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LET ’EM KNOW - T.I. 【和訳・解説】

Artist: T.I.

Album: KILL THE KING

Song Title: LET ’EM KNOW

概要

「King of the South(南部の王)」として2000年代以降のサザンヒップホップ、特にトラップミュージックというジャンルを確立したT.I.による、自身のキャリア最終章を飾るアルバム『KILL THE KING』に収録されたバンガー。本作では、デビューアルバム『I'm Serious』時代から長きにわたり彼と数々のクラシックを生み出してきた盟友・Pharrell Williams(Skateboard P)がイントロとビートに関与しており、ファンにとっては垂涎の布陣となっている。アトランタ・ウェストサイドの危険なストリート「センター・ヒル」や「キャンベルトン・ロード」でドラッグを捌いていた過去から、チャートの頂点へと上り詰めた自らの軌跡を振り返り、現代のラッパーたちに対して「俺が永遠のナンバーワンだ」と圧倒的な実力差を見せつける。ヒップホップシーンにおける自身のレガシーと、ハスラーとしての揺るぎないエゴをストレートに叩きつける、王の帰還にふさわしい一曲である。

和訳

[Intro: Pharrell Williams]

Woo, woo, woo, woo

Woo, woo, woo, woo

Woo, woo, woo, woo

Woo, woo, woo

[Verse 1: T.I.]

Runnin' to the checkered flag, runnin' through the red light
チェッカーフラッグに向かって爆走し、赤信号も突っ切る
※最終作(チェッカーフラッグ=ゴール)に向けたフルスロットルな勢いと、誰にも止められない自身のステータスを表現している。

12 catch me gunnin', won't pull over 'til I'm dead, right
サツに猛スピードで飛ばしてるところを見つかっても、死ぬまで車を停める気はないぜ
※「12」はアトランタ発祥で全米に広まった警察(特に麻薬取締班)を指すスラング。「gunnin'」は銃を撃つことと、車でアクセルを全開にすることのダブルミーニング。

Ridin' 'til the sun rise, care none 'bout no bedtime
朝日が昇るまで走り続ける、寝る時間なんて気にも留めない

Ain't gon' catch no bitch that's ridin' with me 'less that head fire, better know
俺の助手席に乗ってるビッチは、最高にフェラが上手くない限りそこにはいられない、覚えときな
※「head」はオーラルセックス、「fire」は最高・極上を意味するスラング。

From Westside Atlanta up to Bed-Stuy, all the way to Crenshaw
アトランタのウェストサイドからベッドスタイ、そしてクレンショーまで
※T.I.の地元であるアトランタ西部から、NYブルックリンのBed-Stuy(The Notorious B.I.G.の地元)、LAのCrenshaw(Nipsey Hussleの地元)へと繋ぎ、彼の影響力とストリートのプロップス(支持)が全米のヒップホップ聖地を網羅していることを示している。

I'ma handle mine, nigga better know
俺は自分のシノギをきっちりこなす、よく覚えとけ

Big shit poppin', ain't no lil' shit
デカいことをブチ上げる、ちっぽけなことじゃない
※自身の2007年の大ヒット曲「Big Shit Poppin' (Do It)」へのセルフオマージュであり、長年のファンをニヤリとさせるライン。

Droppin' bags, it's a lot to you, to me, a lil' bit, let 'em know
大金を落としていく、お前にとっては一大事でも俺にとっては小銭だ、奴らに教えてやれ
※「bags」は大量の札束が入ったバッグを指す。

From ridin' Chevy, .40 cal in my lap (Uh-huh)
シボレーを乗り回し、膝の上に40口径の銃を置いていた頃から (Uh-huh)

Real dope boys in the trap (Uh-huh)
トラップハウスにいる本物のドープボーイたち (Uh-huh)
※T.I.が2003年のアルバム『Trap Muzik』で名付け親となった「トラップ」の起源に立ち返り、自分が本物のストリートの住人(ドープボーイ=麻薬密売人)であったことを強調している。

The big yacht, ballin' like a big shot
今じゃ巨大なヨットに乗り、大物のごとく豪遊してるぜ

Niggas on my dick, bet' make room for ya bitch, gotta let 'em know (Ayy)
俺にまとわりつくヘイターども、お前のビッチのために場所を空けとけ、奴らに教えてやれ (Ayy)
※「on my dick」は異常に執着してくる(嫉妬する)連中を指すスラング。

