Artist: The Weeknd (feat. Nicki Minaj)
Album: Beauty Behind the Madness (Japan Exclusive)
Song Title: The Hills (Nicki Minaj Remix)
概要
本作「The Hills (Nicki Minaj Remix)」は、The Weekndが2015年に発表し全米チャート首位を獲得したメガヒット曲に、女性ラッパーの最高峰であるNicki Minaj(ニッキー・ミナージュ)を客演に迎えたオフィシャル・リミックスである。日本盤『Beauty Behind the Madness』のボーナストラックなどにも収録された。原曲が描く「ハリウッド・ヒルズでの秘密の情事」や「薬物依存による虚無感」というThe Weeknd特有のダークな世界観に対し、Nicki Minajは関係を持つ女性側の視点から、極めてセクシャルで主導権を握るヴァースを提供している。彼女自身の肉体的な魅力を「コカイン」に例えることで、原曲のドラッグのテーマを見事に肉体関係のメタファーへと昇華させている。当時のアメリカ政権を引用した「あなたが大統領で、私がバイデン」というパンチラインを含め、男女の支配と服従、そして狂気に満ちた危険な愛をR&Bとヒップホップのトップスター同士がぶつけ合った名リミックスである。
和訳
[Intro: Nicki Minaj]
Mmm
Mmm
Mmm
[Verse 1: Nicki Minaj]
Remember that time I showed up
あの時のこと覚えてる? 私が姿を現した時のこと
With just panties under my coat?
コートの下はパンティーしか穿いてなかったでしょ
High heels, they was knee high
ハイヒールは膝までの長さで
And my legs was grippin' that throat
私の脚がその喉を強く締め付けてた
You told me this and I quote
あなたは私にこう言ったわ、そのまま引用してあげる
'Cause we popped pills and you smoked
だって私たちはクスリを飲んで、あなたはハッパを吸ってたから
You said, "Your stuff got me strung out
あなたは言ったの、「君のモノのせいで俺は完全にイカれちまった
It's like doin' lines of some coke"
まるでコカインのラインを吸ってるみたいだ」って
※The Weekndの楽曲における「コカインの過剰摂取」というテーマを、Nickiが「自分の肉体が与える快楽の依存性」へと反転させた見事なリファレンス。
You always say it's the best
あなたはいつも言うわよね、最高だって
That you ever had in your life
人生で味わった中で一番だって
And you always play with it good
そしてあなたはいつも上手くイジってくれる
When we be speedin' off in that Wraith
あのレイスで猛スピードを出して走り去る時もね
※「Wraith」は超高級車ロールス・ロイス・レイスのこと。富と成功を誇示するヒップホップ特有のフレックス。
Just keep coppin' them things
だからこれからもあれを買い続けなさいよ
That you be coppin' me on the eighth
あなたが毎月8日に私に買ってくれるあれをね
※「on the eighth」は毎月8日の記念日という意味に加えて、マリファナの「1/8オンス(eighth)」を買う(coppin')ことと掛けたストリート・スラングのダブルミーニングであると解釈されている。
You the president and I'm Biden
あなたは大統領で、私はバイデンよ
Just slide in cause you safe, nigga, third base
安全なんだからただ滑り込んで、サードベースよ
※2015年当時のオバマ大統領とジョー・バイデン副大統領の強固なパートナーシップを引用。さらに「slide in(滑り込む・挿入する)」と「third base(三塁・セックスの隠語)」という野球用語を掛け合わせた、Nicki Minajらしい高度なワードプレイ。
[Chorus: The Weeknd]
I only call you when it's half past five
俺がお前に電話するのは、決まって5時半の時だけだ
The only time that I'll be by your side
俺がお前のそばにいるのは、その時間だけ
I only love it when you touch me, not feel me
俺に触れてくれる時だけがいい、心を感じようとするのはごめんだ
When I'm fucked up, that's the real me
クスリでぶっ飛んでる時、それこそが本当の俺なんだ
※シラフで大衆の前にいるポップスターとしての自分が「偽物」であり、ドラッグに溺れた破滅的な状態こそが彼自身の「リアル」であるという絶望的な告白。
When I'm fucked up, that's the real me, yeah
クスリでぶっ飛んでる時、それこそが本当の俺なんだ、yeah
I only call you when it's half past five
俺がお前に電話するのは、決まって5時半の時だけだ
The only time I'd ever call you mine
俺がお前を「俺のもの」と呼ぶのは、その時間だけ
I only love it when you touch me, not feel me
俺に触れてくれる時だけがいい、心を感じようとするのはごめんだ
When I'm fucked up, that's the real me
クスリでぶっ飛んでる時、それこそが本当の俺なんだ
When I'm fucked up, that's the real me, babe
クスリでぶっ飛んでる時、それこそが本当の俺なんだ、ベイビー
[Verse 2: The Weeknd]
I'ma let you know and keep it simple
お前に教えてやる、シンプルに言うぜ
