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get him back! - Olivia Rodrigo 【和訳・解説】

Artist: Olivia Rodrigo

Album: GUTS

Song Title: get him back!

概要

本楽曲「get him back!」は、オリヴィア・ロドリゴの2ndアルバム『GUTS』(2023年)に収録された、90年代から00年代のポップ・パンクやラップ・ロックの系譜を受け継ぐエネルギッシュなアンセムである。この曲の最大のギミックは、タイトルである「get him back」というフレーズが持つ巧妙なダブルミーニングにある。英語においてこの言葉は「彼とヨリを戻したい」というロマンチックな未練と、「彼に復讐してやりたい」という怒りの両方を意味する。オリヴィアは有害な元恋人に対する「愛」と「憎悪」という、一見矛盾する極端な感情の間で揺れ動くZ世代の複雑なパラノイアを、ユーモアと皮肉たっぷりに歌い上げている。ファンの間では、先行シングル「vampire」と同様に過去に交際していた年上の業界関係者を揶揄したものと広く考察されており、彼女のソングライターとしての言葉遊びのセンスと、ポップアイコンとしての反逆的なペルソナが完璧に融合した一曲である。

和訳

[Intro: Alexander 23]

One, two, three
ワン、ツー、スリー

Wait, is this the song with the drums?
待って、これってドラムが入る曲だっけ?
※プロデューサー陣とのリラックスしたスタジオでの会話をそのままイントロに使用することで、楽曲のインディー・ロック的な生々しさと遊び心を演出している。

[Verse 1: Olivia Rodrigo]

I met a guy in the summer, and I left him in the spring
夏にある男と出会って、春に彼を捨てた

He argued with me about everything
彼は何事につけても私と口論ばかり

He had an ego and a temper and a wandering eye
彼はエゴの塊で、短気で、おまけに浮気性だった
※「wandering eye」は直訳すると「さまよう目」だが、よそ見ばかりする=「浮気性」を意味するイディオムである。

He said he's six-foot-two, and I'm like, "Dude, nice try"
彼は身長が188センチだって言ってたけど、私は「はいはい、お疲れ様」って感じ
※「six-foot-two(約188cm)」とプロフィールを盛る男性に対する痛烈な皮肉。「nice try」は「よく頑張ったけどダメだったね」と相手の虚勢を小馬鹿にする表現である。

But he was so much fun, and he had such weird friends
でも彼といるとすごく楽しかったし、変な友達がいっぱいいた

And he would take us out to parties, and the night would never end
私たちをパーティーに連れ出してくれて、夜は一生終わらない気がした

Another song, another club, another bar, another dance
別の曲、別のクラブ、別のバー、別のダンス

And when hе said something wrong, he'd just fly me to Francе
そして彼が何か気に障ることを言った時は、ご機嫌取りに私をフランスへ連れて行ってくれた
※相手が裕福で、金や非日常的な体験(フランス旅行)で問題をうやむやにしようとする人物であったことを示唆している。

So I miss him some nights when I'm feeling depressed
だから落ち込んでいる夜は、時々彼のことが恋しくなるの

'Til I remember every time he made a pass on my friend
彼が私の友達に手を出そうとした数々の記憶を思い出すまでは
※「make a pass on 〜」は「〜を口説く、言い寄る」という意味のスラング。

Do I love him? Do I hate him? I guess it's up and down
彼を愛してる?それとも憎んでる?多分その狭間を行ったり来たりね

If I had to choose, I would say right now
もし今選ばなきゃいけないとしたら、こう言うわ

[Chorus: Olivia Rodrigo]

I wanna get him back
彼をゲット・バックしたいの
※「ヨリを戻したい」と「復讐したい(見返してやりたい)」のダブルミーニング。この曲の核となる感情の矛盾を象徴するフレーズである。

I wanna make him really jealous, wanna make him feel bad
彼を本気で嫉妬させて、最悪な気分にさせてやりたい

Oh, I wanna get him back
ああ、彼をゲット・バックしたい

'Cause then again, I really miss him, and it makes me real sad
だってやっぱり彼がすごく恋しくて、それが私を本当に悲しくさせるから

Oh, I want sweet revenge, and I want him again
ああ、甘美な復讐がしたい、そしてまた彼を手に入れたい

I want to get him back, back, back
彼をゲット・バックしたいの

[Verse 2: Olivia Rodrigo]

So I write him all these letters, and I throw them in the trash
だから彼に何通も手紙を書いては、それを全部ゴミ箱に捨てるの

'Cause I miss the way he kisses and the way he made me laugh
彼のキスの仕方や、私を笑わせてくれたやり方が恋しいから

Yeah, I pour my little heart out, but as I'm hitting "send"
ええ、小さな心をすべて打ち明けるけど、「送信」を押そうとする瞬間に

I picture all the faces of my disappointed friends
呆れ果てた友達の顔が全員思い浮かぶの

Because everyone knew all of the shit that he'd do
だって彼がどんな最悪なことをしでかすか、みんな知ってたから

He said I was the only girl, but that just wasn't the truth
彼は私が唯一の女の子だと言ったけど、それはただの嘘だった

And when I told him how he hurt me, he'd tell me I was trippin'
私がどれだけ傷ついたか伝えても、彼は私が取り乱してるだけだって言い放った
※「trippin'」は「勘違いしている」「大げさに騒いでいる」という意味のスラング。被害者の訴えを「お前の頭がおかしい」と片付けるガスライティングの典型的な手口である。

