Artist: Lil Durk
Album: Deep Thoughts
Song Title: Turn Up A Notch
概要
本作「Turn Up A Notch」は、シカゴ発のドリルミュージックを世界的なムーブメントへと押し上げた立役者の一人であるLil Durkが、自身の壮絶なキャリアとストリートでのサバイバルを回顧する楽曲である。名門プロデューサーチーム808 Mafiaによる重厚なトラップビートの上で、Durkは彼がシーンに頭角を現し始めた2012年当時の苦境から、グラミー賞を獲得する現在に至るまでの「レベルアップ(Turn up a notch)」の軌跡を描き出している。歌詞には、ドラッグビジネスにまみれた過酷なフッドの日常、銃撃戦や裁判のリアル、そしてグラミー受賞という世界的成功の裏で抱える仲間の死や裏切りへの複雑な感情が痛烈に綴られている。どんなに成功を収めてもストリートの掟と「サヴェージ」な仲間たちへの忠誠を忘れない、ボスの覚悟とSad Boyとしての哀愁が入り混じったドリル・アンセムだ。
和訳
[Intro: Lil Durk & Pimp K]
The big Durkio, though
ビッグ・ダーキオだぜ
※「Durkio」はLil Durkの愛称。
Nigga been bumpin' this shit since I was seven years old, man
俺が7歳の頃からずっとこの音楽をガンガン聴いてたんだ、なあ
※次世代の若者が幼い頃からDurkの音楽と共に育ってきたという、彼の影響力の大きさとキャリアの長さを物語るライン。
(Hahaha) And I got with Durkio
(ハハハ)そして俺はダーキオとつるんでるんだ
It hurts you the worst when your brothers don't turn you up
自分の兄弟たちが自分を押し上げてくれない時が一番キツいんだ
※フッドの仲間や信じていた者たちが、自分の成功を喜んでくれなかったりサポートしてくれないことへの深い悲しみ。
It hurts you the worst when your brothers don't turn you up
自分の兄弟たちが自分を押し上げてくれない時が一番キツいんだ
(808 Mafia)
[Chorus]
Back in 2012, they counted me out
2012年の頃、奴らは俺を見くびっていた
※2012年はLil Durkがミックステープ『I'm Still a Hitta』をリリースし、「L's Anthem」で注目を集め始めたキャリア初期の年。当時はChief Keefらの影に隠れ、過小評価されていた(counted out)時代への言及。
I had to turn up a notch
俺はギアを一段階上げなきゃならなかった
※「turn up a notch」はレベルを上げる、さらに激しくやるという意味。
Back then, them hoes fuckin' for clout
あの頃、あのビッチどもは知名度目当てでヤッていた
※「clout」はSNSなどでの影響力や名声。
I had to turn up a notch
俺はギアを一段階上げなきゃならなかった
I'm thinkin' you happy, but low-key you doubted me
お前は喜んでくれてると思ってたが、密かに俺を疑ってたんだな
I had to turn up a notch
俺はギアを一段階上げなきゃならなかった
Sleepin' on porches, I served off the balcony
ポーチで眠りにつき、バルコニーからブツを捌いていた
※ストリートでドラッグを売っていた(served)どん底のハスラー時代を描写している。
I had to turn up a notch
俺はギアを一段階上げなきゃならなかった
[Verse]
Bro in the kitchen, fell asleep off Percocets
兄弟がキッチンで、パーコセットをキメて眠りこけちまった
※「Percocet」は強力なオピオイド系鎮痛剤。キッチンでドラッグ(クラックなど)を調理している最中に薬物中毒で気絶してしまうという、トラップハウスのリアルな光景。
Wifey text me like, "Turn off the pot"
嫁から「鍋の火を消して」ってメッセージが来たんだ
※妻からの日常的な連絡と、ドラッグ製造の鍋(pot)の火を消すという非日常の文脈が交差している。
Thinkin' 'bout bro doin' the dash in the Ghost off a four, shit had me swervin' a lot
4オンスのリーンをキメてゴーストでぶっ飛ばしてた兄弟を思い出すと、車を激しく蛇行させちまう
※「doin' the dash」はスピードメーターを振り切るほどの猛スピードで走ること。「Ghost」は高級車ロールスロイス・ゴースト。「four」は4オンスの咳止めシロップ(リーン)。亡くなった、あるいは服役中の仲間を思い出して感情が揺さぶられている。
Hit him with perjury, he kept it a hundred through burglary, I send him money a lot
あいつは偽証罪に問われたが、強盗の罪を被って100パーセント口を割らなかった、だから俺はあいつに何度も金を送るんだ
※「perjury」は偽証罪。「kept it a hundred」は「keep it 100(嘘をつかず筋を通す)」こと。警察に情報を売らないストリートの掟を守り抜いた仲間へ、刑務所に金(Commissary)を送って支援している。
Wishin' he made it through surgery, doctors' and nurses' faces tellin' a lot
あいつが手術を乗り切ってくれることを祈っていたが、医者や看護師の顔を見れば全て悟っちまった
※銃撃されER(救急救命室)に運ばれた仲間が助からなかった瞬間の生々しい描写。
Shout-out brodie, he made it out of the drug game, you'd be blessed if he serve you an ounce
