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What It Do - Lupe Fiasco 【和訳・解説】

Artist: Lupe Fiasco

Album: Lupe Fiasco’s Food & Liquor (5th Anniversary Edition)

Song Title: What It Do

概要

Lupe Fiascoの歴史的デビューアルバム『Food & Liquor』の5周年記念盤にボーナストラックとして収録された、ファンの間で愛される隠れた名曲である。ビデオゲームを思わせるチープで風変わりなビートに乗せ、Lupeはメディアの洗脳的な大量消費サイクルや、グリーンスクリーン(クロマキー合成)を使って高級車に乗っているかのように見せかける「フェイクなラッパーたち」を痛烈に風刺している。その一方で、自身は「GarageBandで録音し、CB無線で楽曲を垂れ流す」という極端なDIY精神とアンダーグラウンドなスタンスを提示する。さらに、シカゴ最大のストリートギャング「Gangster Disciples(GD)」のシンボルであるピッチフォークを「思考の糧(Food for thought)」を食べるためのフォークに掛け合わせるなど、ナード(オタク)的な知性とストリートの過酷なバックグラウンドをシームレスに融合させる彼特有のリリシズムが爆発した、コンセプチュアルな一曲である。

和訳

[Intro]

Somethin' new
何か新しいものを

Geah, uh
ギヤ、アー

Believe me like you saw me on TV
テレビで俺を見た時のように、俺の言葉を信じてくれ
※大衆が「テレビ(メディア)で放送されていること=真実」と盲信してしまう現代社会への皮肉。

My name is Lu, somethin' new
俺の名前はLu、何か新しいものさ

I show you what it does (what it does)
それがどういうものか見せてやる(どういうものかを)

How it is (how it is)
どんな感じかを(どんな感じかを)

And what it do (what it, do)
そして、どう機能するかをな(どう機能するかを)

[Verse 1]

I saw it on TV, I was told to buy a CD
テレビでそれを見た、CDを買えと言われたんだ

The CD told me buy a TV
するとそのCDが、テレビを買えと俺に言ってきた

The TV that I bought came with a CD that said go and buy the DVD
俺が買ったテレビにはCDが付いていて、DVDを買いに行けと書いてあった

The DVD that I bought came with a CD
俺が買ったDVDにもCDが付いていて

Which was the DVD of the makin' of the TV, that I saw
それは俺が見たテレビ番組の、メイキング映像のDVDだったんだ

Which told me to go and buy the CD in the first place, wait nah
それがそもそも、俺に一番最初のCDを買いに行けって言ってきたんだ、待てよ、いや
※企業のクロス・マーケティングと、終わりのない消費主義のループに陥る大衆の姿をコミカルに描いている。

I put the DVD in the TV so you can see what I saw
俺がDVDをテレビに入れたから、お前も俺が見たものを見ることができる

But wait, it's a CD so you can't see me, odd
でも待てよ、これはCDだからお前には俺の姿は見えない、おかしいな

Maybe I should just come out on DVD like CB, far
いっそのこと、CB4みたいにDVDに出演すべきかもしれないな
※「CB, far」は1993年のコメディ映画『CB4』のこと。クリス・ロック主演の、フェイクなギャングスタ・ラップグループを描いたモキュメンタリー映画。虚飾だらけのラッパーたちをからかっている。

With mad special effects and maybe a CG, car
狂ったような特殊効果と、CGの車でも使ってさ

To ride around in on your TV
お前のテレビの中で、それを乗り回してやるのさ

Bumpin' the CD that I got when I copped the TV
テレビを買った時に手に入れたCDをガンガン鳴らしながらな

Which is the same TV in my car
それは、俺の車に積んであるのと同じテレビなんだ

[Chorus]

Uh, uh, uh, uh, uh, uh
アー、アー、アー、アー、アー、アー

It’s somethin' new
何か新しいものさ

What up homeboys my name is Lu, Lu, Lu, Lu, Lu, Lu, Lu
調子はどうだホーミーたち、俺の名前はLuだ

I show you what it is, what it did and it what it do
それが何なのか、何をしてきたか、そしてどう機能するかを見せてやる

[Verse 2]

My DVD is gonna come with a CD, too
俺のDVDにも、CDが付いてくる予定だ

And music I recorded through a CB
そして、俺がCB無線越しに録音した音楽もな
※「CB」はCitizens Band radio(市民ラジオ)。トラック運転手などが使う安価な通信手段。豪華なスタジオではなく、超DIYな環境で録音しているというアンダーグラウンドなアピール。

