Artist: Ken Carson
Album: xperiment
Song Title: possession
概要
Playboi Carti率いるOpiumレーベルの最重要アーティスト、Ken Carsonによる本作は、タイトル「possession(所有/悪霊に取り憑かれること)」が示す通り、飽くなき物欲・金銭欲と、ドラッグによって精神を乗っ取られる退廃的なパラノイアが交錯する究極のレイジ・トラップだ。プロデュースは彼らの代名詞であるWorking on DyingのF1LTHYが手掛け、歪んだインダストリアルな低音でダークな世界観を構築している。リリックでは、落ち葉をかき集めるように大金をかき集める(Rake money)という狂気的なフレックスから始まり、ジャン=ポール・ゴルチエ(JPG)やYeezyのアーカイヴといったハイエンドなファッション知識を披露。一方で、ドラッグを身体に詰め込み(fillin' up my body)、鏡に向かって叫ぶという「悪霊に憑依された」かのような破壊的なマインドセットが描写される。終盤では日本(南青山など)のクロムハーツでの爆買いに言及するなど、現代のトラップスターが到達した狂乱のライフスタイルが生々しく刻まれている。
和訳
[Intro]
(Wake up, F1LTHY)
※プロデューサーであるF1LTHY(Working on Dying)のシグネチャータグ。
[Chorus]
Rake that money like leaves (Bitch can't tell me nothin')
落ち葉みたいにあの金をかき集める(あのビッチは俺に何も言えねえ)
※「Rake」は熊手で落ち葉などをかき集める行為。庭に散らばる無数の落ち葉のように、溢れるほどの札束を豪快にかき集めている様を表現している。
Rake that money like leaves
落ち葉みたいにあの金をかき集めるんだ
Rake that money like leaves (Pussy bitch can't tell me nothin')
落ち葉みたいにあの金をかき集める(腰抜けビッチは俺に何も言えねえよ)
Rake that money
あの金をかき集めろ
[Verse 1]
Balmain on my jeans, woah (Balmain)
ジーンズはバルマンさ、ウォウ (Balmain)
※フランスの高級ファッションブランド、Balmain(バルマン)のバイカージーンズ。アトランタのラッパーたちが伝統的に愛用するストリートのステータスシンボル。
My bitch throw up B's, woah (Woah-woah)
俺の女はBのサインを掲げる、ウォウ (Woah-woah)
※「B's」はストリートギャング「ブラッズ(Bloods)」のハンドサイン、あるいは親交のあるBillion Dollar Babyなどのクルーへのリファレンス。
Bow down on her knees, woah
あいつは膝をついてひざまずく、ウォウ
Ain't gotta tell her, "Please" (Please)
「頼むよ」なんて言ってやる必要すらねえ (Please)
Make that stop, fuck these hoes, I'm a pour a four for me (Lit, let's go)
そんなのやめちまえ、ビッチどもなんてクソ食らえだ、俺は自分のために4オンスを注ぐぜ (Lit, let's go)
※「pour a four」は、リーン(コデイン咳止めシロップ)を4オンス分ソーダに注ぐこと。
Goyard tote, CC, well, what you gon' do for these?
ゴヤールのトートバッグに、シャネルのCCロゴ、さあ、お前はこれらを前に何ができる?
[Bridge]
Catch
受け取りな
Catch (What the fuck?)
受け取れ (What the fuck?)
Catch (Fuck)
受け取りな (Fuck)
Catch (What the fuck?)
受け取れ (What the fuck?)
Catch (Fuck)
受け取りな (Fuck)
Catch (What the fuck?)
受け取れ (What the fuck?)