But I am my father's daughter, so maybe I could fix him
でも私は父親譲りの娘だから、彼を更生させられるかもしれない
※ファンの間で深く考察されているライン。オリヴィアの父親は職業としてセラピスト(心理カウンセラー)をしているため、「セラピストの娘である自分なら、この有害な男を治療(fix)できるはずだ」という危険な自己正当化(救済者コンプレックス)を表現していると解釈されている。

[Chorus: Olivia Rodrigo]

I wanna get him back
彼をゲット・バックしたいの

I wanna make him really jealous, wanna make him feel bad
彼を本気で嫉妬させて、最悪な気分にさせてやりたい

Oh, I wanna get him back
ああ、彼をゲット・バックしたい

'Cause then again, I really miss him, and it makes me real sad
だってやっぱり彼がすごく恋しくて、それが私を本当に悲しくさせるから

Oh, I want sweet revenge, and I want him again
ああ、甘美な復讐がしたい、そしてまた彼を手に入れたい

I want to get him back (And then? And then)
彼をゲット・バックしたいの(それから?それからどうするの?)

I want to get him back, back, back
彼をゲット・バックしたいの

[Bridge: Olivia Rodrigo, Alexander 23]

I wanna key his car (I want to get him back)
彼の車を鍵で引っ掻いてやりたい(彼をゲット・バックしたい)
※「key a car」は鍵で他人の車の塗装に傷をつける悪戯や復讐行為。キャリー・アンダーウッドの大ヒット曲「Before He Cheats」へのオマージュとも取れる、カントリー・ポップにおける古典的な復讐のトロープである。

I wanna make him lunch (But then I, I want to get him back; Woo)
彼にランチを作ってあげたい(でもやっぱり、彼をゲット・バックしたい)

I wanna break his heart (But then I, I want to get him back; Yeah, you got it)
彼の心をズタズタに砕いてやりたい(でもやっぱり、彼をゲット・バックしたい)

Then be the one to stitch it up (But then I, I want to get him back; yeah)
そして私がその傷を縫い合わせてあげる存在になりたい(でもやっぱり、彼をゲット・バックしたい)
※徹底的な破壊(復讐)と、献身的なケア(ヨリを戻す)という対極の感情が1行の中で衝突している。

Wanna kiss his face (But then I, I want to get him back)
彼の顔にキスしたい(でもやっぱり、彼をゲット・バックしたい)

With an uppercut (But then I, I want to get him back)
アッパーカットを交えてね(でもやっぱり、彼をゲット・バックしたい)

I wanna meet his mom (But then I, I want to get him back)
彼のお母さんに会いに行きたい(でもやっぱり、彼をゲット・バックしたい)

Just to tell her her son sucks (But then I, I want to get him back)
あなたの息子は最低のクズだって伝えるためだけに(でもやっぱり、彼をゲット・バックしたい)

Oh, I wanna key his car, I wanna make him lunch (But then I, I want to get him back; I want to)
ああ、彼の車を傷つけたい、彼にランチを作ってあげたい(でもやっぱり、彼をゲット・バックしたい)

I wanna break his heart, stitch it right back up (But then I, I want to get him back; get him back)
彼の心を砕いて、それをまた綺麗に縫い合わせてあげたい(でもやっぱり、彼をゲット・バックしたい)

I wanna kiss his face with an uppercut (But then I, I want to get him back; I want to)
アッパーカットを食らわせながら彼の顔にキスしたい(でもやっぱり、彼をゲット・バックしたい)

I wanna meet his mom, and tell her her son sucks, yeah (But then I, I want to get him back; get him back)
彼のお母さんに会って、あなたの息子は最低だって言ってやりたい(でもやっぱり、彼をゲット・バックしたい)

[Chorus: Olivia Rodrigo]

I wanna get him back
彼をゲット・バックしたいの

I wanna make him really jealous, wanna make him feel bad
彼を本気で嫉妬させて、最悪な気分にさせてやりたい

Oh, I wanna get him back
ああ、彼をゲット・バックしたい

'Cause then again, I really miss him, and it makes me real sad
だってやっぱり彼がすごく恋しくて、それが私を本当に悲しくさせるから

Oh, I want sweet revenge, and I want him again
ああ、甘美な復讐がしたい、そしてまた彼を手に入れたい

I want to get him back (And then? And then)
彼をゲット・バックしたいの(それから?それからどうするの?)

I want to get him back, back, back
彼をゲット・バックしたいの

[Outro: Olivia Rodrigo, Chappell Roan, Alexander 23 & Dan Nigro]

I'll get him, I'll get him, I'll get him, I'll get him back (Woo-hoo)
絶対に彼を、彼を、彼をゲット・バックしてやる

Get him back (Come on, come on, woo)
ゲット・バックしてやる

I'm gonna get him so good, he's not even gonna know what hit him
思いっきり復讐してやる、何が起きたか彼が理解できないくらいにね
※「know what hit him」は予期せぬ強いショックを与えることを意味するフレーズ。

He's gonna love me and hate me at the same time
彼は私を愛すると同時に、私のことを憎むようになるわ

(Get him back, girl, you better get him back)
(ゲット・バックしなよ、絶対にゲット・バックしてやりな)
※バックグラウンドボーカルには、後に大ブレイクを果たす同レーベルの盟友チャペル・ローン(Chappell Roan)が参加している。女性同士の連帯(ガールズ・エンパワーメント)を感じさせる熱いコーラスである。

(You got it, got him)
(いけるよ、やっちまいな)

Oh, I don't know, I got him good, I got him really good
ああ、どうだろう、上手くやってやったわ、本当に上手く復讐してやった