You see when I bought the TV I spent the money for the microphone and
ほら、俺はテレビを買った時に、マイクのためにも金を使ったんだ

The home recorders too
ホームレコーダーのためにもな

And the foam that you need for your crew (crew)
そしてお前のクルーに必要な、あの防音フォームも買った (クルー)

That blocks out the noise when your voice's recording you (you)
お前自身の声を録音する時に、ノイズを遮断してくれるやつさ (お前を)

Tell 'em to be quiet 'til the voice recording through (through)
ボーカルの録音が終わるまで、奴らに静かにしてろって伝えな (終わるまで)

Garage band file then export to iTunes
GarageBandのファイルを、iTunesにエクスポートする
※Appleの無料音楽制作ソフト「GarageBand」で曲を作っているという生々しいDIYの描写。

Then burn a CD and put it in the CG car that you saw on your TV
それからCDを焼いて、お前がテレビで見たあのCGの車に突っ込むのさ

But you ain't gotta do that at all you see
だけど、そんなこと一切やる必要はないんだぜ

Cuz the whole CD is being broadcasted on CB, dog
だってこのCDの全編が、CB無線でブロードキャストされてるんだからな、兄弟

Break up break up, eh hee haw
ブレイク・アップ、ブレイク・アップ、エヒホー
※CB無線で会話に割り込む際の決まり文句「Breaker, breaker」のモジリ。「eh hee haw」はカントリー風(トラック野郎風)の掛け声。

They can't do what they see me do
俺がやっていることを見て、奴らに同じことはできやしない

But I'm the dude that's easy/Eazy too
でも俺は、気楽な(イージーな)男でもあるのさ

Like I'm Eazy Juniorrrrrr
まるで俺がイージー・ジュニアであるかのようにな
※N.W.A.の伝説的ラッパーEazy-Eと、その息子Lil Eazy-Eへの言及。Eazy-Eが自らのインディペンデント・レーベルで成功を掴んだように、Lupe自身も独立したスタンスを持っていることの表明。

When the CD starts, better tune in
CDが始まったら、周波数を合わせるんだな

Or you gotta watch the reruns
さもないと、再放送を見る羽目になるぜ

Homie this is food for thought
兄弟、これは思考のための糧だ

Better put it on your fork like GD Hooverrrrrrrr-ah
GDのフーバーのように、お前のフォークに刺しておくんだな
※シカゴ最大のストリートギャング「Gangster Disciples(GD)」の創設者、ラリー・フーバー(Larry Hoover)への言及。GDのシンボルマークの一つが「ピッチフォーク(三又の槍)」であり、「思考の糧(Food for thought)」を食べるための「フォーク」と、ギャングのシンボルの「フォーク」を掛け合わせた、シカゴ出身のLupeならではの超絶的なパンチライン。

[Chorus]

Uh, uh, uh, uh, uh, uh
アー、アー、アー、アー、アー、アー

It’s somethin' new
何か新しいものさ

What up homeboys my name is Lu, Lu, Lu, Lu, Lu, Lu, Lu
調子はどうだホーミーたち、俺の名前はLuだ

I show you what it is, what it did and it what it do (do, do, do, do, do)
それが何なのか、何をしてきたか、そしてどう機能するかを見せてやる

What up homegirls my name is Lu, Lu, Lu, Lu, Lu, Lu, Lu
調子はどうだガールズたち、俺の名前はLuだ

I show you what it is, what it did and it what it do (do, do, do, do, do)
それが何なのか、何をしてきたか、そしてどう機能するかを見せてやる

[Verse 3]

Now that's two TV's that's in my car
さて、俺の車には2台のテレビが積んである

That’s not really real man that's really a fraud
それは本物なんかじゃないぜ、完全にフェイクさ

It’s from the green screen
グリーンスクリーン(合成映像)から生まれたものだからな
※ミュージックビデオで高級車に乗っているように見せかける、他のラッパーたちの見栄っ張りを暴露している。

My CD might not pump on your block
俺のCDは、お前のブロック(地元)じゃ鳴り響いていないかもしれない

But at the truck stop man I'm really a star
だがトラックの休憩所じゃ、俺はマジでスターなんだぜ
※1・2バース目で提示した「CB無線」の文脈。メインストリームのフッドではなく、CB無線を愛用するトラック野郎たちの間で支持されているという自虐的なユーモア。

So how you gonna act now?
それで、お前はこれからどう振る舞うつもりだ?

