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Stapleton - Earl Sweatshirt 【和訳・解説】

Artist: Earl Sweatshirt

Album: Earl

Song Title: Stapleton

概要

2010年にリリースされたEarl Sweatshirtのデビューミックステープ『Earl』の終盤を飾る「Stapleton」は、Tyler, The CreatorではなくBeatBoyがプロデュースを手掛けた数少ない楽曲の一つである。タイトルの「Stapleton」は、彼らの友人でありOFWGKTA周辺のスケーター/ヴィジュアル・アーティストであるNakel Smithのラストネーム(Stapleton)から取られている。アルバム全体を覆うホラーコアのペルソナと、スケートカルチャーに根ざした悪ガキ的なアティチュードが絶妙なバランスで融合しており、Earlの驚異的な多音節ライムと比喩表現が炸裂している。「父親の愛を知らないから心を棚の上に置いてきた」といった「Sad Boy」的な哀愁を見せたかと思えば、直後に猟奇殺人の描写へとシームレスに移行する。この複雑で起伏の激しいリリシズムこそが、彼が当時のインターネット・ヒップホップ黎明期において、単なるショック・バリューを超えた「神童」として高く評価された最大の理由である。

和訳

[Intro]

(BeatBoy Pro–, BeatBoy Pro–, BeatBoy Pro–)
(BeatBoy Productions) Yo!

[Verse 1]

It's Earl, Mr. Early Bird, gets them girls with curvy curves
アールだ、ミスター・早起き、カーヴィーな曲線を持った女たちをモノにするぜ
※「The early bird gets the worm(早起きは三文の徳)」ということわざと、自身の名前(Earl / Early)、そして「worm(虫)」を「girls with curvy curves(曲線美の女たち)」に置き換えた巧みな言葉遊び。

Skate Mental, truck smack a faggot in his Shirley Temple
スケート・メンタルだ、オカマ野郎のシャーリー・テンプルにトラックを叩き込んでやる
※「Skate Mental」は実在するスケートボードのブランド。「truck」はスケートボードの車軸部分。「Shirley Temple」は有名な子役女優の名前だが、ここでは「こめかみ(temple)」と掛け、頭部(こめかみ)をスケボーのトラックで殴るという暴力的な描写。

Your rhymes rentals, give 'em back to they owners
お前のライムはレンタル品だ、持ち主に返してきな

At the end of the bar, I spit with the permanence
小節の終わりに、俺は永遠に残る言葉を吐き出す
※「bar」には小節と酒場のダブルミーニングがある。「rentals(借り物)」と「permanence(永遠)」の対比。

Learn I'm a curb-stomping person
俺がカーブ・ストンプをするような人間だってことを学べ
※「Curb-stomping」は縁石に相手の顎を乗せて後頭部を踏みつける残虐な暴行。

Like third strike verdict dropping jaw-dropping verses
三振法(サード・ストライク)の評決みたいに、顎が外れるようなヴァースを落とすんだ
※アメリカの「三振法(Three-strikes law:3度目の有罪判決で終身刑などの重罰を科す法律)」と、前の行の「カーブ・ストンプで顎を砕く」ことを「jaw-dropping(顎が外れるほど驚く)」という言葉で繋いだ高度なライミング。

This bigger lips in person, nigger spits some burn so urn the shit
実物はもっと唇がデカいぜ、黒人が燃えるようなラップを吐くから、そのクソを骨壷に納めな
※「burn(燃やす・強烈なディス)」と「urn(骨壷)」のライム。Earlの分厚い唇(Big Lips)という自虐ネタ。

Furnish the flow until my pockets green, Kermit's dick
俺のポケットが緑色になるまでフロウを提供するぜ、カーミットのチンコみたいにな
※「green」は現金(ドル札)。セサミストリートのカエル「Kermit(カーミット)」の色(緑)と掛けたOdd Future特有のシュールな下ネタ。

The Miss Piggies with a string in they ass
ケツに紐をつけたミス・ピギーたち
※カーミットの恋人である豚のキャラクター「ミス・ピギー」を、タンポン(紐)やTバックをつけている女性たちのメタファーとして使用。

I control them like your eyes when I'm tinking a glass
グラスをチンチン鳴らす時の、お前らの視線みたいに彼女らをコントロールしてやる
※パーティー等でグラスをスプーンで叩いて(tinking)注目を集める様子。

So if you thinking about dissing stop thinking it fast
だから、もし俺をディスろうと考えてるなら、とっととその考えは捨てな

'Cause my wolves ten deep and they knuckles is brass, ho
だって俺の狼たちは10人の大所帯で、その拳にはメリケンサックがはまってるからな、ビッチ
※「wolves」はOdd Future Wolf Gangのこと。

