Artist: Logic
Album: Under Pressure
Song Title: Metropolis
概要
メリーランド出身のラッパーLogicのデビューアルバム『Under Pressure』(2014年)に収録された本作は、ビル・ウィザースのクラシック「Use Me」の土臭いドラムブレイクを大胆にサンプリングした、哀愁漂うトラベルログ的な一曲だ。プロデューサーのRob Knoxが手がけたビートの上で、Logicはヨーロッパ・ツアーで世界を飛び回る現在の成功と、インディーズ時代の極貧の過去を対比させながら、自身のキャリアを客観的に見つめ直している。タイトルの「Metropolis」は列車で移動する中で車窓から見た都市の風景や、彼が愛する映画的なスケール感を暗示している。歌詞の中ではニコチン(Nikki)への強い依存症状や、ファーストクラスでのレイシズムといったリアルな描写が続く一方、曲の終盤には、列車内で女性(のちに彼の妻となるジェシカ・アンドレア)とクエンティン・タランティーノ映画について熱く語り合うスキットが挿入される。コンシャスなストリートのハスラーでありながら、生粋の映画オタク(Nerd)でもあるという彼特有の多面的なアイデンティティが色濃く表れた傑作である。
和訳
[Verse 1]
Sometimes I feel like I've drifted, I feel different I feel gifted
時々、俺は漂流しているように感じる、自分が特別で、才能に恵まれていると感じる
I've been high so long, don't need to smoke to get lifted
ずっと高いところにいたから、気分を上げるためにハッパを吸う必要はない
I've been under pressure looking for Nikki
プレッシャーの下で、ニッキーを探し続けている
※「Nikki」はニコチン(タバコ)の擬人化表現。プレッシャー(Under Pressure)から逃れるためにタバコを激しく欲している彼のニコチン依存症を示唆。
Whenever she is around, you know I come quickly
彼女が近くにいる時は、すぐに駆けつけるんだ
Vivid memories of Chicago, south side where I go
シカゴの鮮明な記憶、俺が向かうサウスサイド
From Reggies to the House of Blues, progress is the motto
レジーズからハウス・オブ・ブルースへ、進歩がモットーだ
※ReggiesとHouse of Bluesはどちらもシカゴにあるライブハウス。キャパシティの小さい箱から大きな会場へと着実にステップアップしていく彼のキャリアの進化を表現している。
Man the first show that I ever done sold out was in Chicago
なあ、俺が初めてソールドアウトさせたライブはシカゴだったんだ
Yeah, yeah, living like I've been ready to die
ああ、いつ死んでもいい覚悟で生きているように
Maybe not, I don't know why my mind is changing
いや、そうじゃないかもしれない、なぜ自分の考えが変わっていくのか分からない
Rearranging this dangerous melody, uh
この危険なメロディを再構築しながら
Yeah, and I know that ain't nobody finna ever be ahead of me
ああ、誰も俺の先を行くことなんてできないって分かってる
All that competition right there is dead to me
そこらにいるライバルどもなんて、俺にとっては死んだも同然だ
Yeah, uh, yeah, I've been turning the pages
ああ、俺はページをめくり続けてきた
Feeling the vibe, shit is outrageous
ヴァイブスを感じてる、マジでヤバいぜ
Boy, I've been feeling courageous
なあ、勇気が湧いてきているんだ
This shit right here, I've been at it for ages
この音楽、俺はずっと昔からやり続けてきた
Feels like I'm running through mazes
まるで迷路の中を走り抜けているような気分だ
Everybody has they phases
誰にだってそれぞれのフェーズがある
Yeah, vibe with this, bad bitch in the whip and I ride to this
ああ、これにノってくれ、イケてるビッチを車に乗せて、これに合わせて流すんだ
And I'm feeling it uh, hope when I'm forty I'm still in it
最高な気分だ、40歳になってもまだこのゲームの中にいたいと願うよ
One of the few that be killing it, uh
シーンを圧倒している数少ない一人としてな
Yeah, young motherfucker that be giving what he living
ああ、自分の生き様をそのまま音楽で提供する若きクソ野郎さ
On the road to success so you know that I'm driven
成功への道の上だ、俺がどれだけハングリーか分かるだろ
But they didn't wanna publish it
だが奴らは俺を世に出したがらなかった
But right now I'm on some other shit
でも今の俺は、全く別の次元にいる
I'm in a different world, I'm with a different girl
違う世界にいて、違う女と一緒にいる
I'm with the same team, but it's a different scheme
同じチームと一緒だが、戦略は違うんだ
※彼が率いるクルーRattPackはインディーズ時代から変わらないが、メジャーレーベル(Def Jam)に所属したことでゲームの戦い方(scheme)が変わったことへの言及。
Remember back when I couldn't even pay the bills
