Artist: The Weeknd
Album: Kiss Land
Song Title: Pretty
概要
本作「Pretty」は、The Weekndのデビューアルバム『Kiss Land』(2013年)に収録された、愛情と殺意が表裏一体となった狂気に満ちたR&Bナンバーである。長期間に及ぶ過酷なワールドツアー(365日)を経て、自分の留守中に恋人が他の男と関係を持ったことを知りながらも、彼女の元へ帰ろうとする男の歪んだ独占欲と冷酷なペルソナが描かれている。ミュージックビデオでは、The Weeknd自身が浮気した彼女とその相手を無表情で銃殺する衝撃的なストーリーが展開されており、歌詞の「俺がそこに着いた時、お前が一番美しい」というフレーズが、「最も美しい死体にする」というサイコパス的なダブルミーニングであることが示唆されている。随所に散りばめられた日本のカルチャーからの影響や、アウトロで不気味に語られるフランス語のポエトリーリーディングなど、アルバム全体に通底する映画的でダークな美学が凝縮された、彼のディスコグラフィの中でも極めて特異で恐ろしい名曲である。
和訳
[Verse 1]
Somebody told me it was pointless for me to come back
誰かが俺に言った、戻るなんて無意味だって
Into your arms
お前の腕の中に
Said you fucked another man
お前が他の男とヤッたってな
Finally, I knew this day would come
ついにこの日が来るとは分かってたさ
Woah, oh-oh
Woah, oh-oh
'Cause I see fear in your eyes
だってお前の瞳に恐怖が見えるから
You've been living out your life
お前はお前の人生を生きてきたんだな
As long as you know that when I land, you're mine
俺が飛行機を降りた時、お前が俺のものだと分かっている限りはな
※「when I land(飛行機が着陸した時)」。ツアー先から帰還し、彼女の元へ制裁に向かう不気味な足音を感じさせるライン。
It's been exactly 365 since I've seen your face
お前の顔を見てから、ちょうど365日が経った
I've been livin' on the road
俺はずっとツアー生活だった
And you've been livin' all alone at home
そしてお前はずっと家で一人きりで生きてきた
Girl, I hope, he made you satisfied (Kimochi)
なぁ、あいつがお前を満足させてくれたことを願うよ(気持ちいい)
※バックで唐突にサンプリングされる日本語の「気持ちいい」という声。彼女と浮気相手の情事を皮肉っぽく脳内再生している生々しさと、『Kiss Land』期特有の日本カルチャーへの傾倒を示すイースターエッグである。
Well, baby, I won't cry
まぁ、ベイビー、俺は泣いたりしないさ
As long as you know that when I land, you're mine
俺が飛行機を降りた時、お前が俺のものだと分かっている限りはな
[Chorus]
And you will never feel so pretty
お前がこれほど自分が可愛いと感じることは二度とない
And you will never feel this beautiful
お前がこれほど自分が美しいと感じることは二度とない
When I make it there
俺がそこに着いた時にはな
Oh, when I make it there
Oh、俺がそこに着いた時にはな
※他の男ではなく「俺に抱かれている時こそがお前を一番美しくさせる」という傲慢な自己愛。しかし前述の通り、これは彼女を殺害して「美しい死体」にするという猟奇的な予告でもあり、The Weekndの狂気的なペルソナが炸裂している。
[Verse 2]
There are certain things that I've come to understand
俺が理解するようになった確かなことがある
Expectations can kill a simple man, simple woman, woah
期待ってやつは、ありふれた男や女を殺してしまうんだ、woah
I try to master the art of that far away love
俺は遠く離れた愛の術を極めようとした
But only so much can keep a woman warm
でも、女を温め続けられることには限界がある
Now it's times like this that I say to myself
こんな時に、俺は自分自身に言い聞かせるんだ
We've been livin' in a cold, cold world, cold world
俺たちは冷たい、冷たい世界を生きてきたんだって
But at least I have you to rely
でも少なくとも、俺には頼れるお前がいる
Even if for a short time
たとえほんの短い時間だったとしても
As long as you know that when I land, you're mine
俺が飛行機を降りた時、お前が俺のものだと分かっている限りはな
[Chorus]
And you will never feel so pretty
お前がこれほど自分が可愛いと感じることは二度とない
And you will never feel this beautiful
お前がこれほど自分が美しいと感じることは二度とない
When I make it there
俺がそこに着いた時にはな
Oh, when I make it there
Oh、俺がそこに着いた時にはな
And he can't make you feel this pretty
あいつはお前をこれほど可愛いと感じさせることはできない
No, he won't make you feel this beautiful
あぁ、あいつはお前をこれほど美しいと感じさせることはない
When I make it there
俺がそこに着いた時にはな
Oh, when I make it there
Oh、俺がそこに着いた時にはな
[Breakdown]
[Chorus]
And you will never feel so pretty
お前がこれほど自分が可愛いと感じることは二度とない
And you will never feel this beautiful
お前がこれほど自分が美しいと感じることは二度とない
When I make it there
俺がそこに着いた時にはな
Oh, when I make it there
Oh、俺がそこに着いた時にはな
And he can't make you feel this pretty
あいつはお前をこれほど可愛いと感じさせることはできない
No, he won't make you feel this beautiful
あぁ、あいつはお前をこれほど美しいと感じさせることはない
When I make it there
俺がそこに着いた時にはな
Oh, when I make it there
Oh、俺がそこに着いた時にはな
And you will never feel so pretty
お前がこれほど自分が可愛いと感じることは二度とない
And you will never feel this beautiful
お前がこれほど自分が美しいと感じることは二度とない
When I make it there
俺がそこに着いた時にはな
Oh, when I make it there
Oh、俺がそこに着いた時にはな
And he can't make you feel this pretty
あいつはお前をこれほど可愛いと感じさせることはできない
No, he won't make you feel this beautiful
あぁ、あいつはお前をこれほど美しいと感じさせることはない
When I make it there
俺がそこに着いた時にはな
Oh, when I make it there
Oh、俺がそこに着いた時にはな
[Outro]
Quand une putain de colombe blanche chante sa chanson
一羽のいまいましい白い鳩が歌う時
C'est tout ce qu'on entend
聞こえるのはそれだけだ
Les jours se défilent comme de la ficelle dans le vent
日々は風に吹かれる糸のように過ぎ去っていく
Embobiné dans ma toile, je les dévoile à nouveau
俺の蜘蛛の巣に巻き込まれ、俺はそれを再び解き明かす
10 ans mon ami, que rien d'autre ne compte
10年だよ、友よ、他に大切なことなんて何もなかった
Elle n'était qu'une gamine à ce moment
あの時の彼女はただの子供だった
Souffrant d'un cœur brisé, une douleur très profonde
心を砕かれ、ひどく深い痛みに苦しんでいた
C'est là où je l'ai aperçue, seule, prête à entamer ses 17 ans
俺が彼女を見つけたのはその時だった、孤独で、もうすぐ17歳になろうとしていた彼女を
※アウトロに挿入されるフランス語のポエトリーリーディング。カナダのモントリオール出身等でフランス語に明るい背景を持つThe Weekndのカルチャーが反映されている。ファンの間では、彼がインディーズ時代から持ち続けている「心の壊れた少女を自身のダークな世界(蜘蛛の巣)に引きずり込む」というゴシックな物語の裏設定として考察されており、次曲にしてアルバムの終幕である「Tears In The Rain」へのシネマティックな導入部として機能している。
