Artist: Olivia Rodrigo
Album: SOUR
Song Title: jealousy, jealousy
概要
オリヴィア・ロドリゴの歴史的デビューアルバム『SOUR』(2021年)の終盤に配置された「jealousy, jealousy」は、90年代のオルタナティヴ・ロックやグランジの要素を取り入れたダークで疾走感のあるポップ・トラックである。本作ではロマンチックな失恋から視点を変え、SNSが引き起こす現代特有の「比較文化」と、そこから生まれる自己嫌悪や醜い嫉妬心(ジェラシー)を赤裸々に描き出している。完璧に加工された他者のデジタルな生活を監視し、勝手にコンプレックスを刺激されていくZ世代のリアルなソーシャル・アングザイエティ(社交不安)を見事に言語化しており、うねるようなベースラインと不穏なピアノの音色が、焦燥感とパニックに陥る精神状態を表現している。失恋ソングの枠を超え、現代の若者が抱える普遍的なメンタルヘルスの問題を代弁したことで、彼女のソングライターとしての鋭い社会的視点を証明した重要な一曲である。
和訳
[Verse 1]
I kinda wanna throw my phone across the room
部屋の向こう側へスマホを投げつけたくなる
'Cause all I see are girls too good to be true
だって目に入るのは、現実離れした完璧な女の子たちばかりだから
With paper-white teeth and perfect bodies
紙みたいに真っ白な歯と、完璧なプロポーション
Wish I didn't care
気にならなければよかったのに
[Pre-Chorus]
I know their beauty's not my lack
彼女たちの美しさが私の欠点を意味するわけじゃないって分かってる
※「他人が美しいからといって、自分が醜いわけではない」という、頭では理解している自己肯定のロジック。
But it feels like that weight is on my back
でも、その重圧が私の背中にのしかかっているように感じるの
And I can't let it go
そしてそれを振り払うことができない
[Chorus]
Com-comparison is killin' me slowly
比、比較することが、私をゆっくりと殺していく
※「Com-comparison」と吃音のように歌うことで、SNSの無限スクロールによって精神がバグを起こし、焦燥感に苛まれているパニック状態を表現している。
I think I think too much
私、考えすぎなんだと思う
'Bout kids who don't know me
私のことなんて知りもしない子たちのことばかり
I'm so sick of myself
自分のことが本当に嫌になる
I'd rather be, rather be
いっそのこと、いっそのこと
Anyone, anyone else
他の誰か、他の誰かになりたい
My jealousy, jealousy started followin' me (He-he-he, he)
私の嫉妬心、ジェラシーが私に付き纏い始めた(フフフ、フ)
※SNS上の他人の姿から生まれたはずの嫉妬心が、実体を持って自分をストーキングしてくるかのような不気味な擬人化表現。背後で聞こえる笑い声がそのパラノイアを増幅させている。
Started followin' me (He-he-he, he)
私に付き纏い始めた
[Verse 2]
And I see everyone gettin' all the things I want
みんなが私の欲しいものを全部手に入れていくのが見える
I'm happy for them, but then again, I'm not
彼らのことは嬉しいけど、でもやっぱり嬉しくない
※他人の成功を素直に喜べない、醜くもリアルな人間の本性を隠さずに吐露している。
Just cool vintage clothes and vacation photos, I can't stand it
イケてるヴィンテージの服に、バカンスの写真、もう耐えられない
Oh God, I sound crazy
ああ神様、私おかしいみたい
[Pre-Chorus]
Their win is not my loss
彼らの勝利は私の敗北じゃない
I know it's true, but
本当は分かってる、でも
I can't help gettin' caught up in it all
どうしてもそのすべてに巻き込まれずにはいられないの
[Chorus]
Com-comparison is killin' me slowly
比、比較することが、私をゆっくりと殺していく
I think I think too much
私、考えすぎなんだと思う
'Bout kids who don't know me
私のことなんて知りもしない子たちのことばかり
I'm so sick of myself
自分のことが本当に嫌になる
Rather be, rather be
いっそのこと、いっそのこと
Anyone, anyone else
他の誰か、他の誰かになりたい
My jealousy, jealousy (Yeah)
私の嫉妬心、ジェラシー
[Bridge]
All your friends are so cool, you go out every night
あなたの友達はみんなすごくクールで、毎晩のように遊びに出かけてる
In your daddy's nice car, yeah, you're livin' the life
パパの素敵な車に乗って、ええ、最高の人生を送ってるわよね
※「daddy's nice car(パパの車)」というフレーズで、自らの努力ではなく生まれながらの特権(親の富やコネ)を享受している同世代のインフルエンサーやネポベイビー(二世セレブ)に対する強烈な皮肉を込めている。
Got a pretty face, a pretty boyfriend, too
可愛い顔をして、可愛い彼氏までいて
I wanna be you so bad and I don't even know you
あなたのことなんて知りもしないのに、あなたが羨ましくて仕方ないの
All I see is what I should be
目に入るのは、私がなるべき理想の姿ばかり
Happier, prettier, jealousy, jealousy
もっと幸せそうに、もっと可愛く、ジェラシー、ジェラシー
All I see is what I should be
目に入るのは、私がなるべき理想の姿ばかり
I'm losin' it, all I get's jealousy, jealousy
私おかしくなっちゃう、得られるのはジェラシー、ジェラシーだけ
[Chorus]
Com-comparison is killin' me slowly
比、比較することが、私をゆっくりと殺していく
I think I think too much
私、考えすぎなんだと思う
'Bout kids who don't know me
私のことなんて知りもしない子たちのことばかり
And I'm so sick of myself
自分のことが本当に嫌になる
Rather be, rather be (Oh, oh)
いっそのこと、いっそのこと
Anyone, anyone else (Anybody else)
他の誰か、他の誰かになりたい
Jealousy, jealousy
嫉妬心、ジェラシー
Oh, I'm so sick of myself
ああ、自分のことが本当に嫌になる
I'd rather be, rather be (Oh-oh-oh)
いっそのこと、いっそのこと
Anyone, anyone else
他の誰か、他の誰かになりたい
Jealousy, jealousy started followin' me
私の嫉妬心、ジェラシーが私に付き纏い始めた
