Artist: Kid Cudi (feat. King Chip)
Album: Man on the Moon: The End of Day
Song Title: Hyyerr
概要
Kid Cudiの歴史的デビューアルバム『Man on the Moon: The End of Day』に収録された本作は、同郷オハイオ州クリーブランドの盟友であるKing Chip(当時の名義はChip Tha Ripper)をフィーチャーした極上のストーナー・アンセムである。アルバム全体を覆う夜驚症(ナイトテラー)や深い孤独、精神的葛藤といったダークなテーマから一息つくように配置されており、Cradaがプロデュースした1970年代のソウルを彷彿とさせるメロウでレイドバックしたビートが特徴だ。日々のストレスや警察からの職務質問(5-0)といったストリートの過酷な現実を、マリファナの煙と共に空高く吐き出してしまうというチルなスタンスが貫かれている。また、実家の外でしか隠れて吸えなかった若き日から、Kanye Westに見出されて高価なジュエリーを身につける現在までのサクセスストーリーが気負いのないテンションで語られており、彼らの等身大のリアリティとハスラーとしての美学が詰め込まれた名曲としてファンから愛され続けている。
和訳
[Intro: Kid Cudi & Chip Tha Ripper]
Easy, ahh
気楽にいこうぜ、あぁ
This is Easy Sunday Morning
ここは「イージー・サンデー・モーニング」だ
※休日の朝に放送されるようなリラックスしたローカルラジオ番組のDJを模した語り口で曲が幕を開ける。
And we're right here on a beautiful morning
そして俺たちは今、この美しい朝を迎えているk
In Cleveland, Ohio, and it's chilly today
ここオハイオ州クリーブランドは、今日は少し肌寒いな
※彼らの地元であるクリーブランド(アメリカ中西部の都市)へのシャウトアウト。
The kids are going to school, the grass is frosty
子供たちは学校へ向かい、芝生には霜が降りている
(This should be my) Let's take it on, on the ride-ide out
(これが俺の)さあ、ドライブに出かけようぜ
(Theme song) In the morning
(テーマソングだ)この朝にな
(To life) Hello Cleveland
(人生の)ハロー、クリーブランド
(Hahah) Yeah
[Verse 1: Chip Tha Ripper]
A nigga like me be so gone
俺みたいな奴は、完全にトんでるのさ
Eyes so low that a nigga gotta throw his locs on
目が座っちまってるから、ロークをかけなきゃいけないんだ
※「locs」はギャングスタやハスラーが愛用する黒いサングラス(ローク)。マリファナで目が充血し、まぶたが重くなっている(Eyes so low)のを隠すためのアイテム。
"Wonder what them folks on?" That's what they be askin'
「あいつら、何をキメてるんだ?」連中はそうやって聞いてくる
Dumb kush we smokes on, smell it when a nigga passin'
俺たちが吸ってるのは最高級のクッシュだ、すれ違うだけで匂いがするだろ
We gettin' to the cash and, you can see a nigga shinin'
俺たちは金を稼いでる、俺が輝いてるのが見えるはずだ
Just a little gold, a couple hoes, couple, two, three diamonds
ちょっとしたゴールドに、何人かの女、それに2、3個のダイヤモンドさ
Up in the hood where you find him
フッドに行けば奴を見つけられるぜ
'Less he out on the road ('Less he out on the road)
奴がツアーに出ていなければの話だがな(ツアーに出ていなければな)
Every show got a bag full of blow and Patron
どのライブでも、コカインの詰まった袋とパトロンを用意してる
※「blow」はコカイン、「Patron」は高級テキーラのブランド。
All my niggas getting throwed like they 'posed to
俺の仲間たちはみんな、当然のように酔い潰れてるんだ
Cause life is short and filled with lots of grief and doubt
だって人生は短くて、たくさんの悲しみと疑念で満ちているから
So I just, pull that bag of colorful frosty leaves on out
だから俺はただ、カラフルで霜が降りたような葉っぱの袋を取り出すのさ
※良質なマリファナ(トリコームが白く結晶化した様子を「frosty」と表現している)のこと。イントロの「the grass is frosty(芝生に霜が降りている)」という情景描写とマリファナの見た目を掛けている。
And free my scalp, I need to free my mind a puff at a time
そして頭の皮を解放する、ひと吸いするごとに心を自由にしてやる必要があるんだ
I'm up all the time, I'm up on the grind
俺はいつだって起きている、いつだってハッスルしている
So a Red Bull and a blunt would be fine
だからレッドブルとブラントがあれば十分さ
Just wanna feel fine, just wanna kill time
ただいい気分になりたいだけだ、ただ暇を潰したいだけさ
Just wanna relax and think of a rhyme
ただリラックスして、ライムを考えたいだけなんだ
Don't really like sippin' cause I get to trippin'
酒を飲むのはあまり好きじゃない、おかしくなっちまうからな
My nigga, just roll up a heap of that pine
なあ兄弟、その松みたいな匂いのウィードを山ほど巻いてくれ
And only bring a little bit for the trip
ドライブに持っていくのはほんの少しだけにしておけよ
Just in case we get blurped by 5-0
万が一、サツにサイレンを鳴らされた時のためにな
※「5-0(ファイブ・オー)」は警察を指すスラング。「blurped」はパトカーのサイレンが短く鳴る音。
"Sir, you look high", I know, but I prefer my eyes low
