Artist: Lil Durk
Album: Almost Healed
Song Title: B12
概要
Lil Durkのアルバム『Almost Healed』に収録された「B12」は、シカゴ・ドリルのボスとしての冷酷なペルソナと、ストリートの裏側で渦巻く裏切りや薬物依存を描き出したアグレッシブなトラックだ。タイトルの「B12」はビタミンB12のことだが、歌詞中ではアデラールなどの強力な薬物がまるでビタミン剤のように日常的に摂取されている状況を指している。ビートの上でDurkは、1500万ドルの前払金(アドバンス)を誇示する一方で、敵を罠にかけるためのハニートラップ、刑務所や法廷での裏工作、そして仲間内のスニッチ(密告者)への疑心暗鬼をノンストップでスピットする。後半では「No Auto(オートチューンなし)」のハードなフロウを見せつけ、自身のラッパーとしての多様性と、ストリートでの絶対的な武力を誇示するバンガーである。
和訳
[Verse 1]
McLaren Speedtail
マクラーレン・スピードテール
Six carats in my ear for detail
ディテール(細部のこだわり)のために耳には6カラットのダイヤだ
I be gettin' all my watches retail
俺はすべての時計を定価(リテール)で手に入れる
※プレミア価格の二次流通ではなく、正規店の上客(VIP)として定価で直接買えるほどの地位(コネクション)があるというフレックス。
Caught a murder, he tryna call Meek Mill
殺人で捕まり、あいつはミーク・ミルに電話しようとしてる
※Meek Millは刑務所制度改革を推進する活動家としても有名。自分の罪から逃れるために彼に助けを求める甘いギャングへの皮肉。
Sold him lean, but Doodie got his refill
あいつにリーンを売ったが、ドゥーディは自分のおかわりを手に入れたぜ
※「Doodie」はOTFのラッパー、Doodie Lo。
I know real killers act like females
本物のキラーが女みたいに振る舞うのを俺は知ってる
※本物の暗殺者は、感情的になりやすく嫉妬深い(ステレオタイプな女性のように)裏の顔を持っていることの描写。
All the trenches bitches give me tea still
スラムのビッチどもは、未だに俺に「お茶(ゴシップ)」を提供してくれる
※「tea」は秘密の情報や噂話。地元の女たちをスパイとして使い、敵の情報を集めている。
How you kill him? Bro, I need the details
どうやってあいつを殺ったんだ?兄弟、詳細を教えてくれよ
Adderall, feel like it’s mixed with B12
アデラール、まるでB12(ビタミン)が混ざってるみたいだぜ
※「Adderall」は集中力を高める処方薬。それがビタミンB12のように活力を与え、ハイにさせているという表現。
You kept tellin' all my secrets, be real
お前は俺の秘密を全部ペラペラ喋ってたな、リアルになれよ
Headshot, stop runnin', be still
ヘッドショットだ、逃げるのをやめろ、じっとしてろ
I could shake a whole block with these pills
このピルがあれば、ブロック全体を震え上がらせることができる
This a striker, I don’t know why you need L's
これはストライカー(盗難車)だ、なんでお前がL(免許/負け)を必要とするのか分からないぜ
※盗難車で襲撃に行くのに、正規のナンバープレートや免許証(L=License)、あるいは「L=Loss(敗北)」なんて必要ないというハスラーの論理。
Pull up to a whole mosque and pray still
モスクに車を停めて、それでもまだ祈りを捧げる
Follow bro car 'cause he got the switch
兄弟の車について行く、あいつがスイッチ(フルオート改造銃)を持ってるからな
Only poppin' 'cause you died and you diss
お前がバズってるのは、死んでからディスられたからにすぎない
※生前は無名だったくせに、死んでから敵の曲でディスられたことで(被害者として)有名になったラッパーへの冷笑。
Crush a Perc' inside a Sierra Mist
シエラミスト(ソーダ)の中にパーコセットを砕き入れる
Bitch was poppin', had to give her a kiss
あのビッチは最高だった、キスしてやらなきゃな
I ain't puttin’ my name on hits
俺はヒット(暗殺)に自分の名前なんか残さない
Why you braggin’? Niggas ain't kill shit
なんで自慢してるんだ?お前らは誰も殺してないだろ
Hopped out on feet like he ran out of gas
ガス欠になったみたいに、徒歩で飛び出してきた
I call him Yeat ’cause he stay with his mask
俺はあいつを「イート」って呼んでる、いつもマスクを被ってるからな
※若手ラッパーYeatのトレードマークである目出し帽(バラクラバ)と、顔を隠して犯罪に手を染めるストリートの若者を掛けている。
How you got it, but you stay with your mans?