請求書すら払えなかったあの頃を思い出す
And I'll never forget how that feels back when I would
そして絶対に忘れないさ、あの頃の感覚を、俺がよくやってたことを
[Bridge]
Buy it, break it, roll it, light it, smoke it, inhale it, I'm gone
買って、砕いて、巻いて、火をつけて、吸って、肺に入れて、俺は飛ぶ
※Daft Punkの「Technologic」のようなリズミカルな反復で、ドラッグやタバコを消費する一連のルーティンをフロウで表現している。
Buy it, break it, roll it, light it, smoke it, inhale it, I'm gone
買って、砕いて、巻いて、火をつけて、吸って、肺に入れて、俺は飛ぶ
[Verse 2]
Okay, doing what I gotta do, flying at this altitude
よし、やるべきことをやるだけだ、この高度を飛んでいる
I look out the window like Goddamn, that's what I really do
窓の外を見つめて思うんだ、クソッ、これが俺の現実なんだなって
Don't know why I fear the planes, sometimes I wish to sustain
なぜ飛行機が怖いのか分からない、時々このままでいたいと願う
If I look back on it I would do it all over again
もし過去を振り返っても、俺は全く同じことを繰り返すだろうな
Nikki, Nikki, where you been? I can't wait to breathe you in
ニッキー、ニッキー、どこにいたんだ? お前を吸い込むのが待ちきれない
※長時間のフライトでタバコが吸えず、ニコチンの禁断症状に苦しんでいる様子を「会えない恋人を求める」ように表現している。
Been on this plane way too long, I can't wait to see you again
この飛行機に乗ってる時間が長すぎる、またお前に会うのが待ちきれないんだ
Oh my God this turbulence has got me sippin' on this liquor
なんてこった、この乱気流のせいで酒を飲む羽目になってる
Crazy, racist, white bitch looking at us
イカれたレイシストの白人ビッチが俺たちを見てる
Like, "Who are these niggas?"
「このニガーどもは誰なの?」って顔でな
※ツアー中にファーストクラスに乗る若いヒップホップクルーに対して、白人富裕層から向けられる偏見やレイシズムに対するストレートな批判。
First class, on they ass, all complain that's when I dash
ファーストクラスで、奴らのケツに乗っかり、文句ばかり言う、その時俺は飛び出す
Just landed in Europe and this model bitch is tryna smash
ヨーロッパに着陸したばかりで、このモデルのビッチが俺とヤろうとしてる
Now I'm riding on the train, all this shit inside my brain
今、俺は列車に乗っている、色んな思考が頭の中を巡っている
Just left a hotel in Belgium, damn them waffles was insane
ベルギーのホテルを出たところだ、クソッ、あのワッフルは最高だったな
Smoking blunts in Amsterdam
アムステルダムでブラントを吸う
※オランダのアムステルダムはマリファナの所持・消費が寛容(事実上の合法)であることで有名。
Oh my God, this is my jam
なんてこった、これは俺の大好きな曲だ
"May-December" by Mos Def
モス・デフの『May-December』さ
※Mos Def(現Yasiin Bey)の1999年のクラシックアルバム『Black on Both Sides』に収録されているインストゥルメンタル曲。ヒップホップ黄金期への深いリスペクト。
In my headphones, that's the man
ヘッドフォンから流れてる、あいつは最高だぜ
[Chorus]
I know, I know that I got it if I, do what I gotta do to get by
分かってる、生き残るためにやるべきことをやれば、俺はやれるって分かってる
And they wonder why I never get high
そして奴らは、なぜ俺がハイにならないのか不思議に思う
And they wonder why I never get high
そして奴らは、なぜ俺がハイにならないのか不思議に思う
I know, I know that I got it if I, do what I gotta do to get by
分かってる、生き残るためにやるべきことをやれば、俺はやれるって分かってる
And they wonder why I never get high
そして奴らは、なぜ俺がハイにならないのか不思議に思う
And they wonder why I never get high
そして奴らは、なぜ俺がハイにならないのか不思議に思う
※Logicのキャリア初期からのストレートエッジ(マリファナ等に依存しない)なスタンスの強調。ただし、BridgeやVerseの描写から分かるように、酒やニコチンには依存しているという人間的な矛盾も抱えている。
[Verse 3]
Okay, fuck affiliation, I'm that dude that did it on his own
よし、コネなんてクソくらえだ、俺は自力で成り上がった男さ
These thoughts inside my mind be fuckin' with me when I'm all alone
一人でいると、頭の中の思考が俺を狂わせるんだ
I really like this girl she bad as fuck, why must I run away?
この女の子が本当に好きなんだ、最高にイケてるのに、なぜ俺は逃げ出さなきゃならない?
