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FRIENDS - J. Cole (feat. kiLL edward) 【和訳・解説】

Artist: J. Cole (feat. kiLL edward)

Album: KOD

Song Title: FRIENDS

概要

J. Coleの5thアルバム『KOD』に収録された本作は、地元フェイエットビル(通称:The Ville)で薬物依存に苦しむ旧友たちへ向けた、極めてパーソナルで痛切な手紙のような楽曲である。フックを担当する「kiLL edward」はCole自身のピッチダウンされたオルターエゴであり、内なる悪魔や依存症者の言い訳を代弁する存在として機能している。バースにおいてColeは、黒人コミュニティにはびこる貧困、片親家庭、過剰な警察権力、そしてセラピー(心理療法)を「男らしくない」「弱さだ」と遠ざけてしまう文化的スティグマが、結果として若者たちをドラッグでの自己治療(Medicate)へと駆り立てている構造的な闇を鋭く分析している。ヒップホップシーンでトラウマやドラッグが美化されがちな中、あえて「クールじゃないと分かっているが」と前置きした上で、「薬に頼るな、瞑想(Meditate)しろ」とストレートな救済のメッセージを提示する、本作の核心を突くコンシャスな一曲である。

和訳

[Intro: J. Cole]

Cop another bag and smoke today
今日もまたハッパの袋を買って吸う
※「cop a bag」はマリファナを袋(パケ)で買うというストリートスラング。依存症の日常的なループを表している。

Cop another bag and smoke today
今日もまたハッパの袋を買って吸う

Cop another bag and smoke today
今日もまたハッパの袋を買って吸う

Cop another bag and smoke today
今日もまたハッパの袋を買って吸う

Cop another bag and smoke today
今日もまたハッパの袋を買って吸う

Cop another bag and smoke today
今日もまたハッパの袋を買って吸う

Cop another bag and smoke today
今日もまたハッパの袋を買って吸う

Cop another bag and smoke today
今日もまたハッパの袋を買って吸う

[Chorus: kiLL edward]

I got thoughts, can't control
思考が駆け巡る、コントロールできない

Got me down, got me low
俺を落ち込ませ、どん底に引きずり込む

Rest my mind, rest my soul
精神を休ませ、魂を休ませるんだ

When I blow, when I blow
俺が煙を吐き出す時に

Am I wrong, let them know
俺が間違っているのか、奴らに教えてやれ

Feels so right to let things go
全てを手放すのが最高に気持ちいいんだ

Don't think twice, this is me
迷うことはない、これが俺だ

This is how I should be
これが俺のあるべき姿なんだ
※ピッチダウンされたkiLL edward(Coleの別人格)の声。現実の苦痛から逃れるために薬物に依存し、それを「これが自分だ」と自己正当化してしまう依存症患者の心理を描写している。

[Bridge: J. Cole]

But I'm aggravated without it
でも、それがないとイラつくんだ

My saddest days are without it
俺の最も悲しい日々は、それがない日だ

My Saturdays are the loudest
俺の土曜日が一番騒がしい

I'm blowing strong
強いのを吸い込んでいる

Some niggas graduated to powder
中には粉へと卒業していった奴らもいる
※「powder」は粉末状のドラッグ(主にコカイン)。大麻からハードドラッグへとエスカレートしていくゲートウェイドラッグの現実を「卒業(graduated)」と皮肉っている。

I dabble later, I doubt it
俺も後で手を出すかって?いや、それはないな

My database of narcotics
俺の麻薬のデータベースは

It's growing long
どんどん長くなっている

But I'm aggravated without it
でも、それがないとイラつくんだ

My saddest days are without it
俺の最も悲しい日々は、それがない日だ

My Saturdays are the loudest
俺の土曜日が一番騒がしい

I'm blowing strong
強いのを吸い込んでいる

Some niggas graduated to powder
中には粉へと卒業していった奴らもいる

I dabble later, I doubt it
俺も後で手を出すかって?いや、それはないな

My database of narcotics
俺の麻薬のデータベースは

It's growing long
どんどん長くなっている

[Verse: J. Cole]

I wrote this shit to talk about the word addiction
「依存症」という言葉について話すために、俺はこれを書いた

To my niggas --- I hope you listening
俺のダチの---、お前が聴いてくれているといいんだが
※実際の音源では実名がミュート/逆再生で伏せられている。プライバシーを守りつつ、現実に苦しんでいる地元の友人たちへ向けた極めて私的なメッセージ。