The Miss Piggies with a string in they ass
ケツに紐をつけたミス・ピギーたち

I control them like your eyes when I'm tinking a glass
グラスをチンチン鳴らす時の、お前らの視線みたいに彼女らをコントロールしてやる

So if you thinking about dissing, stop thinking it fast
だから、もし俺をディスろうと考えてるなら、とっととその考えは捨てな

'Cause my wolves ten deep and they knuckles is brass, bitch
だって俺の狼たちは10人の大所帯で、その拳にはメリケンサックがはまってるからな、ビッチ

[Chorus]

Tell your boyfriend that's a bat and this a migraine
お前の彼氏に伝えておけ、そいつはバットで、こいつは偏頭痛だってな
※バットで殴って頭痛を引き起こすという脅し。

Don't ask why my jeans splattered with these white stains (Bitch!)
なんで俺のジーンズに白いシミが飛び散ってるかなんて聞くんじゃねえぞ(ビッチ!)

Wait, where you going, what you doing tonight?
待てよ、どこ行くんだ、今夜何してんだよ?

(Stop running, bitch!)
(逃げるんじゃねえ、ビッチ!)

Just want to know what you doing, come back (Please)
ただ何してるか知りたいだけだ、戻ってこいよ(頼むから)

Tell your boyfriend that's a bat and this a migraine
お前の彼氏に伝えておけ、そいつはバットで、こいつは偏頭痛だってな

And don't ask why my jeans splattered with these white stains (Bitch!)
なんで俺のジーンズに白いシミが飛び散ってるかなんて聞くんじゃねえぞ(ビッチ!)

Where you going, what you doing tonight?
どこ行くんだ、今夜何してんだよ?

Stop running, where you going, what you doing? (Bitch!)
逃げるな、どこ行くんだ、何してんだよ?(ビッチ!)

[Verse 2]

Yo, it's Earl, Mr. Lateshift, rapist in training
アールだ、ミスター・遅番、訓練中のレイプ魔だぜ
※Verse 1の「Mr. Early Bird(早起き)」と対比させた「Mr. Lateshift(遅番)」。

Who edge about as straight as some clay closet gay dick
クローゼットに隠れてるゲイの粘土のチンコくらい、真っ直ぐに尖ってる奴さ

Ray say hey Earl's a real charming racist
レイは言う、なぁ、アールは本当に魅力的なレイシストだってな
※「レイ」はおそらくプロデューサーのBeatBoyか、OFの周囲の人物。

Your birthday day, have some KK cake bitch
お前の誕生日だ、KKのケーキでも食いな、ビッチ
※「KKK(クー・クラックス・クラン)」を連想させるショック・バリュー。前の行の「racist(レイシスト)」と繋がっている。

Habit have it, grab it fast and attack it, faggot
習慣がそうさせる、素早く掴んで攻撃するんだ、オカマ野郎

I'm above average like I'm rapping in the attic, yeah
俺は平均以上だ、屋根裏部屋でラップしてるみたいにな
※「above average(平均以上=スキルが高い)」と、「attic(屋根裏部屋=物理的に高い場所)」を掛けた言葉遊び。

I'm crouched in the basement shouting "Couch is the greatest hit"
俺は地下室にしゃがみ込んで叫んでる「Couchが最高のヒット曲だ」ってな
※自身のアルバム収録曲「Couch」を自画自賛。

Dirty as a anus is, fans stand in rain for this
アナルみたいに汚えぜ、ファンはこれのために雨の中で立ち尽くす

They'd even stand in sleet season until they fucking feet bleeding
あいつらはみぞれの降る季節でも、足からクソみたいに血が出るまで立ち続けるだろうよ

Hail and fucking snow, in hell with fucking coats
あられや雪が降ろうと、地獄の中でコートを着てな

Probably wear more layers, there's only one Sweatshirt
たぶんもっと重ね着するだろうな、だってスウェットシャツは一つしかないんだから
※服の「Sweatshirt(スウェット)」と、唯一無二のラッパー「Earl Sweatshirt」を掛けたパンチライン。

He make them bow down until they mothafucking necks hurt
彼は奴らのクソみたいな首が痛くなるまで、ひれ伏させるのさ

Fans proud to stand in sleet season 'til they fucking feet bleeding
ファンはみぞれの降る季節でも、足からクソみたいに血が出るまで立ち続けることを誇りに思う

Hail and fucking snow, in hell with fucking coats
あられや雪が降ろうと、地獄の中でコートを着てな

Probably wear more layers, there's only one Sweatshirt
たぶんもっと重ね着するだろうな、だってスウェットシャツは一つしかないんだから

He make them bow down 'til they mothafucking necks hurt
彼は奴らのクソみたいな首が痛くなるまで、ひれ伏させるのさ

[Chorus]

Tell your boyfriend that's a bat, this a migraine
お前の彼氏に伝えておけ、そいつはバットで、こいつは偏頭痛だってな

Don't ask why my jeans splattered with these white stains (Bitch!)
なんで俺のジーンズに白いシミが飛び散ってるかなんて聞くんじゃねえぞ(ビッチ!)

