Artist: PARTYNEXTDOOR
Album: PARTYNEXTDOOR 4 (P4)
Song Title: N o C h i l l
概要
PARTYNEXTDOORのアルバム『PARTYNEXTDOOR 4 (P4)』に収録された「N o C h i l l」は、彼の代名詞である「退廃的なロマンス」と「有害(トキシック)な関係性」を鮮やかに描き出した一曲だ。過去に双子や三つ子と遊ぶような放蕩の限りを尽くしてきたプレイボーイが、アラバマ州の地方都市で見つけた元ストリッパーらしき女性に魅了され、彼女を「主役」として特別扱いする姿が描かれる。彼女に大量のジュエリーを買い与えた結果、彼女がすっかり遠慮をなくして「ノー・チル(冷静さを失った状態)」になってしまったと歌う本作は、富による愛情表現の空虚さを孕んでいる。さらに楽曲の最後には、浮気を疑う相手を巧みに言いくるめ、「君がおかしい」と責任転嫁する生々しい電話のスキットが挿入されている。特別な愛を語りながらも結局は自己中心的で不誠実な本性が露呈する、OVO Sound特有のダークなリアリズムに満ちた傑作である。
和訳
[Intro]
Oh, yeah
[Chorus]
And I been with Triplett, I been with twins
俺は三つ子とも遊んだし、双子ともヤってきた
※「Triplett」は通常triplets(三つ子)を意味し、ここでは過去に経験した乱交や複数人での過激な性体験を指している。かつての遊び人としての奔放なライフスタイルを誇示する表現。
I been solo, where do I begin? (Oh-oh, oh-oh)
一人でいることもあった、何から話せばいい?
And to me, you are the star of the show still
でも俺にとって、君は今でもこのショーの主役なんだ
Even though I found your pretty ass out in Mobile
モービルで君の可愛いお尻を見つけた時からずっとね
※モービル(Mobile)はアメリカ南部・アラバマ州の港町。大都市ではない地方の街で彼女を発掘し、華やかな世界へ引き上げたというパトロン的な優越感が表れている。
Ever since I copped you all that ice, you got no chill, no more
俺が大量のジュエリーを買い与えてから、君はすっかり遠慮がなくなったな
※「ice」はダイヤモンドなどの高級な宝石のこと。「no chill」は冷静さがない、度が過ぎている、図々しくなっているというスラング。大金をつぎ込んだ結果、彼女が贅沢に慣れきって要求がエスカレートしている状態を指す。
[Verse 1]
Never try to waste your time
君の時間を無駄にするつもりはない
And you never try to waste mine
君も俺の時間を無駄にしようとはしない
Proved it a million times, woah
そんなことはもう百万回も証明してきた
Linking up, we were in Turks together
落ち合って、俺たちはタークス・カイコスを一緒に過ごした
※タークス・カイコス諸島(Turks and Caicos)はカリブ海に浮かぶ高級リゾート地。ドレイクをはじめとするOVOのメンバーやセレブたちが頻繁にお忍びでバカンスに訪れる場所であり、彼女にトップクラスの贅沢を味わわせていることの証明。
I always keep you close (Yeah, oh yeah)
俺はいつだって君をそばに置いている
And you dressed up for me, but you don't wanna show anybody
君は俺のために着飾ってくれるけど、それを誰にも見せようとしない
Super lowkey, you don't know anybody (Ah-ah)
すごく控えめで、誰も君のことを知らない
Can't wait to take you down in private
二人きりになって君を抱くのが待ちきれないよ
You know my deepеst dark desire
君は俺の一番深くてダークな欲望を知っている
Oh-woah
Baby, I seen evеrything, I felt you too
なあ、俺はすべてを見てきたし、君のことも感じてきた
But you were the best part
でも君こそが最高だったんだ
If nobody's told you
もし誰も君に言ったことがないなら教えてやる
Baby, you're pressure
君は圧倒的に極上だ
※「pressure」はヒップホップスラングで、他を圧倒するほどの魅力、最高品質のものを意味する。ここでは彼女のルックスや存在感が完璧であることを称賛している。
[Chorus]
I been with triplets, I been with twins
俺は三つ子とも遊んだし、双子ともヤってきた
I been solo, where do I begin? (Oh-oh, oh-oh)
一人でいることもあった、何から話せばいい?
