Artist: Lil Durk
Album: Almost Healed
Song Title: Never Again
概要
本作「Never Again」は、Lil Durkの精神的・人間的な成長と苦悩の境界線を描き出したアルバム『Almost Healed』に収録された、極めて内省的なトラックだ。トラップビートに乗せて赤裸々に語られるのは、彼がこれまでストリートの仲間やマネジメントに与えてきた無償の援助と、それに対する裏切りの歴史である。過去の怠惰な自分やリーンへの依存との決別、そしてイスラム教の信仰(ラマダンへの言及)を通じた魂の浄化を宣言する一方で、彼が心から愛し、食わせてきた地元の人間たちこそが彼の命を狙っているという哀しいパラドックスが描かれている。成功を収めたが故に生じる孤独と「もう二度と奴らを助けはしない(Won't help 'em again)」という冷徹な決断を下すに至った、Sad BoyとしてのDurkの本音とトラウマが深く刻み込まれたコンシャスな一曲である。
和訳
[Intro]
(Banger)
(The Melody)
(DJ on the beat, so it's a banger)
(DJのビートだ、間違いないバンガーさ)
[Verse 1]
I was too lazy, I had to get up
俺は怠けすぎていた、立ち上がらなきゃならなかった
He died from cancer, he ain't get a check-up
彼はガンで死んだ、健康診断も受けてなかったんだ
※フッドにおける医療アクセスの欠如や、健康を省みないストリートの現実への嘆き。
I went Travis Barker, tatted the neck up
トラヴィス・バーカーみたいに、首の上までタトゥーを入れた
※「Travis Barker」は全身(特に首や顔面)のタトゥーで有名なBlink-182のドラマー。Durk自身も首や顔へのタトゥーを増やしている。
I feel better, gettin' deep in religion
気分はマシだ、宗教に深く傾倒しているから
※Lil Durkはイスラム教に改宗しており、信仰を通じて過去のトラウマを癒やそうとしている。
Court for child supports visits, I'm better
養育費や面会交流で裁判所通いだ、俺は良くなってる
Say you love me with a hidden agenda
隠された思惑があるくせに、俺を愛してるなんて言うな
Low self-esteem, I took down the mirror
自己肯定感が低くて、鏡を外してしまった
※成功を収めながらも、自分自身と向き合うことを恐れる精神的な脆さ(Sad Boyとしての側面)。
Stole from me, old management devils
俺から金を盗みやがった、昔のマネジメントの悪魔ども
※過去に彼を搾取していたマネジメント陣へのディス。
Trenches broke, I gotta hold 'em together
スラムは崩壊してる、俺がまとめ上げなきゃならない
Tryna claim thе lil' boy, I'm better
あの小僧を自分の手柄にしようとしてるが、俺の方がマシだからな
If I'ma change, I'ma changе forever
もし俺が変わるなら、永遠に変わってみせる
I ain't tryna stay in this lane forever
ずっとこの道に留まるつもりはない
He was that nigga, now servin' cheddar (Cheese)
あいつは一目置かれる野郎だったが、今じゃチェダーを売り捌いてる
※「cheddar/cheese」は金(ドラッグを売って稼ぐ)という意味と、ネズミが好むチーズ=密告者(スニッチ)に成り下がったというダブルミーニング。
I die, niggas won't T up for me
俺が死んでも、野郎どもは俺のために立ち上がってくれないだろう
※「T up」はTurnt up(暴れる、報復する)のこと。自分が他人のためにやってきたことを、他人は自分のためにやってくれないというストリートの非情さ。
You wasn't there for who helped you
お前は自分を助けてくれた奴のためにもそこにいなかった
You think you gon' be there for me?
なのに俺のために動いてくれるとでも思ってるのか?
[Pre-Chorus]
Feel like a dream, pourin' up the lean
夢の中にいるみたいだ、リーンを注ぎ込みながら
Turned me a to man, they plan's just to leave
それが俺を一人前の男にした、奴らの計画はただ立ち去ることだった
[Chorus]
Think I'ma help 'em, won't help 'em again
奴らを助けると思うか、もう二度と助けてやらない
Think I'ma help 'em, won't help 'em again
奴らを助けると思うか、もう二度と助けてやらない
Think I'ma help 'em, won't help 'em again
奴らを助けると思うか、もう二度と助けてやらない
Think I'ma help 'em, won't help 'em again
奴らを助けると思うか、もう二度と助けてやらない
[Verse 2]
Copy what I say, you sound like a parrot
俺の言うことを真似しやがって、オウムみたいだな
How you send your kids lookin' generic?
