Artist: T.I., SWEATA & Young Dro
Album: KILL THE KING
Song Title: REPRESENT A TIME
概要
T.I.が自身のキャリア最終作と宣言するアルバム『KILL THE KING』に収録された本作は、長年の盟友であるYoung Dro、そしてソウルフルな歌声を響かせるSWEATAを迎えた、ストリートの「古き良き時代」への哀歌であり強烈なアンチテーゼだ。SNSでの虚栄心や嘘が蔓延し、リスペクトが欠如した現代のヒップホップシーンに対し、男の言葉が絶対の価値を持ち、義理と人情が重んじられた時代を「俺がレペゼンする(代表する)」と高らかに宣言する。T.I.特有の知的な語彙と、Young Droの鋭いライムが交差しながら、かつてのハスラーたちが持っていた矜持や過酷なゲットーの現実を振り返る。フェイクが持て囃される現状を嘆きつつも、自らの信念を曲げないOGたちの揺るぎないスタンスが、メロウなビートの上で重厚な説得力を持って響き渡る、アトランタのレジェンドたちによる魂の問答である。
和訳
[Chorus: T.I.]
Yeah, yeah, I represent a time
Yeah, yeah、俺はある時代をレペゼンしている
Nigga rather die than get caught lyin'
嘘をついてバレるくらいなら死を選んだ時代を
※ストリートの掟において、スニッチ(密告)や嘘は最大の恥とされた、オールドスクールなハスラーのメンタリティ。
And be the biggest clown of all time
そして史上最大のピエロになることさ
See me, I represent a time
見ろよ、俺はある時代をレペゼンしている
When your word was all you had
自分の言葉だけがすべての財産だった時代を
※「Your word is your bond(自分の言葉は絶対の契約である)」というヒップホップの根幹にあるストリートのモラル。
'Cause you's a reflection of your mom and your dad
なぜなら、お前は自分の母親と父親を映し出す鏡だからだ
See me, I represent a time
見ろよ、俺はある時代をレペゼンしている
Where your heart was your position
自分の心がそのまま自分の立ち位置だった時代を
You can speak the word of God, but will they listen? Hmm
神の言葉を語ることはできるが、果たして奴らは耳を傾けるだろうか? Hmm
I represent a time
俺はある時代をレペゼンしている
When the niggas we was following went to following us 'causе we done got it poppin'
俺たちが背中を追っていた連中が、俺たちが成功を収めたことで、逆に俺たちについてくるようになった時代を
[Verse 1: T.I.]
Be on top until thе end of time
時が終わるまで頂点に立ち続ける
When it's dinner time, I bet I be first at the table like a finish line
ディナーの時間になれば、俺はフィニッシュラインを切るように真っ先にテーブルに着くぜ
※誰よりも早くハッスルして自らのシノギ(食事)を獲得する姿勢。
Will enable killing favor, Tip'll turn the turntables
殺しの恩恵を可能にし、ティップが形勢を逆転させるのさ
※「Tip」はT.I.の本来のニックネーム。「turn the turntables(ターンテーブルを回す)」は「turn the tables(形勢を逆転させる)」という慣用句にDJカルチャーを掛けた言葉遊び。
Cain and Abel, modern day, they watch this shit like paid cable
現代のカインとアベル、奴らは有料ケーブルテレビみたいにこの惨状を見世物にしている
※旧約聖書に登場する人類初の殺人(兄弟殺し)の比喩。同胞同士の殺し合いやストリートの抗争を、安全な場所からエンタメとして消費する現代社会とオーディエンスへの痛烈な批判。
Lucky just to have a home, even if it ain't stable
家があるだけで幸運だった、たとえそれが安定していなくても
Angel mama, mom able, grandmama
天使のようなママ、有能なママ、そしておばあちゃん
※父不在の環境下で、強い黒人女性たち(母や祖母)によって育てられたゲットーの背景。
Other generation's somewhere out on OnlyFans, show it to you if you paying
今の世代はOnlyFansのどこかで、金を払えばお前に見せてやるってやってる
※手軽にネット上で体を売って金を稼ごうとする現代の風潮に対する、OGとしての冷ややかな視線。
Toast to the good days, wonder where the joy went
古き良き日々に乾杯、あの喜びはどこへ行ってしまったんだろうな
