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making the bed - Olivia Rodrigo 【和訳・解説】

Artist: Olivia Rodrigo

Album: GUTS

Song Title: making the bed

概要

本楽曲「making the bed」は、オリヴィア・ロドリゴの2ndアルバム『GUTS』(2023年)に収録された、極めて内省的で痛切なミディアム・バラードである。デビューアルバム『SOUR』での歴史的なメガヒットによって、彼女は一夜にして世界的なポップアイコンへと登り詰めた。しかし本作で彼女が描くのは、誰もが羨む名声や成功を手に入れた後に訪れた、強烈な虚無感と自己嫌悪である。タイトルの「making the bed」は、「You made your bed, now lie in it(自分が整えたベッドなのだから、そこに寝なさい=自分で蒔いた種、自業自得)」という英語のイディオムに由来している。望んでいたものを全て手に入れながらも、周囲の人間関係は希薄になり、かつて純粋に楽しんでいた音楽すらもプレッシャーに変わってしまった。しかし彼女は、その現状を誰かのせいにするのではなく、「全て自分が選んで作り上げた結果なのだ」と残酷なまでに冷徹に自己分析を行う。世界的スターとしての孤独と、一人の若者としての等身大の葛藤が交差する、彼女のソングライターとしての成熟を証明する重要な一曲である。

和訳

[Verse 1]

Want it, so I got it, did it, so it's done
欲しかったから手に入れて、やりたかったからやり遂げた

Another thing I ruined I used to do for fun
かつては純粋に楽しんでやっていたことを、また一つ台無しにしてしまった
※音楽を作ることや歌うこと自体が、名声を得たことでビジネスやプレッシャーへと変質してしまったことへの嘆きを示唆している。

Another piece of plastic I could just throw away
ただ捨ててしまえばいい、また別のプラスチックのゴミ

Another conversation with nothin' good to say
何も良いことなんて言えない、中身のないまた別の会話

I thought it, so I said it, took it 'cause I can
思ったから口にして、取れるから奪い取った

Another day pretendin' I'm older than I am
実年齢よりも大人びているフリをする、また別の一日

Another perfect moment that doesn't feel like mine
私自身のものだとは思えない、また別の完璧な瞬間
※数々の授賞式や華やかなステージなど、客観的には「完璧」な成功の瞬間であっても、インポスター症候群(自分にはその資格がないと感じる心理)によって現実感が伴わない状態を描写している。

Another thing I forced to be a sign
無理やり何かの運命のサインだと思い込もうとした、また別の出来事

[Chorus]

Well, sometimes I feel like I don't wanna be where I am
ねえ、時々、今の自分の居場所にいたくないって思うの

Gettin' drunk at a club with my fair-weather friends
調子のいい時だけ寄ってくる上辺だけの友達と、クラブで酔っ払って
※「fair-weather friends(晴天の友)」は、都合の良い時だけ親しくしてくる薄っぺらい友人を指すイディオム。名声によって引き寄せられたハリウッドの人間関係の虚無感を表している。

Push away all the people who know me the best
私のことを一番よく分かってくれている人たちを突き放してしまっている

But it's me who's been makin' the bed
でも、このベッドを整えてきたのは私自身なの
※前述の通り「自業自得」を意味するイディオム。現在の孤独で空虚な状況は、他ならぬ自分自身の選択の結果であるという重い責任の受容である。

I'm so tired of bein' the girl that I am
今のこんな自分であることに、心の底からウンザリしてる

Every good thing has turned into somethin' I dread
あらゆる素晴らしい出来事が、私の恐れるものに変わってしまった

And I'm playin' the victim so well in my head
頭の中では、被害者のフリをすごく上手く演じているのに

But it's me who's been makin' the bed
でも、このベッドを整えてきたのは私自身なの

[Post-Chorus]

Me who's been makin' the bed
このベッドを整えてきたのは私自身

Pull the sheets over my head
シーツを頭から被る

Makin' the bed
自分で整えたベッドで

[Verse 2]

And every night, I wake up from this one recurrin' dream
そして毎晩、いつも同じ夢を見て目が覚めるの

I'm drivin' through the city, the brakes go out on me
街中をドライブしているのに、ブレーキが効かなくなってしまう夢
※本楽曲で最も重要なコンテクストを持つラインの一つ。彼女のブレイクのきっかけとなったメガヒット曲「drivers license」では、免許を取って自由に街を走る哀愁が歌われていた。しかし現在、その「車」はブレーキが壊れ、コントロール不能な怪物(=名声)となっている。過去の自身のアイコニックな楽曲との残酷な対比である。

I can't stop at the red light, can't swerve off the road
赤信号でも止まれず、道を逸れることもできない

I read somewhere it's 'cause my life feels so out of control
どこかで読んだわ、それは自分の人生がコントロール不能だと感じているからだって
※夢占いにおいて、ブレーキの効かない車の夢は「現実世界での制御喪失」や「プレッシャー」を意味する。ファンの間でも、彼女が自身の爆発的なブレイクに対して抱いていた恐怖心の表れとして深く考察されている。

And I tell someone I love them just as a distraction
そして気を紛らわすためだけに、誰かに愛してると伝えてみる

They tell me that they love me like I'm some tourist attraction
すると彼らは、まるで私を観光名所か何かのように愛してると言ってくる
※「tourist attraction(観光名所)」。相手が彼女の人間性(中身)ではなく、「オリヴィア・ロドリゴ」という有名人であるという肩書きやステータス(外見・ブランド)を消費していることへの皮肉と絶望を見事に表現したパンチラインである。

They're changin' my machinery, and I just let it happen
彼らが私の機械構造を勝手に作り変えていくのに、私はただされるがままにしている

I got the things I wanted, it's just not what I imagined
欲しかったものは手に入れた、ただ想像していたものとは違っただけ

[Chorus]

Well, sometimes I feel like I don't wanna be where I am
ねえ、時々、今の自分の居場所にいたくないって思うの

Gettin' drunk at a club with my fair-weather friends
調子のいい時だけ寄ってくる上辺だけの友達と、クラブで酔っ払って

Push away all the people who know me the best
私のことを一番よく分かってくれている人たちを突き放してしまっている

But it's me who's been makin' the bed
でも、このベッドを整えてきたのは私自身なの

I'm so tired of bein' the girl that I am
今のこんな自分であることに、心の底からウンザリしてる

Every good thing has turned into somethin' I dread
あらゆる素晴らしい出来事が、私の恐れるものに変わってしまった

And I'm playin' the victim so well in my head
頭の中では、被害者のフリをすごく上手く演じているのに

But it's me who's been makin' the bed
でも、このベッドを整えてきたのは私自身なの

[Post-Chorus]

Me who's been makin' the bed
このベッドを整えてきたのは私自身

Pull the sheets over my head
シーツを頭から被る

Makin' the bed
自分で整えたベッドで

[Outro]

Sometimes I feel like I don't wanna be where I am
時々、今の自分の居場所にいたくないって感じるの

Countin' all of the beautiful things I regret
後悔している美しい出来事の全てを数え上げながら

But it's me who's been makin' the bed
でも、このベッドを整えてきたのは私自身なの

Me who's been makin' the bed
このベッドを整えてきたのは私自身

Pull the sheets over my head
シーツを頭から被る

Makin' the bed, oh
自分で整えたベッドで、ああ