Artist: PARTYNEXTDOOR
Album: PARTYNEXTDOOR 4 (P4)
Song Title: F o r C e r t a i n
概要
PARTYNEXTDOORのアルバム『PARTYNEXTDOOR 4 (P4)』に収録された「F o r C e r t a i n」は、彼が普段見せる「手が届かない退廃的なプレイボーイ」というペルソナを一時的に脱ぎ捨て、一人の女性への強烈な執着と独占欲をストレートに歌い上げたスロウジャムだ。第一印象では惹かれ合わなかった相手に対し、プライドを捨てて「恋人にしたい」と熱烈にアプローチする姿が描かれる。カリブ海系のルーツを感じさせる「バッドマン(Badman)」という表現や、高級テキーラのドン・フリオ1942、エルメスのバーキンといったヒップホップ的フレックスを交えながら、富と愛情を対価に彼女を繋ぎ止めようとする。しかし、楽曲の最後を締めくくる生々しい会話のスキットでは、深い愛を語った彼の思いとは裏腹に、すれ違う二人の距離感が絶妙に表現されており、OVO Sound特有のトキシック(有害)な恋愛模様が見事に描き出された一曲である。
和訳
[Verse 1]
We didn't vibe on the first night
出会った最初の夜は波長が合わなかったな
But you're so enticin'
でも君はあまりにも魅力的だ
We didn't vibe then
あの時は惹かれ合わなかったけど
But now I want you
今は君が欲しくてたまらないんだ
[Pre-Chorus]
So, I-I-I, pure desire
だから俺は、純粋な欲望のままに
So heart racin', entire body sayin', "Ah-ooh-ah"
心臓が激しく脈打ち、体中が声を上げているんだ
[Chorus]
I want you to make you my girlfriend (Yeah)
君を俺の恋人にしたいんだ
Wait 'til the world ends
世界が終わるその時まで待つよ
Badman deserves ya (Yeah)
バッドマンだって君に相応しいはずだ
※「Badman」はジャマイカのパトワ語で不良やギャングを指す。トロントのカリブ系移民カルチャーを色濃く反映するOVO特有の表現であり、普段は危険で冷酷な男が、特定の一人の女性にだけ深い愛情を注ぐというギャップを演出している。
Badman buy Birkins
バッドマンは君にバーキンを買ってやる
※エルメスのバーキン。ヒップホップ・R&Bシーンにおける究極の富と愛情の証明であり、圧倒的な財力で相手の心を確実に手に入れようとする態度の表れ。
For you, for certain
君のために、確実にね
Search, I been searchin'
ずっと探し求めていたんだ
Woah, woah, ah
And I want you
君が欲しいんだ
And I want you
君が欲しいんだ
And I want you
君が欲しいんだ
And I want you
君が欲しいんだ
And I want you
君が欲しいんだ
[Verse 2]
Tried on the first night, I
最初の夜も俺なりに努力はしたんだ
Extended my hand and let go of my pride
プライドを捨てて、君に手を差し伸べた
I got a bottle of '42 I could pour for you
君のために注げる42のボトルもある
※「'42」は高級テキーラ「ドン・フリオ1942」のこと。ナイトクラブやVIPルームでのステータスシンボルであり、夜のトロントの退廃的でラグジュアリーな空気を醸し出している。
I'm not sayin' no tonight, yeah
今夜は絶対にノーとは言わせない
While you dance, I'ma hold you tight
君が踊っている間、俺は君をきつく抱きしめる
You know how I want you
俺がどれほど君を求めているか、分かってるだろ
And sometimes, I feel like I need you
時々、君が必要なんだと痛感するんだ
The pressure of lovе, the pressure of, woah, oh-oh
愛の重圧、そのプレッシャーを
[Pre-Chorus]
So, I-I-I, purе desire
だから俺は、純粋な欲望のままに
So heart racin', entire body sayin', "Ah-ooh-ah"
心臓が激しく脈打ち、体中が声を上げているんだ
[Chorus]
I want you to make you my girlfriend (Yeah)
君を俺の恋人にしたいんだ
Wait 'til the world ends
世界が終わるその時まで待つよ
Badman deserves ya (Yeah)
バッドマンだって君に相応しいはずだ
Badman buy Birkins
バッドマンは君にバーキンを買ってやる
For you, for certain
君のために、確実にね
Search, I been searchin'
ずっと探し求めていたんだ
Woah, woah, ah
And I want you
君が欲しいんだ
[Outro]
Hey, y'all head home?
ねえ、みんなもう帰るの?
Yeah, what're you gon' do?
ああ、君はどうするんだ?
I dunno, I dunno, I think I might hit a few more spots, and stay out a lil' longer
分からないな、あといくつか店を回って、もう少し夜の街で遊んでいこうかと思ってる
Okay, I guess I'll see you when you get home
分かった、じゃあ君が家に帰ってきたら会おう
Mhm
ええ
※アウトロに挿入された電話越しの会話。ファンの間では、この会話の力関係について深い考察が交わされている。本編で情熱的に愛を語り、バーキンを買い与えてまで彼女を独占しようとする彼(あるいは彼らしき人物)に対し、相手の女性が「もう少し夜の街で遊んでいく」と帰宅を先延ばしにしている構図として解釈されることが多い。かつて数々の女性をあしらってきたプレイボーイが、今度は奔放な女性に振り回され、手に入らない相手を待ち続ける側に回っているという、トキシックな関係の逆転と孤独な哀愁が示唆されたPNDらしい皮肉な幕切れである。
