Artist: PARTYNEXTDOOR
Album: PARTYNEXTDOOR 4 (P4)
Song Title: C h e e r s
概要
PARTYNEXTDOORのアルバム『PARTYNEXTDOOR 4 (P4)』に収録された「C h e e r s」は、彼が長年描いてきた「トロントの退廃的なナイトライフ」と「有害(トキシック)な人間関係」の延長線上にある、メランコリックで官能的な一曲だ。一見するとクラブでのパーティーや富を見せつける華やかなライフスタイルを賛美しているように聞こえるが、フックでの「乾杯するたびに感覚が麻痺していく」というフレーズが示す通り、その本質は酒や刹那的な快楽による現実逃避と虚無感にある。R&Bクラシックであるタミアの楽曲やビヨンセのアイコン性を巧みに引用しつつ、莫大な金で相手の心を買おうとする空虚なプレックスが展開される。さらにアウトロでは、クラブで他の女性に声をかけられたことを巡る恋人との生々しい口論のスキットが挿入され、華やかな生活の裏に潜む不信感と関係の破綻が浮き彫りになる。PNDの美学である「富と快楽の果てにある孤独」を鮮烈に提示した傑作である。
和訳
[Chorus]
Cheers when we drink, oh yeah
俺たちが酒を飲む時に乾杯しよう
Cheers when we drunk, oh yeah
酔っ払った時に乾杯しよう
Cheers make me numb, oh yeah
乾杯するたびに感覚が麻痺していくんだ
※酒を飲む行為が、単なる祝福ではなく、感情や痛みから逃避するための麻酔として機能していることを示唆している。
Oh yeah-ah, yeah
Love hangin' out, oh yeah
一緒に過ごす時間は最高だ
Hate hangin' up (Oh), woah
電話を切るのは大嫌いなんだ
※「hang out(遊ぶ)」と「hang up(電話を切る)」で韻を踏みつつ、相手への執着や離れがたさを表現している。
Don't say it (Say it) until you mean it (Mean it, yeah)
本心じゃないなら、そんなこと言わないでくれ
[Verse 1]
Watch, I'll run through a quarter milli' wit' ya, baby (Baby)
見てな、君と一緒に25万ドルを使い果たしてやるよ
※「quarter milli'」は25万ドル(数千万円規模)。莫大な富を見せつけることで相手の気を惹こうとするストレートなプレックス。
We hit the strip club, we goin' crazy (Yeah)
ストリップクラブに乗り込んで、狂ったように遊ぼう
I'ma talk to you nice, I'ma treat you like a lady (Yeah)
優しく話しかけて、レディとして扱ってあげるよ
'Fore we get in the car (Yeah; woo), I'm pullin' on yo' lace wig while you give me top (Top)
車に乗り込む前に、君がフェラチオをしてくれる間、俺は君のレースウィッグを引っ張るんだ
※「top」はオーラルセックスの隠語。レースウィッグ(フロントレースの高級ウィッグ)を引っ張るという生々しい描写で、PND特有の荒々しくもリアルな性的アプローチを描いている。
Don't stop, oh, girl, it's always fun wit' ya (Regular)
止めないでくれ、君といるといつも楽しいよ
Your love when whatever, it's whatever whеn you need it (Period)
君の愛はいつでもそこにあって、君が必要な時には何でもしてやるよ
Like signin' off, I'll be your littlе secret
ログアウトするように、俺は君の小さな秘密になるんだ
I'm never too far
俺は決して遠くには行かない
Pushin' the bar (The bar) twice as far (As far)
限界をいつもの倍まで押し広げるんだ
※「push the bar」は基準を上げる、限界に挑むという意味。肉体的な快楽や関係の深さをどこまでも追求する姿勢を示している。
When I'm what you need (Need), you ain't gotta work as hard
俺が君の求めている男なら、君はそんなに頑張らなくていい
It won't take much to make you mine
君を俺のものにするのに、そんなに時間はかからない
But for now, I'm sayin' (I'm sayin', yeah)
でも今は、こう言わせてくれ
[Chorus]
Let's cheers when we drink (Yeah), oh yeah
俺たちが酒を飲む時に乾杯しよう
Cheers when we drunk (Yeah), oh yeah
酔っ払った時に乾杯しよう
Cheers make me numb (Cheers), oh yeah
乾杯するたびに感覚が麻痺していくんだ
Oh yeah, oh yeah-ah, yeah (Oh yeah)
Love hanging out (Love), oh yeah
一緒に過ごす時間は最高だ
Hate hanging up (Hate hanging up), woah
電話を切るのは大嫌いなんだ
Don't say it (Don't say it) until you mean it (Don't say it, don't say it)
本心じゃないなら、そんなこと言わないでくれ
[Verse 2]
Let's take another shot, then we out of the party
もう一杯ショットを飲んだら、このパーティーから抜け出そう
Let's take it up the block, I ain't gon' tell nobody
このブロックの先へ行こう、誰にも言わないから
What we doin'? Where we goin'?
