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Opportunist - Lil Durk 【和訳・解説】

Artist: Lil Durk

Album: Deep Thoughts

Song Title: Opportunist

概要

Lil Durkのアルバム『Deep Thoughts』に収録された「Opportunist(機会主義者・日和見主義者)」は、成功と富に群がるフェイクな人間たちと、ストリートの冷酷な現実を綴った重厚なトラックだ。SNSでのバズや注目を集めるためだけにギャングを気取る「見せかけ(For show)」の連中に対し、Durkはシカゴの過酷な抗争を生き抜いてきた者としての厳しい視線を投げかける。間奏(Interlude)には、2021年に銃撃で命を落とした彼の実兄・DThangの生前の肉声がサンプリングされており、仲間への金銭的支援と、それを利用しようとする者への苛立ちが語られている。亡き兄や親友たちへの深い喪失感、終わりのない抗争のスコア(犠牲者数)に対する疲弊、そして薬物への依存を赤裸々に吐露した、Sad BoyとしてのDurkの真骨頂とも言えるドリル・アンセムである。

和訳

[Intro]

(Now it's not magic, but it looks magical)
(魔法じゃないが、魔法のように見えるぜ)

(DJ Bandz)
(DJ Bandz)
※プロデューサーのタグ。

[Verse 1: Lil Durk]

Lean filled up to the jug, it's soggin' up my cup
ジャグまで満たされたリーンが、俺のカップをふやかしている
※「Lean」はコデイン入り咳止めシロップ。大量のシロップで紙コップがふやけるほどの重度の薬物依存を示している。

When you rich and havin' paper, you be saucin' up these sluts
金持ちになって札束を持てば、お前はこのスラムの女たちを飾り立てることになる

I'm Smurk, charge five hundred, I'm droppin' my deluxe
俺はスマークだ、50万ドル請求するぜ、デラックス版をドロップする
※「Smurk」はLil Durkの愛称。客演費やライブのギャラが50万ドルに跳ね上がった自身の市場価値の誇示。

I was posted on the Pound, I'm a nephew to a cluck
俺はパウンドでたむろしていた、ジャンキーの甥っ子さ
※「the Pound」はシカゴ・イングルウッド地区のフッド(Dog Pound)。「cluck」はクラックコカイン中毒者。最底辺のストリート環境で育ったバックグラウンド。

See, dude ain't really a factor, he came through in the clutch
いいか、あいつは本来大した存在じゃないが、土壇場でやり遂げたんだ

'Cause the opps ain't really post him, foenem did it just because
敵はあいつのことを大して気に留めてなかったからな、仲間たちはただ何となくやっただけだ
※「foenem」はシカゴのAAVEで仲間や兄弟たちを指す。

Shorty wanna slide today, but they don't be feelin' all the love
若いやつらは今日襲撃に行きたがってるが、愛情なんて全く感じていない
※「slide」は敵の陣地に乗り込んで攻撃すること。今の若手たちはストリートの絆や大義名分ではなく、単なる暴力衝動で動いていることへの嘆き。

Feel like they gon' do the time by theyself and rot
あいつらは自分たちだけでムショに入って腐っていく気がしてるんだ

I'm tellin' brodie a thousand times who with us and who not
俺は兄弟に1000回も言い聞かせてるんだ、誰が味方で誰がそうじゃないかってな

When you around, don't touch your phone, you like to FaceTime all the opps
俺の周りにいる時は携帯に触るな、お前は敵全員とFaceTimeしたがるからな
※隙あらばSNSや通話で敵と接触し、情報を漏らしたり揉め事を起こそうとする信用ならないスパイのような取り巻きへの警告。

When they die, you try to claim 'em to get a name, that shit be hot
奴らが死んだら、名を上げるためにお前は手柄を主張しようとする、あれは警察を呼ぶようなもんだぜ
※「hot」は警察の注意を引く、リスクが高いという意味。ネット上で殺人への関与をほのめかしてバズろうとする愚かな行動への批判。

The last time this war was this big was B.I.G. and Pac
この戦争がこれほどデカかったのは、ビギーと2パックの時が最後だ
※シカゴを中心とした現在のストリートの抗争が、90年代のヒップホップ東西抗争に匹敵するほどの規模と犠牲者を出しているという歴史的な対比。

Flowin' all these drugs through my system, I missed 'em
このドラッグを体中に流し込みながら、あいつらを恋しく思ってる

Postin' all his lo's on his finsta, I missed 'em
裏垢であいつの居場所を全部投稿する、あいつらを逃しちまった
※「lo's」はlocation(現在地)。「finsta」はフェイクのInstagramアカウント。敵の居場所を突き止めて襲撃しようとしたが失敗したことと、亡き親友を恋しく思う(missed)ことのダブルミーニング。

I don't take back nothin' when I say it, when I dissed him
一度言ったことは絶対に撤回しない、あいつをディスった時もな

Even though he dead, I read our thread 'cause I miss him
あいつが死んだってのに、恋しくて俺たちのメッセージのやり取りを読み返してるよ

I been takin' shots of Hi-Tech, I don't want no Percocets
ハイテックをショットで飲み続けてる、パーコセットなんていらない
※「Hi-Tech」は高級なリーンのブランド。「Percocets」はオピオイド系鎮痛剤。

Ten niggas on one pound, how you gon' work with that?
10人のダチが1ポンドのブツに群がってる、それでどうやってシノギを削るってんだ?

