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Shitsville - Freddie Gibbs & Madlib 【和訳・解説】

Artist: Freddie Gibbs & Madlib

Album: Piñata

Song Title: Shitsville

概要

アルバム『Piñata』(2014)に収録された本楽曲「Shitsville」は、Freddie Gibbsの地元であるインディアナ州ゲーリーの過酷なゲットーの環境を「クソみたいな街」と皮肉を込めて描き出した重厚なトラックである。Madlibの緊迫感あるストリングスと重たいベースラインに乗せ、Gibbsは貧困、クラック・エピデミック、そして偽善的な社会への怒りを冷徹なフロウで叩きつける。特に2バース目で展開される「黒人には港も船もないのに、どうやってドラッグが輸入されたのか」という政府やCIAの関与を仄めかすコンシャスな問題提起は、彼が単なるストリートのハスラーではなく、社会構造の闇を見透かした鋭利な観察者であることを証明している。誰もが同じように苦しみ、同じように罪を背負っているという強烈なメッセージが、聴く者の道徳心を揺さぶる名曲だ。

和訳

[Verse 1]

Niggas ain't gon' shit then get the fuck up off the toilet stool
クソもする気がないなら、とっとと便座から退きな
※「shit or get off the pot(行動を起こすか、さもなくば退け)」という古いことわざをもじり、口だけでハッスルしない連中を便所(Shitsvilleのメタファー)に例えて一蹴している。

Bent behind my tinteds, I commence to take these boys to school
スモークガラスの奥で酔いながら、俺はこいつらに授業を始める
※「take someone to school」はストリートの現実やラップの技術を圧倒的な実力で教え込むというヒップホップの定番表現。

Don't drive no yellow bus but I got mayonnaise and mustard
黄色いスクールバスには乗ってないが、俺の車にはマヨネーズとマスタードがかかってる
※「mayonnaise and mustard」は、側面に白いリボン(マヨネーズ)と黄色いライン(マスタード)が入ったキャデラックなどで人気の高級タイヤ(ヴォーグ・タイヤ)を指すストリート・スラング。スクールバス(黄色)と授業(school)のメタファーからの見事な言葉遊び。

Both tires gold-wired on my Chevrolet bucket
俺のボロいシボレーのタイヤには両方ともゴールドのワイヤーホイールが輝いてるぜ

And now my transmission leaking and my rear suspension squeaking
今じゃトランスミッションはオイル漏れを起こし、リアサスペンションは軋んでる

Drop a rock off to my geeker, fix my shit man, I'm out here creeping
ヤク中におはじきを渡し、俺の車を直させる、俺はここでコソコソ動き回ってるんだ
※「rock」はクラック・コカイン。「geeker」はクラック中毒者。金がないため、車の修理代をコカインの現物支給で済ませているゲットーのリアルな経済事情。

Twist that shit but I'm out here tweaking for that 20 twin twin
ジョイントを巻け、だが俺はここで20ドルのやつのために奔走してるんだ
※「20 twin twin」は20ドル分のクラック・コカインのこと。

Kick that shit in '95 while watching "Friday" with my friends
95年にはダチと一緒に映画「フライデー」を観ながらマリファナを吹かしてたな
※アイス・キューブ主演のフッド・コメディ映画『Friday』(1995年公開)。古き良きストリートの青春時代の回想。

Fucked your bitch in '96, hit the pussy for 6 minutes
96年にはお前のビッチを抱いた、6分間あの股を突いてやったよ

Said the dick was everything she envisioned on each visit
あいつは会うたびに、俺のモノが自分の理想通りだと言ってたぜ

Papa kept his condoms in his bottom drawer, they for his bottom ho
親父は一番下の引き出しにコンドームを隠してた、一番底辺のビッチに使うためにな
※「bottom drawer(一番下の引き出し)」と「bottom ho(ポン引きにとって一番稼げない、またはお気に入りの底辺の娼婦)」を掛けた表現。

I stole that shit when I was out, I wonder if my mama know
俺が出かける時にそれを盗んだんだ、母さんは知ってたのかな

I wonder if she found the dimes and nickels in my Nike box
俺のナイキの箱に入ってた10ドルと5ドルのパケを見つけたのかな

I wonder if she know her older brother like to light them rocks
自分の兄貴があの石を炙るのが好きだってことを知ってたのかな
※Gibbsの叔父がクラック中毒であったという家族の暗い秘密。家族の誰もがドラッグの影から逃れられない現実。

I wonder if she able to get by if I get killed
もし俺が殺されたら、母さんはなんとか生きていけるのかな

Told her I was just knee-deep in the shit
母さんには、俺はただこのクソの中に膝まで浸かってるだけだと伝えた

Welcome to Shitsville, nigga
シッツヴィルへようこそ、なあ

[Chorus]

You wake up everyday and pray before you sleep, right?
お前らも毎日目を覚まし、眠る前には祈りを捧げてるんだろ?