Wonder if it sank with the decline of employment
雇用が減っていくのと一緒に沈んでしまったんだろうか
A door to die, left they family here in torment (Hmm)
死への扉、家族を苦痛の中に残して去っていく (Hmm)
I been popping since BBD poison
俺はBBDの「Poison」の頃からずっと第一線でやってるぜ
※「BBD」は90年代に大ヒットしたR&BグループBell Biv DeVoeのこと。彼らの歴史的代表曲『Poison』(1990年リリース)を引き合いに出し、自身のサバイバルとキャリアの長さを誇示している。
From trapping to rapping, kick down doors, let my boys in
トラップからラップへ、ドアを蹴り破り、俺の仲間たちを招き入れたんだ
※ストリートの麻薬密売(トラップ)から音楽業界へ這い上がり、Pimp Squad(P$C)やGrand Hustleの仲間たちを引き上げた事実。
[Chorus: T.I. & SWEATA]
I represent a time
俺はある時代をレペゼンしている
Nigga rather die than get caught lyin'
嘘をついてバレるくらいなら死を選んだ時代を
And be the biggest clown of all time
そして史上最大のピエロになることさ
See me, I represent a time
見ろよ、俺はある時代をレペゼンしている
When your word was all you had
自分の言葉だけがすべての財産だった時代を
'Cause you's a reflection of your mom and your dad
なぜなら、お前は自分の母親と父親を映し出す鏡だからだ
See me, I represent a time (I represent)
見ろよ、俺はある時代をレペゼンしている(俺はレペゼンしている)
Where your heart was your position
自分の心がそのまま自分の立ち位置だった時代を
You can speak the word of God, but will they listen? Hmm
神の言葉を語ることはできるが、果たして奴らは耳を傾けるだろうか? Hmm
I represent a time (A time)
俺はある時代をレペゼンしている(時代を)
When the niggas we was following went to following us 'cause we done got it poppin'
俺たちが背中を追っていた連中が、俺たちが成功を収めたことで、逆に俺たちについてくるようになった時代を
[Post-Chorus: SWEATA & Young Dro]
(Ooh, ooh, ooh, ooh, ooh)
Be careful what you place next to your flame, yeah
自分の炎のそばに何を置くか、気をつけるんだな、yeah
(Be careful what you place next to your flame)
(自分の炎のそばに何を置くか、気をつけるんだな)
'Cause a spark'll turn to ashes, what a shame
少しの火花がすべてを灰に変えてしまうからな、なんて残酷なことだ
(What a shame, what a shame, what a shame) Oh-woah
(なんて残酷なことだ、なんて残酷なことだ、なんて残酷なことだ) Oh-woah
All you got is your two hands and your name
お前が持っているのは、自分の両手と己の名前だけだ
Then it's showtime (Showtime)
それならショータイムだ (Showtime)
Go 'head and take it up with the Most High (Yeah, uh)
さあ、いと高き神のもとへ持っていくがいい (Yeah, uh)
Take it up
持っていくがいい
[Verse 2: Young Dro]
I represent a time, bystanders get killed if you innocent
俺はある時代をレペゼンしている、無実であっても傍観者が殺されてしまうような時代を
But you can probably live if you vigilant
だが、警戒を怠らなければ生き残れるかもしれない
My niggas are militant, some seem to think we equivalent
俺の仲間たちは好戦的だ、俺たちと同等だと思っている奴らもいるようだがな
Proportionally lacking with benefits, you gotta be diligent
見返りに欠けている割合が多いんだ、勤勉でなきゃならない
You popping to the streets like you killing it
お前はストリートに飛び出して、イケてるように振る舞っている
But when you locked up, you illegit