I'll do anything in this whole world to get my circle back
俺のサークルを取り戻すためなら、この世界のどんなことだってやるぜ
※死んでしまった仲間たちがいた、かつての完璧な自分の輪(サークル)を取り戻したいというSad Boyとしての痛切な願い。

Bulletproof the Brabus, them Forgiatos, I'm the first with that
ブラバスを弾丸プルーフにして、フォージアートを履かせる、俺が一番乗りだ
※「Brabus」はメルセデス・ベンツ等の高級チューニングカー。「Forgiatos」は高級ホイールブランド。成功の証であると同時に、暗殺を恐れて防弾仕様(Bulletproof)にせざるを得ないボスの現実。

[Chorus: Lil Durk]

For show, you doin' it for the internet
見せかけだろ、お前はネットのためにやってるだけだ

For show, if you did it, where you hit him at?
見せかけだろ、もしお前がやったんなら、どこであいつを撃ったんだ?

For show, if you real, where all your niggas at?
見せかけだろ、もしお前が本物なら、お前の仲間たちはみんなどこにいるんだ?

For show, day ones for day ones
見せかけだろ、初期からの仲間は初期からの仲間のためにな

[Interlude: DThang]

Look, look, look, look, look, look, look
なあ、おい、おい、おい、おい、おい

Check this out, I want everybody understand this right here
聞いてくれ、みんなにここできっちり理解しておいてほしいんだ

For real, for real, if you get somethin' from me, if you get motherfuck—
マジな話だ、もしお前が俺から何かを受け取ったなら、もしクソみたいな—

Listen, I send the guys money 'cause I want to
聞いてくれ、俺が仲間たちに金を送るのは、俺がそうしたいからだ

I motherfuckin' give the guys money 'cause I want to
俺が仲間に金を与えてるのは、俺がそうしたいからなんだよ

So if you ask me to do somethin' for you and I do it
だから、もしお前が俺に何か頼み事をして、俺がそれをやってやったなら

Please don't think it's a finesse, don't think you finessin' DThang, please don't
それを騙し取ったなんて思うなよ、DThangをカモにしたなんて絶対に思うな、頼むからな
※2021年に殺害されたLil Durkの実兄・DThangの音声。周囲にいる機会主義者(Opportunist)たちに対し、自分が善意で支援していることを「騙し取った」と勘違いするなと警告している。

[Verse 2: Lil Durk]

Yeah, play your role, sad to say we losin', bro, I hate the score
ああ、自分の役割を果たせ、悲しいが俺たちは負けてるぜ、兄弟、俺はこのスコアが嫌いだ
※「score」は抗争における互いの死傷者数(キルレシオ)。身内が多く犠牲になっているシカゴの現状への嘆き。

Him, him, him, him in the car, my Fantastic Four
あいつと、あいつと、あいつと、車の中のあいつ、俺のファンタスティック・フォーだ

Thang was on my mind right at that time, I wasn't takin' shows
ちょうどその時、サングのことが頭から離れなくて、俺はライブをキャンセルしてたんだ
※「Thang」は亡き兄DThangのこと。身内の死による深いトラウマ。

All that killer shit you niggas be talkin', you know it's time to show
お前らが口にしてるキラー気取りの戯言、今こそ証明する時だって分かってるだろ

Uh, yeah, time to show
ああ、証明する時だ

Killer asked for a bonus for what he did, I knew it was time to go
キラーが自分のやった仕事のボーナスを要求してきた、俺は行くべき時だと悟ったぜ
※ストリートのヒットマンが金銭的な見返りを要求してきたことで、忠誠心ではなく金でしか動かない関係に失望し、身を引く決断をした様子。

Too old, '24, I know this time scary
年を取りすぎた、24年だ、今の時代が恐ろしいのは分かってる

I know a pussy chasin' a rat, I call 'em Tom and Jerry
ネズミを追いかける臆病者を知ってるぜ、俺はあいつらをトムとジェリーって呼んでる
※「pussy」は臆病者、「rat」は警察への密告者(スニッチ)。フェイクな者同士の争いをアニメになぞらえて嘲笑している。

Tryna feel better off these pills, I took an elderberry
ピルで少しでも気分を良くしようとしてる、エルダーベリーを飲んだよ
※免疫力を高めるエルダーベリーのサプリメントと、致死的なドラッグを併用するストリート特有の矛盾した健康意識。

Niggas duckin' them jail calls, that shit unnecessary
奴らは刑務所からの電話を無視してる、そんなの必要ないだろ
※逮捕された仲間からのコレクトコール(通話料受信者負担の電話)に出ない薄情な連中への批判。

[Chorus: Lil Durk]

For show, you doin' it for the internet
見せかけだろ、お前はネットのためにやってるだけだ

For show, if you did it, where you hit him at?
見せかけだろ、もしお前がやったんなら、どこであいつを撃ったんだ?

For show, if you real, where all your niggas at?
見せかけだろ、もしお前が本物なら、お前の仲間たちはみんなどこにいるんだ?

For show, day ones for day ones
見せかけだろ、初期からの仲間は初期からの仲間のためにな