You motherfuckers just like me
お前らクソ野郎どもは、俺と全く同じだ

You shed tears when you hurting; if I cut you then you bleed, right?
傷つけば涙を流し、俺が切りつければ血を流すんだろ?

You motherfuckers just like me
お前らクソ野郎どもは、俺と全く同じだ

But bitch you acting like your shit don't stink (shit's real)
だがビッチ、お前は自分のクソは臭くないような顔をしてやがる
※「acting like your shit don't stink」は自分だけは罪を犯していない、または他人より優れていると見下す偽善的な態度のこと。

Bitch you acting like your shit don't stink (Shitsville)
ビッチ、お前は自分のクソは臭くないような顔をしてやがる(シッツヴィルだ)

I said you acting like your shit don't stink (shit's real)
お前は自分のクソは臭くないような顔をしてやがるって言ってんだ

Bitch you acting like your shit don't stink (welcome to Shitsville, nigga)
ビッチ、お前は自分のクソは臭くないような顔をしてやがる(シッツヴィルへようこそ、なあ)

[Verse 2]

Niggas ain't gon' shit, then get the fuck up off the pizz-ot
クソもする気がないなら、とっとと便座から退きな

Got Os of loud in my living room like I was Lennox
俺の居間には強烈なウィードが何オンスもある、まるで俺がレノックスであるかのようにな
※「Os」はオンス(Ounces)の略。「loud」は匂いの強い上質なマリファナ。「Lennox」は伝説的なヘビー級ボクサー、レノックス・ルイスのこと。相手から大量の「Os(KOs=ノックアウト)」を奪ったルイスと、大量の「Os(オンス)」を持っている自分を掛けた鮮やかなパンチライン。

Trapped a nigga and his wife for his wallet and his wristwatch
ある男とその妻を罠にかけ、財布と腕時計を奪い取ってやった

And they say I might do life in jail for kidnap, bitch
それで俺は誘拐の罪で終身刑になるかもしれないってよ、ビッチ

I did not give a single solitary fuck
俺はそんなこと、これっぽっちも気にしちゃいなかった

I stand on all ten toes, one dick and two nuts, don't do yayo or shoot up
俺は10本の足の指でしっかり立ち、1本のイチモツと2つのタマを持ってる、イェヨもやらないし注射も打たない
※「stand on all ten toes」はストリートで地に足をつけて自立し、決して後退しない男の覚悟を示す表現。「yayo」はコカイン。ハードドラッグは売るだけで自分では決して使わないというハスラーの鉄則。

But I went back and forth with some work and went through a few plugs
だが俺は何度かブツを運び、いくつかのコネクションを渡り歩いてきた

This white devil society dare a nigga to do drugs
この白人至上主義の社会は、あえて黒人たちにドラッグをやらせようとしてるんだ

And dare yo ass to deal 'em, distribute and conceal 'em
そしてあえてお前らにそれを売らせ、捌かせ、隠蔽させようとしてる

My niggas don't got no boats or no ports, how you think we get 'em?
俺たち黒人は船も港も持っちゃいない、どうやってドラッグを手に入れてると思う?
※コカイン・エピデミックの背後にはCIAや政府の陰謀があり、意図的にゲットーに麻薬が持ち込まれたという、ヒップホップコミュニティにおける痛烈な社会批判。

Crack was black America's cup of coffee in the beginnin'
最初、クラックはブラック・アメリカにとっての1杯のコーヒーだった
※クラックがいかに黒人社会に蔓延し、朝のコーヒーのように誰もが依存する日常的なものへと意図的に仕向けられたかを表現した、この曲最大のパンチライン。

When they crept up when you waking, you crackers can fight the feelin'
お前らが目を覚ます時に奴らが忍び寄ってきても、お前ら白人はその衝動に抗えるんだろうな
※白人層(crackers)は恵まれた環境と特権があるためドラッグの誘惑から逃れられるが、ゲットーの黒人にはその選択肢すらないという格差を指摘している。

