バース目終盤で見せる、映画『Juice』における2Pacの狂気的なキャラクター(ビショップ)をも凌駕してみせるという冷徹なラインは、彼のニヒリスティックなペルソナを決定づける見事なパンチラインとなっている。

和訳

[Hook]

Birds and the bees, come and fuck with a G
鳥とミツバチ、Gとヤりに来な
※「Birds and the bees」は一般的に子供に性教育をする際の「鳥やミツバチの交尾」を指す表現だが、ここでは単にストリートの女たちやハスラーを取り巻く状況を皮肉交じりに表現している。「G」はGangstaの略。

Hot as 65 hunnid degrees (65 hunnid degrees)
6500度の熱さだ (65 hunnid degrees)
※Juvenileの「400 Degreez」をはるかに超える「6500度」という表現。ロングビーチの65丁目という彼のフッドをレペゼンしつつ、ブロック(地元)が警察の捜査や抗争で非常に危険(Hot)な状態にあることを示している。

Hard on a ho, drop your drawers to the floor
女には容赦しねえ、下着を床に落としな
※ストリートの冷酷な態度と、女性に対する直接的な要求。

Gangsta God, baby, get on your knees (Baby girl, get on your knees)
ギャングスタの神だ、ベイビー、膝をつきな(ベイビーガール、膝をつきな)

65 hunnid degrees (Block been hot, 'bout)
6500度の熱さだ(ブロックは燃えてるぜ)
※「Block been hot」は警察の警戒が強まっていたり、ギャング同士の抗争が激化している状態を指すストリートスラング。

65 hunnid degrees (Block been hot, 'bout)
6500度の熱さだ(ブロックは燃えてるぜ)

65 hunnid degrees (Block been hot, 'bout)
6500度の熱さだ(ブロックは燃えてるぜ)

65 hunnid degrees (65 hunnid)
6500度の熱さだ (65 hunnid)

[Verse 1]

Running to get to that check, I'm coming
あの金を稼ぐために走る、今行くぜ
※「check」は金、報酬のこと。

Jumping out of that back seat, busting
後部座席から飛び出して、ブッ放す
※ドライブバイ・シューティング(車からの銃撃)の描写。

Bust, bust, missions with the blower as a young'un
撃って、撃ちまくる、ガキの頃からハジキを持ったミッションさ
※「blower」は銃を指すスラング。

Back when Killa Mo had 'em coppin' crystal through the prison door
キラ・モーが刑務所のドア越しにクリスタルを買わせていた頃の話だ
※「Killa Mo」はヴィンスの地元のOG(古株)やストリートの顔役の名前と思われる。「crystal」はクリスタルメス(覚醒剤)。刑務所内にまでドラッグが流通していた地元のディープな過去を振り返っている。

Feel the four, when I'm feelin' low, time to stretch a nigga
44口径を感じるぜ、気分が沈んだ時は、奴らをブッ殺す時間だ
※「the four」は.44マグナムなどの44口径の銃。「stretch」は死体を地面に横たわらせる、つまり「殺す」ことを意味する隠語。

Riding through your section, shit, I hope you got protection with you
お前らのシマを流してるぜ、クソ、自分の身は自分で守れるといいな
※敵対するギャングの縄張り(section)に乗り込み、武装(protection)していなければ命はないと警告している。

Hop out when the cops out, shit, I'm cold with mine
サツがいなくなったら飛び出すぜ、クソ、俺は自分の銃には冷徹なんだ
※「cops out」は警察が立ち去った状況。「cold with mine」は自分が持っている武器(mine)を使う際、感情を交えず冷酷に引き金を引けるという意思表示。

Forty-five, brown rag, green light, Yoda time
45口径、茶色のバンダナ、グリーンライト、ヨーダの時間だ
※「green light」はギャングの世界で「殺しのゴーサイン」を意味する。「Yoda」はスターウォーズのキャラクターで、肌が緑色(green)であることからの連想。つまり、ゴーサインが出たからにはミッションを遂行するという巧妙なワードプレイ。

[Hook]

Birds and the bees, come and fuck with a G
鳥とミツバチ、Gとヤりに来な

Hot as 65 hunnid degrees (65 hunnid degrees)
6500度の熱さだ (65 hunnid degrees)

Hard on a ho, drop your drawers to the floor
女には容赦しねえ、下着を床に落としな

Gangsta God, baby, get on your knees (Baby girl, get on your knees)
ギャングスタの神だ、ベイビー、膝をつきな(ベイビーガール、膝をつきな)

65 hunnid degrees (Block been hot, 'bout)
6500度の熱さだ(ブロックは燃えてるぜ)

65 hunnid degrees (Block been hot, 'bout)
6500度の熱さだ(ブロックは燃えてるぜ)

65 hunnid degrees (Block been hot, 'bout)
6500度の熱さだ(ブロックは燃えてるぜ)

65 hunnid degrees (65 hunnid)
6500度の熱さだ (65 hunnid)

[Verse 2]