And to me, you are the star of the show still
でも俺にとって、君は今でもこのショーの主役なんだ
Even though I found your pretty ass out in Mobile
モービルで君の可愛いお尻を見つけた時からずっとね
Ever since I copped you all that ice, you got no chill, no more
俺が大量のジュエリーを買い与えてから、君はすっかり遠慮がなくなったな
[Verse 2]
My girl got diamonds on her arm, diamonds in her ear
俺の女の腕にはダイヤモンド、耳にもダイヤモンドが輝いている
She even worked at Diamonds for a year
彼女はダイアモンズで一年働いていたこともあるんだ
※「Diamonds」はアメリカの歓楽街に実在するストリップクラブの名前(アトランタなど複数都市に存在)。宝石のダイヤモンドとクラブの名前をかけた巧みなダブルミーニング。彼女のストリッパーとしての過去を隠すどころか、むしろフッドの成功物語の一部として語っている。
I'm tryna treat you special, like no one did
他の誰もやらなかったくらい、君を特別扱いしてやろうとしてるんだ
My baby skips the nightlife (Nightlife) and the sideline (Sideline)
俺の愛しい人は夜遊びも傍観者でいることもやめた
Just to show me it's mine
それが俺のものだってことを証明するためだけにね
I'm tryna treat her special, like no one ever did (No baby, I)
他の誰もやらなかったくらい、俺は彼女を特別扱いしてやろうとしてるんだ
[Chorus]
I been with triplets, I been with twins (Oh, baby, I)
俺は三つ子とも遊んだし、双子ともヤってきた
I been solo, where do I begin? (For you, for you)
一人でいることもあった、何から話せばいい?
And to me, you are the star of the show still (To me you are the star of my show, woah)
でも俺にとって、君は今でもこのショーの主役なんだ
Even though I found your pretty ass out in Mobile (Ooh, ooh)
モービルで君の可愛いお尻を見つけた時からずっとね
Ever since I copped you all that ice, you got no chill, no more
俺が大量のジュエリーを買い与えてから、君はすっかり遠慮がなくなったな
[Outro]
Where am I at? Hmm
俺がどこにいるかって?
Are you comin' to get me? Oh, no, I didn't think so
俺を迎えに来るのか? ああ、いや、そんなわけないよな
Yeah
No, we're good, we're good, we're good
いや、大丈夫だ、こっちは平気だよ
We're chillin', I'm chillin', chillin', chillin'
のんびりしてるよ、俺はくつろいでるだけだ
I'm not doin' nothin', I'm chillin', I'm relaxin'
何も悪いことなんてしてない、リラックスしてるんだ
I'm with my girl, we're good, like
彼女と一緒にいるんだ、平気だってば
I don't need nothin', no, you're good
何も必要ないよ、君はそのままでいい
I'll be back later
後で戻るから
Didn't you say you had somethin' to do?
君も用事があるって言ってなかったか?
Oh, okay, how long, how—
ああ、わかった、あとどれくらい、その
What do you mean? You're trippin'
どういう意味だよ? 君はおかしくなってるぜ
Trippin' for no reason, I don't even trip on you like that
理由もなく取り乱してさ、俺は君に対してそんなふうに疑ったりしないのに
You're wildin'
狂ってるよ
※浮気を疑い電話をかけてきた別の女性(あるいは本命の恋人)に対する通話のスキット。別の女と一緒にいることを隠しながら、相手の不安や怒りを「考えすぎだ」「おかしくなっている(trippin')」と片付け、自分を正当化する典型的なガスライティングの手法である。楽曲本編ではモービルの女性に一途であるかのように語っていたが、このアウトロによって彼の不誠実さとトキシックな人間性が浮き彫りになり、聴く者に鮮烈な後味を残す。
