Artist: The Weeknd
Album: Kiss Land
Song Title: Tears In The Rain
概要
本作「Tears In The Rain」は、2013年にリリースされたThe Weekndのデビュー・スタジオアルバム『Kiss Land』のフィナーレを飾る、悲壮感とカタルシスに満ちた大作である。タイトルの「Tears In The Rain(雨の中の涙)」は、SF映画の金字塔『ブレードランナー』(1982年)の終盤で、レプリカントのロイ・バッティが死の直前に放つ映画史に残る名台詞(「すべての思い出は時と共に失われる、雨の中の涙のように」)からの直接的な引用である。サイバーパンクの美学が貫かれた本アルバムのラストにこのテーマを持ってくることで、The Weekndは「名声(Fame)と引き換えに真実の愛を失い、すべての純粋な記憶が雨の中に消え去っていく」という自身の孤独と絶望を見事に表現している。長年のコラボレーターであるIllangeloがプロデュースに参加しており、彼がアンダーグラウンドの暗闇からメインストリームの華やかな、しかし極度に冷たい世界へと適応していく過程で抱いた「二度と愛を信じられない」という虚無感が、エモーショナルなボーカルと共に壮大に歌い上げられている。
和訳
[Chorus]
They all feel the same
女たちはみんな同じように感じる
Adjust to the fame
名声に適応するんだ
'Cause no one will love you like her
あいつみたいにお前を愛してくれる女はもういないのだから
※かつての純粋な恋人を失った今、どれだけ多くの女性と関係を持ってもすべてが無機質で同じにしか感じられないという虚無感。名声に伴って寄ってくる女性たちへの冷笑でもある。
It's pointless
無意味なんだ
Like tears in the rain
雨の中の涙のようにな
※前述の『ブレードランナー』へのオマージュ。どれほど美しい愛の記憶も、名声という巨大な嵐(雨)の中に飲み込まれ、誰にも気付かれないまま消え去ってしまうという詩的な比喩。
So now that she's gone
だから彼女が去ってしまった今
Embrace all that comes
やってくるものすべてを受け入れろ
And die with a smile
そして笑顔で死んでいけ
Don't show the world how alone you've become
お前がどれほど孤独になったか、世界に見せるな
※The Weekndのペルソナの中核をなすライン。内面がどれほど壊れて孤独であっても、世間に対しては享楽的で冷徹なスターとして振る舞い続けるという、悲しき覚悟の表れ。
They all feel the same
女たちはみんな同じように感じる
Adjust to the fame
名声に適応するんだ
'Cause no one will love you like her
あいつみたいにお前を愛してくれる女はもういないのだから
It's pointless
無意味なんだ
Like tears in the rain (Like tears in the rain, hmm)
雨の中の涙のようにな(雨の中の涙のように、hmm)
[Verse 1]
When it's said and done, I already felt love
結局のところ、俺はすでに愛を感じていたんだ
And I let it end up, end up dying by itself
なのに俺はそれを終わらせた、自然に死んでいくがままにした
And when it's said and done, you were better off
そして結局のところ、お前は離れて正解だった
You deserve real love and I deserve to be by myself
お前は本物の愛にふさわしいし、俺は一人でいるのがふさわしいんだ
※アルバム序盤の「Adaptation」などで語られていた、「名声のために運命の女性を手放した」という後悔への最終的な結論。
'Cause I've gone too far
俺は遠くまで来すぎたから
And I started too young to give up
それに、諦めるにはあまりに若すぎる時から始めすぎたんだ
And even if I changed, it would be too late
たとえ俺が変わったとしても、もう遅すぎる
I exposed my ways, now every girl I touch
俺は自分の本性をさらけ出してしまった、今では俺が触れるすべての女が
[Chorus]
They all feel the same (Mmh)
みんな同じように感じる (Mmh)
Adjust to the fame (Ooh)
名声に適応するんだ (Ooh)
'Cause no one will love you like her
あいつみたいにお前を愛してくれる女はもういないのだから
It's pointless
無意味なんだ
Like tears in the rain (Like tears in the rain)
雨の中の涙のようにな(雨の中の涙のように)
So now that she's gone (Oh, no)
だから彼女が去ってしまった今 (Oh, no)
Embrace all that comes (Embrace all that comes)
やってくるものすべてを受け入れろ(やってくるものすべてを受け入れろ)
And die with a smile
そして笑顔で死んでいけ
Don't show the world how alone you've become (Alone you've become)
お前がどれほど孤独になったか、世界に見せるな(孤独になったか)
They all feel the same
女たちはみんな同じように感じる
[Verse 2]
I should've let you leave
俺はお前を去らせるべきだった
But I let you watch me slip away
だが俺は、自分が転落していくのをお前に見せつけた
I could've set you free
お前を自由にしてやることもできた
But I'm selfish, I watched you stay, oh, babe
でも俺は利己的だから、お前がとどまるのを見ていたんだ、oh, babe