Catch (Catch, yeah-yeah)
受け取りな (Catch, yeah-yeah)
Catch (Catch, yeah-yeah)
受け取れよ (Catch, yeah-yeah)
[Verse 2]
Pass her to my dog, just like fetch, he gon' catch (Pass her to my dog)
犬にボールを投げて取ってこさせる(フェッチ)みたいに、あの女をダチにパスする、あいつがキャッチするさ(ダチにパスするのさ)
※「dog(犬 / 信頼できる仲間)」と犬の遊び「fetch」をかけた冷酷な言葉遊び。独占欲を持たず、グルーピーの女性をクルー内で共有するトラップスターの割り切った関係性。
She about it, threw her an outfit, she got that cheap-ass mesh
あいつはその気だったから服を投げつけてやったが、安っぽいメッシュの服を着てやがった
That ain't JPG, lil' bitch, that ain't Skims, ho
それはジャン=ポール・ゴルチエじゃねえよ、クソアマ、キムのスキムズでもねえな
※「JPG」はJean Paul Gaultier(特にヴィンテージのメッシュトップスがヒップホップシーンで高値で取引される)。「Skims」はキム・カーダシアンが手がける大人気補正下着・ラウンジウェアブランド。女の着ている服が紛い物であることを瞬時に見抜いてディスしている。
That ain't Yeezy Season One, I'm on X Games mode (Oh my God, he on X games Mode)
イージーのシーズン1でもねえ、今の俺はエックスゲームズ・モードだ(嘘だろ、あいつはエックスゲームズ・モードに入ってるぜ)
※「Yeezy Season 1」はカニエ・ウェストが2015年に発表した、伝説的で極めて希少価値の高いアーカイヴコレクション。「X Games mode」は、過激なハーフパイプやモトクロスを行うエクストリームスポーツの大会「X Games」に引っかけ、自身のペルソナである「X」として限界突破した狂気的なゾーンに入っていることを意味するネットミームの引用。
Pulled up extra low
車高を極限まで下げて乗り付ける
All the niggas I came up with not lit no more (Woah)
一緒に成り上がったはずの奴らは、もう誰も輝いちゃいねえ (Woah)
※ストリートから一緒に這い上がろうとした地元の仲間たちが、脱落したり現状維持で終わってしまったことへの冷徹な対比。
She got pink coke on her nose, we turnin' up (Woah-woah, yeah, yeah)
あいつの鼻にはピンク・コークがついてる、俺たちは盛り上がってるぜ (Woah-woah, yeah, yeah)
※「pink coke」は「2C-B(トゥーシー)」や、南米由来の着色された高級コカイン、あるいは合成ドラッグ「ピンクコカイン(タシビ)」を指す。富裕層や夜のカルチャーで流行しているケミカルドラッグへの耽溺。
She got pink coke on her nose, don't give no fuck (Don't give no fuck, woah-woah)
あいつの鼻にはピンク・コークがついてる、知ったこっちゃねえよ (Don't give no fuck, woah-woah)
Too busy stretchin' these bands, I can't be cuffed (Woah-woah)
この札束を伸ばすのに忙しすぎて、誰のモノ(手錠)にもなれねえよ (Woah-woah)
※「stretchin' bands」は金を増やす・大金を稼ぐこと。「cuffed」は手錠をかけられる(逮捕される)という意味と、特定の女と付き合って束縛される(Cuffing Seasonなど)というダブルミーニング。
Body with these— I'm so tough (Woah-woah)
この身体に詰め込んでる― 俺はタフすぎるんだ (Woah-woah)
Body with these— I'm so fire (Woah-woah)
この身体に詰め込んでる― 俺は最高に燃えてるぜ (Woah-woah)
Body with these—
この身体に詰め込んでる―
Better not play, get split, just homicide (Fillin' up my body with these drugs)
ふざけた真似はすんな、身体を真っ二つに引き裂く、ただの殺人事件さ(ドラッグでこの身体を満たしていく)
Pop up in the mirror, just scream, "What the fuck?" Three times (I've been fillin' up my fuckin' body with these drugs)
鏡の前に現れて、ただ「何なんだよ?」って3回叫ぶのさ(ドラッグでこのクソみたいな身体をずっと満たしてるんだ)
※鏡の前で特定の名前を3回唱えると悪霊や怪人が現れるという都市伝説(キャンディマンやブラッディ・マリーなど)のオマージュ。ドラッグで完全に理性を失い、鏡に映る自分自身の変貌ぶりに驚愕し、まるで悪霊に取り憑かれた(possession)かのような精神状態を表現している。
Two VLs and a four, that's YVL, you know that hand sign (I've been fillin' up my fuckin' body, what the fuck?)
2つのVと1つのL、それがYVLさ、お前もあのハンドサインを知ってるだろ(このクソみたいな身体を満たしてる、何なんだよ?)