どうやってそれを手に入れたんだ、お前のダチと一緒にいるくせに?
Legs tatted, had to go get some Vans
足にタトゥーを入れた、Vansを買いに行かなきゃな
※足元のタトゥーを見せるためのローカットのスニーカー。
Fifteen million cash, that's my advance
現金で1500万ドルだ、それが俺の前払金(アドバンス)さ
Fuck a opp bitch to get in her head
敵の女とヤッて、彼女の頭の中に入り込むんだ
Think I love her, I'm tryna plot on her man
俺が彼女を愛してると思わせといて、俺は彼女の男(敵)を罠にはめる計画を立ててる
Think I love her, I'm tryna kill his ass
俺が彼女を愛してると思わせといて、あいつのケツをぶっ殺してやるのさ
※女を利用して敵を誘い出す(セットアップ)冷酷なハニートラップ。
You a killer? Jam, check his referral
お前がキラーだって?ジャム、あいつの経歴(紹介状)を調べてみろ
※「Jam」はおそらくOTFのメンバー(Thf Jamなど)。自称キラーのストリートでの実績を裏取りする。
Flawless diamonds, you rock it better with curls
フローレス(無傷)のダイヤモンド、お前はカールヘアの方が似合うぜ
On a date, I gotta take her to Harold’s
デートなら、彼女をハロルズに連れて行かなきゃな
※「Harold's Chicken Shack」はシカゴ名物のフライドチキン・チェーン。地元愛の強いデートスポット。
These Chanel, these ain't regular pearls
これはシャネルだ、その辺の安物のパールじゃない
[Chorus]
I'm so high off this X pill
このX(エクスタシー)のピルで、俺はクソほどハイになってる
I don't give no fuck how my ex feel
元カノがどう感じようと、俺の知ったことか
Your new nigga ain't put you on no jet still
お前の新しい男は、まだお前をプライベートジェットに乗せてやってないだろ
Why send shots like he a threat? Yeah
なんであいつは、自分が脅威であるかのように銃撃(ディス)を飛ばしてくるんだ?Yeah
[Verse 2]
Still use cash with the card on file
カード情報が登録されていても、俺は未だに現金を使う
Check what you drinkin', they water it down
自分が何を飲んでるか確認しろよ、奴らは水で薄めてるからな
※純度の低いドラッグ(リーン)を高値で掴まされることへの警告。
Said what you said, you a part of it now
お前はあんなことを言っちまったんだ、もうこの件の共犯(一部)だぜ
Chance after chance, I done gave you a pound
何度も何度もチャンスを与えて、1ポンド(のマリファナ/大金)をくれてやったのに
Feds on your ass, gotta bury it now
連邦捜査局(Feds)がお前を追ってる、今すぐそれを埋めて隠せ
I popped a Addy, I barely pronounce
アデラールを飲んだ、まともに発音もできないぜ
Eyeball the weed and it's barely a ounce
ウィードを目分量で量るが、かろうじて1オンスってところだな
Watch how you speak, you could bury your spouse
口の利き方に気をつけろよ、お前の配偶者を埋葬することになるかもしれないぜ
※不用意な発言が、自分の家族の命まで危険に晒すというストリートの警告。
Bro, I got M's and I slept on the couch
兄弟、俺は何百万ドルも持ってるのに、カウチで寝てたんだ
Ain't got a bond, it got inherit amount
保釈金(ボンド)が下りない、あいつには相続するほどの額がかけられてる
※重大な罪のため、保釈が認められないか、莫大な保釈金が設定されている。
My budget two million, the killers is out
俺の予算は200万ドルだ、キラーたちが外に放たれてるぜ
※敵の首に200万ドルの賞金(ヒット)を懸けたという宣言。
I get my teeth from the Mouth of the South
俺の歯は「マウス・オブ・ザ・サウス」で手に入れたんだ
※アトランタなどで有名なグリルズ(金歯)の職人への言及。
Got the location, you not in your house
お前の居場所は掴んでる、お前は家にいないよな
How do it feel to have Glocks in your mouth?
