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Grown Ups - Earl Sweatshirt (feat. Da$H) 【和訳・解説】

Artist: Earl Sweatshirt (feat. Da$H)

Album: I Don’t Like Shit, I Don’t Go Outside: An Album by Earl Sweatshirt

Song Title: Grown Ups

概要

「Grown Ups」は、アール・スウェットシャツの2ndアルバム『I Don't Like Shit, I Don't Go Outside』に収録された、盟友でありニュージャージー出身のラッパーDa$H(ダッシュ)をフィーチャリングしたトラック。アール自身が手掛けた、不穏でローファイなベースラインとつんのめるようなドラムループに乗せ、二人が交互にマイクを交わしながら進行する。名声やドラッグによる精神的な疲弊、親との複雑な関係、そしてストリートの生々しい現実について語り合う、極めてダークで内省的なブームバップである。アールにとっての父親の不在や法学者である母親への言及、Da$HのドラッグディールやTin Man(ブリキ男)のメタファーなど、二人の「Sad Boy」かつハスラーとしてのペルソナが見事に融合。ストリートの冷酷な現実を知り、無邪気さを失った「大人(Grown Ups)」になることへの戸惑いと虚無感が漂う、ファンの間でも人気の高い一曲だ。

和訳

[Intro]

I acquire fame...
俺は名声を手に入れる...

At naming hoes
ビッチどもの名前を挙げることでな

That's what I did
それが俺のやってきたことだ

I don't give a fuck, nigga
どうでもいいんだよ

So why'd they evict you, bro? Like why-
それで、なんでお前は追い出されたんだ、兄弟? なんで...

[Verse 1: Earl Sweatshirt & Da$h]

Feel this cage when that acid fade
アシッドが抜ける時に、この檻を感じるんだ
※薬物(LSDなどの幻覚剤)の効果が切れて現実に引き戻された時の、逃げ場のない閉塞感を「檻(cage)」に例えている。

Face the same, but your mind has changed
顔は同じでも、お前の精神は変わっちまった
※ドラッグや名声によって、外見は昔のままでも内面が不可逆的に変質してしまったことの示唆。

You desire a stable home, I acquire fame at naming hoes
お前は安定した家庭を望むが、俺はビッチどもの名前を連ねて名声を手に入れる

Contemplating ways of getting dome
どうやってフェラされるかばかり考えてる
※「dome」は頭、転じてオーラルセックスを意味するスラング。

Plotting on my neighbors
隣人たちへの企みを巡らせながらな

Asking God for favors, guess He isn’t home
神様に頼み事をしてるが、どうやら留守みたいだな
※自分が都合のいい時だけ祈りを捧げても、神からの救済は得られないというニヒリズム。

Probably 'cause that fucking faith, I didn't show
たぶん俺が信仰心を見せなかったからだろうな

Skipping church, flip the work
教会をサボって、ドラッグをさばく
※「flip the work」は仕入れた薬物を売って利益を出すハッスル行為。

Hit the dirt like Tommy Drummond, bitch
トミー・ドラモンドみたいに地面に這いつくばらせてやるよ、ビッチ
※「Tommy Drummond」は、トミーガン(トンプソン・サブマシンガン)にドラムマガジン(大容量の弾倉)を装着した状態を擬人化した高度な言葉遊び。銃撃で敵を地面に倒す(Hit the dirt)というストリートの暴力的なメタファー。

Grew up in a home that my papa wasn’t in
親父がいねえ家庭で育った
※アールの父親(南アフリカの詩人Keorapetse Kgositsile)が幼少期に家族を捨てて去ったトラウマへの言及。

Came up off of work that my conscience wasn't in
良心の欠片もねえ仕事でのし上がってきた

Either way, it goes, a lot is getting hit
どっちに転んでも、多くのものが打撃を受けるんだ

And if it wasn’t hoes, then it probably was a lick
それがビッチどもじゃないなら、たぶん強盗だったんだろうな
※「lick」は強盗や容易に稼げる金づるを意味するスラング。女性との関係か、犯罪による稼ぎかというストリートの荒んだ日常の二択。

Got burners on my soul, and my posse on my skin
魂には火傷の跡が、肌には仲間たちのタトゥーが刻まれてる
※「burners」は銃の隠語でもあるが、ここでは魂に焼き付いた消えないトラウマ。そして肌にはクルー(posse)への忠誠を示すタトゥーが入っている。

Sweaty, D-A-Dolla, top lotto picks
スウェッティとD-A-ダラー、宝くじの特賞コンビだぜ
※「Sweaty」はEarl Sweatshirt、「D-A-Dolla」はDa$Hのこと。「top lotto picks(ドラフトのトップ指名や宝くじの当選)」のように、シーンで最も価値のある二人だと誇示している。

Promise that I'm not the one to fucking plot against
俺には絶対に逆らうなよ

Love him, but my father ain't my motherfucking friend
愛してはいるが、親父は俺のダチじゃねえんだ
※自分を捨てた父親に対する、愛と憎しみが入り混じる複雑な感情。

Trying to figure out how to start a motherfucking end
どうやってこのクソみたいな結末を始めるか、考えてるんだ
※「start a end」という矛盾した表現で、自滅や死に向かう道のりの引き金を自ら引こうとする、重度のうつと破滅願望を示している。

