Artist: Ken Carson
Album: xperiment
Song Title: knocking
概要
Ken Carsonのアルバム『xperiment』に収録された本作「knocking」は、成功を手にしたトラップスターが、かつての仲間や模倣者(クローン)、そしてヘイターたちに向けて放つ決別のメッセージである。2025年という近未来的なタイムラインを提示しながら、過去に同じ場所にいながら努力を怠った者たちや、背後から彼を裏切ったフェイクな人間たちを痛烈に批判している。ビートはダークで攻撃的なOpium特有のサウンドを踏襲しつつ、リリックにはハンドスピナー(fidget spinner)とストリートの「spin(襲撃)」を掛けたワードプレイや、Tay-Kの「The Race」、ヤンキースのレジェンドであるデレク・ジーターの引用など、多彩なヒップホップ・リファレンスが散りばめられている。自己との競争に常に勝利し続け、孤独ながらも自らの道を切り拓いてきたKen Carsonの「Gore Core(残酷な美学)」が凝縮された一曲だ。
和訳
[Chorus]
Huh, I'm knockin' at your door, woah, let me in
ハッ、ドアをノックしてるぜ、ウォウ、中に入れろ
Been with the same since day one, I ain't got no new friends
初日からずっと同じ奴らといる、俺に新しい友達はいらねえ
※Drakeの「No New Friends」にも通じる、昔からの仲間(Opiumのクルー)だけを信用するというヒップホップの古典的なアティチュード。
If you had a problem from the jump, should've cut me off then
最初から問題があったなら、その時に俺を切るべきだったな
I been knockin' these hoes down, yeah, they bowlin' pins
俺はこのビッチどもをなぎ倒してる、ああ、あいつらはボウリングのピンだ
※次から次へと女性をモノにしていく様をボウリングに例えている。
I'm in competition with myself and I always win
俺は自分自身と競い合ってる、そして俺はいつだって勝つんだ
Let you backstab me once, I can't trust you again
一度でも俺の背中を刺させたなら、二度とお前を信用することはできねえ
※「backstab」は裏切りのメタファー。
You should've told me how you feel, yeah, let me comprehend
お前はどう感じてるか俺に言うべきだった、ああ、俺に理解させてみろよ
[Verse]
Them niggas went right and I went left, I paved my own way
あいつらは右に行き、俺は左に行った、俺は自分の道を切り開いたんだ
Where was you when I was on the block all day?
俺が一日中ブロックにいた時、お前はどこにいたんだ?
※「block」は地元やドラッグを売るストリートの区画。下積み時代に苦労を共にしなかったヘイターに対する怒り。
I could've been your plug, you could've help me make pay
俺がお前のプラグになれたし、お前は俺が金を稼ぐのを手伝えたはずだ
※「plug」はドラッグの供給源や、業界のコネクションを持つキーパーソンのこと。
More rooms than heads in my spot, ain't gotta make space
俺の家には人数より部屋の方が多い、スペースを空ける必要なんてねえよ
※大勢の取り巻きがいても余るほどの巨大な豪邸(mansion)に住んでいるというフレックス。
I say whatever come to my top, they tryna save face
俺は頭に思い浮かんだことをそのまま言う、あいつらは面子を保とうと必死だ
How you complain 'bout how I'm up, but was in the same place?
俺が成功したことに文句を言うが、お前も同じ場所にいただろ?
Now it's big blunts and double cups, every day a celebration
今じゃデカいブラントとダブルカップだ、毎日が祝祭さ
※「blunt」は大麻の葉巻、「double cup」はリーン(咳止めシロップのカクテル)を飲む際の重ねたプラスチックカップ。
Showed you unconditional love, broke my heart, you was fakin'
無条件の愛を見せたのに、俺の心を砕きやがった、お前はフェイクだったんだ
Niggas steal the cadence, eat the whole swag
あいつらはケイデンスを盗み、スワッグを丸ごと食いやがる
※「cadence」はラップのフロウやリズム。Opiumレーベルのスタイルをそっくりそのまま模倣するラッパーたちへの批判。
Oh, you want a feature? I need the whole bag
おお、客演が欲しいのか?ならバッグを丸ごと要求するぜ
※「bag」は大金。コラボレーションするなら法外なギャラを全額前払いで要求するというスタンス。
Want you to know who dropped your shit, I pull up, no mask
誰がお前を倒したか知ってほしいから、俺はマスクなしで乗り込むぜ
I stay low, hand on my dick if you gon' die 'bout these digits
俺は身を潜め、イチモツに手を当てる、もしお前がこの数字のために死ぬ気ならな
※「hand on my dick」は2Pacなどのレジェンドに由来する、死を恐れずに堂々と構える反逆的なポーズ。「digits」は金額の桁(大金)。
American Eagle, you can't compare me to these pigeons
アメリカン・イーグルだ、俺をそこらのハトどもと比べるな
※ストリートによくいる平凡な存在(ハト)と、空の王者でありアメリカの象徴でもあるイーグル(鷲/鷹)を対比させている。
I'm totin' illegal, this Glock 19 came with a switchy
違法なモノを持ち歩いてる、このグロック19にはスイッチが付いてるぜ