Wait, where you going, what you doing tonight?
待てよ、どこ行くんだ、今夜何してんだよ?

(Stop running, bitch!)
(逃げるんじゃねえ、ビッチ!)

Just want to know what you doing, come back (Please)
ただ何してるか知りたいだけだ、戻ってこいよ(頼むから)

Tell your boyfriend that's a bat and this a migraine
お前の彼氏に伝えておけ、そいつはバットで、こいつは偏頭痛だってな

And don't ask why my jeans splattered with these white stains (Bitch!)
なんで俺のジーンズに白いシミが飛び散ってるかなんて聞くんじゃねえぞ(ビッチ!)

Where you going, what you doing tonight?
どこ行くんだ、今夜何してんだよ?

Stop running, where you going, what you doing? (Bitch!)
逃げるな、どこ行くんだ、何してんだよ?(ビッチ!)

[Verse 3]

Mr. Deerskin Moccasins is on the fucking stalk again
ディアスキンのモカシンを履いた男が、またストーキングをしてるぜ
※「Mr. Deerskin Moccasins」は当時のOdd Futureのスケーターファッション(Minnetonkaのモカシンなど)を指している。

Following and stalking all them larchmont soccer chicks
ラーチモントのサッカー女子どもを全員追いかけてストーキングしてる
※LAのラーチモント・ビレッジ(Larchmont Village)。富裕層の白人が多く住むエリアで、OFのメンバーたちがたむろしていた場所。

Chopping limbs, gnawing legs, through they fuckin' stockings
手足を切り落とし、ストッキングの上から奴らの脚をかじり取る

Him is grandfather sweatshirt, clockin' all them cardigans
彼はスウェットシャツのおじいちゃんだ、カーディガンを着た奴らを全員見張ってる

Product of popped rubbers and pops that did not love us
破れたゴムと、俺たちを愛さなかった親父の産物さ
※「popped rubbers(破れたコンドーム=望まれなかった妊娠)」と「pops(父親)」による強烈なライム。父親不在の家庭環境に対する痛烈な一言。

So when I leave home keep my heart on the top cupboard
だから家を出る時は、心は一番上の戸棚に置いておくんだ
※父親に愛されなかったトラウマから、他人に傷つけられないように感情を殺している(Sad Boy)という非常にパーソナルで文学的な表現。

So I will not stutter when I'm shoutin', "Fuck you, son"
そうすれば、「クソ食らえ、坊主」って叫ぶ時にもどもらないで済むからな

Wolf Gang 'bout it, we ain't waitin' 'til the moon come
Wolf Gangは本気だぜ、月が出るまでなんて待ってられない

Woo son, the moonshine got me feelin' loose
おっと、密造酒(ムーンシャイン)のせいで俺はゆるくなっちまった
※「moon(月)」と「moonshine(密造酒)」の繋がり。

As the puss of a whore who's used to abuse
虐待に慣れた売春婦のマンコみたいにな

My screws pretty loose mind fucked like the hair-doos
俺のネジはかなり緩んでる、頭のイカれ具合は髪型みたいだ

Of doo-doo mamas, dude I will bear jew you
クソみたいなママたちのな、なぁ、お前を「ベア・ジュウ」してやるぜ
※クエンティン・タランティーノ監督の映画『イングロリアス・バスターズ』に登場する、バットでナチス兵の頭を叩き割るキャラクター「The Bear Jew」のこと。コーラス部分の「Tell your boyfriend that's a bat(そいつはバットだ)」というフレーズの伏線回収になっている見事なリファレンス。

You unripe fruit dudes is crews to chew through
お前ら未熟なフルーツ野郎どもは、俺が食い千切るためのクルーだ

My niggas wash 'em down with a fat carton of Yoo-hoo
俺のダチが、デカいYoo-hooのパックでそいつらを流し込んでやる
※「Yoo-hoo」はアメリカのチョコレート飲料。

Odd Fu-ture Wolf Gang Kill Them All fuck 'em all
Odd Future Wolf Gang Kill Them Allだ、全員クソ食らえだ

No lube, it's the crew to get used to, faggot
潤滑油はなしだ、このクルーに慣れておけ、オカマ野郎