UGMKM

Unraveling Genius: Music, Knowledge, Madness

UGMKM ARCHIVE

Find Music By Artist, Genre.

和訳・解説記事を、アーティスト名・ジャンルから探せます。

Nussie - YoungBoy Never Broke Again 【和訳・解説】

Artist: YoungBoy Never Broke Again

Album: ML2

Song Title: Nussie

概要

ルイジアナ州バトンルージュが誇るトップスター、YoungBoy Never Broke Againによる「Nussie」は、彼が生まれ育った過酷なノースサイドのメンタリティと、ストリートのボスとしての圧倒的な狂気をまざまざと見せつける一曲である。タイトルに冠された「Nussie」とは、2009年に暗殺されたバトンルージュの伝説的ラッパーであり、Lil Boosie(Boosie Badazz)の最大のライバルであった故・Nussieのことだ。ヒップホップファンの間では、YoungBoyが警察やヘイターから街中のすべての罪を着せられる自身の特異な状況を、かつて地元を恐怖と混乱に陥れたNussieの存在感に重ね合わせていると解釈されている。保護観察官の尿検査でカップに排泄物を入れるといった常軌を逸したエピソードや、マフィアの掟、仲間への血の結束を語るこの楽曲は、富と名声を得ても決して拭い去ることのできない「脅威(Menace)」としての彼のペルソナが濃縮されたディープなバンガーである。

和訳

[Intro]

(Ayo, Fatboi, let me hear somethin')
(エイヨー、Fatboi、何か聴かせてくれ)
※プロデューサーのFatboiへのシャウトアウト。

(My nigga Brando the sickest)
(俺のダチのBrandoは最高にヤバいぜ)

(Say, Brando, what it's hittin' for?) Uh
(なあ、Brando、どんな調子だ?) Uh
※プロデューサーのBrandoへのプロデューサータグ。

Ayy

I wasn't raised like none of these niggas
俺はこいつらみたいな育ち方はしてねえ

You, ayy, I'm cut from a whole different cloth
お前らとは根本的に出来が違うんだ
※「cut from a different cloth」は、他とは質や性質が全く異なる特別製であるという慣用句。

Believe that, I'm straight off that North (Uh)
信じろよ、俺はノースサイドの出身だ (Uh)
※「North」はバトンルージュのノースサイド。極めて犯罪率が高く、彼がサバイバル術を学んだ過酷なフッド。

[Verse]

Can I do my thing, and pop my shit on top a bitch too?
俺のやり方でやって、ビッチの上でも俺のスタイルを見せつけていいか?

Can I take all of my kids on a trip to Spain, then buy them shit too?
子供たち全員をスペイン旅行に連れて行って、色々買ってやってもいいか?
※ストリートの暴力的な生活と、父親としての莫大な富による愛情表現という極端なコントラスト。

He done got up in my way, we killed your man's like I was 'posed to
あいつが俺の邪魔をした、俺がやるべきだったように、お前のダチを殺してやったぜ

I just pulled up Lambo' back-to-back to back, and I got my tool too
ランボルギーニを何台も連ねて乗り込んだ、もちろん俺の道具も持ってるぜ
※「tool」は銃器。

Bang, bang, bang, bang, hold on, bitch tried to slump me
バン、バン、バン、バン、待てよ、ビッチが俺を倒そうとした
※「slump」は銃撃などで意識を失わせる、あるいは殺害すること。

Find where he lay at, lay his head right there, get back to money
あいつの居場所を見つけろ、そこで頭を地面につけさせて、金稼ぎに戻るのさ

Hold on, brr, bitch, I'm known for stuntin'
待てよ、brr、ビッチ、俺はフレックスすることで有名だ

I'm out Southern, with a cutter, with a drum, bitch
サザン大学のあたりにいるぜ、カッターとドラムマガジンを持ってな、ビッチ
※「Southern」はバトンルージュにある黒人歴史的大学(HBCU)のサザン大学。彼のフッドであるノースサイドに近い。「cutter」は銃、「drum」は連射可能なドラム式拡張マガジン。

Look, on my son and on my mother, on a Sunday, it'll get ugly
見ろよ、俺の息子と母親にかけて誓う、日曜日にだって血みどろの騒ぎになるぜ
※神聖な安息日である日曜日であっても、ストリートの抗争には容赦しないという冷酷な誓い。

On this oath, I break a vow, thеn on my soul, it's gon' haunt me
この誓いに懸けて、もし掟を破れば、俺の魂が一生呪われるだろうな
※ギャングの血の掟(Omertaなど)への絶対的な忠誠。

On his head I placed a dot, thеn popped that bitch like a pimple, bust it
あいつの頭にドットを合わせた、そしてニキビみたいにあのビッチを潰してやった、ぶっ放したのさ
※銃のレーザーサイト(赤いドット)を標的の頭に合わせ、ニキビを潰すように容赦なく頭部を吹き飛ばすという生々しく残酷なパンチライン。

PO told me, take a piss test and I shitted in a cup (Nussie)
保護観察官が尿検査を受けろって言ったから、カップにクソをしてやったぜ (Nussie)
※「PO」は保護観察官。権力に対する完全な反抗と狂気を示すライン。ここでの「Nussie」は、かつてのNussieのように制御不能でクレイジーな状態であることを意味している。

I'm a slime, I ain't your partner, I'll rob you out of somethin'
俺はスライムだ、お前のダチじゃねえ、お前から何か奪い取ってやる
※「slime」は危険で狡猾な人物、またはBlood系のギャングメンバー。