Tryna keep it up don't seem so simple
勢いを保ち続けるのは、そう簡単じゃないみたいだがな
I just fucked two bitches 'fore I saw you
お前に会う前に、ビッチ2人とヤってきたところだ
And you gon' have to do it at my tempo
だからお前は、俺のテンポに合わせなきゃならないぜ
Always tryna send me off to rehab
みんな俺をリハビリ施設に送り込もうと必死だ
Drugs started feelin' like it's decaf
ドラッグがまるでデカフェみたいに感じられてきたよ
※「decaf(カフェインレス・コーヒー)」。ドラッグの耐性が異常なレベルまで達しており、強いクスリを打っても全く効かなくなっているという、末期的な依存症状の恐ろしいメタファー。
I'm just tryna live life for the moment
俺はただ、この瞬間のためだけに人生を生きたいんだ
And all these motherfuckers want a relapse
なのに周りのクソ野郎どもは、俺がまた堕ちていくのを望んでる
※「relapse」は依存症の再発。大衆やメディアは彼の破滅的なライフスタイルやスキャンダルをエンターテインメントとして消費したがっているという、名声に対する痛烈な社会風刺。
[Chorus: The Weeknd]
I only call you when it's half past five
俺がお前に電話するのは、決まって5時半の時だけだ
The only time that I'll be by your side
俺がお前のそばにいるのは、その時間だけ
I only love it when you touch me, not feel me
俺に触れてくれる時だけがいい、心を感じようとするのはごめんだ
When I'm fucked up, that's the real me
クスリでぶっ飛んでる時、それこそが本当の俺なんだ
When I'm fucked up, that's the real me, yeah
クスリでぶっ飛んでる時、それこそが本当の俺なんだ、yeah
I only call you when it's half past five
俺がお前に電話するのは、決まって5時半の時だけだ
The only time I'd ever call you mine
俺がお前を「俺のもの」と呼ぶのは、その時間だけ
I only love it when you touch me, not feel me
俺に触れてくれる時だけがいい、心を感じようとするのはごめんだ
When I'm fucked up, that's the real me
クスリでぶっ飛んでる時、それこそが本当の俺なんだ
When I'm fucked up, that's the real me, babe
クスリでぶっ飛んでる時、それこそが本当の俺なんだ、ベイビー
[Bridge: The Weeknd]
Hills have eyes, the hills have eyes
丘には目がある、この丘には目があるんだ
※1977年のホラー映画『The Hills Have Eyes(邦題:サランドラ)』の引用であり、同時にセレブの住むハリウッド・ヒルズ(高級住宅街)には常にパパラッチや世間の監視の「目」が光っているというパラノイアの表現。
Who are you to judge, who are you to judge?
お前らに俺を裁く権利なんてあるのか、俺を裁く権利なんてあるのか?
Hide your lies, girl, hide your lies
嘘を隠せ、ガール、嘘を隠すんだ
Only you to trust, only you
信じられるのはお前だけだ、お前だけなんだ
[Chorus: The Weeknd]
I only call you when it's half past five
俺がお前に電話するのは、決まって5時半の時だけだ
The only time that I'll be by your side
俺がお前のそばにいるのは、その時間だけ
I only love it when you touch me, not feel me
俺に触れてくれる時だけがいい、心を感じようとするのはごめんだ
When I'm fucked up, that's the real me
クスリでぶっ飛んでる時、それこそが本当の俺なんだ
When I'm fucked up, that's the real me, yeah
クスリでぶっ飛んでる時、それこそが本当の俺なんだ、yeah
I only call you when it's half past five
俺がお前に電話するのは、決まって5時半の時だけだ
The only time I'd ever call you mine
俺がお前を「俺のもの」と呼ぶのは、その時間だけ
I only love it when you touch me, not feel me
俺に触れてくれる時だけがいい、心を感じようとするのはごめんだ
When I'm fucked up, that's the real me
クスリでぶっ飛んでる時、それこそが本当の俺なんだ
When I'm fucked up, that's the real me, babe
クスリでぶっ飛んでる時、それこそが本当の俺なんだ、ベイビー
[Outro: The Weeknd]
Ewedihalehu
愛してる
Yene konjo, ewedihalehu
俺の美しい人、愛してる
Yene fikir, fikir, fikir, fikir
俺の愛しい人、愛しい人、愛しい人、愛しい人
Yene fikir, fikir, fikir, fikir
俺の愛しい人、愛しい人、愛しい人、愛しい人
※The Weekndの両親の母国であるエチオピアの公用語「アムハラ語」による女性のボーカルサンプル。楽曲全体に漂う女性への非情で冷酷な態度とは裏腹に、アウトロでは自身のルーツである言語で純粋な「愛している」という言葉を連呼させている。彼の内奥に隠された愛への渇望と、ハリウッドという虚飾の街で失われていく純粋さを対比させた、極めてエモーショナルなイースターエッグである。
