Artist: Silk Sonic , Bruno Mars & Anderson .Paak
Album: An Evening with Silk Sonic
Song Title: Fly As Me
概要
シルク・ソニックのアルバム『An Evening with Silk Sonic』において、最も純度の高いファンクネスとヒップホップ的なスワッグ(自信とスタイル)を強烈に放つ楽曲がこの「Fly As Me」である。ジェームス・ブラウンやスライ&ザ・ファミリー・ストーンといった70年代のファンク・レジェンドたちへの敬意が散りばめられた骨太なグルーヴの上で、アンダーソン・パークが水を得た魚のように躍動する。歌詞は「俺ほど最高でイケてる男には、それに釣り合う極上の女が必要だ」という、古典的なプレイボーイの傲慢なまでの自己肯定感をユーモアたっぷりに描いたものだ。しかし、モハメド・アリの歴史的な格言からアポロ・シアターの伝説、さらにはソウルフードのメタファーに至るまで、ブラックカルチャーの歴史に対する深い造詣と愛情が随所に込められており、単なるナルシシズムを超えた洗練されたエンターテインメントへと昇華されている。二人の圧倒的なカリスマ性が爆発したキラーチューンである。
和訳
[Intro: Anderson .Paak]
One, two, make you wanna, uh
ワン、ツー、君をこんな気分にさせるぜ、あぁ
Yeah, yeah, okay, okay, okay, okay, okay
[Verse 1: Anderson .Paak & Krystal Miles]
Now have you ever been with a player?
さて、本物のプレイボーイと付き合ったことはあるかい?
Take you downtown where they treat me like the mayor
街のど真ん中に連れ出してやるよ、そこじゃ俺は市長みたいに扱われてるんだ
※自身の地元やストリートにおける圧倒的な知名度と権力を「市長」という言葉で誇示している。ヒップホップにおいて自らをフッドの顔役として例える定番の表現。
Take you to the crib, we can take it upstairs
俺の家に来なよ、一緒に2階へ行こうぜ
"What's upstairs?" Shit, I'ma show you later
「2階には何があるの?」なんて野暮な質問だな、後でたっぷり見せてやるよ
Don't need a spatula, everything catered, extra flavor
フライ返しなんて必要ない、全部ケータリングで極上の味付けがされてるんだから
※料理を自分でする必要がないほどの富と贅沢なライフスタイルをアピールしている。
Go 'head, sprinkle some truffle on your mashed potatoes
遠慮するな、マッシュポテトにトリュフをたっぷり振りかけなよ
※庶民的な家庭料理であるマッシュポテトに、高級食材のトリュフを惜しげもなく使うという成金的かつコミカルな対比。彼の提供するライフスタイルがいかに規格外であるかを示している。
I'm tryna love, is you gon' love me back?
俺は愛し合おうとしてるんだ、君も俺を愛してくれるのかい?
You only get what you give, ain't you heard of that?
与えたものだけが返ってくる、そんな言葉を聞いたことないか?
[Pre-Chorus: Bruno Mars & Anderson .Paak]
Look here
なあ、聞いてくれ
I don't ask for much
多くは望まないよ
You know what I want
俺が何を求めてるか、分かってるだろ
I just want what's fair (Huh)
ただフェアでありたいだけなんだ
I'll bring that fire and desire, baby
俺はこの情熱と欲望をもたらすからさ、ベイビー
※「fire and desire」は、伝説的なファンク・ミュージシャンであるリック・ジェームスの1981年の名曲「Fire and Desire」への明確なオマージュ。ファンクの先人へのリスペクトを歌詞に織り交ぜている。
All you gotta do is meet me halfway there (Uh)
君はただ、その中間地点まで歩み寄ってくれればいい
※自分はすでに完璧な愛情(と富)を提供する準備ができているのだから、あとは相手が同じレベルの愛と魅力を持って応えるべきだという、自信過剰な男のロジック。
[Chorus: Both, Anderson .Paak & Bruno Mars]
I deserve to be
俺にふさわしいのは
With somebody as fly as me
俺と同じくらい最高にイケてる誰かだ
※「fly」は70年代から使われている「格好いい、最高にイケてる」を意味するスラング。楽曲全体の核となるキーワード。
Somebody this fly
これくらい最高な相手じゃなきゃ
And you deserve to be seen
そして君も、人目につくべきなんだ
With somebody as fly as me
俺と同じくらい最高にイケてる誰かと一緒にね
Somebody this fly
これくらい最高な相手とさ
Oh, don't let 'em trick you with the jibb talk (Ow)
ああ、そこらの連中の戯言に騙されるんじゃないぜ
※「jibb talk」は中身のない口から出まかせ(jive talk)を指す。他の口先だけの男たちとは俺は違うという牽制。
[Verse 2: Anderson .Paak]
Uh, okay, now Silk Sonic smooth like a mack
シルク・ソニックは、一流のピンプのように滑らかだぜ
※「mack」は女性を惹きつけるのが上手い男、またはポン引き(ピンプ)を意味するスラング。70年代のブラックスプロイテーション映画に登場するような、派手で滑らかな話術を持つハスラーの美学を纏っている。
Float like a butterfly on every single track
どのトラックの上でも、蝶のように舞うのさ
※伝説のボクサー、モハメド・アリの有名な格言「蝶のように舞い、蜂のように刺す(Float like a butterfly, sting like a bee)」からの引用。彼らの音楽的フロウがいかに軽やかで圧倒的であるかを示している。
And the only language that I speak, girl, is facts
そして俺が語る言葉は、ガール、真実だけだ
So once I give this game to you, I can't take it back
