Artist: Lil Durk & Only The Family
Album: Nightmares In The Trenches
Song Title: Hood Said
概要
Lil Durkが率いるレーベル「Only The Family (OTF)」のコンピレーション・アルバム『Nightmares In The Trenches』に収録された「Hood Said」は、ストリートの過酷な歴史の反復と、身内に対する深い愛情、そして裏切りへの悲哀を歌ったコンシャスな一曲だ。イスラム教徒としての断食(ラマダン)という精神的な規律から始まり、亡き親友King Vonや収監中の仲間(Muwop、Lil Boona)への言及、そして旧友Casperの死への哀悼が続く。大成功を収めたトップスターでありながらも、フッドの仲間を養い、未だに解決しない個人的な問題やストリートのしがらみに苦悩する姿が浮き彫りになっている。終盤のインタールードで語られる「毎日話さなくても、必要な時は必ず駆けつける」という兄弟の絆の定義は、血塗られたシカゴのドリルシーンにおいてDurkが最も大切にしている信念(The Voice)を象徴している。
和訳
[Chorus]
History repeat itself, they be on your ass when they come
歴史は繰り返す、警察(あるいは敵)が来た時、奴らはお前のケツにまとわりついてくる
It's the first day of Ramadan, can't break my fast with a blunt
ラマダンの初日だ、ブラント(大麻)で断食を破るわけにはいかない
※Lil Durkは熱心なイスラム教徒。ラマダン(断食月)の日中は飲食だけでなく喫煙も禁じられているため、日々のストレスを大麻で紛らわすことを耐え忍んでいる。
I smile when I see my brother daughter and my daughter on the phone
兄弟の娘と俺の娘が電話越しで話してるのを見ると、思わず笑顔になるんだ
They killed Casper, that was my dog, that was him on "TherlBread" song
奴らはキャスパーを殺しやがった、あいつは俺のダチだ、「TherlBread」って曲で歌ったあいつだ
※「Casper」はDurkの長年の親友(OTF Casper)。Durkの過去の楽曲「TherlBread」でも彼の名前が言及されていた。
[Verse]
They hate me so much, they can't even tell you what I done did wrong
奴らは俺を死ぬほど憎んでるくせに、俺が一体何をやらかしたのかさえ説明できないんだ
I done sent money to the county jails, I done put money on the phone
俺は郡刑務所に金を送ってきたし、電話代もずっと払ってやってきた
And I'm mad as hell 'cause when Von died, thеy ain't put him in the wall
フォンが死んだ時、奴らがあいつの顔を壁に描かなかったことに俺は死ぬほど怒ってるんだ
※「Von」は2020年に亡くなった親友King Von。「put him in the wall」はストリートで亡くなった英雄の顔を追悼の壁画(Mural)に描くこと。地元の人間が彼への敬意を十分に払わなかったことへの憤り。
See, you gang, but at the same timе, brodie, just please go get involved
いいか、お前はギャングだが、同時にさ、兄弟、どうか頼むから行動を起こしてくれ
※口先だけでギャングを名乗るのではなく、実際に仲間のために動けという叱咤。
Go pick up a gun, check on his mama, check on his son
銃を手に取れ、あいつのママの様子を見に行け、あいつの息子の世話をしろ
'Fore Muwop went to jail, him and Lil Boona was havin' fun
ムワップがムショに入る前、あいつとリル・ブーナは楽しくやってたんだ
※「Muwop」と「Lil Boona」は共にOTFのコアメンバーであり、殺人容疑などで収監されている。彼らが自由だった頃へのノスタルジー。
Commissary slips in the county jail, my name was on more than one
郡刑務所での差し入れのレシート、俺の名前は1枚や2枚じゃなかったぜ
※「Commissary」は刑務所内の売店で使える資金。数え切れないほどの収監中の仲間に金(支援)を送り続けているというボスの責任。
Body for body, you can't do that, he got more than one
血で血を洗う報復、お前にはそんなことできないだろ、あいつは1人以上殺ってるんだからな
※「Body for body」は敵に仲間を殺されたら敵の仲間を殺し返すこと。
It's been a long time since I cried
俺が泣いたのは、もうずっと前のことだ
You know brodie bigger than brodie, but you know brodie gon' hurt his pride
あの兄弟はもう一人の兄弟より格上だって分かってるだろ、でもあの兄弟がプライドを傷つけられるってこともな
Used to call me every day, but it slowed down when he got denied
昔は毎日電話してきてたのに、保釈を却下されてからは連絡が減っちまった
※収監中の仲間が保釈(bond)を拒否され、絶望して連絡してこなくなったという悲痛な描写。
I just did two hundred and seventy-five push-ups, my arms tired
たった今、腕立て伏せを275回やったところだ、腕がパンパンだぜ
You live the life like I live, you would've gave up
俺と同じ人生を生きてみろ、お前ならとっくに諦めてただろうよ
Go out in Vogue, but only me and you can save us
ヴォーグ誌を飾るような華やかな世界に出ても、俺たちを救えるのは俺とお前だけだ
Your enemies be frenemies, them niggas dangerous
お前の敵は味方のフリをした敵(フレネミー)だ、あいつらは本当に危険だぜ
I'ma tell you more about my life, just let me flame up
俺の人生についてもっと話してやるよ、まずは一服火を点けさせてくれ
※「flame up」は大麻に火を点けること。ラマダン中ではあるが、歌詞の時系列としては日が沈んだ後、あるいは過去の心情の吐露。
If Durk your family like you say, why you ain't rich yet?