--- and ---, I hope you listening
---と---、お前らが聴いてくれているといいんだが

This is for the whole fucking Ville, I hope you're listening
これはクソみたいなヴィル全体に向けたものだ、みんな聴いてくれているといいんだが
※「Ville」はColeの地元であるノースカロライナ州フェイエットビル(Fayetteville)のこと。

Smoking medical grade, but I ain't got prescription
医療用レベルの極上品を吸ってるが、処方箋なんて持ってないぜ

All the way in Cali where they ain't got precipi-
降水量の全くない、遥か遠くカリフォルニアの地で

-tation, feeling like the only one that made it
俺だけが成功したような気分になっている
※「precipitation(降水量)」という単語を行をまたいで「precipi- / -tation」と分割する巧みなフロウ。雨の降らないカリフォルニア(西海岸の豊かな暮らし)と、成功して地元から抜け出した自分だけが生き残ってしまったという「サバイバーズ・ギルト(生存者の罪悪感)」を表現している。

And I hate it for my niggas 'cause they ain't got ambition
ダチらの現状が嫌でたまらない、あいつらには野心がないからな

Fuck did you expect, you can blame it on condition
何を期待してたってんだ、環境のせいにすることもできる

Blame it on crack, you can blame it on the system
クラックのせいにも、システムのせいにもできる

Blame it on the fact that 12 got jurisdiction
サツが管轄権を持っているという事実のせいにもできる
※「12」は警察を意味するストリートスラング。

To ride around in neighborhoods that they ain't ever lived in
奴らが一度も住んだことのない地域を車で乗り回す権利をな
※外部からやってきた白人警官が黒人街を巡回し、無理解なまま過剰な取り締まりを行うという、アメリカの警察機構に対する構造的な批判。

Blame it on the strain that you feel when daddy missing
父親がいない時に感じる重圧のせいにもできる

Blame it on Trump shit, blame it on Clinton
トランプのクソみたいな政策のせいにも、クリントンのせいにもできる

Blame it on trap music and the politicians
トラップ・ミュージックや政治家たちのせいにもできる

Or the fact that every black boy wanna be Pippen
もしくは、黒人の少年がみんなピッペンになりたがる事実のせいにも
※「Pippen」はNBAのレジェンド、スコッティ・ピッペン。スポーツかラップしかフッドから抜け出す道がないと信じ込まされている黒人社会の現状。

But they only got 12 slots on the Pistons
なのに、ピストンズの枠は12個しかないことのせいにも
※「Pistons」はNBAのデトロイト・ピストンズ。NBAのアクティブロースター(ベンチ入り枠)は各チーム12人。無数の黒人の子供たちが夢見ても、実際に成功できるのはほんの一握りのみであるという残酷な現実を突いている。また前の行の「12(警察)」とのダブルミーニングにもなっている。

Blame it on the rain, Milli Vanilli with the disk skip
雨のせいにしろよ、ディスクが音飛びしたミリ・ヴァニリみたいにな
※R&Bデュオ「Milli Vanilli」の1989年の大ヒット曲『Blame It on the Rain』の引用。彼らはMTVのライブ中にCDの音飛び(disk skip)が発生し、口パク(影武者)であることがバレてグラミー賞を剥奪された。責任転嫁ばかりする姿勢を痛烈に皮肉る高度なパンチライン。

What I'm tryna say is the blame can go deep as seas
俺が言いたいのは、責任の所在を探れば海のように深くなるってことだ

Just to blame 'em all I would need like twenty CDs
全ての原因をリストアップするなら、CDが20枚くらい必要になるだろうな

There's all sorts of trauma from drama that children see
子供たちが目撃する悲惨な出来事から生まれる、あらゆる種類のトラウマが存在する

Type of shit that normally would call for therapy
普通ならセラピーが必要になるような、クソみたいな出来事さ

But you know just how it go in our community
でも、俺たちのコミュニティでそういうのがどう扱われるか知ってるだろ
※黒人コミュニティ(特に低所得層やストリート)では、精神疾患や心理セラピーに対する偏見(スティグマ)が根強く、「男らしくない」「ただの甘え」として専門家の助けを借りる文化が浸透していない問題を指摘している。

Keep that shit inside it don't matter how hard it be
どんなに辛くても、その感情を自分の中に閉じ込めておくんだ

