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Till the End - Logic 【和訳・解説】

Artist: Logic

Album: Under Pressure

Song Title: Till the End

概要

メリーランド州出身のラッパー、Logicのデビュー・スタジオアルバム『Under Pressure』(2014年)を締めくくるアウトロトラックである。S1とM-Phazesによるプロデュースで、メランコリックなピアノループと重厚なドラムが絡み合うブーンバップ・サウンドが展開される。この楽曲は、地下室での無名時代からDef Jamとのメジャー契約、そしてワールドツアーへと至る自身のキャリアの軌跡を総括する、文字通りのステートメントとなっている。他アーティストの客演(ラップフィーチャー)を一切入れず、全編自身のラップのみでアルバムを構成したことへの自負や、自身のレーベルVisionary Music Group(VMG)とメジャーレーベルとの契約におけるプレッシャーと野心が赤裸々に語られている。曲の終盤には、過酷な過去を乗り越えた者へ向けた牧師の説教のサンプリングが挿入され、アルバムのテーマである「プレッシャーの下での成長と救済」を見事に完結させている。アルバムを案内してきたAI「Thalia」の最後の言葉と共に幕を閉じる、彼の初期キャリアの集大成と言える一曲だ。

和訳

[Verse 1]

It's the type of shit that they read about
これは奴らが記事で読むような代物さ

Like Chris said, I gotta bleed it out
クリスが言ったように、俺は血を流す(全てを絞り出す)必要があるんだ
※「Chris」はLogicのマネージャーでありVMGの創設者であるChris Zarouのこと。アーティストとしての魂を削って作品を作るよう助言されたことを示している。

I've been in the zone, I can't be without
俺はずっとゾーンに入ってる、これなしじゃ生きられない

This real shit that I be about
俺が表現しているこの本物の音楽なしじゃな

I'm a visionary, that's long-term
俺はヴィジョナリー(先見の明がある者)だ、それは長期的な話さ

But Def Jam said they need it out
だがDef Jamは早く出せと言ってくる
※自身のレーベル名(Visionary)に掛けて長期的な芸術性を重んじる姿勢と、売り上げのために早くリリースを急かすメジャーレーベル(Def Jam)の商業主義との軋轢。

If I rush this shit, I might be without
もしこの作品を急いで作れば、俺は何も持たないことになるかもしれない

But I need a vision, can't see without
だが俺にはヴィジョンが必要なんだ、それなしじゃ先が見えないからな

I've been patient, never complacent
俺はずっと忍耐強くやってきた、決して現状に満足したりはしない

Left the underground when I left the basement
地下室(ベースメント)を出た時に、アンダーグラウンドを抜け出したんだ
※Big Lenboの家の地下室でミックステープを作っていた時代(アンダーグラウンド)から、メジャーシーンへと這い上がった過去の回想。

That's renovation, I spit this verse like a revelation
それが革新(リノベーション)さ、俺は啓示(レベレーション)のようにこのヴァースを吐き出す

On the road with Kid Cudi and B-I-G
キッド・カディやビッグ・ショーンと一緒にツアーに出て
※Kid Cudiの「The Cud Life Tour 2013」にBig Seanと共に帯同した事実へのリファレンス。

Conversations with No I.D
ノー・I.D.と言葉を交わす
※Kanye WestやJAY-Zを手掛けた伝説的プロデューサーであり、当時Def Jamの副社長としてLogicと契約を結んだNo I.D.のこと。

Who made hits with Ye, got hits with Jay
カニエ(Ye)とヒットを飛ばし、ジェイ・Z(Jay)とヒットを生み出した男

Now he wanna fuck around and make hits with me
今度はそいつが、俺と一緒に遊んでヒットを作りたいって言うんだ

If it's meant to be, then it's meant to be
もしそうなる運命なら、そうなる運命なんだ

Can't express what that meant to me, what it mean to me
それが俺にとってどんな意味だったか、今どんな意味を持っているか、言葉じゃ表せないよ

Man, I swear the shit like a dream to me, what it seemed to be
なあ、誓って言うが、まるで夢みたいだった、そう思えたんだ

It's so different now, everything is so different now
今は何もかもが違う、すべてがすっかり変わっちまった

I've been there and I've done that
俺はそこに行って、それをやり遂げてきた

Tell 'em all that I run that, that's a fun fact
奴ら全員に教えてやれ、俺が仕切ってるってな、それは面白い事実(ファン・ファクト)だぜ

