Artist: Bad Bunny
Album: EL ÚLTIMO TOUR DEL MUNDO
Song Title: HOY COBRÉ
概要
本作『HOY COBRÉ(今日ギャラが入った)』は、2020年リリースの歴史的アルバム『EL ÚLTIMO TOUR DEL MUNDO』に収録された、ダークでヘヴィなトラップ・バンガーである。全米ビルボード200で全編スペイン語アルバムとして史上初の1位を獲得するという偉業を成し遂げた本作の中で、バッド・バニーは圧倒的な富と権力を手にした「絶対的王者」としてのペルソナを見せつけている。1公演で100万ドル(約1億円以上)を稼ぎ出し、高級ブティックで横暴に振る舞い、大量のシャンパンを開けるという過剰なフレックス(自己誇示)を展開する一方で、「もうジュエリーで着飾る必要もない」という成熟したアイコンとしてのスタンスも提示している。リリックにはNBAのレジェンドたちや、サルサの歴史的名曲に登場する悪党「ペドロ・ナバハ」といった多彩な文化的リファレンスが散りばめられており、アンダーグラウンドのラッパーから世界の頂点へと登り詰めた彼の特権的な優越感と、ライバルたちへの容赦ない冷笑が詰め込まれた一曲である。
和訳
[Intro]
Yeh-yeh-yeh, ey
Bad Bunny, baby, be-bé
Ey, ey
[Coro]
Hoy cobré y hoy mismo lo' vo'a explotar, ey
今日ギャラが入った、今日中に全部使い果たしてやるぜ
※「cobrar」は給料や報酬を受け取ること。「explotar」は直訳で「爆発させる」だが、スラングで「(金を)派手に使い果たす、散財する」を意味する。圧倒的な財力を見せつける究極のフレックス。
El precio ni vo'a preguntar, ey
値段なんて聞きもしない
Fumando en la Gucci, nadie lo va a notar, ey
Gucciの店内でハッパを吸っても、誰も気づかないぜ
※高級ブティックで違法なことをしても許される(またはVIPすぎて咎められない)ほどの特権階級にいるという誇示。
Estoy burla'o, me tienen que soportar, ey
俺は完全に余裕だ、お前らは俺に耐えるしかないんだよ
※「burla'o (burlado)」はプエルトリコのスラングで、金や大成功を手にして「高みの見物をしている」「無敵状態で余裕がある」状態を指す。
Porque hoy cobré y hoy mismo lo' vo'a explotar, ey, ey
だって今日ギャラが入ったからな、今日中に全部使い果たしてやるぜ
El precio ni vo'a preguntar, ey
値段なんて聞きもしない
Fumando en la Gucci, nadie lo va a notar, ey
Gucciの店内でハッパを吸っても、誰も気づかないぜ
Estoy burla'o, me tienen que soportar
俺は完全に余裕だ、お前らは俺に耐えるしかないんだよ
[Verso 1]
Sigan metiendo pila, que se les va a agotar
バッテリーを入れ続けな、どうせすぐ切れるんだから
※「pila(電池)」はエネルギーや勢いの比喩。ライバルたちが必死に頑張っても、すぐに限界が来て失速するという皮肉。
Sigo en el saque, yo no pienso rotar
俺はずっとサーブ権を握ってる、交代する気なんてないぜ
※バレーボールやテニスなどのスポーツで、常に自分が攻撃(サーブ)の主導権を握り続けているというメタファー。
Los reale' con una mano los puedo contar
本物の仲間は片手で数えられるくらいだ
※成功して人が群がってくる中で、本当に信頼できる人間(reales)はごくわずかであるという、ヒップホップ特有のリアルな心情吐露。
Tengo a los falso' en la mira, es cuestión de apretar, prr-prr
偽物どもは照準に捉えてる、あとは引き金を引くだけだ
※「apretar」は引き金を引くこと。「prr-prr」は銃声の擬音。裏切り者やフェイクな奴らをいつでも排除できるというギャングスタ的な脅し。
Y les dimo' a Curry y a Klay, se cayeron Golden State
カリーとクレイをぶっ倒して、ゴールデンステートを沈めてやった
※NBAのゴールデンステート・ウォリアーズの黄金期を支えた「スプラッシュ・ブラザーズ」ことステフィン・カリーとクレイ・トンプソンへの言及。無敵と思われた最強チームすら打ち負かすほどの圧倒的な力を自分たちが持っているという比喩。
Hustlin', hustlin' every day
毎日ハッスルして稼いでるぜ
Y mírame, cabrón, ahora soy Ray
見ろよクソ野郎、今の俺はレイだ
※NBAの伝説的シューター、レイ・アレン(Ray Allen)のこと。スリーポイントシュートの名手であり、遠くからでも確実に標的(成功)を射抜く精度の高さを自負している。
En Miami, soy LeBron con el 6
マイアミでは、背番号6のレブロンだ
※レブロン・ジェームズがマイアミ・ヒートに在籍し、背番号6をつけて2度の優勝を果たした最も支配的だった全盛期に自分を重ねている。
Casiano en PR pa'l 96
96年のプエルトリコでのカシアーノだ
※エディ・カシアーノ(Eddie Casiano)。プエルトリコの伝説的バスケットボール選手であり、ナショナルチームで歴史的な活躍を見せた。ローカルな英雄への深いリスペクトを込めたパンチライン。
No entiendo qué tú dice', what do you say?