It feel like self assassination, I can't put this gun away
まるで自己暗殺みたいだ、俺はこの銃を置くことができない
God damn, what's the plan? Not complacent where I am
クソッ、計画は何だ? 今の現状に満足しているわけじゃない
Reminiscing when I hit the road back in that mini van
あのミニバンに乗ってツアーに出た頃を思い出している
Broke as fuck, not a dollar, whipping that Chevy Impala
金なんて一ドルもなく、あのシボレー・インパラを転がしていた
Praying that we make it out this city, Lord willin', Insha'Allah
この街から抜け出せるように祈りながら、神の御心のままに、インシャアッラー
※「Insha'Allah(インシャアッラー)」はアラビア語で「アッラーが望むなら(神の御心のままに)」を意味し、ヒップホップコミュニティでもムスリムの影響から広く使われるスラング。
Up to date the couple years, now my idols are my peers
ここ数年でアップデートされ、今では俺のアイドルたちが同業者になった
I was on the road to nowhere till I decided to veer
方向を変える決断をするまで、俺はどこにも通じない道を走っていた
Put my everything into this shit, you know, I know you know this
自分のすべてをこの音楽に注ぎ込んだんだ、なあ、お前も知ってるだろ
Used to give a fuck what people thought, hoping that they would notice
昔は他人の目を気にして、みんなに気づいてほしいと願ってた
Stop giving a fuck cause music gotta be the only motive
でも気にするのはやめた、音楽だけが唯一の原動力でなきゃならないから
Mind racing on and off the track, I'm going locomotive
曲の上でも外でも思考が駆け巡る、俺は機関車のように進むんだ
※「track」には「楽曲」と「線路」のダブルミーニングがあり、列車の機関車(locomotive)の比喩に繋げた高度なパンチライン。
[Skit: Logic & Anna]
I can't believe you don't like Tarantino
君がタランティーノを好きじゃないなんて信じられないよ
Ugh, I don't like him because, like—when it's non like non-Tarantino-esque, I think it's a good movie—
うーん、好きじゃないの、だって—彼らしくない、タランティーノっぽくない作品は良い映画だと思うんだけど—
You mean like Inglourious Basterds?—I didn't see that
『イングロリアス・バスターズ』みたいな?—それは見てないわ
What?!—I didn't, I don't know—
マジか?!—見てない、知らないの—
Oh my God! Have you seen 'Pulp Fiction'?
なんてこった!『パルプ・フィクション』は見た?
Yeah, but I don't really remember it
うん、でもあまりよく覚えてないわ
What you talking about? Have you seen uh... this is funny cause we're on a train... have you seen—fuck! What's his name? The guy from the movie, in the place, on the thing?
何言ってんだよ? あれは見たか... 今、俺たち列車に乗ってるから面白いんだけど... あれは見たか—クソッ!あいつの名前何だっけ? 映画の、あの場所で、あれに乗ってた奴?
On the train? With the scenery?
列車に乗ってる? 風景が出てくる?
Uh, I'm tryna remember right now, dammit—'Source Code'!
あー、今思い出そうとしてるんだけど、クソッ—『ミッション:8ミニッツ(Source Code)』だ!
No—You haven't seen that?
いや—あれも見てないの?
No—With the dude from 'Donnie Darko'?
見てない—『ドニー・ダーコ』に出てた奴が出てるやつ?
※ジェイク・ジレンホール主演のSF映画『Source Code(ミッション:8ミニッツ)』のこと。現在彼ら自身がヨーロッパで列車に乗っている状況と、列車内を舞台とする同映画を引き合いに出している。
Who's that?—Oh my God
誰それ?—なんてこった
Well, I still wanna know what your favorite Tarantino movie is...
まあいいや、俺はまだ君の一番好きなタランティーノ映画が何なのか知りたいんだけど...
My favorite Tarantino movie—?
私の一番好きなタランティーノ映画—?
※Logicが映画オタクとしてのNerdなペルソナを見せるスキット。Anna(後の彼の妻ジェシカ・アンドレアとされる)とのプライベートで自然な会話を録音してそのまま使用している。
[Chorus]
I know, I know that I got it if I, do what I gotta do to get by
分かってる、生き残るためにやるべきことをやれば、俺はやれるって分かってる
And they wonder why I never get high
そして奴らは、なぜ俺がハイにならないのか不思議に思う
And they wonder why I never get high
そして奴らは、なぜ俺がハイにならないのか不思議に思う
I know, I know that I got it if I, do what I gotta do to get by
分かってる、生き残るためにやるべきことをやれば、俺はやれるって分かってる
And they wonder why I never get high
そして奴らは、なぜ俺がハイにならないのか不思議に思う
And they wonder why I never get high
そして奴らは、なぜ俺がハイにならないのか不思議に思う
I know, I know that I got it if I, do what I gotta do to get by
分かってる、生き残るためにやるべきことをやれば、俺はやれるって分かってる
And they wonder why I never get high
そして奴らは、なぜ俺がハイにならないのか不思議に思う
And they wonder why I never get high
そして奴らは、なぜ俺がハイにならないのか不思議に思う
[Outro: Thalia]
The original members of the Rattpack include:
ラットパックのオリジナルメンバーは以下の通りです。
C Dot Castro, Big Lenbo and Logic
C・ドット・カストロ、ビッグ・レンボ、そしてロジックです
※AIガイドのThaliaによる解説。C Dot CastroとBig Lenboは、Logicが無名時代から苦楽を共にしてきたクルー(RattPack)の初期からの親友。特にBig Lenboの実家の地下室で初期のミックステープが制作された経緯があり、ファンコミュニティにおいて最も神聖視されている初期メンツの紹介である。