兄弟にシャウトアウトを送るぜ、あいつはドラッグゲームから抜け出したんだ、もしあいつから1オンス買えたならお前は幸運だよ
I fuck your bitch, I'm not throwin' no shade up, I'm the type to just fuck her and bounce
お前のビッチとヤるが、別にお前をディスってるわけじゃない、俺はただヤッてすぐ立ち去るタイプなだけだ
※「throw shade」は遠回しに批判したりディスること。「bounce」はその場から立ち去ること。
Seen my uncle actually reactin' off coke
叔父さんがコカインでハイになってるのを実際にこの目で見たんだ
※親族の薬物依存というインナーシティの抱える負の連鎖。
Won a Grammy, sent my picture to bro
グラミー賞を獲って、俺の写真を兄弟に送ったぜ
※2024年にJ. Coleをフィーチャーした楽曲「All My Life」でグラミー賞(最優秀メロディック・ラップ・パフォーマンス賞)を受賞したことへの言及。成功の喜びを服役中などの仲間に共有している。
Breezy, Wicked and Chuckyy my woe
ブリージー、ウィケッド、それにチャッキーは俺の大事なダチだ
※「woe」は親友や悲しみを分かち合う仲間のこと。OTF周辺のストリートメンバーや若手ラッパーのネームドロップ。
Them not the niggas you send to the store
あいつらはパシリにして店に行かせるような連中じゃない
※ただの取り巻きではなく、引き金を引くことを躊躇しない危険なヒットマンたちであることを暗示している。
Breakin' news, the trenches a zoo
ニュース速報だ、スラム街はまるで動物園さ
※「trenches」は貧困や犯罪が蔓延するフッド。弱肉強食の無法地帯であることを動物園に例えている。
Just don't move, get shot out your shoes
とにかく動くんじゃない、撃たれて靴が吹き飛ぶぞ
※「shot out your shoes」は致命的な銃撃を受けて倒れる様子を誇張したドリル特有の表現。
Tell on who? I don't have a clue
誰をチクるって?俺には全く見当もつかないね
※警察の尋問に対して一切情報を与えないストリートの絶対的なルール。
Flew her out and she stayed in the room (Woah, woah)
飛行機で女を呼んだが、彼女は部屋にこもりっぱなしだった (Woah, woah)
Murder cases, I watch it from Zoom (Woah, woah)
殺人事件の裁判、俺はそれをZoom越しに見てるんだ (Woah, woah)
※現代の司法システムにおけるオンライン裁判。自らの仲間が裁かれる姿をリモートで見届けるという、現代特有のディストピア的なストリートの現実。
Ice from Izzy, my shit like a pool (Woah, woah)
イジーのところで買ったジュエリー、俺の首元はプールのようだぜ (Woah, woah)
※「Izzy」はニューヨークの有名ジュエラーIzzy of NYC(Izzy Luxury)。ダイヤモンド(Ice)が水面のように輝いていることを示している。
Give me lean, I don't want no Azul (Woah, woah)
リーンをくれよ、アズールなんて飲みたくない (Woah, woah)
※「Azul」は高級テキーラ「クラセ・アスール(Clase Azul)」。高級酒よりもドラッグ(リーン)を求める深刻な依存症。
All my savages family too (Woah, woah, woah)
俺のサヴェージな仲間たちはみんな家族同然さ (Woah, woah, woah)
[Chorus]
Back in 2012, they counted me out
2012年の頃、奴らは俺を見くびっていた
I had to turn up a notch
俺はギアを一段階上げなきゃならなかった
Back then, them hoes fuckin' for clout
あの頃、あのビッチどもは知名度目当てでヤッていた
I had to turn up a notch
俺はギアを一段階上げなきゃならなかった
I'm thinkin' you happy, but low-key you doubted me
お前は喜んでくれてると思ってたが、密かに俺を疑ってたんだな
I had to turn up a notch
俺はギアを一段階上げなきゃならなかった
Sleepin' on porches, I served off the balcony
ポーチで眠りにつき、バルコニーからブツを捌いていた
I had to turn up a notch
俺はギアを一段階上げなきゃならなかった
[Outro]
My savages, my savages, my savages
俺のサヴェージたち、俺のサヴェージたち、俺のサヴェージたち
It hurts you the worst when your brothers don't turn you up
自分の兄弟たちが自分を押し上げてくれない時が一番キツいんだ
My savages, my savages, my savages
俺のサヴェージたち、俺のサヴェージたち、俺のサヴェージたち
It hurts you the worst when your brothers don't turn you up
自分の兄弟たちが自分を押し上げてくれない時が一番キツいんだ
My savages, my savages, my savages
俺のサヴェージたち、俺のサヴェージたち、俺のサヴェージたち
It hurts you the worst when your brothers don't turn you up
自分の兄弟たちが自分を押し上げてくれない時が一番キツいんだ
My savages, my savages, my savages
俺のサヴェージたち、俺のサヴェージたち、俺のサヴェージたち
It hurts you the worst when your brothers don't turn you up
自分の兄弟たちが自分を押し上げてくれない時が一番キツいんだ