自分の子供たちにどうしてそんな安っぽい格好をさせてるんだ?
You better be lucky I'm cool with Amiri
俺がアミリと懇意にしていることを幸運に思うんだな
※「Amiri」は高級ファッションブランド。Durkがコネを使って仲間の子供たちに高級な服を買い与えているボスの振る舞い。
New kids season, I know that you see it
新作のキッズシーズンだ、お前も見てるだろ
Sendin' shots when I come to the city
俺が街に戻ると、奴らは銃弾を撃ち込んでくる
I'ma shoot with the money, but Threat gon' protect me
俺は金を使って撃つが、スレットが俺を守ってくれる
※「Threat」はOTF Threatのこと。彼のような忠実なヒットマンが護衛についている。
I'm the way out, they just cannot accept it
俺こそが抜け出すための道なのに、奴らはそれを受け入れられないんだ
You my son, I had more than your daddy
お前は俺の息子みたいなもんだ、俺はお前の親父より多くを持っていた
The gas worth more than 757, new Patek say 7:57
このガスは757より価値がある、新しいパテックは7時57分を指してる
※「gas」は上質なマリファナ。「757」はシカゴの対立ギャング派閥。俺の吸っているウィードの方が敵対組織全体よりも価値があるという強烈なディス。
I can't wait 'til it's 7:58
7時58分になるのが待ちきれないぜ
※時計の針が進む(757の時代が終わる)のを待ち望んでいるワードプレイ。
Ramadan comin', I just be hopin' you full and you fed
ラマダンが近づいてる、お前らが腹一杯で満たされていることをただ願ってるよ
'Salaam alaykum, wa alaykum 'salaam to the people we fed
俺たちが食わせた人々に、アッサラーム・アレイクム、ワ・アレイクム・サラーム
※イスラム教の伝統的な挨拶(あなたの上に平安がありますように)。自分が養ってきた地元の人々への祈り。
It's the people who in the trenches I really got love for wanna see me dead
俺が心から愛しているスラムの連中こそが、俺の死を望んでいるんだ
※成功した彼に対する地元の嫉妬や裏切りの本質を突いた、最も悲痛なライン。
Answer the phone to show 'em I ain't scared
電話に出て、俺がビビってないってことを奴らに見せつける
Daddy got life, so he told me he comin' home too late
親父は終身刑になったから、家に帰るのは遅すぎると俺に言ったんだ
※Durkの父親Dontay Banksは長年にわたり終身刑(後に釈放)で服役しており、幼少期に父親がいなかった事実を振り返っている。
I told him, "I'm goin' to bed"
俺は親父に「もう寝るよ」と伝えた
When she get mad, she be playin' with my head
彼女は怒ると、俺の心を弄んでくる
Do not deliver, act like you ain't read it
届けさせない、読んでないフリをしろ
Too far without me, can't put on her Patek
俺がいなきゃ遠くへは行けない、彼女はパテックを身に着けることもできない
※経済的にも精神的にも自分に依存している周囲の人間(女性)への皮肉。
The label gave me another thirty mill', I hate it you don't think I got it
レーベルが俺にさらに3000万ドルくれた、お前が俺にそれだけの金がないと思ってるのが腹立たしいぜ
[Chorus]
Think I'ma help 'em, won't help 'em again
奴らを助けると思うか、もう二度と助けてやらない
Think I'ma help 'em, won't help 'em again
奴らを助けると思うか、もう二度と助けてやらない
Think I'ma help 'em, won't help 'em again
奴らを助けると思うか、もう二度と助けてやらない
Think I'ma help 'em, won't help 'em again
奴らを助けると思うか、もう二度と助けてやらない
Think I'ma help 'em, won't help 'em again
奴らを助けると思うか、もう二度と助けてやらない
Think I'ma help 'em, won't help 'em again
奴らを助けると思うか、もう二度と助けてやらない
Think I'ma help 'em, won't help 'em again
奴らを助けると思うか、もう二度と助けてやらない
Think I'ma help 'em, won't help 'em again
奴らを助けると思うか、もう二度と助けてやらない
[Outro]
Yeah, yeah
Yeah, yeah
Yeah, yeah, yeah