And I'm back again 'cause I love this shit
そして俺はまた戻ってきた、この音楽を愛してるからな

Write it down and they publish it
書き留めれば、奴らがそれを世に出す

I went five years without a publicist
俺はパブリシスト(広報担当)なしで5年間やってきたんだ
※メジャー契約までのインディーズ時代、PR会社に頼らずインターネットと口コミ(Word of mouth)だけで強固なファンベース(RattPack)を築き上げたことへの誇り。

'Cause the word of mouth, they in love with this
口コミのおかげさ、みんな俺の音楽に惚れ込んでるからな

I've been dreaming, I've been scheming
俺はずっと夢を見て、ずっと企んできた

Went away a while but I've been fiending
しばらく姿を消していたが、ずっと渇望していたんだ

I've missed the fam, but they know the deal
家族(ファン)が恋しかったが、奴らも状況は分かってるさ

Been at it way before the deal
レコード契約を結ぶずっと前からやってきたんだ

Now the music got mass appeal
今や俺の音楽はマスアピール(大衆への訴求力)を持ってる

My main girl got ass appeal
俺の本命の女は魅力的なケツ(アスアピール)を持ってるぜ

Like I feel the vibe, that's the main thing
ヴァイブスを感じる、それが一番重要なことだ

Little fish, that went mainstream
小さな魚が、メインストリームへと躍り出たのさ

Now I'm big as fuck
今じゃ俺はクソほどデカくなった

My whole city, they know what's up
俺の街全体が、何が起きてるか分かってるぜ

I'm unseen and I'm in the cut about extra shit
余計な揉め事に関しては、俺は姿を見せず、人目につかない場所にいる

I don't give a fuck
知ったこっちゃないからな

When I'm on the phone, don't interrupt
俺が電話してる時は、邪魔をするな

If I'm talking business, I might erupt
ビジネスの話をしてる時なら、爆発するかもしれないぜ

If you're at the show, put your lighter up
ライブに来てるなら、ライターを掲げな

Fuck with me if you're really 'bout it
本当に俺についてくる気があるなら、一緒に行こうぜ

Outsiders, I could do without it
部外者どもは、いなくても構わない

I crept in, got slept on
こっそり忍び込み、過小評価されてきた

Sold out shows, no one knew about it
ソールドアウトのライブをしても、誰もそのことを知らなかった

When it comes to fucks, I give two about it
気にするかって言われたら、少しは気にするさ
※「not give a fuck(全く気にしない)」をもじり、「give two fucks(少しは気にかける)」とすることで、世間に認められないことへの悔しさを滲ませている。

Your cosign, I could do without it
お前らの保証(フックアップ)なんて、なくてもやっていけるけどな

[Interlude: Dria]

Na, na, na, na, na, na

Na, na, na, na, na, na

[Verse 2]

Okay, last verse, I gotta make it count
よし、最後のヴァースだ、価値あるものにしなきゃな

Won't speak on my bank account
俺の銀行口座のことは話さないでおく

So many commas I'd have to pause
コンマが多すぎて、一息つかなきゃならないからな
※「comma」は金額の桁区切り(1,000,000など)と、文章での読点(ポーズ)のダブルミーニング。莫大な富を得たことのボースティング。

And I can't afford to just waste the bars
それに、リリック(小節)を無駄にしてる余裕はないんだ

Every day, boy, I thank the Lord
毎日、神に感謝している

I got a lot of problems but could have more
問題は山積みだが、もっとひどい状況だってあり得たからな

Wish I spoke to my dad more, my jeweler less
宝石商より、親父ともっと話せたらよかったのにな
※物質的な富(ジュエリー)を得た代償として、複雑な家庭環境の象徴である父親との関係修復に時間を割けなかったことへの後悔。

I been hungry like Budapest
俺はブダペストのようにハングリー(ハンガリー)なんだ
※ハンガリー(Hungary)の首都ブダペストと、飢えている(Hungry)を掛けた古典的なワードプレイ。

Tell me who the best, don't give a fuck
誰が一番かなんて、どうでもいい

I just know I'm blessed
俺はただ、自分が祝福されているって分かってるだけだ

Love life even though I'm stressed
ストレスだらけでも、人生を愛してる

This business boy, I swear a test
このビジネスは、なあ、神に誓って試練だよ

Tell Def Jam if they don't cut the check
Def Jamに伝えておけ、もし小切手を切らない(金を払わない)なら

I'll send Chris to go cut they neck
クリスを送り込んで、奴らの首をかっ切ってやるってな
※マネージャーのChris Zarouの名を出し、メジャーレーベルに対しても一歩も引かない強気なスタンスをアピール。

I love the building, no disrespect
あのビル(レーベル)は愛してるぜ、ディスるつもりはない

But y'all better ride when I'm in effect
だが俺が実力を発揮する時は、お前らもちゃんとついてきた方がいいぜ

That's radio, that's TV, but Visionary got the internet
ラジオやテレビは奴らのものだが、インターネットはVisionaryが押さえてるからな

