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Growing Pains III - Logic 【和訳・解説】

Artist: Logic

Album: Under Pressure

Song Title: Growing Pains III

概要

Logicのメジャーデビューアルバム『Under Pressure』(2014年)に収録された本作は、彼の過去のミックステープシリーズから続く「Growing Pains(成長痛)」の第3弾にして完結編である。前半(Verse 1)では、トラップ調の性急なビートに乗せ、メリーランド州ウェスト・ディア・パークでの過酷な少年時代——銃撃戦、福祉手当、ドラッグ、警察の捜査網——を生々しく回想する。しかし中盤のインタールードを境にビートは一転してメランコリックでドリーミーなブーンバップへと変貌し、後半(Verse 2)では、トラウマから逃れるためにテレビのホームドラマが描く「理想の家族」に空想を重ね、現実逃避する孤独な少年の内面(Sad Boyとしてのペルソナ)が痛切に描かれる。Tae Beastと6ixによる二部構成のプロダクションが見事に機能し、映画『Vanilla Sky』の引用など、彼のオタク的(Nerd)な感性とストリートの現実が交差する、アルバム屈指のストーリーテリング・トラックである。

和訳

[Skit]

Bruh, yo (Nah sayin'? It was somethin' that-)
なあ、おい(分かるか? それはなんていうか-)

Guess who I met last night, man
昨日の夜、誰に会ったと思う?

You know your land-, land chick? The fuck (Woo)
お前のところの、あの女知ってるか? クソッ (Woo)

Oh, yeah, man (Ayy dog, I don't know, man)
ああ、そうだよ(おい、俺は知らないぜ)

Now that chick bad last night (God-damn-, fat ass), bruh
昨日の夜のあの女、ヤバかったぜ(クソッ、デカいケツだったな)、なあ

She just run up on me like, "Yo" (What?)
あいつ、いきなり俺のところに駆け寄ってきて「Yo」ってさ(マジか?)

Nah mean? We talkin' and shit- (Crazy)
分かるか? 俺たち話しててさ-(ヤバいな)

We gotta-we gotta stay- (Blap-blap!)
俺たちは、ここにとどまらなきゃ-(ブラップ・ブラップ!)
※日常の他愛もない会話(ストリートの雑談)の背後で、突然銃声(Blap-blap)が響き渡るというフッドの緊張感を描写。

Oh, we heard man
ああ、聞こえたぜ

It was cool, opp (For sure), you know, got crazy, so I had to let 'em out
大丈夫だったよ、敵がな(間違いない)、狂ってきたから、弾をぶち込んでやったのさ

(Yeah, faggot-)
(ああ、クソ野郎どもめ-)

Crazy thing that I heard, the homie say he ran around the corner from here
ヤバい話を聞いたぜ、ダチが言うには、ここから角を曲がったところを走ってたって

(Is that right?) Right around the corner, nah mean? (Boy, wait-wait-wait)
(マジかよ?)すぐそこの角だ、分かるか?(おい、待て、待てよ)

(Right around the corner?) Nah mean? (It's on, it's on!)
(すぐそこの角か?)分かるか?(始まったぞ、始まった!)

Sort that new life, he should look out (I'm gon' kill a nigga tonight)
新しい人生を整理しな、あいつは気をつけるべきだ(今夜、野郎を殺してやる)

Okay (I'm like-) (I mean if-) (Shit)
分かった(俺は-)(つまりもし-)(クソッ)

If somethin' go down, man, we ready, man, ain't-
もし何か起きても、俺たちは準備できてるぜ、そう-

(Nobody-nobody) and we ready, the whole hood ready (This car creeping)
(誰も-誰も)俺たちは準備できてる、フッド全体が準備できてるぜ(あの車、ゆっくり近づいてきてるぞ)
※「creeping」はドライブバイ・シューティング(車からの銃撃)を狙って車が低速で近づいてくることを指す。

(Looks brazy-) damn, oh shit!- (Oh, shit!)
(ヤバそうだぞ-)クソッ、おい!-(クソッ!)
※「brazy」はCripsのメンバーが「crazy」の「c」を避けて「b」に置き換える(Blood由来の)スラング、または単に極度に狂っていること。

Go, go, go-! (In the roof!) go-!
行け、行け、行け!-(屋根に隠れろ!)行け!-

[Verse 1]

Uh, yeah, outside I can hear 'em bussin', bussin'
ああ、外で奴らが銃を撃ちまくってるのが聞こえる
※「bussin'」は銃を発砲すること(busting)。

And the police they rushin'
そしてサツが突入してくる

Go to my head like concussion
脳震盪みたいに頭に響くんだ

I'd rather not have this discussion
こんな話はしたくないんだがな

My mind racing for the elevation of the toxic in my blood
血中の毒素が上昇し、俺の思考は猛スピードで駆け巡る