※「YVL(Young Vamp Life)」を指文字のハンドサインで表現するクルーの結束。
[Chorus]
Money like leaves (Fillin' up my body)
落ち葉みたいなあの金(この身体を満たしていく)
Rake that money like leaves (Fillin' up my body)
落ち葉みたいにあの金をかき集める(この身体を満たしていく)
Rake that money like leaves (Fillin' up my body with these drugs)
落ち葉みたいにあの金をかき集める(ドラッグでこの身体を満たしていくんだ)
Rake that money like leaves
落ち葉みたいにあの金をかき集める
Rake that money like leaves (I've been fillin' up my fuckin' body with these drugs)
落ち葉みたいにあの金をかき集める(ドラッグでこのクソみたいな身体をずっと満たしてるんだ)
Rake that money like leaves (I've been fillin' up my fuckin' body, what the fuck?)
落ち葉みたいにあの金をかき集める(このクソみたいな身体をずっと満たしてる、何なんだよ?)
Rake that money like leaves
落ち葉みたいにあの金をかき集める
Rake that money like leaves (Fillin' up my body)
落ち葉みたいにあの金をかき集める(この身体を満たしていく)
Rake that money like leaves (Fillin' up my body)
落ち葉みたいにあの金をかき集める(この身体を満たしていく)
Rake that money like leaves (Fillin' up my body with these drugs)
落ち葉みたいにあの金をかき集める(ドラッグでこの身体を満たしていくんだ)
Rake that money
あの金をかき集めろ
Rake that money like leaves (I've been fillin' up my fuckin' body with these drugs)
落ち葉みたいにあの金をかき集める(ドラッグでこのクソみたいな身体をずっと満たしてるんだ)
Rake that money
あの金をかき集めろ
Rake that money like leaves (I've been fillin' up my fuckin' body, what the fuck?)
落ち葉みたいにあの金をかき集める(このクソみたいな身体をずっと満たしてる、何なんだよ?)
Rake that money
あの金をかき集めろ
[Outro]
Twenty-five hundred on shoes
靴に2500ドル
Twenty-five hundred on pants (Woah)
パンツに2500ドル (Woah)
5K for this jacket, that's ten bands (Woah-woah)
このジャケットに5000ドル、合わせて1万ドル(10万ドル相当の価値)さ (Woah-woah)
※「bands」は通常1束=1000ドルだが、ここでは合計金額や手元にある金の束の塊(10枚のバンド)を指している。
I flew to the beach with more sand (Woah-woah)
俺は砂浜のあるビーチへ、さらに大量の砂(ブツ)を持って飛び立った (Woah-woah)
※「sand」はストリートスラングでコカインなどの白い粉末状のドラッグを指す。リゾート地へわざわざ自前のドラッグを大量に持ち込んで豪遊する様。
Can't even fuck this ho, she a fan (Woah-woah)
この女とはヤる気にもなれねえ、ただのファンだからな (Woah-woah)
※一線を画すべきファン(グルーピー)とは安易に肉体関係を持たないという、スターとしての冷徹な境界線。
Chrome Heart shop, woah-woah, we in Japan (Woah-woah)
クロムハーツのショップさ、ウォウウォウ、俺たちは日本にいるんだ (Woah-woah)
※日本の東京(南青山や銀座)にあるクロムハーツの旗艦店を訪れ、本国アメリカでも入手困難な限定アイテムを爆買いしている描写。日本のストリートカルチャーや購買力へのリスペクトも内包される。
Got her on her knees, she not prayin' (Woah)
あいつを膝づかせているが、祈りを捧げてるわけじゃねえ (Woah)
※オーラルセックスをさせている様を、祈りのポーズ(kneeling)に掛けた定番の不敬なパンチライン。
Drank and ecstasy, too high, I can't land (Woah, woah)
シロップとエクスタシー、キマりすぎて、もう着陸(着地)できねえよ (Woah, woah)
※アッパー(高揚剤)のMDMAと、ダウン(鎮静剤)のリーンを同時に摂取する危険なスピードボール状態。極限の精神的高みから現実世界に戻ってこられない感覚。
Don't rake money up please, I still got ones in my hand (Woah-woah)
頼むからまだ金をかき集めないでくれ、俺の手にはまだ1ドル札(バラ撒くための札束)が残ってるんだからな (Woah-woah)
