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Kill The Geese - Joji 【和訳・解説】

Artist: Joji

Album: Piss In The Wind (Deluxe)

Song Title: Kill The Geese

概要

本作「Kill The Geese」は、サウンドクラウド時代やPink Guyとしての活動から、現在のメランコリックなオルタナティブR&Bシンガーへと脱皮していく過渡期の空気感を色濃く残している。アコースティックでローファイなビートに乗せて歌われるのは、他者への無関心と、過去の恋愛から抜け出そうともがく泥臭い姿である。タイトルの「Geese(ガチョウ)」は、群れて騒ぎ立てる周囲のノイズや鬱陶しい人間関係の隠喩であり、それらをシャットアウトして自己の世界(Plaza=広場というオープンでありながら孤独を感じる空間)に引きこもり、精神の均衡を取り戻そうとする彼特有の虚無的なペルソナが描かれている。ファンの間では、荒削りながらも詩的な情景描写が光る、Jojiの隠れたリリシズムを堪能できるトラックとして愛されている。

和訳

[Chorus]

Fuck em' all, smoking gas, in the mall, in the plaza
奴らなんて全員クソくらえだ、モールや広場でウィードを吹かす
※「smoking gas」は高品質なマリファナを吸うことのスラング。周囲の喧騒(Geese)を遮断し、ドラッグによって現実逃避を図る自堕落で投げやりな態度を示している。

In the fall, like a ghost, I been harboring the most
秋には、まるで幽霊のように、俺は誰よりも重いものを抱え込んできた
※「harboring」は感情や秘密を心に隠し持つこと。自分が幽霊のように透明な存在に感じられるほどの孤独感の中で、鬱屈とした感情を一人で抱え込んでいる。

[Verse 1]

On the road, through the growth, had to crawl through the valley
道を抜け、草木を掻き分け、谷底を這い進むしかなかった
※「valley(谷)」は人生のどん底や精神的なスランプの隠喩。もがき苦しみながらキャリアや人生を進んできた過去のトラウマを暗示している。

In the forest, little frog, I’m sticking to the walls
森の中の小さなカエルのように、俺は壁に張り付いてやり過ごしている
※「little frog(小さなカエル)」という弱く無防備なモチーフを用い、周囲から身を隠すように息を潜めて生きている様子を描写している。インターネットの狂騒から距離を置きたかった当時のJojiの心境が反映されているという考察もある。

[Pre-Chorus]

Okay, okay, okay, okay
分かった、分かってるさ
※自分自身に言い聞かせるような、あるいは現状に対する半ば諦めのようなニュアンスを持つ呟き。

[Chorus]

Fuck em' all, smoking gas, in the mall, in the plaza
奴らなんて全員クソくらえだ、モールや広場でウィードを吹かす

In the fall, like a ghost, I been harboring the most
秋には、まるで幽霊のように、俺は誰よりも重いものを抱え込んできた

[Post-Chorus]

Okay, okay, okay, okay
分かった、分かってるさ

[Verse 2]

I am in the plaza and I'm tryna get right
俺は広場にいて、どうにか正気を取り戻そうとしている
※「get right」は精神状態を正常に戻す、立ち直るという意味。人が行き交う「広場(plaza)」に一人佇みながら、失恋の痛手から回復しようと足掻いている。

I–, I am in the plaza and I’m tryna get right
俺は、広場にいて、どうにか持ち直そうとしているんだ

I said, I am in the plaza and I'm tryna forget about you
言っただろ、俺は広場にいて、君を忘れようとしているんだと

Outside in the plaza, I don't think about you
外の広場にいる時、君のことは考えないようにしている

Umbrellas in the closet, it'll rain without you
クローゼットに傘をしまったまま、君がいなくても雨は降るのだろう
※非常に文学的で美しいパンチライン。「雨(悲しみや試練)」に対して「傘」を用意してくれた相手はもういない。それでも雨は無情に降り続くという、別れの後の冷酷な現実を受け入れようとする姿。

Little holes in the pockets, I ain't holding on to
ポケットには小さな穴が空いていて、俺はもう何も引き留めたりはしない
※「ポケットの穴」は、記憶や未練がポロポロとこぼれ落ちていく様を表す見事なメタファー。執着を手放し(あるいは諦め)、喪失を受け入れる精神的な変化を示している。

I am in the plaza and I'm tryna get–
俺は広場にいて、どうにかして…

I am in the plaza and I'm tryna get right
俺は広場にいて、正気を取り戻そうとしているんだ

[Chorus]

Fuck em' all, smoking gas, in the mall, in the plaza
奴らなんて全員クソくらえだ、モールや広場でウィードを吹かす

In the fall, like a ghost, I been harboring the most
秋には、まるで幽霊のように、俺は誰よりも重いものを抱え込んできた

[Post-Chorus]

Okay, okay, okay, okay
分かった、分かってるさ