お前が何を言ってるか分からないぜ、なんて言った?
Ey, ey, ya entendí
ああ、やっと分かったよ
[Puente]
Me estás fronteando con una baby que ya yo le di
俺がもうヤッた女を連れて、俺に虚勢を張ってるんだな
※「frontear」は見せびらかす、虚勢を張る。ライバルが自慢気に連れている女性が、実は自分の元セフレであるという強烈なマウント。
Fui pa' los Billboard, pa' los GRAMMY, y yo no te vi, nah
俺はビルボードやグラミーに行ったが、お前の姿なんて見なかったぜ
※音楽界の最高峰の授賞式に自分は常連だが、格下のラッパーたちはそのレベルにすら達していないという事実の突きつけ。
Soy leyenda, ninguno ha subío' como yo subí, ey
俺は伝説だ、俺みたいな登り詰め方をした奴は他にはいない
Un millón por show, diablo, ya me fui, ey, ey
1回のショーで100万ドルだ、ヤバいな、俺はもう行くぜ
※「diablo」は直訳で「悪魔」だが、驚きを表す感嘆詞。1公演で約1億円以上を稼ぎ出すという規格外のギャラを堂々とフレックスしている。
[Verso 2]
Manden a buscarme otro pasaporte
新しいパスポートを取りに行かせてくれ
※世界中を飛び回ってツアーをしているため、パスポートのスタンプ欄がすぐに埋まってしまうという成功者の自慢。
Ustede' meten la presión, pero en la corte
お前らはプレッシャーをかけるが、それは法廷でのことだろ
※ストリートで強ぶっている連中も、いざ警察に捕まって法廷(corte)に立つと、プレッシャーに負けて仲間を売る(密告する)というストリートのリアルを皮肉っている。
Dile a Pedro Navaja que tenga cuida'o conmigo y no se corte
ペドロ・ナバハに、俺には気をつけろ、怪我するなよと伝えておけ
※「ペドロ・ナバハ(Pedro Navaja)」は、サルサの巨匠ルベン・ブラデス(Rubén Blades)による1978年の名曲に登場する架空の冷酷なギャング。そんな伝説的なストリートの悪党でさえ、俺には刃向かわない方がいいという究極の比喩。
Que no hay quien me soporte
俺に耐えられる奴なんていないんだからな
Y ya yo no uso prenda', nah
俺はもうジュエリーなんて身につけない
※ヒップホップやレゲトンの成功の証である「プレンダ(高価なジュエリーやチェーン)」を身につけるフェーズはとうに過ぎたという宣言。本物のアイコンは装飾品で着飾る必要がないという成熟したペルソナ。
Pero si me da la gana, me engancho to' el Polo Norte
でもその気になれば、北極を丸ごと首にぶら下げてやるよ
※「Polo Norte(北極)」は、大量のダイヤモンド(氷=Ice)のメタファー。いつでも買える圧倒的な財力があることを示している。
Número uno, Billboard ya envió el reporte
ナンバーワンだ、ビルボードがもうレポートを送ってきたぜ
Los veo de lejo' y ninguno tienen el porte
遠くからお前らを見ているが、誰一人としてスターの風格なんて持ってない
Para ser estrella, nah
スターになるための器がな
To' siguen mis paso', pero no llenan mi huella, ah
みんな俺の足跡を追ってくるが、俺の靴跡を埋めることなんてできない
※追随者(フォロワー)はたくさんいるが、俺の巨大なレガシー(影響力や存在感)を代替できる者は誰もいないという絶対的王者の宣言。
Saben que estoy en la disco
俺がクラブにいるってことはすぐに分かるはずだ
Cuando ven pasar más de cien botella'
100本以上のボトルが運ばれていくのを見ればな
※クラブで大量の高級シャンパンを開けるという、圧倒的な富の誇示。
[Coro]
Porque hoy cobré y hoy mismo lo' vo'a explotar, ey
だって今日ギャラが入ったからな、今日中に全部使い果たしてやるぜ
El precio ni vo'a preguntar, ey
値段なんて聞きもしない
Fumando en la Gucci, nadie lo va a notar, ey
Gucciの店内でハッパを吸っても、誰も気づかないぜ
Estoy burla'o, me tienen que soportar, ey
俺は完全に余裕だ、お前らは俺に耐えるしかないんだよ
Porque hoy cobré y hoy mismo lo' vo'a explotar, ey
だって今日ギャラが入ったからな、今日中に全部使い果たしてやるぜ
El precio ni vo'a preguntar
値段なんて聞きもしない
Fumando en la Gucci, nadie lo va a notar, ey
Gucciの店内でハッパを吸っても、誰も気づかないぜ
Estoy burla'o, me tienen que soportar, yah, yah, yah
俺は完全に余裕だ、お前らは俺に耐えるしかないんだよ