Fast forward, them kids is grown and they blowing trees
早送りすると、その子供たちは大人になり、ハッパを吸い

And popping pills due to chronic anxiety
慢性的な不安のせいで錠剤を飲み込んでいる

I been saw the problem but stay silent 'cause I ain't Jesus
俺はずっとその問題に気付いていたが、黙っていた。俺はキリストじゃないからな

This ain't no trial if you desire go higher please
これは裁判じゃない、もっとハイになりたいなら好きにすればいい

But fuck that now I'm older I love you 'cause you my friend
でも今はそんなの関係ない、俺も大人になったし、お前を愛している、俺のダチだからな

Without the drugs I want you be comfortable in your skin
ドラッグなんかに頼らなくても、ありのままの自分を受け入れてほしいんだ

I know you so I know you still keep a lot of shit in
お前のことは分かってる、未だに多くのものを抱え込んでいることも

You running from yourself and you buying product again
お前は自分自身から逃げて、またあのクスリを買っている

I know you say it helps and no I'm not trying to offend
それが助けになってるって言うのも分かってるし、気分を害するつもりもない

But I know depression and drug addiction don't blend
でも、鬱と薬物依存の組み合わせは最悪だって俺には分かってるんだ

Reality distorts and then you get lost in the wind
現実が歪み、やがて風の中に迷い込んでしまう

And I done seen the combo take niggas off the deep end
そして、その組み合わせが奴らをどん底へ突き落とすのを何度も見てきた

One thing about your demons they bound to catch up one day
お前の抱える悪魔について一つ言えるのは、いつか必ず追いつかれるってことだ

I'd rather see you stand up and face them than run away
逃げ出すくらいなら、立ち上がって奴らと向き合う姿を見せてほしい

I understand this message is not the coolest to say
こんなメッセージがクールじゃないってことは分かってる
※ヒップホップにおいてドラッグやストリートのトラウマを美化する風潮がある中、ストレートに「薬をやめて向き合え」と説教することが、ラップとして退屈(ダサい)と受け取られかねないことをCole自身が自覚している。

But if you down to try it I know of a better way
でも、もしお前にその気があるなら、もっと良い方法を知ってるんだ

Meditate
瞑想するんだ

[Pre-Chorus: J. Cole]

Meditate, meditate, meditate, meditate
瞑想しろ、瞑想しろ、瞑想しろ、瞑想しろ

Don't medicate, medicate, don't medicate, medicate
薬に頼るな、薬に頼るな、薬に頼るな、薬に頼るな
※「Meditate(瞑想・内省)」と「Medicate(薬物治療・自己投薬)」の語感が似ていることを利用した、アルバム『KOD』全体を貫く最大のメッセージ。

Meditate, meditate, meditate, meditate
瞑想しろ、瞑想しろ、瞑想しろ、瞑想しろ

Don't medicate, medicate, don't medicate, medicate
薬に頼るな、薬に頼るな、薬に頼るな、薬に頼るな

[Chorus: kiLL edward]

I got thoughts, can't control
思考が駆け巡る、コントロールできない

Got me down, got me low
俺を落ち込ませ、どん底に引きずり込む

Rest my mind, rest my soul
精神を休ませ、魂を休ませるんだ

When I blow, when I blow
俺が煙を吐き出す時に

Am I wrong, let them know
俺が間違っているのか、奴らに教えてやれ

Feels so right to let things go
全てを手放すのが最高に気持ちいいんだ

Don't think twice, this is me
迷うことはない、これが俺だ

This is how I should be
これが俺のあるべき姿なんだ

[Outro: J. Cole]

Cop another bag of smoke today
今日もまたハッパの袋を買って吸う
※Coleの説得虚しく、現実の依存症はそう簡単に治るものではなく、再び最初のサイクル(Intro)へと戻ってしまう悲劇的な無限ループを示唆して曲が閉じられる。

Cop another bag of smoke today
今日もまたハッパの袋を買って吸う

Cop another bag of smoke today
今日もまたハッパの袋を買って吸う

Cop another bag of smoke today
今日もまたハッパの袋を買って吸う

Cop another bag of smoke today
今日もまたハッパの袋を買って吸う

Cop another bag of smoke today
今日もまたハッパの袋を買って吸う

Cop another bag of smoke today
今日もまたハッパの袋を買って吸う

Cop another bag of smoke today
今日もまたハッパの袋を買って吸う