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Em Calls Paul (Skit) - Eminem 【和訳・解説】

Artist: Eminem

Album: Encore

Song Title: Em Calls Paul (Skit)

概要

アルバム『Encore』に収録された本作「Em Calls Paul (Skit)」は、前出のスキット「Paul (Skit)」に対するエミネムからの痛烈なアンサー(留守番電話メッセージ)である。先行シングル「Just Lose It」のミュージックビデオでマイケル・ジャクソンをパロディ化したことに対するMJ本人の激怒とクレームに対し、エミネムは謝罪するどころか、マイケルのヒット曲のタイトルを10曲以上も繋ぎ合わせた見事な言葉遊びで挑発を打ち返す。さらに、整形手術や児童虐待疑惑を暗にほのめかす過激なブラックジョークを交えつつ、トイレの中からメッセージを残すという徹底した悪ふざけを見せつける。後半ではアルバムの不穏な結末(ショーの終わり方)を予告し、マネージャーのポールが懸念していた「新しい銃」の噂も軽くあしらうなど、当時の彼の無軌道なペルソナと狂気が凝縮された、巧妙かつ物議を醸すスキットである。

和訳

[Spoken: Eminem]

Ayo Paul, it's Em
エイヨウ、ポール、エムだ

I got your call about the Michael Jackson thing
マイケル・ジャクソンの件についての電話、聞いたぜ

And I know that he's not thrilled about the video
あいつがビデオのことでいい気分じゃないのも分かってる

What, does he wanna be startin' somethin'?
なんだ、あいつは何か始めたいのか?
※マイケル・ジャクソンの1982年の楽曲「Wanna Be Startin' Somethin'」のタイトルを引用した挑発。

Wow, well, I'll show him who's really bad
ワオ、まあいい、どっちが本当にバッドか思い知らせてやるよ
※マイケルの名曲「Bad」の引用。「どっちが本当にタチが悪い(Bad)か」というダブルミーニング。

Paul, the way you make me feel with these calls
ポール、こんな電話で俺にどんな思いをさせているか
※マイケルの楽曲「The Way You Make Me Feel」の引用。

You should really take a look at the man in the mirror and tell him to beat it, because I won't stop 'til I get enough
鏡の中の男をよく見て、とっとと失せろって言ってやれよ、だって俺は満足するまでやめないからな
※「Man In The Mirror」「Beat It」「Don't Stop 'Til You Get Enough」というマイケルの特大ヒット曲3曲のタイトルを、1つの自然な文章の中にシームレスに組み込んでいる極めて高度な言葉遊び。

Do you remember the time?
あの時のことを覚えてるか?
※マイケルの楽曲「Remember The Time」の引用。

We were watching the "Billie Jean" video
俺たちで「ビリー・ジーン」のビデオを見てた時のことをさ
※マイケルの代表曲「Billie Jean」への言及。

Well, he'll always be that Michael to me and it doesn't matter if he's black or white because I can't stop loving him
まあ、俺にとって彼はいつまでもあのマイケルだし、彼が黒かろうが白かろうが関係ない、だって彼を愛さずにはいられないからさ
※楽曲「Black Or White」「I Just Can't Stop Loving You」の引用。尋常性白斑や度重なる整形によって黒人から白人へと容姿が激変したマイケルへの痛烈な皮肉。

And I hate plastic surgeons, and I hope they all fucking die
俺は整形外科医が嫌いだし、あいつら全員クソ死ねばいいと思ってる
※崩壊していくマイケルの容姿について、本人のせいではなく「整形外科医が悪い」と擁護するフリをした強烈なブラックジョーク。

How do you like that?
これでどうだ?

And I like him, I like him a lot
俺は彼が好きだ、すごく好きなんだ

I wanna' touch him, but I can't
彼に触れたいけど、できないんだ
※当時のマイケルに向けられていた最大のタブーである「児童への性的虐待疑惑」を揶揄する極めて過激なジョーク。

Excuse me, I'm taking a shit, sorry
悪い、今ウンコしてるところなんだ、ごめんな
※大御所であるマイケルからのクレームに対し、文字通りトイレで排泄しながら対応しているという究極の侮辱(ディスリスペクト)。

Anyways, call me back
とにかく、折り返し電話してくれ

I have this idea about how I want to end the show
ショーをどうやって終わらせるかについて、ちょっとしたアイデアがあるんだ
※このアルバム『Encore』の最終曲「Encore / Curtains Down」での狂気的な結末(観客席に向かって銃を乱射し自殺する演出)を示唆する不穏な伏線。

So, hit me when you get this message, fucker
だから、このメッセージを聞いたら連絡しろよ、クソ野郎

Oh, and by the way, no, I don't have a new gun
ああ、それから、いや、新しい銃なんて持ってないぜ
※前スキット「Paul (Skit)」でポールが言及した「新しい銃を手に入れたという噂」に対する返答。直前の「ショーの終わり方のアイデア」と矛盾しており、明らかに嘘をついていることがリスナーに伝わる仕掛け。

(God damn it)
(クソったれ)
※ヒップホップファンの間では、銃を持っていないと嘘をついたことに対する自分へのツッコミ、あるいはこれからの凶行に向けた苛立ちの表現だと解釈されている。