Same music homeboys hollin' in the background (yo!)
背景でホーミーたちが叫んでいるのと同じ音楽さ (ヨゥ!)

See I had to lay the smack down
ほら、俺は痛い目を見せてやらなきゃならなかった

Act like a X addict
エクスタシー中毒者のように振る舞いな
※「X」は合成麻薬のMDMA(エクスタシー)。ハイになって我を忘れたように振る舞うこと。あるいは「元・中毒者(ex-addict)」との掛詞。

Act now gateway off to the next habitat (habitat)
さあ行動しろ、次の生息地へ向かうゲートウェイさ (生息地)

Couldn’t match it now I'm laying that down like a mat now (ooh!)
これに匹敵する奴はいなかった、だから俺はマットのようにこいつを敷き詰めている (ウー!)

And checkin’ for me, now they pat down like a Howard Gap found
そして俺をチェックする、今じゃ奴らは銃(ガット)が見つかる時のように俺をボディチェックしてくるのさ
※公式の歌詞では「Howard Gap found」と表記されていることが多いが、ヒップホップファンの間では「how a gat found(どうやって銃が見つかるか)」の聞き間違い(Transcription error)であると解釈されている。「gat(銃)」を探すための厳重なボディチェック(pat down)の比喩。

I was hidin' in my shoes, with me and my two crews
俺は自分の靴の中に隠れていた、俺と2つのクルーと一緒にな

We took from other things you ain't finding in the stew
俺たちは、お前らがスタジオじゃ見つけられないような別の場所から要素を持ち込んだんだ
※「stew」はstudio(スタジオ)のストリートスラング。ヒップホップの枠に囚われない多様なカルチャー(アニメやスケートなど)を取り入れていること。

That’s why's no booth and I'm rhymin' in the Lou, still buying the CD
だからブースなんてない、俺はトイレでライミングしているのさ、それでもお前はCDを買うんだろ
※「the Lou」はLupe自身の内面(Lu)、またはトイレ(loo)のダブルミーニング。立派な録音ブースがなくても俺の音楽は売れるという自信。

That’s why I catch 'em rhymin' in to me while they rhymin' in they room
だからこそ、奴らが自分の部屋でライミングしている時に、俺の真似をしているのを見つけることができるんだ

Now I'm off to Caloon for some rhymin' and some tea
さあ、俺はライムとお茶を楽しむために九龍(カオルーン)へ出かけるぜ
※「Caloon」は香港の九龍(Kowloon)。Lupeのカンフー映画やアジア文化への愛。

My pinky up on my tea cup
ティーカップを持つ時は、小指を立ててな
※ストリートのラッパーでありながら、英国の伝統的な紅茶の飲み方(小指を立てる)をするという、彼の特異で上品なキャラクター表現。

If you play the DVD at the same time that you start the CD
もしお前が、CDの再生と同時にDVDを再生したなら

You gon' see that they sync up
それらが完全にシンクロしているのが分かるはずさ
※ピンク・フロイドのアルバム『狂気(Dark Side of the Moon)』を映画『オズの魔法使』と同時に再生すると完璧にシンクロするという有名な都市伝説(Dark Side of the Rainbow)へのオマージュ。

And if you happen to doubt, just play the CD while you watch the TV
そしてもしお前が疑うのなら、テレビを見ながら俺のCDを再生してみな

And you gon' see that I'm doing what I'm rappin' about
そうすれば、俺がラップしている通りのことを、現実にやっているのが分かるはずさ
※グリーンスクリーンでフェイクな映像を作るラッパーたちとは違い、自分は言行一致のリアルな存在であるという宣言(第4の壁の突破)。

[Chorus]

Uh, uh, uh, uh, uh, uh
アー、アー、アー、アー、アー、アー

It’s somethin' new
何か新しいものさ

What up homeboys my name is Lu, Lu, Lu, Lu, Lu, Lu, Lu
調子はどうだホーミーたち、俺の名前はLuだ

I show you what it is, what it did and it what it do (do, do, do, do, do)
それが何なのか、何をしてきたか、そしてどう機能するかを見せてやる

What up homegirls my name is Lu, Lu, Lu, Lu, Lu, Lu, Lu
調子はどうだガールズたち、俺の名前はLuだ

I show you what it is, what it did and it what it do (do, do, do, do, do)
それが何なのか、何をしてきたか、そしてどう機能するかを見せてやる