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wheredoistart - Ken Carson 【和訳・解説】

 

Artist: Ken Carson

Album: xperiment

Song Title: wheredoistart

概要

Playboi Carti率いる「Opium」レーベルの主力として、現行のトラップ/レイジシーンを牽引するKen Carsonの破壊的なエネルギーと独自の世界観が凝縮された一曲だ。本作において彼は、アメコミの悪役(サノス)やプロレスラー(ジョン・シナ)といったポップカルチャーからの引用を散りばめながら、自身がダークヒーローとして完全に覚醒する「ヴィラン・アーク(悪役としての物語のフェーズ)」に突入したことを宣言している。Opium特有の「すべてを黒に染める」ゴシックな美学、ドラッグ(リーンやパーコセット)への退廃的な耽溺、そして銃声が飛び交う無慈悲なストリートの掟を、重厚で凶悪な808ベースに乗せて冷徹にスピットしている。ネットミーム的なユーモアと、アトランタの殺伐としたフッドのリアリティをシームレスに同居させる彼特有のリリシズムは、コアなファンコミュニティにおいても非常に高く評価されている。

和訳

[Intro]

(Four3va)

(I mean, you know)
(つまり、分かるだろ)

[Chorus]

Where do I start?
どこから始めりゃいい?

We was together like Pangea, how we grow apart?
パンゲア大陸みたいにくっついてたのに、どうして俺たちは離れ離れになっちまったんだ?
※パンゲア(Pangea)はかつて地球上に存在した超大陸。かつては一つの巨大な大陸のように固い絆で結ばれていた関係が、大陸移動のように徐々に乖離していった様を表現している。

Jump on my boat, let's go across the sea, yeah, yeah, this Noah's Ark
俺の船に乗れ、海を渡ろうぜ (Yeah, yeah) これはノアの方舟だ
※旧約聖書の「ノアの方舟」の引用。大洪水(ストリートの脅威やシーンの淘汰)から選ばれた者だけが救済されるというメタファーであり、彼と共に生き残るか沈むかの二択を提示している。

Everything I touch turn black, I'm the darkest dark
俺が触れるものは全部黒く染まる、俺は最も深い闇だ
※Opiumレーベルのアーティストたちが徹底して好む「オールブラック」のファッション美学と、周囲の人間を呑み込むような自身のダークなオーラと影響力を示している。

Everything you touch turn whack, you the biggest mark
お前が触れるものは全部ダサくなる、お前はただのいいカモだ
※「mark」はストリートスラングで騙されやすい標的や、弱くて狙われやすいカモを意味する。

I can't let you get in between us, parallel park
俺たちの間に割り込ませるわけにはいかない、縦列駐車みたいにな
※車を前後の車の間に停める「縦列駐車(parallel park)」に掛けて、自分と仲間(あるいは女)の間に邪魔な第三者が入り込むことを激しく拒絶している。

Niggas can't see me, I'm Cena, this my villain's arc
誰も俺の姿は捉えられない、ジョン・シナ状態さ、これが俺のヴィラン・アークだ
※プロレスラーのジョン・シナの有名な決め台詞でありシグネチャー・ムーブである「You Can't See Me(俺の姿は見えない=俺には到底敵わない)」を引用し、さらに自分がダークヒーローや悪役へと進化するフェーズ(ヴィラン・アーク)にいると宣言している。

[Verse]

I'm inevitable, just like Thanos
サノスのように、俺の存在は避けられない運命だ
※マーベル映画の悪役サノスの名台詞「I am inevitable(私は絶対だ)」からの引用。前行の「ヴィラン・アーク」から直接コンテクストが繋がっている。

Creep up the street, roll down the window, let that thang go
ストリートを這うように進み、窓を下ろして、ぶっ放す
※「thang」は銃(主に拳銃やアサルトライフル)を指すスラング。敵対するブロックでのドライブバイ・シューティングのリアルな描写。

The way I fuck these hoes, I swear to God, I could've been a BangBro
俺のビッチの抱き方はマジで神に誓って、BangBrosの男優になれたレベルだ
※「BangBros」はマイアミを拠点とする有名なハードコア・アダルトビデオ制作会社。

She throw the YVL up, but she not my gang, though
あの女はYVLのサインを掲げるが、俺のギャングじゃねえ
※「YVL」はPlayboi Cartiが提唱する「Young Vamp Life」の略称。Opiumの熱狂的なファン(Vamp)であることをアピールしてすり寄ってくるグルーピーを一蹴している。

I'm in the club with a tux, еverything 'luxe I clutch
タキシードでクラブに乗り込む、俺が手にするものは全てラグジュアリーだ

Can't tell thеse niggas 'bout hoes I'm hittin' 'cause they talk too much
俺がヤッてる女の話はあいつらには教えられねえ、口が軽すぎるからな

If you fuck with them, stay over there, can't come back around us
もしあいつらとつるむならそこにいろ、俺たちの周りにはもう戻って来れないぜ

If you hang with the opps, get bust, heard you hang with the opps
敵とつるむなら撃たれるだけだ、お前も敵とつるんでるって聞いたぜ
※オップス(opps)は敵対するギャングやヘイターのこと。

Just hired a janitor, she got that mop
用務員を雇ったばかりさ、あいつは極上のモップを持ってる
※「モップ(mop)」はフェラチオ(sloppy toppy)を意味するスラング。女性の行為を清掃員のモップ掛けに擬えている。