Where my mind, don't know now
俺の心がどこにあるのか、今は分からない

But I know where it was
だが、それがどこにあったかは知っている

I need Nikki, where is Nikki?
ニッキーが必要だ、ニッキーはどこだ?
※アルバム全体を貫くモチーフ。ニコチン(タバコ)への強い依存症を「Nikki」という女性に擬人化し、ストレスから逃避するためにタバコを求めている。

Baby girl, please come and get me
ベイビーガール、お願いだ、迎えに来てくれ

Now I'm old and shit is trippy, but I know that God is with me
俺も大人になり、状況はイカれてるが、神が俺と共にあることは分かってる

This that baby mama drama
これはベイビー・ママのドラマさ
※「Baby mama drama」は未婚の母親(または別れた妻)との間の厄介なトラブルを指すスラング。

Give a fuck about a man, I know I'ma
男のことなんか知るかよ、俺は分かってる

Be there for my son, talking with my sister, it begun
自分の息子のためにそばにいるんだ、姉貴と話していると、それが始まった
※実の父親が家庭を捨てたことへの怒りと、自分は決してそうならないという決意。

End of the month, that's the worst of the month
月末、それは一ヶ月で一番最悪な時期だ

But the first of the month put the weed in the blunt
だが月初めになれば、ブラントにハッパを詰め込める
※月初めに生活保護費(Welfare check)やフードスタンプが支給されるため、一瞬だけ生活が潤う低所得層のサイクル。

That welfare check, check
あの生活保護の小切手が、小切手が

Won't ever bounce like my daddy did
俺の親父みたいに不渡り(バウンス)になることはない
※小切手が不渡りになる「bounce」と、父親が家庭から逃げ出した(bounce=立ち去る)ことを掛けた巧みなパンチライン。

But I'm glad he did 'cause it made me strong
だが、親父が逃げてくれて良かったよ、おかげで俺は強くなれたからな

Made me help somebody with this song
この曲で誰かを救えるようになれたんだ

Paint the picture of my life
俺の人生の景色を描き出す

Growing up what it was like
どんな風に育ってきたかを

Section 8, grab a plate
セクション8、皿を掴む
※「Section 8」は低所得者向けの公営住宅や家賃補助制度。

Food for thought, gravitate
思考の糧、引き寄せられる

Food stamps, Social Services tryna take me away
フードスタンプ、児童相談所が俺を連れ去ろうとする
※劣悪な家庭環境のため、ソーシャルサービス(福祉局)が介入し、親から引き離されそうになった過去。

My mama locked up, I pray to God that I see her today
母さんはムショの中だ、今日彼女に会えるように神に祈る

Maybe not, maybe so; West Deer Park, that's all I know
無理かもしれないし、会えるかもしれない、ウェスト・ディア・パーク、俺が知っているのはそれだけだ
※West Deer Parkは彼が育ったメリーランド州ゲイザースバーグの貧困地区。

Just me and my homies, people that know me
俺とダチだけ、俺を知っている奴らだけ

Only ones that know
真実を知っているのは奴らだけだ

Around my way (Around my way)
俺の周りでは(俺の周りでは)

Living day by day (Living day by day)
その日暮らしの生活さ(その日暮らしの生活さ)

Corn rows and hang time, automatics and gang signs
コーンロウにハングタイム、オートマチック銃にギャングサイン
※「Corn rows」は編み込みの髪型。「Hang time」はストリートでたむろする時間。「automatics」は自動拳銃。

Five-O with them K-9's
警察犬(K-9)を連れたサツ(Five-O)

Manhunt when it's game time
ゲームの時間になれば、犯人探しが始まる

They was robbing the ice cream man in broad day
奴らは白昼堂々、アイスクリーム屋を強盗してた

Now I'm running from the police
今、俺はサツから逃げている

Don't know how, but I got away
どうやったかは分からないが、逃げ切ったんだ

Selling weed to my homies
ダチにハッパを売る

And a girl in the building that know me
俺を知ってる同じビルの女の子にもな

At 15, such a fiend, for the shit, that I seen
15歳で、俺が見てきたクソみたいな世界に完全に狂っちまってた

All my homies smoking green, fucking bitches, sipping lean
ダチはみんなハッパを吸って、ビッチをヤッて、リーンをすすってた
※「lean」はコデイン入りの咳止めシロップをスプライト等で割ったドラッグ。

It was king, it was cool, seemed like something I should do
それが王道で、クールで、俺もそうすべきだと思えたんだ

Such a youngin', such a fool
ただのガキで、本当に馬鹿だったよ

Now I'm breaking into school
今じゃ俺は学校に忍び込んでいる

'Cause my homie told me to
ダチにやれって言われたからな

What to do, what would you?
どうすればいい? お前ならどうする?

