Artist: Lil Durk & Only The Family
Album: Nightmares In The Trenches
Song Title: Eyes Red
概要
本作「Eyes Red」は、Lil Durkが率いるレーベル「Only The Family (OTF)」のコンピレーション・アルバム『Nightmares In The Trenches』に収録されたソロトラック。富と名声を得た彼に群がるフェイクな人間たちへの不信感と、ストリートの過酷な現実を、哀愁漂うトラップビートに乗せて歌い上げている。タイトルの「Eyes Red」は、大麻で目が充血している状態と、他人の金を血眼になって羨む(Pocket watching)嫉妬の炎を掛けたダブルミーニングだ。さらに、仲間の裁判沙汰やスニッチ(密告者)を暴露するYouTuber「1090 Jake」のネームドロップなど、現代のヒップホップコミュニティにおけるリアルなトピックを巧みに織り交ぜている。成功の裏で常にパラノイアと喪失感を抱える「Sad Boy」でありながら、圧倒的なボスの風格を見せつけるDurkのコンシャスなリリシズムが光る一曲である。
和訳
[Verse 1]
I love the bitches who love me and let me act crazy to other lil' bitches in public
俺は俺を愛してくれて、公の場で他のビッチどもに俺が狂ったように振る舞うのを許してくれる女が好きだ
I know some niggas got work on they stomach, then go to the gym like they work on they stomach
腹の整形手術を受けたくせに、まるで筋トレで腹を割ったかのようにジムに行く野郎どもを知ってるぜ
※「work on they stomach」は腹部の美容整形(脂肪吸引や腹筋形成)と、ジムでの腹筋運動のダブルミーニング。男性ラッパーの間でも蔓延するフェイクな美容整形への冷笑。
She tellin' me that she love me, but my mama told me to never get tricked by a woman
彼女は愛してると言ってくるが、ママからは絶対に女に騙されるなと言われて育ったんだ
I don't trust niggas who be in everybody hood, like how the fuck you get my number?
どこのフッドにも顔を出してるような連中は信用しない、どうやって俺の番号を手に入れたんだ?
※あちこちのギャングや派閥にすり寄る八方美人(オポチュニスト)への警戒。
How you get public defenders for fightin' a murder for one of your brothers with money?
金を持ってる兄弟の一人が殺人の罪で闘ってるのに、なんで国選弁護人なんか雇うんだ?
※「public defenders」は無料の国選弁護人で、有能な私選弁護士に比べて不利になることが多い。金があるくせに、仲間のために弁護士費用を出さない薄情な連中への軽蔑。
I gave the money for lawyers, so how I divide y'all? I was just doin' it for nothin'
俺は弁護士費用を出してやった、お前らをどう評価すればいい?俺は見返りも求めずやったのに
Hate to fall out with some niggas I love 'cause they talk about business on regular numbers
愛する仲間と仲違いするのは嫌だが、あいつらは普通の電話番号でビジネスの話をしやがるからな
※警察に盗聴されやすい通常の電話回線(regular numbers)で違法なビジネスの話をするような、危機管理能力の低い仲間とは縁を切らざるを得ないというストリートの現実。
I'm off the Xan', I done crashed the TRX truck, I had the phone in my hand
ザナックスでハイになって、TRXのトラックを大破させちまった、手には携帯を握ったままでな
※「Xan'」は精神安定剤ザナックス。「TRX」はダッジ・ラムのハイパフォーマンスピックアップトラック。薬物とスマホのながら運転による事故という破滅的な日常。
I don't be tellin' my daughter, she come with her brother 'cause I hate breakin' a promise
娘には兄弟と一緒に来るようには言わない、約束を破るのが大嫌いだからな
※多忙や予期せぬトラブルで子供との約束を守れないことを恐れ、最初から期待させないようにしている父親としての葛藤。
I don't be puttin' no weed in my story, they tellin' stories like they havin' exotic
俺はインスタのストーリーにウィードなんか載せない、奴らはまるでエキゾチックな極上品を持ってるかのように話を盛るからな
※「exotic」は非常に高価で質の高いマリファナ。SNSで安物のウィードを高級品のように見せびらかすフェイクなハスラーたちへのディス。
Money come in lil' singles, I done told shorty show her body
1ドル札で金が入ってくる、俺はあの女に体を見せろって言ったんだ
※ストリップクラブで1ドル札をばら撒いて女を踊らせる光景。
If it's somethin' you wanna hear fresh off the rip, give her some money (Yeah, yeah)
最初から手っ取り早く聞きたいことがあるなら、彼女に金を握らせろ(Yeah, yeah)
※「fresh off the rip」は最初から、すぐにという意味。情報を引き出すには金が一番早いというハスラーの流儀。
[Chorus]
Give her some money, she'd probably wanna fuck in private
彼女に金を握らせれば、たぶん隠れてヤリたがるだろうぜ
Niggas want money, they pocket watchin' 'til they eyes red (Wow, wow, wow, wow)
連中は金を欲しがって、目が真っ赤になるまで他人の懐を覗き込んでる(Wow, wow, wow, wow)
※「pocket watchin'」は他人の金遣いや稼ぎを嫉妬深く監視すること。大麻の充血と嫉妬の炎で「Eyes Red」になっているというタイトル回収。
I done pulled my Amiris halfway down, got shorty thighs red
俺のアミリを半分下ろして、あの女の太ももを真っ赤にしてやった
※「Amiris」は高級デニムブランド。性行為の激しさを表現している。
I done pulled my Amiris halfway down, made my gun slid, uh
俺のアミリを半分下ろして、銃を滑り込ませたんだ、uh
※ズボンを下げることで、ウエストに挿していた銃(グロックなど)がズレる様子。ストリートでは常に武装していることの暗示。
[Verse 2]
Deeski beat his body, he the man, even though the witness took the stand (Yeah)
ディースキーは殺人事件を無罪で切り抜けた、あいつは本物だ、目撃者が証言台に立ったのにな(Yeah)
※「Deeski」はOTF Doodie Loのこと。「beat a body」は殺人罪から逃れること。目撃証言があっても有罪を回避した仲間のタフさを称賛している。
1090 Jake on the 'Gram, blastin' snitches, show it to the fam (Yeah)
1090 Jakeがインスタで、スニッチどもを暴露して、それをみんなに見せつけてる(Yeah)
※「1090 Jake」は、過去の裁判記録や供述調書を暴き、誰が警察に情報を売った(スニッチした)かを暴露する有名なYouTuber。ストリートの裏切りがネットで瞬時に暴かれる現代の状況。
Down on the score, why you trollin' again?
