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scared of my guitar - Olivia Rodrigo 【和訳・解説】

Artist: Olivia Rodrigo

Album: GUTS (spilled)

Song Title: scared of my guitar

概要

本楽曲「scared of my guitar」は、オリヴィア・ロドリゴの2ndアルバム『GUTS』のデラックス版である『GUTS (spilled)』(2024年)に収録されたアコースティック・バラードである(元々は一部のアナログ盤にシークレット・トラックとして先行収録されていた)。これまでの彼女の楽曲が、相手の裏切りや自身の激しい嫉妬を歌ってきたのに対し、本作では「優しくて完璧な恋人」に対する自分自身の「愛情の欠如」という残酷な真実に向き合っている。彼女にとってギター(ソングライティング)は、自分を誤魔化すことのできない「自白剤」である。ギターを弾けば、本当は彼を愛していないという本心に気づき、この心地よい関係を終わらせなければならなくなる。だからこそ彼女は「自分のギターが怖い」と歌うのだ。安全な妥協と真実の愛の間で揺れ動く若者の自己欺瞞を、恐ろしいほどの解像度で描き出した、彼女のソングライターとしての特異な才能が光る傑作である。

和訳

[Verse 1]

Perfect, easy, so good to me
完璧で、気楽で、私にすごく優しくしてくれる

So why's there a pit in my gut in the shape of you?
なのにどうして、私の胃袋にはあなたの形をした穴がぽっかり空いているんだろう?
※「pit in my gut」は罪悪感や極度の不安で胃が痛む(重くなる)感覚を指す。相手が非の打ち所のない「いい人」だからこそ、自分が心から愛していないことへの罪悪感が、物理的な胃の痛みとして現れている。

Distract myself, say it's somethin' else
気を紛らわして、別のことのせいにする

Maybe I'm just overwhelmed, maybe I'm confused
きっとキャパオーバーなだけ、混乱しているだけなんだって

[Pre-Chorus]

Barely sleep when you sleep next to me
あなたが隣で眠っていると、私はほとんど眠れない

But I keep thinkin' I'll find a cure
でも、いつか治す方法が見つかるって思い続けてる

I say that I'm fine, I tell you all the time
大丈夫だって、いつもあなたに言ってる

I've never felt so happy and sure
こんなに幸せで確かな気持ちになったことはないよって

[Chorus]

But I'm so scared of my guitar
でも私、自分のギターがすごく怖いの

'Cause it cuts right through to the heart
だってそれは、私の心のど真ん中を切り裂いてくるから
※ギター、つまり「曲を書くこと」は、オリヴィアにとって無意識の底にある本心を容赦なく暴き出す儀式である。嘘偽りのない感情しか引き出さないソングライティングの恐ろしさを表現している。

Yeah, it knows me too well, so I got no excuse
そう、私のことを知り尽くしているから、言い訳なんてできない

I can't lie to it the same way that I lie to you
あなたに嘘をつくのと同じようには、ギターに嘘をつけない

I'm so scared of my guitar
自分のギターがすごく怖い

If I play it, then I'll think too hard
弾いてしまったら、考えすぎてしまうから

Once you let the thought in, then it's already done
一度その思いを心に入れてしまったら、もうおしまい

So I'll lay in your arms and pretend that it's love
だから私はあなたの腕の中で横になって、これが愛なんだってフリをする

[Verse 2]

If I was brave and noble like you
もし私が、あなたみたいに勇敢で気高い人間だったなら

I'd have the nerve to just stop stringin' you along
あなたを都合よく振り回すのをやめる度胸もあったはず
※「string someone along」は、気のない相手を期待させてズルズルと関係を引き延ばすこと。優しい彼を利用し、孤独を埋めている自分自身の卑怯さを激しく自責している。

But I'm not half as decent as you
でも私には、あなたの半分もまともなところがない

I'd rather be tied to someone, even if they're wrong
間違った相手だとしても、誰かに縛られていたいの
※一人になる孤独を恐れるあまり、本命(right)ではないと分かっている相手(wrong)に依存してしまう、若者特有の恋愛の残酷なリアルである。

[Pre-Chorus]

I make excuses, my friends know the truth is
言い訳ばかりする私を見て、友達は真実に気づいてる

I'm not as alright as I claim
私が言い張るほど、全然大丈夫じゃないってことに

I say that I'm fine, I tell them all the time
大丈夫だって、いつも友達にも言ってる

As they watch all the light fade away
私の中からすべての光が消えていくのを、彼らが見つめる中で

[Chorus]

Yeah, I'm so scared of my guitar
そう、私、自分のギターがすごく怖いの

'Cause it cuts right through to the heart
だってそれは、私の心のど真ん中を切り裂いてくるから

Yeah, it knows me too well, so I got no excuse
そう、私のことを知り尽くしているから、言い訳なんてできない

I can't lie to it the same way that I lie to you
あなたに嘘をつくのと同じようには、ギターに嘘をつけない

I'm so scared of my guitar
自分のギターがすごく怖い

If I play it, then I'll think too hard
弾いてしまったら、考えすぎてしまうから

Once you let the thought in, then it's already done
一度その思いを心に入れてしまったら、もうおしまい

So I'll lay in your arms and pretend that it's love
だから私はあなたの腕の中で横になって、これが愛なんだってフリをする

[Refrain]

Yeah, I'll lay in your arms and pretend that it's
そう、あなたの腕の中で横になって、フリをするの、これが

[Bridge]

Love
愛なんだって

I pretend that it's love
これが愛なんだって、フリをする

I pretend that it's love
これが愛なんだって、フリをする

I pretend that it's love, love
これが愛なんだって、愛なんだって

[Pre-Chorus]

'Cause what if I never find anything better?
だって、これ以上いい人が見つからなかったらどうしよう?

The doubt always creeps through my mind
その不安がいつも心の中を這い回るの

So we'll stay together 'cause how could I ever
だから私たちはこのまま一緒にいるの、だってどうやって

Trade somethin' that's good for what's right?
「心地いいもの」を「正しいもの」と交換できるっていうの?
※「good(都合が良くて快適な現状の彼)」を手放して、「right(本当に心から愛せる運命の相手)」を探し求めるリスクを冒す勇気がない。真実の愛を探す過酷さから逃げ、手元にある無難な関係に妥協してしまうという、この曲で最も痛切な本音である。

[Chorus]

Oh, I'm so scared of my guitar
ああ、自分のギターがすごく怖い

It cuts right through to my heart
それは私の心のど真ん中を切り裂いてくる

It knows me too well, I got no excuse
私のことを知り尽くしているから、言い訳なんてできない

I can't lie to it the same way that I lie to you
あなたに嘘をつくのと同じようには、ギターに嘘をつけない

I'm so scared of my guitar
自分のギターがすごく怖い

When I play it, that's when I think too hard
弾いている時こそ、考えすぎてしまうから

I let the thought in, it's already done
思いを心に入れてしまったら、もうおしまい

But I'll lay in your arms and pretend that it's love
でも私はあなたの腕の中で横になって、これが愛なんだってフリをする

[Outro]

Yeah, I'll lay in your arms and pretend it's enough
そう、あなたの腕の中で横になって、これで十分なんだってフリをするの
※最後の最後で、それまで繰り返されていた「love(愛)」という言葉が「enough(これで十分)」に変化している。自分が抱いている感情が愛ですらないことを完全に認めてしまっている、残酷で悲劇的な結末である。