You got a problem? From the bottom to the top, the climb for somethin'
何か文句あるか?どん底から頂点まで、何かを求めて這い上がってきたんだ

And a man that stand for nothin', he gon' stand for nothin', dumbass
何も信念を持たない男は、何に対しても立ち上がらねえのさ、マヌケが
※マルコムXの有名な言葉「If you don't stand for something, you will fall for anything」を引用し、自分には絶対に譲れないストリートの哲学があることを主張している。

I'm a man that stand for somethin', murder your ass 'bout the cash (Cash)
俺は信念を持った男だ、金のためにお前をぶっ殺してやる (Cash)

I'm in a quarter-million-dollar car with a two dollar flag
25万ドルの車に乗って、2ドルの旗を掲げてるぜ
※「flag」はギャングのバンダナ。超高級車に乗るほどの億万長者になっても、わずか数ドルのバンダナに象徴されるフッドの帰属意識は変わらないという強烈なフレックス。

Real thirty on a stick, dumb bitch thought the shell catcher was a bag
スティックには本物の30発だ、バカなビッチはシェルキャッチャーをバッグだと思ってたみたいだな
※「stick」は拡張マガジン付きの銃。「shell catcher」はライフル等から排出される空薬莢を回収する袋。銃器のパーツをファッションアイテムのバッグと勘違いする無知な女性を嘲笑している。

That we put jewels in, hollow holders go in, put holes in niggas ass
宝石を入れるバッグだとな、ホローポイント弾を込めて、ニガーどものケツに風穴を開けてやる
※「hollow holders」は殺傷力の高いホローポイント弾を装填したマガジンのこと。

We sit back, and eat, and smoke, after we roll a nigga ass
あいつらを始末した後、俺たちは座って、飯を食って、スモークするのさ
※「roll a nigga」は標的を殺害すること、または「死んだ敵をマリファナペーパーで巻いて吸う(smokeする)」というドリル特有のディス表現のダブルミーニング。

Live from the gutter, reportin', my brother, I love you
どん底から生中継だ、報告するぜ、ブラザー、愛してる

I got your back for a fact, lettin' nobody touch you
間違いなく俺がお前の背中を守る、誰にもお前を触らせねえ

Together, we done struggled
俺たちは一緒に苦労を乗り越えてきた

Shit, what you want? What you wan' do?
クソ、お前は何が欲しい?どうしたいんだ?

We could pop out with that strap and make shit move
銃を持って飛び出して、事態を動かすこともできるぜ

We could pull up and fuck over one of them dudes
乗り込んでいって、あいつらのうちの一人を台無しにしてやることもできる

Motorola, Nola'Yola
モトローラ、ニューオーリンズのコカイン
※「Motorola」は麻薬取引で使われる使い捨てのトラップフォン。「Nola」はニューオーリンズの略称、「Yola」はコカインのストリートスラング。ルイジアナ一帯のドラッグコネクションを示唆。

Real closure, Cosa Nostra
真の決着、コーザ・ノストラだ
※「Cosa Nostra(我々のもの)」はイタリアン・マフィアの総称。敵を確実に抹殺し、マフィアのように冷酷にビジネスを終わらせる(closure)こと。

I can't serve you, I don't know you
お前にクスリは売らねえ、お前のことなんて知らねえからな

In a cell, I'm drinkin' fours
独房の中で、俺は4オンスのリーンを飲んでる
※「fours」は咳止めシロップ(リーン)を4オンス分注ぐこと。刑務所内でも違法なドラッグを手に入れ、現実逃避している壮絶な状況。

To all my real gangsters, real bangers, think I owe you
すべての本物のギャングスター、本物のバンガーたちへ、俺はお前らに借りがあると思ってる

Behind this mic, I show you
このマイクの裏側で、俺が証明してやる

Who the whole city blamed it on? (Nussie)
街中が誰のせいにしたと思う? (Nussie)
※バトンルージュで起きる未解決の暴力事件や混乱が、かつてのNussieのように、すべて影響力の大きすぎるYoungBoyのせい(スケープゴート)にされている状況を指す。

Who homicide gettin' real tied up? (Nussie)
殺人課がマジで手を焼いてるのは誰だ? (Nussie)

Who they turned they back on, but still be showin' love? (YoungBoy)
奴らが背を向けたのに、それでも愛を示し続けてるのは誰だ? (YoungBoy)
※業界や地元の一部から見放されながらも、真のファンやフッドには還元し続けている自身の立ち位置。

Who got that pussy-nigga smashed in the club?
クラブであの腰抜け野郎をぶちのめしたのは誰だ?

Who got that gettin' your daughter fucked and got your son on drugs? I'm sorry
お前の娘をヤって、お前の息子をドラッグ漬けにしたのは誰だ?悪いな

Bitch, disrespect me, make me double back, I'm a gangster
ビッチ、俺をナメてみろ、必ず報復に戻ってやる、俺はギャングスターだ
※「double back」は一度その場を離れた後、再び戻ってきて銃撃を加えること。

Ridin' where they say it's dangerous, bumpin' old school and a gangster
危険だと言われてる場所を流す、オールドスクールのギャングスタラップを爆音で鳴らしてな

Mind of a menace, I'm rich and famous
脅威のメンタリティだ、俺は金持ちで有名さ
※「Mind of a menace」は、バトンルージュの伝説Lil Boosieの代表曲「Mind of a Maniac」へのオマージュとも取れる。莫大な富を得ても、内面はストリートの脅威(サグ)のままであるという強烈なアイデンティティの宣言。