Now I'm at my top, can't put me in no box
今の俺は絶頂期だ、型になんて嵌められない

These hoes throw me off, yeah, they on cock
このビッチどもには調子狂わされるぜ、俺のモノに群がってきやがる

Now the trap goin' up just like stocks
トラップは今、株価みたいに急上昇してる
※トラップ(ドラッグの取引所、転じてトラップミュージックや自分のビジネス全体)の収益が跳ね上がっている様。

I've been goin' up, but I ain't move without them bills
ずっと上り調子だが、札束がなきゃ俺は動かねえよ

Red pill, blue pill, deal or no deal?
赤い薬か、青い薬か、乗るか反るか?
※映画『マトリックス』における真実を知る(赤)か無知のまま生きる(青)かの究極の選択と、人気テレビ番組『Deal or No Deal』を掛け合わせたライン。ドラッグの錠剤の色ともリンクしている。

And all these hoes goin', you just gotta pick your poison
ビッチどもが勢揃いしてる、お前は自分の毒を選ぶだけだ
※「pick your poison(毒を選ぶ)」は、どれを選んでも有害な選択肢の中から一つを選ぶという英語の慣用句。ここでは周囲にいる危険な女たちを指す。

The 808 knockin' at your door, let the noise in
808がお前のドアをノックしてる、その騒音を招き入れな
※トラップ特有の重低音(Roland TR-808)のキックが鳴り響く様と、敵の家に押し入る(ホームインベージョン)描写のダブルミーニングと推測される。

In her face, I'm knockin' on her throat
彼女の顔面で、俺は喉の奥をノックしてる
※激しいオーラルセックスの生々しい描写。

She'll let me do anything 'cause she know she fuckin' the GOAT
彼女は俺に何でもさせてくれる、自分がGOATとヤッてるって分かってるからな
※GOATは「Greatest Of All Time(史上最高)」の頭文字。

My allergies kicked in, I think somebody 'round me broke
アレルギーが出ちまった、どうやら周りに金欠の奴がいるみたいだ
※貧乏人やフェイクな人間が近くにいると身体が拒絶反応を起こすという、ヒップホップ特有の誇大表現(フレックス)。

I'm sick of this lil' bitch, that's why I keep itchin' in my throat
このビッチにはウンザリしてる、だから喉がずっと痒いんだ
※前行の「アレルギー」と「sick(病気 / ウンザリする)」を掛け合わせ、さらに咳止めシロップ(Lean)を欲する正当な理由付けとして喉の痒みを主張している。

I think I need a Perc', my back not sore, I like that high
パーコセットが必要だな、背中は痛くないが、あのハイな気分が好きなんだ
※パーコセット(Percocet)は本来強力な鎮痛剤だが、痛みを抑えるためではなく純粋にドラッグとしての多幸感を得るために服用していることを堂々と明言している。

5.56s and .308s, this a drive-by
5.56ミリと.308口径、これがドライブバイだ
※5.56mmはAR-15などのアサルトライフル、.308はより大型のバトルライフル等の強力な弾薬。軍用レベルの重火器を揃えた抗争の緊迫感。

5.56s and .308s when we slide by
俺らが通り抜ける時にぶっ放す5.56ミリと.308口径
※「slide」は敵の陣地に乗り込んで攻撃を仕掛けることを指すストリートスラング。

Know I dreamt 'bout chicken every day, I wasn't a family guy
毎日チキンのことばかり夢見てたのは知ってるだろ、俺はファミリー・ガイじゃなかった
※「chicken」はスラングで金を意味する。アニメ『ファミリー・ガイ』の主人公ピーターが巨大なニワトリ(チキン)と頻繁に乱闘する有名なギャグに掛けており、家族思いの男(family guy)ではなく金(chicken)に執着するハスラーだったという高度なパンチライン。

Never trust a bitch anyways 'cause all these hoes lie
どのみちビッチなんて絶対に信用するな、こいつらは全員嘘をつくからな

The way she suck the balls, it'll make your soul cry
あの金玉のしゃぶり方は、魂が泣き叫ぶレベルだ

I'm on tour sellin' clothes, yeah, you know they sold out
ツアーを回って服を売ってる、分かってるだろ、即完売だ
※Opium関連のマーチャンダイズが常に熱狂的な人気で即完売(sold out)することを誇示している。

I've been droppin' eights and fours, yeah, you know we poured up
8オンス、4オンスと落としてきた、分かってるだろ、俺らが注いだんだ
※「droppin' eights and fours」は医療用咳止めシロップをスプライトなどのソーダに混ぜてリーンを作る際の量を指す(8オンス=約236mlであり、致死量に近い重度のオーバードーズ量)。「pour up」もリーンを作る行為。

Yeah, you know we poured up
そうさ、分かってるだろ、俺らが注いだんだ

[Chorus]

Where do I start?
どこから始めりゃいい?

We was together like Pangea, how we grow apart?
パンゲア大陸みたいにくっついてたのに、どうして俺たちは離れ離れになっちまったんだ?

Jump on my boat, let's go across the sea, yeah, yeah, this Noah's Ark
俺の船に乗れ、海を渡ろうぜ (Yeah, yeah) これはノアの方舟だ

Everything I touch turn black, I'm the darkest dark
俺が触れるものは全部黒く染まる、俺は最も深い闇だ

Everything you touch turn whack, you the biggest mark
お前が触れるものは全部ダサくなる、お前はただのいいカモだ

I can't let you get in between us, parallel park
俺たちの間に割り込ませるわけにはいかない、縦列駐車みたいにな

Niggas can't see me, I'm Cena, this my villain's arc
誰も俺の姿は捉えられない、ジョン・シナ状態さ、これが俺のヴィラン・アークだ