「ダークは俺の家族だ」って言うなら、なんでお前はまだ金持ちになってないんだ?
※Durkの名前を利用して威張るだけで、自立して稼ごうとしない取り巻きへの痛烈な皮肉。
Personal problems inside my life I ain't even fixed yet
俺の人生にある個人的な問題、まだ解決すらしてないんだ
Cousin havin' a meetin' inside the hood, why would I risk that?
従兄弟がフッドで集まりをやってるが、なんで俺がそんなリスクを冒さなきゃならないんだ?
※トップスターになった今、地元のギャングの集会(meeting)に顔を出すことは警察の監視や抗争に巻き込まれる巨大なリスク(RICO法の対象など)であるため避けている。
If I ain't got a hundred million dollars cash, I ain't rich yet
現金で1億ドル持ってなきゃ、俺はまだ金持ちとは言えないね
But I'll still give niggas belt to ass, I'll risk that
それでも俺は野郎どものケツをベルトでひっぱたいてやる、そのリスクなら冒すぜ
※「give belt to ass」は子供をベルトで折檻するように、敵を徹底的に打ちのめすこと。自分の名誉や仲間のための報復にはリスクを厭わない。
Orientation 'cause my daughter smarter than her whole class
オリエンテーションだ、俺の娘はクラスの誰よりも賢いからな
Sit back and tell my mama she was right about my old friends
深く腰掛けて、ママに「昔の友達についてのあんたの忠告は正しかったよ」と伝えるんだ
Durkio's a savage, the same time, that boy a romance
ダーキオはサヴェージ(野蛮な男)だ、だが同時に、あの男はロマンチストでもある
※「Durkio」は自身の愛称。冷酷なギャングのボスとしての顔と、家族や仲間、恋人を深く愛するSad Boyとしての二面性。
[Bridge]
I love savages, I love my savages
俺はサヴェージたちが好きだ、俺のサヴェージたちを愛してる
I love savages, I love my savages
俺はサヴェージたちが好きだ、俺のサヴェージたちを愛してる
I love savages, I love my savages
俺はサヴェージたちが好きだ、俺のサヴェージたちを愛してる
I love savages, I love my savages
俺はサヴェージたちが好きだ、俺のサヴェージたちを愛してる
[Chorus]
History repeat itself, they be on your ass when they come
歴史は繰り返す、警察(あるいは敵)が来た時、奴らはお前のケツにまとわりついてくる
It's the first day of Ramadan, can't break my fast with a blunt
ラマダンの初日だ、ブラント(大麻)で断食を破るわけにはいかない
I smile when I see my brother daughter and my daughter on the phone
兄弟の娘と俺の娘が電話越しで話してるのを見ると、思わず笑顔になるんだ
They killed Casper, that was my dog, that was him on "TherlBread" song
奴らはキャスパーを殺しやがった、あいつは俺のダチだ、「TherlBread」って曲で歌ったあいつだ
[Interlude]
And this for my brothers
これは俺の兄弟たちへ向けた言葉だ
And if you got a brother
もしお前に兄弟がいるなら
Somebody that you consider your brother that was once just your friend
ただの友達だったのに、今じゃ兄弟だと思えるような奴がいるなら
But they earned your trust and you consider them your brother
信頼を勝ち取って、お前が兄弟だと認めた奴のことだ
We ain't gotta talk every day
俺たちは毎日話す必要なんてない
We ain't gotta hang out every day
毎日つるむ必要もない
We ain't gotta call each other every day
毎日電話を掛け合う必要もないんだ
Just when you call me or when I get the word
ただ、お前が俺を呼んだ時、あるいは誰かから話を聞いた時
Or I get that kite in the air and I know you need me
刑務所からの手紙(カイト)を受け取って、お前が俺を必要としてるって分かった時
※「kite」は刑務所内でこっそりやり取りされる手紙、または塀の中からの連絡を指すスラング。
Just come 'cause I'm comin'
ただ待っててくれ、俺は必ず行くから
[Chorus]
History repeat itself, they be on your ass when they come
歴史は繰り返す、警察(あるいは敵)が来た時、奴らはお前のケツにまとわりついてくる
It's the first day of Ramadan, can't break my fast with a blunt
ラマダンの初日だ、ブラント(大麻)で断食を破るわけにはいかない
I smile when I see my brother daughter and my daughter on the phone
兄弟の娘と俺の娘が電話越しで話してるのを見ると、思わず笑顔になるんだ
They killed Casper, that was my dog, that was him on "TherlBread" song
奴らはキャスパーを殺しやがった、あいつは俺のダチだ、「TherlBread」って曲で歌ったあいつだ