When will I lose my anonymity
俺はいつ、無名であることを失い

And become one with the enemy?
敵と一つになってしまうのだろう?
※ストリートの環境に同化し、自分が恐れていた「犯罪者(敵)」そのものになってしまうことへの恐怖。

Tell me, would I be the enemy?
教えてくれ、俺は敵になってしまうのか?

Feel like nobody in front of me
目の前には誰もいないように感じる

I can feel the vibe
俺はそのヴァイブスを感じるんだ

[Interlude]

Bobby, what are you thinking?
ボビー、何を考えてるの?

What are you dreaming about?
どんな夢を見ているの?

Bobby, what's inside?
ボビー、心の中には何があるの?

What are you thinking right now?
今、何を考えているの?

What are you thinking?
何を考えてるの?

Go to sleep
眠りなさい
※このインタールードを境に、現実の過酷なストリートから、少年の内面(夢・空想)へと舞台が切り替わる。

[Verse 2]

I guess maybe I was thinking things would be different now
たぶん俺は、今は状況が違っているんじゃないかと考えていたんだと思う

'Cause when I wake up, my dreams fade
だって目を覚ませば、俺の夢は消え去ってしまうから

Everything cascade
すべてが崩れ落ちていく

In this vanilla sky, I feel like David Aames
このバニラ・スカイの中で、俺はまるでデヴィッド・エイムズになった気分だ
※トム・クルーズ主演の映画『Vanilla Sky』(2001年)の主人公デヴィッド・エイムズの引用。彼は現実の苦痛から逃れるため、明晰夢(ルシッド・ドリーム)のプログラムの中で永遠に生きようとする。Logicもまた、過酷な現実から夢の世界へ逃避したいというメタファー。

Why must I open my eyes?
なぜ俺は目を開けなきゃならないんだ?

I wish I could stay asleep forever
このまま永遠に眠り続けられたらいいのに

Attain every goal I wanted and watch it repeat forever
望む目標をすべて達成し、それが永遠に繰り返されるのを眺めていたい

Will it happen? Maybe never
そんなことが起きるか? たぶん決してないだろうな

Maybe so, I got to know—but tell me why, uh
そうかもしれない、知る必要があるんだ—だが教えてくれ、なぜ

I picture myself at the top but I know that I'm dreaming
自分が頂点にいる姿を思い描くが、それが夢だということは分かってる

Will I wake up before I finally confront all my demons?
俺は自分の中のすべての悪魔と直面する前に、目を覚ましてしまうのか?

Maybe not—All I know is this life I live
たぶん違う—俺が知っているのは、俺が生きているこの人生だけだ

I can't live it no longer
もうこれ以上は生きられない

Wish I was stronger, wish that I could survive
俺がもっと強ければよかったのに、生き残ることができればよかったのに

Turn on the TV, let it wash my brain
テレビをつけ、脳を洗脳させるんだ

Pretend that family's my family to avoid the pain
苦痛を避けるため、テレビの中の家族が自分の家族だと信じ込むのさ
※アルコールやドラッグ中毒の親、暴力にまみれた家庭から逃れるため、テレビのホームドラマが描く「完璧な家族」を自分の家族だと思い込むことで精神を保っていた少年の悲痛な現実逃避。

Hello children, how was school?
おかえり子供たち、学校はどうだった?

It was good, how 'bout you?
良かったよ、そっちはどう?

I love you (I love you, son), I love mama too
愛してるよ(愛してるよ、息子よ)、ママのことも愛してるわ

Are you ready for dinner?
夕食の準備はできてる?

I'm able to set the table
俺、テーブルの準備できるよ

'Til I snap out the fable when that TV turn off
テレビが消え、その作り話(おとぎ話)から我に返るまでな

And I realize I'm back in hell
そして俺は、自分が地獄(現実)に戻ってきたことに気づくんだ

(Bobby...)
(ボビー...)

[Outro: Thalia]

Logic has recorded 1700 songs in the span of his
ロジックはMCとしての10年間で

10 years as an MC. However, only just over
1700曲もの楽曲をレコーディングしてきました。しかし、その中で公にリリースされたのは

150 have been released to the public...
わずか150曲余りにすぎません...
※AIガイドのThaliaによる解説。過酷な環境から抜け出すため、彼がいかに常軌を逸した仕事量(ワークエシック)で音楽制作に没頭し、その大半を世に出さずにスキルを磨き続けてきたかという、プロップスを高める事実を提示している。