※自分が堕落していく(ドラッグや名声の闇に呑まれていく)姿を見せながらも、彼女を解放せず自分のそばに縛り付けていたという深い罪悪感。
[Bridge]
She has no recollection
彼女には記憶がない
Of the life she had without me
俺がいなかった頃の人生の
She let it slip away, away, away
彼女はそれを滑り落ちていくがままにした
※彼と関わったことで、彼女の過去の純粋な自分自身や、普通の幸せな人生の記憶がすべて失われてしまったことを示している。
So sad it had to be this
こんな結末になるなんて悲しすぎる
She forgot the good things about me
彼女は俺の良かったところを忘れてしまった
She let it slip away, away, away
彼女はそれを滑り落ちていくがままにした
She has no recollection
彼女には記憶がない
Of the life she had without me
俺がいなかった頃の人生の
She let it slip away, away, away
彼女はそれを滑り落ちていくがままにした
So sad it had to be this
こんな結末になるなんて悲しすぎる
She forgot the good things about me
彼女は俺の良かったところを忘れてしまった
She let it slip away, away, away
彼女はそれを滑り落ちていくがままにした
[Chorus]
They all feel the same (Ooh)
女たちはみんな同じように感じる (Ooh)
Adjust to the fame (Adjust to the fame, baby)
名声に適応するんだ(名声に適応するんだ、ベイビー)
'Cause no one will love you like her (No one could love me)
あいつみたいにお前を愛してくれる女はもういないのだから(誰も俺を愛してはくれない)
It's pointless (No one's gonna love me)
無意味なんだ(誰も俺を愛してなんかくれない)
Like tears in the rain (No one can love me no more, ooh)
雨の中の涙のようにな(もう誰も俺を愛することはできない、ooh)
So now that she's gone (Oh, now that she's gone, baby)
だから彼女が去ってしまった今(Oh、彼女が去ってしまった今、ベイビー)
Embrace all that comes (Oh, embrace all that comes)
やってくるものすべてを受け入れろ(Oh、やってくるものすべてを受け入れろ)
And die with a smile
そして笑顔で死んでいけ
Don't show the world how alone you've become (I'm not gonna show the world, oh, how alone I've become, oh)
お前がどれほど孤独になったか、世界に見せるな(世界には見せないさ、oh、自分がどれほど孤独になったかなんて、oh)
They all feel the same (Ooh, ooh, baby, ooh, baby)
女たちはみんな同じように感じる (Ooh, ooh, baby, ooh, baby)
Adjust to the fame (Ohh, adjust to the fame, I ain't tryin' to be alone, baby)
名声に適応するんだ(Ohh、名声に適応するんだ、俺は一人になろうとしてるわけじゃないんだ、ベイビー)
'Cause no one will love you like her (No one's gonna love you no more)
あいつみたいにお前を愛してくれる女はもういないのだから(もう誰も愛してなんかくれない)
It's pointless
無意味なんだ
Like tears in the rain (Ooh, ooh, ooh)
雨の中の涙のようにな (Ooh, ooh, ooh)
So now that she's gone (Ooh, baby, no one's gonna love me no more)
だから彼女が去ってしまった今(Ooh、ベイビー、もう誰も俺を愛してなんかくれない)
Embrace all that comes (Oh, baby girl, don't tell him where you put the phone, babe, ooh)
やってくるものすべてを受け入れろ(Oh、ベイビーガール、電話をどこに置いたかあいつには教えるなよ、babe, ooh)
※ファンの間では、この「電話を教えるな」というアドリブは、現在の恋人に対して他の男の影を気にするThe Weekndの未練と嫉妬心が、ふと漏れ出してしまった瞬間として解釈されている。
And die with a smile
そして笑顔で死んでいけ
Don't show the world how alone you've become (No one's gonna love me, babe, no, woah)
お前がどれほど孤独になったか、世界に見せるな(誰も俺を愛してなんかくれないんだ、babe, no, woah)
[Outro]
She has no recollection
彼女には記憶がない
Of the life she had without me
俺がいなかった頃の人生の
She let it slip away, away, away
彼女はそれを滑り落ちていくがままにした
So sad it had to be this
こんな結末になるなんて悲しすぎる
She forgot the good things about me
彼女は俺の良かったところを忘れてしまった
She let it slip away, away, away
彼女はそれを滑り落ちていくがままにした
※アルバムの最後にループされるこのフレーズは、彼が失った純粋さや過去の愛が、文字通り「雨の中の涙」のように永遠に流れ去ってしまったことを強調し、『Kiss Land』という悪夢のような旅を孤独のうちに締めくくっている。