I don't tongue wrestle, I don't lip box (Uh-huh)
口喧嘩なんてしない、口先だけのボクシングはお断りだ (Uh-huh)
※SNSでのビーフやゴシップで騒ぎ立てる現代の若手ラッパーたち(ネットギャング)に対する痛烈な批判。リアルなストリートの人間は行動で示すという信念。

Solitaires, all I do is big rocks
ソリティア、俺が手にするのはデカい石だけだ
※「Solitaires」は大粒の一粒ダイヤのこと。「big rocks」は巨大な宝石を指すと同時に、過去にストリートで売っていた巨大な「クラック・コカインの塊(rock)」との高度なダブルミーニング。

I came from dealin' rock all the way to hit charts
俺はクラックの塊を捌く底辺から、ヒットチャートの頂点まで上り詰めたんだ

[Refrain: T.I.]

On the throne, bitch ain't what I'm on, she can kick rocks, let her know
俺は王座に座ってる、ビッチにかまってる暇はない、どっかに行きな、彼女に教えてやれ
※「kick rocks」は「失せろ」「どっかに行け」という意味の定番スラング。直前の「rock」で踏んだライムスキームを綺麗に落としている。

[Chorus: T.I.]

My foot up on the gas
俺の足はアクセルをベタ踏みしてる

I'm blowin' money fast (Better know)
大金を猛スピードで吹き飛ばす(覚えときな)
※Rick Rossの大ヒット曲「B.M.F. (Blowin' Money Fast)」や、アトランタ発祥の実在した巨大麻薬カルテル「Black Mafia Family」へのオマージュ。

I'm on these haters' ass
ヘイターどもを徹底的に追い詰める

I know these niggas mad (Better let 'em know)
奴らが激怒してるのはわかってるぜ(奴らに教えてやれ)

[Verse 2: T.I.]

Big dog, all we get is bread, I ain't ever scared
ビッグドッグ、俺たちが手にするのは金だけだ、ビビったことなんて一度もないぜ
※「bread」は金(稼ぎ)のこと。「I ain't ever scared」は、T.I.が客演して名を上げたアトランタのクラシック、Bone Crusherの「Never Scared」を意識したサブリミナルな引用。

Big flex on a nigga head, what I'm standin' on?
奴らの頭上でデカく見せつける、俺が立っている場所はどこだ?

Business, big check, we done did that
ビジネス、デカい小切手、そんなものはとうの昔に成し遂げた

Pushin' wig back, better give me respect and some more
頭を撃ち抜いてやる、俺には最大級のリスペクトを払いな
※「Pushin' wig back」は相手の額(生え際・カツラ)が後退するほど顔面を銃撃するという、ストリートの過激な暴力描写。

Atlanta know, 'fore I was booking shows for a grand or so
アトランタは知ってるぜ、俺が千ドルそこらでライブのブッキングを受けていた頃からな
※「a grand」は1,000ドル。

I was sellin' grams right on Campbellton, lettin' hammers go
キャンベルトンでグラム単位の薬を売り捌き、銃をぶっ放してた頃からだ
※「Campbellton(キャンベルトン・ロード)」はアトランタ南西部の極めて治安が悪い通りで、T.I.の初期のハッスルの拠点。「hammers」は銃のこと。

Lames speakin' to me, what you need a camera for?
ダサい奴らが俺に話しかけてくる、カメラなんて何に使うんだ?
※すぐにスマホのカメラを回してSNSでバズ(Clout)を狙おうとする現代のフェイクな風潮を軽蔑している。

From Center Hill to hittin' hoes in center folds, better know
センター・ヒルのストリートから、雑誌の見開きを飾るような極上の女を抱くようになるまで、覚えときな
※「Center Hill」はT.I.が生まれ育ったアトランタ西部の過酷なゲットー。「center folds」はPlayboy誌などの見開き中央に掲載されるトップモデル。見事な言葉遊び(Center Hill -> center folds)で自身の成功を表現。

They call it ballin', we just call it livin'
奴らはそれを豪遊と呼ぶが、俺たちにとってはただの日常だ

They say you live and die by your decisions
人は自分の決断によって生き、そして死ぬと言われている

Well, I'ma push it to the limit, nevermind the consequences
ならば俺は限界まで攻め込む、結果なんて気にしてられない