俺たちは何をしてる? どこへ向かってるんだ?
What type time that we on tonight?
今夜はどういうモードでいくんだ?
※「What type time」は相手の気分やその日のテンションを尋ねるスラング。
Let's take a trip, a trip to Italy (Yeah)
旅行に出かけよう、イタリアへ
Bust down that watch and now you're kissin' me
時計をダイヤで埋め尽くしてやったら、君は俺にキスをしている
※「Bust down」は高級時計にダイヤモンドを敷き詰めるカスタムのこと。物質的な贈り物で愛情や関心を買う空虚な関係性の描写。
Talk 'bout my past
俺の過去について話そうとするけど
I ain't even wanna talk 'bout that last (Yeah)
前のことなんて話したくもないんだ
Tamia, Tamia, officially missin' me (Yeah)
タミアの歌みたいに、俺が恋しくてたまらないんだろ
※1998年のTamiaのR&Bクラシック「Officially Missing You」からの引用。過去の女たちが自分を忘れられないでいるという、傲慢なプレイボーイとしての態度を誇示している。
She feel like Beyoncé when she wear Tiffany
ティファニーを身につけると、彼女はビヨンセになったような気分になる
※ビヨンセがTiffany & Co.のアンバサダーを務め、巨額のキャンペーンに登場したことへのリファレンス。ハイブランドを与えることで相手の自尊心を満たしている。
I don't even wanna talk 'bout the past (Oh, woah)
過去のことなんて話したくもない
I wanna talk 'bout the times that's gon' forever last
永遠に続くこれからの時間について話したいんだ
I'm sayin'
だからこう言ってるんだ
[Chorus]
Cheers when we drink (Yeah, yeah), oh yeah
俺たちが酒を飲む時に乾杯しよう
Cheers when we drunk (Yeah), oh yeah
酔っ払った時に乾杯しよう
Cheers made me numb (Cheers), oh yeah (Come on, come on, come on, come on, yeah)
乾杯するたびに感覚が麻痺していくんだ
Oh yeah-ah, yeah (Oh yeah)
Love hanging out (Love, oh yeah), oh yeah
一緒に過ごす時間は最高だ
Hate hanging up (Hate hanging up), woah
電話を切るのは大嫌いなんだ
Don't say it (Say it) until you mean it (Yeah)
本心じゃないなら、そんなこと言わないでくれ
[Outro]
Do I look stupid to you? That was so rude
私がバカに見える? 今のすごく失礼だったわ
Look, look, look, baby
なあ、ちょっと聞いてくれよ
You should be embarrassed, you should be embarrassed
恥を知りなさいよ、恥ずかしいと思わないの
That bitch was just lookin' at me and that's it
あの女が俺を見てただけだろ、それだけだよ
It don't mean nothing
何の意味もないって
I watched her, I watched her, I just watched her walk to you
見てたわよ、あの女があなたの方に歩いていくのをずっと見てたんだから
What's going on?
どうなってんの?
I don't even know her
彼女のことなんて知らないよ
You're tripping (Cheers when we drink, oh yeah)
君はおかしくなってるよ
You got me messed up, for real
本当にふざけないでよ
You don't want me to embarrass you in here
こんな場所で私に恥をかかせないで
Look, she off—, she offered me a drink and that's all that happened (Cheers when we drunk)
なあ、彼女が酒を勧めてきただけなんだ、それだけのことだろ
Nah, it's cool, it's whatever
ああ、もういいわ、どうでもいい
I'm out, I'm out, I'm done
帰るわ、もう無理、終わりよ
She came and she leaned into me (Cheers made me numb, oh yeah)
彼女がこっちに来て、寄りかかってきただけだって
She was just offering me a drink and that's it, I promise to God
ただ酒を勧めてきただけだ、神に誓ってそれだけだよ
We'll see (Oh yeah-ah, yeah)
どうだか
I do not know her
彼女のことは知らないんだって
Listen, it's over (Cheers when we drink, oh yeah)
聞いて、もう終わりよ
※PNDの作品で定番となっている、クラブやパーティーでの痴話喧嘩を切り取ったスキット。女性の激しい嫉妬と不信感、そして必死に言い訳を重ねる男性の生々しいやり取りがバックグラウンドに流れる。どれだけ富や名声を得て華やかな生活を送っていても、こうした有害な諍いから抜け出せず、結局は酒に頼って感覚を麻痺させるという虚無的なループを極めてリアルに表現している。ファンの間でも、このアルバムにおける彼の孤独を象徴する重要なシーンとして語られている。
Drop it
もういい加減にして
Cheers when we drunk, oh yeah
酔っ払った時に乾杯しよう
Cheers made me numb, oh yeah
乾杯するたびに感覚が麻痺していくんだ
Oh yeah-ah, yeah