Motherfuck euthanasia, I'll lace your food up with razors
安楽死なんかクソ食らえだ、お前の飯にカミソリの刃を仕込んでやる

Make you gargle with saltwater, excuse yourself from my table
塩水でうがいをさせてやる、俺のテーブルからは席を外しな

I fathered these fuck niggas with fables, pussy, I been real
俺は作り話でこのクソ野郎どもを育ててやったんだ、腰抜けめ、俺はずっと本物だ

Good on any street up shit's creek in Shitsville, nigga
シッツヴィルのクソ溜めの川を上るどんなストリートでも、俺は通用するんだよ、なあ
※「up shit's creek」は絶体絶命のピンチにあることを示す慣用句。どんな悲惨な状況下でも生き抜いてみせるというサバイバーとしての自負。

[Chorus]

You wake up everyday and pray before you sleep, right?
お前らも毎日目を覚まし、眠る前には祈りを捧げてるんだろ?

You motherfuckers just like me
お前らクソ野郎どもは、俺と全く同じだ

You shed tears when you hurting; if I cut you then you bleed, right?
傷つけば涙を流し、俺が切りつければ血を流すんだろ?

You motherfuckers just like me
お前らクソ野郎どもは、俺と全く同じだ

But bitch you're acting like your shit don't stink (shit's real)
だがビッチ、お前は自分のクソは臭くないような顔をしてやがる

Bitch you acting like your shit don't stink (Shitsville)
ビッチ、お前は自分のクソは臭くないような顔をしてやがる(シッツヴィルだ)

I said you acting like your shit don't stink (shit's real)
お前は自分のクソは臭くないような顔をしてやがるって言ってんだ

Bitch you acting like your shit don't stink (welcome to Shitsville, nigga)
ビッチ、お前は自分のクソは臭くないような顔をしてやがる(シッツヴィルへようこそ、なあ)

[Bridge]

Cheat on your girl, your wife, sneak out and fuck hoes
自分の彼女や妻を裏切り、こっそり抜け出してビッチどもとヤる

You motherfuckers just like me
お前らクソ野郎どもは、俺と全く同じだ

Drink all the liquor, blow weed, probably play with your nose
酒を飲み干し、ウィードを吹かし、たぶん鼻から粉を吸ってるんだろ

You motherfuckers just like me
お前らクソ野郎どもは、俺と全く同じだ

I said you motherfuckers just like me
お前らクソ野郎どもは俺と全く同じだって言ってんだ

I said you motherfuckers just like me
お前らクソ野郎どもは俺と全く同じだって言ってんだ

I know you motherfuckers just like me
お前らクソ野郎どもが俺と全く同じだってことは分かってる

You ain't no better, hell, you're just like me
お前らは俺より優れてなんかいない、そうさ、俺と全く同じなんだ

[Outro: Ramsey Henry]

I said hold on bitch, you travelling too fast
俺は言ったんだ、待てよビッチ、お前は生き急ぎすぎてるってな
※ここからはブラック・コメディアンのRamsey Henryによる、70年代のピンプ(ポン引き)カルチャーを色濃く反映したスポークン・ワード(語り)のサンプリング。

I'm supposed to be dragging my foot out your motherfucking ass
俺はお前のクソみたいなケツから足を引っ張り出さなきゃいけないんだぜ

Said bitch I'm known from the Golden Gates of Frisco to the Eagle Pass
ビッチ、俺はサンフランシスコのゴールデン・ゲートからイーグル・パスまで名を轟かせてるんだ

I'm known to play big time landlords
俺は大物地主を演じることでも知られてる

Kick chicken-shit hoes right in their motherfucking ass
臆病者のクソビッチどものケツを思いきり蹴り上げてやるのさ

And if my luck continues to hold out in the future like it has in the past
そしてもし俺のツキが、過去と同じように未来でも続くようなら

Imma continue to kick you chicken-shit hoes right in your motherfucking ass
俺はこれからもお前ら臆病者のクソビッチどものケツを蹴り上げ続けるだろうぜ

Said bitch this is the worlds of wonder
ビッチ、これは驚異の世界なんだぜ

Long dick book-bender, all-night-grinder
長尺のイチモツでルールを捻じ曲げる男、一晩中腰を振る男

Wound-finder, sheet-shaker
弱みを見つける男、シーツを揺らす男

Babymaker and money-taker, bitch
赤ん坊を作らせる男、そして金を搾り取る男だ、ビッチ