だから一度この極意を教えちまったら、もう取り消しはきかないぜ
※「give game」は、ストリートの知恵や異性を惹きつけるテクニックを伝授することを意味するスラング。
Hollerin' at you from a 1977 Monte Carlo, hard act to follow
1977年型のモンテカルロから君に声をかける、誰も真似できない芸当だろ
※シボレー・モンテカルロは、70年代から80年代のファンクや西海岸のローライダー・カルチャーにおいて象徴的なクラシックカー。時代背景を視覚的に浮かび上がらせる見事なリファレンス。
It's showtime, tryna boo you up like it's the Apollo
ショータイムの始まりだ、アポロ・シアターばりに君をブーイングで落としてやるよ
※ニューヨークの伝説的劇場アポロ・シアターの名物番組「Showtime at the Apollo」に引っ掛けた極めて高度なパンチライン。同劇場では観客が下手なパフォーマーを容赦なく「ブーイング(boo)」してステージから降ろす伝統があるが、ここでは相手を自分の「恋人(boo)」にするという意味の「boo you up」と掛けている。ファンの間でも非常に高く評価されている巧みなダブルミーニングである。
Your walk is vicious, let's get down to business
君の歩き方はヤバいくらい魅力的だ、さあ本題に入ろうか
You and me together, ooh, that's somethin' different
俺と君が一緒になれば、ああ、これまでにない特別なものになるぜ
[Pre-Chorus: Bruno Mars & Anderson .Paak]
Ooh, come on
さあ、おいで
I don't ask for much
多くは望まないよ
I really don't, girl
本当さ、ガール
I just want what's fair
ただフェアでありたいだけなんだ
Ha, look here
ハッ、聞いてくれ
I'll bring that fire and desire, baby
俺はこの情熱と欲望をもたらすからさ、ベイビー
All you gotta do is this
君がすべきことはこれだけだ
All you gotta do is meet me halfway there (Uh)
ただ、その中間地点まで歩み寄ってくれればいい
[Chorus: Both, Anderson .Paak & Bruno Mars]
I deserve to be
俺にふさわしいのは
With somebody as fly as me
俺と同じくらい最高にイケてる誰かだ
Somebody this fly
これくらい最高な相手じゃなきゃ
And you deserve to be seen
そして君も、人目につくべきなんだ
With somebody as fly as me
俺と同じくらい最高にイケてる誰かと一緒にね
Somebody this fly
これくらい最高な相手とさ
Now for real, I'ma need y'all to understand (Ow)
マジな話、お前らにはしっかり理解してもらわなきゃ困るぜ
Let's get it
さあ、いくぞ
[Bridge: Anderson .Paak]
If you don't know what we talkin' 'bout
もし俺たちの言ってる意味が分からないなら
I'ma have the whole band help me spell it out
バンドのメンバー全員を手伝わせて、綴りを教えてやるよ
Yeah, if you don't know what we talkin' 'bout
ああ、もし俺たちの言ってる意味が分からないなら
Class in session, here's your lesson, help me spell it out
授業の始まりだ、これが君へのレッスン、さあ綴りを教えてやる
※JB(ジェームス・ブラウン)のライブ・パフォーマンスにおける、バンドメンバーへの指示出しやコール・アンド・レスポンスのスタイルを完全に踏襲している。
F (F), L (L), Y (Y)
F、L、Yだ
You ain't never seen nobody this fly
これほど最高な奴を見たことはないはずだ
It's like we back in school again
まるで学校に戻ったみたいだな
Now come on, children, I'm spellin'
さあ来い、子供たちよ、俺が綴ってやる
F (F), L (L), Y (Y)
F、L、Yだ
You ain't never seen nobody this fly, ow
これほど最高な奴を見たことはないはずだ
And I'm gone, uh
じゃあ、俺は行くぜ
[Chorus: Bruno Mars & Anderson. Paak, Bruno Mars]
I deserve to be
俺にふさわしいのは
With somebody as fly as me
俺と同じくらい最高にイケてる誰かだ
Somebody this fly (Fly)
これくらい最高な相手じゃなきゃ
And you deserve to be seen (You deserve to be seen)
そして君も、人目につくべきなんだ
With somebody as fly as me
俺と同じくらい最高にイケてる誰かと一緒にね
Somebody this fly (Ow)
これくらい最高な相手とさ
[Outro: Anderson. Paak]
Oh, and I'm back
おっと、戻ってきたぜ
Somebody this fly
これほど最高な相手を
Yeah, and I'm lookin' for somebody this fly
ああ、俺はこれほど最高な相手を探してるんだ
I can't help it, I want it all
どうしようもない、俺はすべてを手に入れたいんだ
Silk Sonic, let me get the three-piece and a biscuit
シルク・ソニック、チキン3ピースとビスケットのセットを頼むぜ
※「three-piece and a biscuit」はKFCやポパイズなどのフライドチキンチェーンにおける定番のセットメニュー(南部のソウルフード文化)を指すが、同時に「スリーピース・スーツ」という最高にキマった男の正装とも掛かっている。またスラングとして「完璧な組み合わせ」や「完全勝利」を意味することもあり、楽曲の最後に放たれるユーモアと美学に満ちた極上のパンチラインとして、コアなリスナーの間で高く評価されている。
Uh