If y'all fuck around or try to throw the ball to another artist
もしお前らがふざけた真似をして、他のアーティストにボール(チャンス)を投げようとするなら

I'ma intercept, It's my time
俺がインターセプト(横取り)してやる、今は俺の時代だからな

Put half a mil' of my own money in this album
俺の自腹で50万ドル(約5000万円)をこのアルバムに注ぎ込んだ

That's my dime; no rap features, just my rhymes
俺の金だ。ラップの客演は一切なし、俺のライムだけだ
※当時のヒップホップアルバムにおいて、デビュー作に大物ゲストラッパーを呼ばず、全編自身のラップのみで勝負したことへの強烈なプライド。

My story, it's all mine, from the basement to the stadium
俺の物語、それはすべて俺のものさ、地下室からスタジアムへ

From the Roxy to Palladium
ロキシーからパラディウムへ
※The Roxy(ロサンゼルスの小規模クラブ)からHollywood Palladium(大規模コンサートホール)へのステップアップを指す。

I've been there and I've done that; yes, I run that
俺はそこへ行き、それをやり遂げた、ああ、俺が仕切ってる

With this pretty girl on my floor
俺の部屋の床には、可愛い女の子がいて

Half-naked playing Connect Four
半裸でコネクトフォー(四目並べ)をして遊んでる

But I've been trying to throw sex out the window just to connect more
だが俺は、もっと深く繋がる(connect)ために、セックスなんて窓から投げ捨てようとしてるんだ

She so fine, type of girl I wanna fuck her mind
彼女は最高だ、肉体じゃなく、彼女の知性を犯したい(深く理解し合いたい)と思えるような女さ
※単なる肉体関係を超えた、精神的なつながり(サピオセクシャルな関係性)を求める描写。

And then unwind with some slow head
そのあとで、ゆっくりとフェラされてリラックスするんだ

All my homies like, "Go 'head"
ダチはみんな「そのままイケよ」って言ってる

Anyway, it's been a long time
とにかく、長い時間が経ったな

And this here has been a long rhyme, so I gotta go
そしてこれも長いライムになったから、そろそろ行かなきゃな

It's Logic, the one nobody would vouch for
ロジックだ、かつて誰も保証(フックアップ)してくれなかった男さ

How's that shit for an outro?
アウトロとしては、最高にイケてるだろ?

[Interlude: Dria]

Na, na, na, na, na, na

Na, na, na, na, na, na

This is my story, 'til the end
これが俺の物語だ、最後まで

Na, na, na, na, na, na

Na, na, na, na, na, na

This is my story, 'til the end
これが俺の物語だ、最後まで

[Break]

Yeah, yeah, yeah, yeah, yeah, yeah

Y-Yeah, yeah yeah, yeah, yeah, yeah

Yeah, yeah

[Sample]

"Every day that they live and breathe is extended to them!
「彼らが生きて呼吸する毎日が、彼らに与えられた猶予なのです!

They may be misinformed about the truth, they may be misguided— somebody has led them on the wrong path!
彼らは真実について誤った情報を与えられ、道を誤ったのかもしれません—誰かが彼らを間違った道へと導いたのです!

A path of corruption and destruction! But yet, God's mercy every day that they live is extended to them and they have another opportunity to be saved!"
腐敗と破滅の道へ! しかしそれでもなお、神の慈悲は彼らが生きる毎日において与えられており、彼らには救済されるためのもう一つの機会が与えられているのです!」
※貧困、ドラッグ、ギャングスタ・ライフスタイル(腐敗と破滅の道)に陥ったフッドの若者たちに向けた説教のサンプリング。Logic自身が音楽を通じてその道から抜け出し、救済されたことを象徴している。

[Break]

Yeah yeah, yeah, yeah, yeah, yeah

Y-Yeah, yeah yeah, yeah, yeah, yeah

Yeah yeah

Yeah yeah, yeah, yeah, yeah, yeah

Y-Yeah, yeah yeah, yeah, yeah, yeah

Yeah yeah

[Outro: Thalia]

This concludes the Under Pressure program...
これで、Under Pressureプログラムは終了となります...
※アルバム全体をナビゲートしてきたA Tribe Called QuestオマージュのAI音声「Thalia」による最後の言葉。

Arjun Ivatury
アルジュン・アイヴァチュリー
※プロデューサー6ixの本名。アルバムのサウンドスケープを全面的に構築した盟友への最後のシャウトアウトであり、彼のプロデュース・タグ的な役割を果たしている。