スコアで負けてるのに、なんでまたネットで荒らしなんかやってるんだ?
※「score」は抗争での死傷者数。身内を殺されて負けているのに、報復(スライド)もせずにSNSで口喧嘩(troll)ばかりしている敵への痛烈な皮肉。
Harajuku Barbie, my bitch a ten (Yeah)
原宿バービー、俺の女は10点満点だ(Yeah)
※「Harajuku Barbie」はNicki Minajの初期のペルソナ。派手で完璧なルックスの女性。
Never gon' go through her phone again
もう二度と彼女の携帯を盗み見たりはしない
Seen what you saw and it hurt you for real (Yeah, yeah, yeah)
見ちゃいけないものを見て、マジで傷ついたんだ(Yeah, yeah, yeah)
※恋人の携帯を見て浮気や裏切りを知ってしまったトラウマ。
Foenem be tweakin' and rollin' off pills, but they grabbin' they gun and they go on the block
仲間たちはピルをキメてイカれちまってるが、銃を掴んでブロックに繰り出すんだ
※ドラッグで正気を失いながらも、抗争のために縄張りへ向かうフッドの狂気。
None of them niggas got money like I got the money, she better go fuck with an opp (Yeah)
あいつらの中の誰一人として、俺みたいに金を持ってる奴はいない、あいつは敵とヤッた方がマシだぜ(Yeah)
Murder time, uh (Yeah), that nigga live with a clock (Yeah)
殺しの時間だ、uh(Yeah)、あいつは時計と一緒に生きてる(Yeah)
※「live with a clock」は常に死と隣り合わせのカウントダウンを生きている、あるいはグロック(Glock)と時計(Clock)を掛けたワードプレイ。
Summertime, uh (Yeah), Boonie gon' pour out the Wock'
夏が来た、uh(Yeah)、ブーニーがウォックを注ぎ倒すぜ
※「Boonie」はOTF Boonie Moe。「Wock'」はWockhardt社のコデインシロップ(リーン)。夏になれば抗争が激化し、ドラッグの消費も増えるシカゴの風物詩。
Fast car, Lamborghini, skrrt (Yeah)
速い車、ランボルギーニ、スキール音(Yeah)
Big prr, I'm firin' through the shirt (Yeah)
派手な連射音、俺はシャツ越しにぶっ放す(Yeah)
※「prr」はフルオートの銃声。銃を抜く暇もなく、服のポケットの中から直接発砲するという緊迫した戦闘の描写。
Big prr, my Memphis bitch squirt (Yeah)
派手な連射音、俺のメンフィスのビッチが潮を吹く(Yeah)
Big prr, shiesty in her purse (Yeah, yeah)
派手な連射音、彼女のハンドバッグの中にシャイスティマスクが入ってる(Yeah, yeah)
※「shiesty」は顔を隠すバラクラバ(スキーマスク)。犯罪や銃撃の際に顔を隠すためのマスクを女性のバッグに忍ばせている。
Tiffany 1s, the jeweler confirmed
ティファニーのエアフォース1、ジュエラーのお墨付きだ
※2023年に発売された超プレ値の「Tiffany & Co. × Nike Air Force 1 Low」。
Come from the bottom, I waited my turn
どん底から這い上がってきた、俺はずっと自分の番を待ってたんだ
Celebrity bitches be sneaky as us
セレブのビッチどもは、俺たちと同じくらい狡猾だ
I promise I'll never gon' tell 'em a word (Wow, wow, wow, wow, wow)
約束するよ、俺は奴らに一言も漏らしたりしないってな(Wow, wow, wow, wow, wow)
※有名人との関係を絶対に公にしないという、ストリートのボスとしての口の堅さの証明。
[Chorus]
Give her some money, she'd probably wanna fuck in private
彼女に金を握らせれば、たぶん隠れてヤリたがるだろうぜ
Niggas want money, they pocket watchin' 'til they eyes red (Wow, wow, wow, wow)
連中は金を欲しがって、目が真っ赤になるまで他人の懐を覗き込んでる(Wow, wow, wow, wow)
I done pulled my Amiris halfway down, got shorty thighs red
俺のアミリを半分下ろして、あの女の太ももを真っ赤にしてやった
I done pulled my Amiris halfway down, made my gun slid, uh
俺のアミリを半分下ろして、銃を滑り込ませたんだ、uh