だが刑務所にブチ込まれた途端、お前は偽物になるのさ
※「illegit(illegitimate)」は非合法、または本物ではないこと。シャバで粋がっていても、逮捕された途端に恐怖で警察に密告(スニッチ)したり弱音を吐くフェイクなストリートの連中を痛烈に批判している。
What happened to Benjamin? Niggas went from trappin' to dwindlin'
ベンジャミンはどうした? 奴らはトラップから始まり、衰退していった
※「Benjamin」はベンジャミン・フランクリンの肖像画が描かれた100ドル札(大金)のこと。金を持っていたはずのハスラーたちが没落していく様を描写している。
The devil take your soul in increments
悪魔が少しずつお前の魂を奪っていくんだ
I gotta begin again or start from the ending like I intend to reverse
俺はもう一度始めるか、結末から逆再生するようにスタートしなきゃならない
Don't wanna be nothing I been again, so I severed the version that I lived in the dirt
昔の自分には二度と戻りたくないから、泥水の中で生きていたバージョンの自分を切り捨てたんだ
I cut the cord with the curse and let it bleed in the verse
呪いとの繋がりを絶ち切り、その血をこのヴァースに流し込む
I ain't lying
俺は嘘はついていないぜ
[Chorus: T.I., T.I. & Young Dro, Young Dro]
I represent a time (Uh)
俺はある時代をレペゼンしている (Uh)
Nigga rather die than get caught lyin'
嘘をついてバレるくらいなら死を選んだ時代を
And be the biggest clown of all time
そして史上最大のピエロになることさ
See me, I represent a time
見ろよ、俺はある時代をレペゼンしている
When your word was all you had
自分の言葉だけがすべての財産だった時代を
'Cause you's a reflection of your mom and your dad
なぜなら、お前は自分の母親と父親を映し出す鏡だからだ
See me, I represent a time
見ろよ、俺はある時代をレペゼンしている
Where your heart was your position
自分の心がそのまま自分の立ち位置だった時代を
You can speak the word of God, but will they listen? Hmm
神の言葉を語ることはできるが、果たして奴らは耳を傾けるだろうか? Hmm
I represent a time
俺はある時代をレペゼンしている
When the niggas we was following went to following us 'cause we done got it poppin'
俺たちが背中を追っていた連中が、俺たちが成功を収めたことで、逆に俺たちについてくるようになった時代を
[Post-Chorus: SWEATA]
(Ooh, ooh, ooh, ooh, ooh)
Be careful what you place next to your flame, yeah
自分の炎のそばに何を置くか、気をつけるんだな、yeah
(Be careful what you place next to your flame)
(自分の炎のそばに何を置くか、気をつけるんだな)
'Cause a spark'll turn to ashes, what a shame
少しの火花がすべてを灰に変えてしまうからな、なんて残酷なことだ
(What a shame, what a shame, what a shame) Oh-woah
(なんて残酷なことだ、なんて残酷なことだ、なんて残酷なことだ) Oh-woah
All you got is your two hands and your name
お前が持っているのは、自分の両手と己の名前だけだ
Then it's showtime (Showtime)
それならショータイムだ (Showtime)
Go 'head and take it up with the Most High
さあ、いと高き神のもとへ持っていくがいい
Take it up
持っていくがいい
[Outro]
The reason why kids don't wanna be king is 'cause you let 'em kill the last one
子供たちが王様になりたがらない理由は、お前らが前の王様を殺すのを許したからだ
※アルバムタイトル『KILL THE KING』の核心を突くセリフ。先人をリスペクトしてレガシーを継承するのではなく、SNS等ですぐに引きずり下ろそう(キャンセルカルチャー等)とする現代のリスナーやシーンの在り方が、次世代の希望や野心(王になりたいという夢)を奪い取っているという、極めて痛烈なメッセージ。