Interferin' nigga, I'ma handle business, better let 'em know
邪魔する奴らよ、俺はきっちりビジネスを片付けるだけだ、奴らに教えてやれ

On another level, my SS so put together
別次元にいるのさ、俺のSSは完璧に仕上がってるぜ
※「SS」はシボレー・スーパースポーツ。南部のカーカルチャーにおいて圧倒的なステータスを持つクラシック・マッスルカー。

Hit the pedal, do 200 everywhere I go, better know
アクセルを踏み込み、どこへ行くにも時速200マイルで飛ばす、覚えときな

Man, I stay fly, just to show that they not
なぁ、俺が常にフレッシュでいるのは、奴らがそうじゃないってことを証明するためだ

[Refrain: T.I.]

On the throne, bitch, and when I'm on, she can kick rock, let her know
王座に座ってる、ビッチ、俺の出番の時、女にはどっか行ってもらう、彼女に教えてやれ

[Chorus: T.I.]

My foot up on the gas
俺の足はアクセルをベタ踏みしてる

I'm blowin' money fast (Better know)
大金を猛スピードで吹き飛ばす(覚えときな)

I'm on these haters' ass
ヘイターどもを徹底的に追い詰める

I know these niggas mad (Better let 'em know)
奴らが激怒してるのはわかってるぜ(奴らに教えてやれ)

[Verse 3: T.I.]

Skateboard P on the track
スケートボード・Pがビートに乗ってるぜ
※「Skateboard P」はプロデューサー/アーティストであるPharrell Williamsのストリートでの異名。彼がこの曲のビートを提供していることを堂々と宣言している。

Louis duffel bag, fifty racks (Uh-huh)
ルイ・ヴィトンのダッフルバッグ、5万ドルの札束が入ってる (Uh-huh)
※「racks」は1,000ドルの束。高級ブランドのバッグに現金を詰め込む、典型的なトラップ・スターの美学。

Pop it so obnoxious, I ain't got no conscious promise
傲慢なまでに金をばら撒く、俺に道徳心なんて微塵もないと誓うぜ
※「conscious」はコンシャス・ヒップホップ(社会派・道徳的)を指す。T.I.は知的な一面も持つが、ここでは純粋なトラップの王として、あえて不道徳なまでにエゴを全開にしている。

Like I still got a pocket full of crack
まるで今でもポケットいっぱいにクラックを詰め込んでるかのようにな

All they do is fight for number two, 'cause I'm the one (Uh-huh)
奴らは2番手を争ってばかりいる、なぜなら俺が永遠のナンバーワンだからだ (Uh-huh)
※アトランタや南部のヒップホップシーンにおいて、後進のラッパーたちは常に「No.2」の座を争っているだけであり、王座(No.1)は自分から動かないという絶対的なボースティング。

Still makin' play with the ones
今でも1ドル札をばら撒いて遊んでるぜ
※「the ones」は1ドル札のこと。アトランタのストリップクラブ文化において、大量の1ドル札をダンサーに降らせる(Make it rain)行為を指している。

All we know is success, hit her with some rich sex
俺たちが知ってるのは成功だけだ、彼女にリッチなセックスを浴びせる

Good luck gettin' your bitch back, she forever mine 'til I let her go
お前の女を取り戻せるように祈ってるよ、俺が手放すまで彼女は永遠に俺のモノだからな

[Bridge: T.I. & Young Dro]

Overly
過剰なまでにな
※ここで声を合わせているのはT.I.のレーベル「Grand Hustle」の古参であり、長年の弟分であるアトランタのラッパー・Young Dro。彼の参加はクルーの固い絆とストリートの血統を象徴している。

Better know, le-le-let 'em know
覚えときな、奴らに教えてやれ

Better know, le-le-let 'em—
覚えときな、奴らに——

Overly
過剰なまでにな

Better know, le-le-let 'em know
覚えときな、奴らに教えてやれ

Better know, le-le-let 'em—
覚えときな、奴らに——

Overly
過剰なまでにな

[Chorus: T.I.]

My foot up on the gas
俺の足はアクセルをベタ踏みしてる

I'm blowin' money fast (Better know)
大金を猛スピードで吹き飛ばす(覚えときな)

I'm on these haters' ass
ヘイターどもを徹底的に追い詰める

I know these niggas mad (Better let 'em know)
奴らが激怒してるのはわかってるぜ(奴らに教えてやれ)