グロックを口の中に突っ込まれる気分はどうだ?
I know you broke 'cause they froze your account
お前が文無しだってことは分かってる、奴らにお前の口座を凍結されたからな
Feel like a goofy promotin' the clown
ピエロをプロモートしてるマヌケな野郎みたいな気分だ
I told my lawyer I'm sober now
弁護士には、今はシラフ(クリーン)だって言ってある
※裁判を有利に進めるための嘘。
Run up a check 'cause I'm older now
大金を稼ぎまくる、俺ももう年を取ったからな
Got who we want, so it's over now
狙ってた奴は仕留めた、だからもうこれで終わりだ
How you slide, but ain't nobody vouch?
襲撃(スライド)したって言うが、誰もそれを証明(バウチ)できないのはどういうことだ?
※誰も見ていないところで虚勢を張るフェイクなギャングへの追及。
Counterfeit money, ain't nobody count
偽札だ、誰も数えやしないさ
How you think I got two hundred pounds?
どうやって俺が200ポンド(の薬物)を手に入れたと思ってるんだ?
Fifties, fifties, fifties, two hundred rounds
50発、50発、50発、合計200発の銃弾だ
Out of jail early, you know that he foul
刑務所から早く出てきた、あいつがファウル(裏切り)をしたって分かってるだろ
※刑期が異常に短いのは、警察に情報を売る司法取引(スニッチ)をした証拠だというストリートの常識。
Nike ski mask to cover the brows
眉毛まで隠すナイキのスキーマスクだ
No Auto, pain, I got a couple of styles
ノー・オート、ペイン、俺にはいくつかのスタイルがある
※「No Auto」はオートチューンを使わない荒々しいラップ。「pain」はメロディアスで悲しみを歌うスタイル(Sad Boy)。自身のラッパーとしての音楽性の幅の広さを示している。
I done paid for a couple of trials
俺はいくつかの裁判の費用を払ってきた
I done slaid me a couple of dials
俺はいくつかの電話(ダイヤル)を終わらせてきた
Call her now 'cause I ain't fuck in a while
今すぐ彼女に電話しろ、しばらくヤッてないからな
I got love for bro, he holdin' me down
兄弟への愛がある、あいつは俺を支えてくれてるんだ
Frrt, hold a couple of rounds
フルルッ、数発の銃弾を食らえ
Frrt, standin' over him now, yeah
フルルッ、今あいつの上に覆い被さって見下ろしてるぜ、Yeah
※「standin' over him」は、倒れた敵の上に立ち、至近距離から確実にトドメを刺す冷酷な処刑スタイル。
[Chorus]
I'm so high off this X pill
このX(エクスタシー)のピルで、俺はクソほどハイになってる
I don't give no fuck how my ex feel
元カノがどう感じようと、俺の知ったことか
Your new nigga ain't put you on no jet still
お前の新しい男は、まだお前をプライベートジェットに乗せてやってないだろ
Why send shots like he a threat? Yeah
なんであいつは、自分が脅威であるかのように銃撃(ディス)を飛ばしてくるんだ?Yeah