「お兄さん、ハイになってるようだね」、わかってるよ、でも俺は目が座ってるほうが好きなんだ
※警察官に職務質問された際のシチュエーション。high(気分が高揚している)とlow(目がとろんとしている)を対比させた見事なパンチライン。
[Chorus: Chip Tha Ripper]
And we get higher, and higher
そして俺たちはもっと高く、もっと高く飛ぶ
And higher, and higher
もっと高く、もっと高くへ
And we get higher, and higher
そして俺たちはもっと高く、もっと高く飛ぶ
And higher, and higher
もっと高く、もっと高くへ
You know we get higher, and higher
わかるだろ、俺たちはもっと高く飛ぶんだ
And higher, and higher
もっと高く、もっと高くへ
You know we get higher, so higher
わかるだろ、俺たちはもっと高く、最高に高く飛ぶ
Oh-oh-oh, oh yeah, we get so high
(Oh-oh-oh, oh yeah)、俺たちは最高にハイになるんだ
[Verse 2: Kid Cudi]
Yeah, they say, "Easy friend"
あぁ、連中は言うのさ、「おい、落ち着けよ」って
There he go talkin' 'bout weed again
「あいつ、またウィードの話をしてるぜ」ってな
Probably cause of all that weed in him, yes and no
たぶん奴の体内がウィードだらけだからだろ、それは正解でもあり不正解でもある
※Cudiがマリファナについてばかり歌っているという世間や批評家からのステレオタイプな批判に対する冷静な返し。彼にとってマリファナは単なる娯楽ではなく、鬱や不安に対処するための自己治療(コーピング)の手段であるため、「Yes and no」としている。
Cause and effect is what most don't know
原因と結果の法則なんて、大半の奴らは分かっちゃいないんだ
Doing bad or like Mike said could be doing wrong
悪いことをしてるのか、マイクが言ったように間違ったことをしてるのかもしれない
※「Mike」はおそらくマイケル・ジャクソンを指しており、世間から浴びせられるバッシングや誤解についてのポップカルチャー・リファレンスと解釈されている。
Forget about the obvious context of song
歌の明白な文脈なんて忘れてしまえ
Put your brain where it belong
お前の脳ミソをあるべき場所に置いておけよ
Can't we just all get a bong and tag along?
みんなでボングを回して、仲良くやれないもんかな?
※1992年のロサンゼルス暴動の際、暴行被害を受けたロドニー・キングが放った歴史的な言葉「Can't we all just get along?(みんな仲良くできないのか?)」に、大麻の吸引器具である「bong」を掛け合わせたCudi屈指の巧妙な言葉遊び。
And we float, we kids with hope
そして俺たちは宙を漂う、希望を持った子供たちなんだ
Better to cope when you smoke
煙を吸い込んだほうが、現実に対処しやすいのさ
Dawg, please don't miss
なぁ、見逃さないでくれよ
What a nigga tryna get you thinking 'bout
俺がお前らに何を考えさせようとしてるのかを
We outside because my mama in the house
俺たちが外にいるのは、家の中に母さんがいるからさ
※ストリートのハスラーやラッパーとしてカッコつけていても、実家暮らしの若者は親の目を盗んで外でマリファナを吸うしかないという、微笑ましくもリアルな日常の描写。
Puff-puff-pass with your bitch-ass
お前みたいなビッチ野郎とも、パフ・パフ・パスで回してやるよ
※「Puff-puff-pass」はマリファナのジョイントを2回吸ってから隣の人に回すという世界共通のストーナーのルール。
Back in high school, smoked weed when I cut class
高校時代を思い出すぜ、授業をサボってウィードを吸ってた頃を
And now I'm an addict, tragic, stay rolling up while reclining
そして今や俺は中毒者だ、悲惨なもんだ、椅子にもたれかかりながらずっと巻き続けてる
I be looking down, see my Jesus piece shining
ふと下を見ると、俺のジーザス・ピースが輝いているのが見える
※「Jesus piece」はキリストの顔を象ったゴールドのネックレス。ヒップホップにおける成功の象徴。
Good look, Yeezy, now I stay blinded by that light
ありがとな、イージー、今じゃその光で目が眩みっぱなしだぜ
※「Yeezy」はKanye Westのこと。Kanyeのレーベルと契約し、才能を見出されたことで大金(ジーザス・ピースを買えるほどの成功)を手にした恩人への直接的なシャウトアウト。「光で目が眩む(blinded by that light)」は、ジュエリーの輝きと、マリファナによるハイな状態、そしてKanyeがもたらした名声の光をすべて掛けている。
Somebody pass me that shell to the right
誰か、そのブラントの皮を右回りで俺に回してくれ
Yes, I'm going, I'll be outtie, and you can find me
あぁ、俺は行くよ、もうここからはおさらばだ、俺を見つけてくれよ
I'll be chilling back, I'll be chilling, Jack
俺は後ろでくつろいでるから、くつろいでるぜ、なぁ
Let's go
さあ行こう
[Chorus: Chip Tha Ripper]
And we get higher, and higher
そして俺たちはもっと高く、もっと高く飛ぶ
And higher, and higher
もっと高く、もっと高くへ
And we get higher, and higher
そして俺たちはもっと高く、もっと高く飛ぶ
And higher, and higher
もっと高く、もっと高くへ
You know we get higher, and higher
わかるだろ、俺たちはもっと高く飛ぶんだ
And higher, and higher
もっと高く、もっと高くへ
You know we get higher, so higher
わかるだろ、俺たちはもっと高く、最高に高く飛ぶ
Oh-oh-oh, oh yeah, we get so high
(Oh-oh-oh, oh yeah)、俺たちは最高にハイになるんだ