Huh, trend dodging (Yup), keep a bitch by me (Uh-huh), bank roll
流行りなんて避けて通る (Yup)、ビッチを傍に置いて (Uh-huh)、札束を抱える
※シーンのトレンドに迎合しない(trend dodging)アールたちの姿勢。

Garbage bag full of sins, cleanse my soul to rap still, nigga
罪が詰まったゴミ袋、それでもラップするために俺の魂を浄化する

Cash is in hand, packs get vac sealed, like the Tin Man
現金は手元に、ヤクの包みは真空パックされる、まるでブリキ男みたいにな
※「vac sealed」はドラッグの匂いを消すための真空パック処理。「Tin Man(『オズの魔法使い』のブリキ男)」を引用し、自分たちが感情や心(ハート)を失った冷酷な人間であることを暗示している。

Cardiac still missing, is it past real, get it, work, make Guinness
心臓は未だに行方不明だ、リアルを超えてるだろ、稼いで、記録を作るんだ
※「Cardiac(心臓)」がない=ブリキ男の比喩の継続。冷酷にドラッグやラップで稼ぎ(work)、ギネス記録(Guinness)に載るほどの成功を収めるという野心。

[Hook: Earl Sweatshirt]

Don't know where I'm going, don't know where I been
自分がどこへ向かってるのかも、どこから来たのかも分からねえ

Never trust these hoes, can't even trust my friends
ビッチどもは絶対に信じないし、自分のダチすら信用できねえ
※極度の人間不信とパラノイア。

Tell that bitch to roll up, you fucking with some grown ups
あのビッチに巻くように言え、お前は大人たちを相手にしてるんだぜ
※「grown ups(大人)」というタイトルの回収。年齢を重ねて冷酷な現実を知り、無邪気さを完全に失ってしまったストリートの「大人」としてのスタンス。

Don't know where I'm going, don't know where I been
自分がどこへ向かってるのかも、どこから来たのかも分からねえ

Never trust these hoes, can't even trust my friends
ビッチどもは絶対に信じないし、自分のダチすら信用できねえ

Tell that bitch to roll up, you fucking with some grown ups
あのビッチに巻くように言え、お前は大人たちを相手にしてるんだぜ

[Verse 2: Earl Sweatshirt & Da$h]

My mama wonder why I never seem to reach her
母さんは、なぜ俺の心が自分に届かないのか不思議に思ってる
※アールと母親の間に存在する、埋めようのない感情的な距離。

See my daddy in the way I'm acting and my facial features
俺の振る舞いや顔立ちの中に、親父の面影を見るからさ
※自分を捨てた憎き夫(アールの父)の血が息子に色濃く反映されていることへの母親の葛藤と、それが原因で生じる親子の溝の生々しい描写。

Just trying to put you on, dawg, I came from teachers
お前に教えてやろうとしてるんだ、兄弟、俺は教師の家系から来たんだからな
※「came from teachers」は、アールの母親であるシェリル・ハリスがUCLAの法学部の教授(teacher)であるという事実を引用している。

Take the plate and clean it, nigga, I'm a dog
皿を取って綺麗に舐め尽くしてやるよ、俺は犬だからな
※「dog(犬)」のように貪欲にチャンスや金を食い尽くすというストリートのハングリーな姿勢。

Tell her "hit or miss me with the fucking monologue"
彼女に言ってやれ、「そのクソみたいな説教は勘弁してくれ」ってな
※「miss me with」は「~はよしてくれ、勘弁してくれ」というスラング。「monologue(独白/長話)」は母親や周囲からの小言や説教を指す。

Lord, I can't fight it, know I'm tryna brawl
神様、俺には抗えねえ、ただ暴れ回ろうとしてるだけだ

Get a copper hauled off, shit
サツを追い払ってやるよ、クソ
※「copper」は警察官。

I'm the type of nigga that you cop your raw off
俺は、お前らが純度の高いヤクを買いに来るようなタイプの男だぜ
※「raw」は混ぜ物のない純度の高いコカインやヘロインを指す。ストリートの元締めとしてのペルソナ。

Popping whores off
ビッチどもをヤり捨てる

Grab the ball and these niggas call charge
俺がボールを掴むと、あいつらはチャージを取ろうとする
※バスケットボールの比喩。「charge(オフェンシブファウル)」を取ろうとする=俺の勢いや成功を、ルールや卑怯な手で止めようとするヘイターや業界の人間たちの描写。

Team switching jerseys like it's All Star
オールスターゲームみたいに、チームのジャージを着替えてやがる
※「All Star」ゲームでは様々なチームの選手が入り乱れてユニフォームを着ることから、都合良く寝返ったり付き合う人間を変えるフェイクな連中の「変節」を痛烈にディスしている。

Press the OnStar, think we all lost
OnStarのボタンを押せよ、俺たち全員迷子になっちまったみたいだ
※「OnStar」はアメリカの車に搭載されている緊急時・ナビゲーション支援システム。ドラッグや名声の海の中で、自分がどこへ向かっているのか(Hookの「Don't know where I'm going」とリンク)完全に道を見失ってしまった虚無的なエンディング。