※「switchy」はグロック拳銃の背面に装着してフルオート連射を可能にする違法改造パーツ(Glock switch)。
Boy, you far from a spinner, these niggas so fidget
ボーイ、お前はスピナーには程遠い、こいつらは落ち着きがないんだ
※「spinner」はドライブバイなどで敵のブロックを旋回(spin)して襲撃するギャングのこと。一時期流行したおもちゃ「ハンドスピナー(fidget spinner)」と掛け、「お前はスピン(襲撃)できない、ただ落ち着きがない(fidget)だけの奴だ」という非常に巧妙なパンチライン。
Tryna give her the whole aesthetic, but she ain't get it
彼女にこの美学の全てを与えようとしたが、理解できなかった
※Opiumのダークで退廃的なファッションやアヴァンギャルドなライフスタイル(aesthetic)を理解できない女性への落胆。
I'm in Atlanta with it, I'm with fine shit
俺はアトランタにいる、極上の女と一緒だ
Told her, "Don't rush when you suck me up, take your time, bitch"
あいつに言った「シャブる時は急ぐな、時間をかけろよ、ビッチ」
On my grind, yeah, this shit gore core
ハッスルしてるぜ、ああ、これはゴア・コアだ
※「gore core」は流血や残酷な描写(ゴア)を愛好する美学。自身のハードコアなストリートの生き様を示している。
I picked up the camera, I'm 'bout to make a movie with your whore
カメラを手に取った、お前の女と映画を撮るところさ
※他人の彼女とセックス・テープ(movie)を撮影するというディス。
Ain't goin' back and forth with these niggas, yeah, they piss poor
こいつらと言い争う気はねえ、ああ、どいつもクソ貧乏だからな
Boy, you're a lame and it's 2025, they been closed your door
ボーイ、お前はダサいし、もう2025年だ、お前のドアはとうに閉ざされてる
※ヒップホップシーンにおけるトレンドの移り変わり。時代遅れのラッパーにはもはやチャンス(ドア)はないという宣告。
Niggas hatin' in 2025, yeah, that's nothin' new
2025年になってもヘイトしてる奴らがいる、ああ、目新しいことじゃないな
2025 whips, 2025, I'm one up on you
2025年モデルの車、2025年、俺はお前の一歩先を行く
I just left with two and this a two-seater
2人の女と一緒に帰ったばかりだ、そしてこれは2シーターさ
My mans on base, I hit a home run, I'm Derek Jeter
ダチが塁にいる、俺はホームランを打つ、デレク・ジーターみたいにな
※ニューヨーク・ヤンキースの伝説的選手Derek Jeterの引用。仲間がお膳立てした状況(薬の取引やビジネス)で、自分が完璧な結果(ホームラン)を出すというメタファー。
If I do the race and beat the case, I'm comin' out lethal
もし俺が逃亡して無罪を勝ち取ったら、さらに凶悪になって戻ってくるぜ
※「do the race」は殺人容疑で逃亡しながらリリースしたTay-Kの大ヒット曲「The Race」に由来する、警察の追跡を振り切るスラング。「beat the case」は裁判で無罪放免になること。
Niggas lie every day and get in front of that judge and tell
あいつらは毎日嘘をついて、裁判官の前に出たら密告しやがる
※ストリートでは強がっていても、捕まれば減刑のために仲間を売る「スニッチ(密告者)」への強烈な軽蔑。
I flew a bitch out to the ocean, she wanna parasail
ビッチを海に飛ばしてやった、パラセーリングがしたいらしい
She wanna go to Hermès, you don't even know Chanel
彼女はエルメスに行きたがるが、お前はシャネルすら知らねえ
※自分と関わる女性はHermèsクラスを要求するが、ヘイターはそれより格下のChanelすら手が届かないという財力の格差。
You don't even know— you don't even know who I am
お前は知らねえ— 俺が誰なのかすら分かっちゃいない
Heard you knockin' at the door, you must ain't hear it slam
お前がドアをノックしてるのが聞こえたが、ドアが乱暴に閉められる音は聞こえなかったみたいだな
※相手が自分に取り入ろうと「ノック」してきても、冷酷にドアを閉ざして拒絶したという曲のタイトルを回収するライン。
[Chorus]
Huh, I'm knockin' at your door, woah, let me in
ハッ、ドアをノックしてるぜ、ウォウ、中に入れろ
Been with the same since day one, I ain't got no new friends
初日からずっと同じ奴らといる、俺に新しい友達はいらねえ
If you had a problem from the jump, should've cut me off then
最初から問題があったなら、その時に俺を切るべきだったな
I been knockin' these hoes down, yeah, they bowlin' pins
俺はこのビッチどもをなぎ倒してる、ああ、あいつらはボウリングのピンだ
I'm in competition with myself and I always win
俺は自分自身と競い合ってる、そして俺はいつだって勝つんだ
Let you backstab me once, I can't trust you again
一度でも俺の背中を刺させたなら、二度とお前を信用することはできねえ
You should've told me how you feel, yeah, let me comprehend
お前はどう感じてるか俺に言うべきだった、ああ、俺に理解させてみろよ