You alone—car full of niggas, but you alone (Nigga, you alone)
お前は一人だ、車には仲間が乗ってても、お前は一人なんだよ(なぁ、お前は一人だ)
※ギャングの襲撃ミッションにおいて、物理的には仲間と一緒にいても、引き金を引くその瞬間、精神的な重圧と罪悪感は自分一人で背負わなければならないという孤独と恐怖の核心を突いている。

It's time to show how much you love your home
お前がどれだけ地元を愛してるか証明する時間だ
※敵を撃つことが「地元への忠誠心(love your home)」を証明する唯一の手段とされるストリートの歪んだ価値観。

It's one nigga outside, two niggas up inside the store
外に一人がいて、店の中に二人がいる

One nigga gon' die, the other two can come along
一人は死ぬことになる、残りの二人は巻き添えだ
※襲撃の標的と、その場に居合わせた者たちの運命を無感情に描写している。

Gloves with the disguise, bang the set before you blow
手袋と変装をして、撃つ前に自分のセットを名乗りな
※「bang the set」は自分が所属するギャングのサインを出したり名前を叫んだりすること。誰の仕業か敵に分からせるための儀式。

Don't stop 'til he drop, don't shoot for the skies or shoot for his toes
奴が倒れるまで手を止めるな、空を撃ったりつま先を狙ったりするんじゃねえ
※威嚇射撃ではなく、確実に殺すための急所を狙えという非情な指示。

I told you before that niggas gotta die for this shit to survive
この世界で生き残るためには、誰かが死ななきゃならねえって前に言っただろ

Is you with it or not? Get to knocking, then
やるのかやらないのか? なら撃ち始めな
※「knocking」は銃を撃つことを意味する。

Problem is, lot of niggas scared of the consequence
問題なのは、多くの奴らがその後の結果をビビってるってことだ
※刑務所行きや報復といった「結果(consequence)」を恐れて引き金が引けない若者たちへの冷ややかな視線。

Common sense missing from your head when the pressure on
プレッシャーがかかると、お前の頭から常識が吹っ飛ぶんだよ

Niggas from my home ain't enroll in the colleges
俺の地元の奴らは大学なんて入学しねえ
※ゲットーの若者には高等教育という選択肢がなく、ギャングライフしか道が残されていないという社会構造への嘆き。

Fuck a class, junkies hitting glass, get the money long
授業なんてクソくらえだ、ジャンキーがガラスを吸い、俺らは金をたっぷり稼ぐ
※「hitting glass」はガラスパイプでクラックやメスを吸引すること。ドラッグ経済が彼らの唯一の収入源であることの証明。

Gleaming with the tints and the stash, no tags
スモークガラスと隠し場所が光る、ナンバープレートは無しだ
※警察に捕まらないためのフルスモークの車、ドラッグや銃の隠し場所(stash box)、そして足がつかないようにナンバープレート(tags)を外した盗難車などの違法車両の描写。

Bumping poison on the ave, getting cash 'til a nigga gone ('Til a nigga gone)
大通りで毒を響かせながら、死ぬまで金を稼ぐのさ(死ぬまでな)
※「poison」は車から爆音で流すストリートの音楽(ドープなヒップホップ)を指すとも、Bell Biv DeVoeのヒット曲「Poison」を指すとも、あるいは実際に「毒(ドラッグ)」を通りで売り捌いていることのダブルミーニングとも解釈できる。

And ain't shit wrong with the truth
そして真実には何の間違いもねえ

Got the juice, would've threw that nigga Bishop off the roof, hey!
ジュースを持ってるぜ、あのビショップの野郎だって屋上から突き落としてやっただろうよ、ヘイ!
※1992年のヒップホップ映画『Juice』の強烈なリファレンス。「Juice」はストリートでの権力や尊敬の念を意味する。映画では2Pac演じるビショップが権力(ジュース)に取り憑かれて狂気に走り、最後に屋上から転落するが、ヴィンスは「俺ならあの狂ったビショップでさえも躊躇なく屋上から突き落とす」と宣言しており、自身のストリートにおける冷徹さと絶対的な優位性を誇示している。

[Hook]

Birds and the bees, come and fuck with a G
鳥とミツバチ、Gとヤりに来な

Hot as 65 hunnid degrees (65 hunnid degrees)
6500度の熱さだ (65 hunnid degrees)

Hard on a ho, drop your drawers to the floor
女には容赦しねえ、下着を床に落としな

Gangsta God, baby, get on your knees (Baby girl, get on your knees)
ギャングスタの神だ、ベイビー、膝をつきな(ベイビーガール、膝をつきな)

65 hunnid degrees (Block been hot, 'bout)
6500度の熱さだ(ブロックは燃えてるぜ)

65 hunnid degrees (Block been hot, 'bout)
6500度の熱さだ(ブロックは燃えてるぜ)

65 hunnid degrees (Block been hot, 'bout)
6500度の熱さだ(ブロックは燃えてるぜ)

65 hunnid degrees (65 hunnid)
6500度の熱さだ (65 hunnid)